無能の鷹(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『無能の鷹』とは講談社の女性漫画誌『Kiss』で連載されているお仕事コメディ漫画。作者ははんざき朝未。舞台はとあるITコンサル会社。主人公は見た目は「デキる人」だけど、無能な鷹野ツメ子。ひよわそうだけど有能な鶸田を始めとした個性豊かな同僚・営業先の人々が登場する。鷹野と彼らの掛け合いが誤解を招きながら、予想の斜め上に進んでいく。無能なのにどこまでもポジティブな鷹野の強烈なキャラクターがこの作品の魅力である。宝島社「このマンガがすごい!2021」オンナ編第11位にランクインした。

鳩山(はとやま)

鷹野の上司であり、教育係。とても真面目で優しい性格。鷹野のミスも「うっかり頼んだオレが悪かった」と自分に原因を探そうとする姿勢がある。また、褒めるところがない鷹野のことを褒めて伸ばそうとする。環境に恵まれていたこともあるが、努力家で優秀。

雉谷(きじたに)

鷹野と鶸田の先輩。鶸田の教育係。適当な性格。事なかれ主義。AIの波に乗ろうと転職を視野に入れる。始めは鷹野の無能ぶりをバカにしていた。しかし、AIが代わりに仕事をしてくれるようになると、無能でなくても自分の仕事はなくなり、会社の中で自分が役に立てなくなることに気づく。仕事がないのに会社にいる時間は気まずいものだが、その点、役立たずでも気にせず会社に居座る鷹野を尊敬し、先輩と思うようになる。

朱雀(すざく)

株式会社ITコンサルティング・タロンのコンサルティング部部長。最終面接で鷹野を「優秀なヤツは一目見りゃわかる」と言って採用を推した。無能とわかってからはどうすることもできず、できれば鷹野をクビにしたいが、自分が推したのもあり、なかなかきっかけがつかめないでいる。パソコンは得意ではなく、自称IT音痴。なにかトラブルがあると部下に手伝ってもらっている。自分では学ぼうとしない。

鵙尾(もずお)

エンジニア。いい意味で手抜きの発想がうまい。ほどよくめんどくさがりな性格なので、業務の効率化やユーザーの使いづらさに気づいて改善策を考えることができる。書類で提示するよりも動くプロトタイプ(試作モデル)を作るなど省けるところは省くというスタイル。ティーバッグを直にポケットに入れている。高校生の時、ノートをとるのが面倒だったので、黒板をデジカメで撮影し、クラスメイトと共有していたが教師にバレてしまい、注意される。大学時代にはデータの分析手順を自動化するためのシステムを考えていた。

営業先の社員

栄倉(えいくら)

取引先のイベント設営会社の利用部門の営業社員。恥をかくのが怖くて、周りの意見に同調することが多く、自分の意見をあまり言わない。鷹野と鶸田のくだらないアイディアを聞いていたら、ITに詳しくない自分でもアイディアを出すことが出来た。そしてそれはかなりいいアイディアでもあった。話が進むと、できることはサクサクと仕事を進めていく。上司にはこまめに報告して責任を持ってもらおうとする慎重な性格でもある。

『無能の鷹』の用語

社内ニート

入社して1年目の鷹野の状態。会社内で仕事をしておらず、まるでニートのように過ごしている社員のこと。鷹野は無能なため、任せられる仕事が無いに等しい。印刷を頼めばミスプリをし続ける。ホチキス留めが精一杯である。手が空いた時間はYouTubeを見て過ごしている。鶸田とタッグを組み、営業に出られるようになってからは、社内ニートは一応脱却したと考えられる。

ラップアップのファシリテーター

ラップアップは英語のWrap upからきている言葉であり、「終わりにする」「完成させる」という意味。ビジネスシーンでは会議や打ち合わせで話したことを最後にまとめることを意味する。ファシリテーターはその会議や打ち合わせで中立的な立場で会議が目的を達成できるように導いていく人のこと。つまり、ラップアップのファシリテーターは会議や打ち合わせが、最終的に上手くまとまるように導く役割の人ということになる。本作の第3話「鷹野のビジネス横文字」では、取引先のIT関連会社で社員が「ラップアップのファシリテーター」という言葉を使っている。IT関連の会社でこのようにビジネス横文字が使われることは珍しくない。作者のはんざき朝未は本作品の構想のために、IT会社をリサーチしたときに耳に残ったと話している。

RPA

RPAとは「ロボティック・プロセス・オートメーション」の略で、これまで人間だけが対応可能と思われていた作業を、AI・機械学習などを活用して人間の代わりに行うこと。たとえば作業の自動化がそうである。本作では第5話「鷹野のスキル」で取引先にRPAの導入について相談されている。鷹野はRPGと間違え、雉谷も鷹野を見習って「ラッパ」のことだといって、取引先を混乱させる。

『無能の鷹』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

madrok9
madrok9
@madrok9

目次 - Contents