悪役令嬢は隣国の王太子に溺愛される(ラノベ・漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『悪役令嬢は隣国の王太子に溺愛される』とは、ぷにちゃんによるライトノベルおよび、それを原作とした漫画作品。2016年3月より「小説家になろう」にて連載が開始され、2016年よりビーズログ文庫から書籍版の刊行が開始された。2017年にはコミカライズされている。乙女ゲームの悪役令嬢に転生した主人公が、婚約者から断罪されるイベントの最中、隣国の王太子に求婚されるところから始まる物語。不幸のどん底に落ちるはずだった悪役令嬢が、イケメン王子に溺愛されて幸せになっていくという王道の展開が見所の作品である。

『悪役令嬢は隣国の王太子に溺愛される』の概要

『悪役令嬢は隣国の王太子に溺愛される(あくやくれいじょうはりんごくのおうたいしにできあいされる)』とは、ぷにちゃんによるライトノベルおよび、それを原作とした漫画作品。2016年3月よりウェブ小説サイト「小説家になろう」にて連載が開始され、2016年よりビーズログ文庫から書籍版の刊行が開始された。イラストを担当しているのは、成瀬あけの。2017年には、ほしなによるコミカライズの連載が開始されている。
物語の舞台となるのは、乙女ゲーム「ラピスラズリの指輪」の世界。主人公は、自分がゲーム世界の悪役令嬢、ティアラローズ・ラピス・クラメンティールに転生していることに気づく。彼女が前世の記憶を取り戻したのは、悪役令嬢として断罪される直前のこと。どうすることもできず断罪イベントを迎え、国外追放を申し渡されたティアラローズは、何故かその場で隣国の王太子であるアクアスティード・マリンフォレストに求婚される。
本作は、ティアラローズがアクアスティードに溺愛されて幸せになっていく甘々な展開が見どころの作品。魔法や妖精が関わるファンタジーな世界観も魅力的で、多くの女性ファンから高い人気を得ている。

『悪役令嬢は隣国の王太子に溺愛される』のあらすじ・ストーリー

アクアスティードからの求婚

前世のことを思い出し、ここがゲームの世界であることに気付いたティアラローズ

主人公は、ラピスラズリ王国の侯爵令嬢であるティアラローズ・ラピス・クラメンティール。ある日ティアラローズは、自分が前世でハマっていた乙女ゲーム「ラピスラズリの指輪」の悪役令嬢に転生していたことに気づいた。ゲームの世界でティアラローズは、王立ラピスラズリ学園の卒業パーティーの日に断罪される運命にある。ティアラローズが前世の記憶を思い出したのは、卒業パーティーの前日。もはや断罪イベントは回避不可能だ。このままいけばティアラローズは婚約者であるラピスラズリ王国の王太子、ハルトナイツ・ラピスラズリ・ラクトムートに断罪され、国外追放される。そしてハルトナイツは、ゲームのヒロインであるアカリ・ティトレイットと結ばれるのだ。悪役令嬢とはいえ、ティアラローズはアカリやハルトナイツにひどいことをしたわけではない。それでも、ゲームの世界であればそのシナリオ通りに事が進むはずだ。運命を受け入れたティアラローズは、卒業パーティーに出席する。
予定通り、パーティーで断罪イベントが始まった。ハルトナイツは一方的にティアラローズを責め立てる。そこに割って入ったのは、留学でラピスラズリ王国に滞在していた隣国マリンフォレスト王国の王太子、アクアスティード・マリンフォレストだった。アクアスティードは、ティアラローズがプレイできなかった「ラピスラズリの指輪」の続編に登場するメインキャラクター。予想外の人物の登場に困惑するティアラローズに、アクアスティードは「ハルトナイツ王子との婚約が破棄されたのなら自分の妃になってほしい」と告げる。
アクアスティードのおかげで、ティアラローズは国外追放を免れた。むしろこの件で責められたのは、勝手な言い分でティアラローズを断罪しようとしたハルトナイツとアカリだ。ハルトナイツは王位継承権を剥奪され、アカリは軟禁される。一方、バッドエンドを迎えるはずだったティアラローズはアクアスティードと婚約することになった。ティアラローズと同じ転生者であり、アクアスティードが一番お気に入りのキャラだったというアカリは婚約話を潰そうとするが、最後にはティアラローズとアクアスティードの婚約を祝福する。

マリンフォレスト王国での花嫁修業

正式にアクアスティードと婚約したティアラローズは、1年間マリンフォレスト王国で花嫁修業をすることになった。アクアスティードと共にマリンフォレストへと入国したティアラローズは、早速「ラピスラズリの指輪」の続編に登場するヒロイン、アイシラ・パールラントに遭遇する。ゲームの強制力が働いて、アイシラにアクアスティードを取られてしまうかもしれない。そう思い恐怖を覚えたティアラローズは、アクアスティードとアイシラを置いてその場から逃げてしまった。逃げた先で、ティアラローズは森の妖精と出会い、彼らからの祝福を受ける。人間を好まない森の妖精の珍しい祝福は、ティアラローズの心を勇気づけてくれた。
マリンフォレストでの毎日は忙しいものだった。ティアラローズは花嫁修業をこなしながら、アイシラと交流したり、森の妖精王キースと出会ったりする。そんな日々を過ごす中でティアラローズは、アイシラが今はアクアスティードに恋心を抱いていないことを知った。しかし、アイシラはアクアスティードの執務をよく手伝っている。彼女がこれからアクアスティードに恋をする可能性は十分にあった。アクアスティードとアイシラの距離の近さ、そして時折感じるゲームの強制力に、ティアラローズの不安は募っていく。一方アクアスティードも、ティアラローズを気に入ったらしいキースの行動に焦燥感を募らせていた。悩みを抱えながらも2人は互いを想い合いながら日々を過ごし、ティアラローズの花嫁修業の1年間はあっという間に過ぎる。

ティアラローズとアクアスティードの結婚式

花嫁修業期間を終えたティアラローズは、アクアスティードと共に一度ラピスラズリ王国へ戻り、お披露目式を行った。その後、再びマリンフォレストへと帰国。正式な結婚式の準備で多忙な日々を送り、やがて結婚式前日を迎える。ようやくアクアスティードの妻になれるのだと胸をときめかせるティアラローズ。そんな彼女のもとに、アイシラがやってきた。結婚式前日にヒロインと顔を合わせることに不安を覚えながらも、アイシラを招き入れたティアラローズ。するとそこに、なぜかアカリも現れる。アカリはティアラローズと違い、ゲームの続編をプレイしているため、ゲームのシナリオを知っている。そのため、アイシラとアクアスティードが万が一にも結ばれないよう、ゲームシナリオを妨害しにきたのだ。アカリはアイシラに「自分の親友であるティアラローズの旦那様にあまり近づかないで」と告げる。その言葉に、アイシラは強いショックを受けた。
ついに迎えた結婚式当日。幸せそうなティアラローズとアクアスティードの姿を見て、アイシラは涙を流していた。アカリの言葉がきっかけで、自分がアクアスティードを慕っていたことを自覚したのだ。思わず席を立ち、結婚式に乱入しそうになるアイシラ。それを止めたのはアカリだった。アカリはアイシラが結婚式に乱入するイベントが発生する可能性に気づいていたのだ。アカリのおかげで乱入イベントはなくなり、ティアラローズとアクアスティードは森の妖精王の祝福を受け、無事に結婚式を終えた。

嫉妬で濁った海

正式にアクアスティードの妻となったティアラローズは、次期マリンフォレストの王妃として目まぐるしい毎日を過ごしていた。そんな中ティアラローズの作ったお菓子が、海の妖精たちに盗まれるという事件が発生。理由に心当たりがあったアイシラは、海の妖精たちのティアラローズへの嫌がらせを止めるため、海の妖精王に直接会って相談しようと海中へ向かう。アイシラが海中で妖精王を探している頃、ティアラローズはアクアスティードに祝福を与えている空の妖精王クレイルと顔を合わせ、一緒にお茶をするほど仲良くなっていた。
魔法を使って海へ潜り、アイシラは海の妖精王パールと会うことができた。しかし、パールはアイシラを冷たく追い返してしまう。アイシラがそのことをティアラローズとアクアスティードに報告していると、そこにキースとクレイルが現れた。さらに、クレイルが淹れた珊瑚の紅茶を通ってパールまでもが姿を見せる。どうやらパールはクレイルに好意を抱いており、クレイルと仲の良いティアラローズのことが気に入らない様子。パールの嫉妬心は、クレイルがティアラローズへの贈り物を買ったという誤解をきっかけに爆発してしまった。パールの怒りで、海は黒く濁ってしまう。このままでは、サンゴや魚は死滅してしまうだろう。濁った海を癒やすには、森の妖精王に祝福された者と、空の妖精王に祝福された者の魔力が必要だ。キースの祝福を受けたティアラローズと、クレイルの祝福を受けたアクアスティードの力によって、海は元の輝きを取り戻した。

隠しステージを探して

海の騒動を解決したティアラローズのもとに、アカリから手紙が届いた。アカリいわく、妖精王の祝福を得ると、妖精王の隠しステージに行けるらしい。独自の調査で、隠しステージの場所がアイシラの管理している入江にあるのではと考えたティアラローズは、城を抜け出して1人で入江へと向かった。そこでティアラローズは、続編の悪役令嬢オリヴィアの執事であるレヴィと出会う。レヴィの話によると、オリヴィアはとある牢獄に閉じ込められており、助けるために妖精王の指輪が必要なのだという。レヴィはティアラローズが悪役令嬢であることを知っており、妖精王の指輪が隠しステージにあること、指輪を手に入れられるのが妖精王の祝福を受けた者だけであることも知っていた。どうやらレヴィの主であるオリヴィアが、転生者であるようだ。レヴィに協力を求められたティアラローズはそれを受け入れ、ついに隠しステージへと到達。海の妖精王の指輪を手に入れる。指輪を手に入れた者は、力を馴染ませるために丸1日は指輪をつけ続けたままにしなければならない。しかし、ティアラローズはすぐに指輪をレヴィに奪われてしまった。そのせいでティアラローズは意識を失ってしまう。事情を知ったアクアスティードがオリヴィアを救出し、彼女の身柄と引き換えにレヴィから指輪を取り戻したが、目を覚ましたティアラローズはそれまでの記憶を失っていた。

記憶を失ったティアラローズ

指輪を無理やり外した影響で記憶を失ったティアラローズ。ゲームのプレイヤーだったアカリは、ティアラローズの記憶を戻す方法に心当たりがあった。マリンフォレストの真の王は「王の指輪」を創ることができる。その指輪には、特殊な効果を1つだけ付与することができるのだ。アクアスティードが王の指輪を創ることができれば、ティアラローズの記憶も戻るはずだとアカリは考えた。王の指輪を創るには、王城の地下にある「封印されし王の間」に行く必要がある。こうしてティアラローズとアクアスティードは、協力者のクレイルや、聖地巡礼がしたいアカリとオリヴィアと共に地下へ向かうことになった。封印されし王の間にたどり着いたアクアスティードは、そこで初代マリンフォレスト国王、フェレス・マリンフォレストの幽霊と出会う。フェレスの導きによってアクアスティードは王の指輪を創ることができ、その力でティアラローズの記憶も無事に戻った。

初代国王の妻とマリンフォレストの危機

アクアスティードから贈られた王の指輪の力で、記憶を取り戻すことができたティアラローズ。彼女はアカリとハルトナイツの結婚式に参列するための準備に追われていた。そんなある日、王の指輪に導かれるようにして王城の庭へと出たティアラローズは、黒い泉で溺れる不思議な動物を発見する。ティアラローズが助けたその動物の正体は、マリンフォレストの初代国王フェレスの妻、リリアージュ・マリンフォレストだった。リリアージュの話によると、アクアスティードが王の指輪を創ったその後、フェレスの力が不安定になり苦しんでいるのだという。フェレスを救うには、フェレスの両親の墓にあるという、魔力の制御を補助するアイテムが必要だ。そのアイテムがラピスラズリ王国にあると知ったティアラローズたちは、アカリたちの結婚式に参列する傍ら、アイテムの捜索も行うことになる。
アイテムの手がかりは、最近ラピスラズリで発見された古い墓だ。ティアラローズたちはその墓で無事に目的のアイテムである腕輪を見つけたが、その腕輪は長い間放置されていた影響で穢れてしまっていた。さらにマリンフォレストからは、夜空から星が消えたという連絡が入る。フェレスの魔力が不安定である影響が、国に出始めたのだ。ティアラローズたちはアカリとハルトナイツの結婚式に参列したのち、アカリの力で浄化された腕輪を持って、至急マリンフォレストへと帰国する。
暴走したフェレスの魔力によって、マリンフォレストは飲み込まれようとしていた。ティアラローズは仲間たちの協力と国民の理解を得て、マリンフォレストを救うために動き出す。

『悪役令嬢は隣国の王太子に溺愛される』の登場人物・キャラクター

主要登場人物

ティアラローズ・ラピス・クラメンティール

CV:渕上舞
本作の主人公。ラピスラズリ王国で王家に次ぐ権力を持つクレメンティール侯爵家の令嬢。日本人として生きていたが事故で死亡し、前世でプレイしていた乙女ゲーム「ラピスラズリの指輪」の悪役令嬢として生まれ変わった。ラピスラズリ王国の王太子であるハルトナイツと婚約していたが、断罪イベントをきっかけに破局。その際に救ってくれた次作のメイン攻略対象であるマリンフォレスト王太子、アクアスティードに求婚され、彼と結ばれる。無類のスイーツ好きで、趣味はお菓子作り。愛称はティアラ。

アクアスティード・マリンフォレスト

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