鬼の花嫁(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『鬼の花嫁』とは、クレハのライト文芸およびそれを原作とした富樫じゅんによるコミカライズ作品である。略称は「鬼花」。
あやかしと人間が共存する世界での物語である。平凡な高校生の柚子(ゆず)は両親から不当な扱いを受けて育つ。しかし、あやかしの中で最上位である鬼龍院一族の次期当主・鬼龍院玲夜(きりゅういん れいや)と偶然出会ったことで全てが変わっていく。愛されることを知らなかった柚子が愛されることを知り、自分を認めていくシンデレラストーリーである。

『鬼の花嫁』の用語

あやかし

かつては人間と争っていたが、花嫁と呼ばれる人間女性との異類婚をきっかけに人間と友好関係を結ぶことになった。しかし、一族内でも本家や分家といった序列が定められており、結婚は親より霊力の高い子を作るための政略結婚が大半を占めている。霊力と権力を軸にした階級社会で、最高位は鬼である。容姿は髪や瞳の色が人間離れしている者が一部いるが異形の要素はなく、人間離れした美形である。男性のあやかしのみ、霊力を持っていない人間の女性から花嫁を本能で選んでいる。女性のあやかしは、婚約相手である男性のあやかしに人間の花嫁が見つかると一方的に婚約破棄や離婚されるほど立場が弱いためか、男性のあやかしに比べてドライで、霊力の高さと経済力で伴侶を選ぶ傾向にある。

あやかしの本能

花嫁を見つける方法は、あやかし本人が自分で恋をして選ぶのではなく、本能と呼ばれるあやかしにしか備わっていない感覚で自分の花嫁を見つけている。そのため年齢が離れすぎていたり、好みとかけ離れた女性が花嫁になることもある。しかし見つけた瞬間から死ぬまで溺愛し、すぐに年の差や好みなどはどうでもよくなる。そして異常なほどの執着と独占欲を抱く呪いのような感情に支配されることになる。花嫁が見つかると常に一緒に行動して離そうとせず、交友関係や言動が花嫁中心になって性格が変貌してしまう者もいる。花嫁と同性の友人や飼っているペットに対しても嫉妬心を抱くほどである。

花嫁

人間の女性の中からごく稀にあやかしに選ばれる結婚相手。数自体が非常に少ない上に、あやかし本人が花嫁と接触しないと分からないので花嫁が見つかるのは奇跡と言われる。人間の花嫁は霊力が無いにもかかわらず、相手のあやかしより霊力が高い子供を産めるという稀有な能力を持つ。そのため、あやかしの婚約者と婚約解消してまで人間の花嫁と結婚する。下位のあやかしほど、あやかし同士の政略結婚では霊力の弱い子しか生まれないため、人間の花嫁が見つかると喜ぶ。しかし上位のあやかしは、あやかし同士の政略結婚でも十分霊力の高い子が生まれるため、実務能力や霊力の無い人間の花嫁を侮り、結婚を反対する派閥が出やすい。人間の花嫁には、あやかしと違って無条件で相手を溺愛する本能は無い。そのため相手のあやかしを好きになれず結婚を拒むケースも存在する。

かくりよ学園

あやかしと花嫁の大半、富裕層の人間が通う初等部~大学部までの教育機関。庶民は借金しないと子供を通わせられないほどの多額の学費と寄付金がかかることから、私立と思われる。大学部はあやかしと花嫁は軽い面接のみで受験免除と特別待遇で進学できる。しかし花嫁以外の人間は高い偏差値の一般受験を経ないと入学できない仕組みになっている。花嫁学部という花嫁しか入学できない専用学部があり、就職ではなくあやかしの妻になるためのお嬢様教育といった授業科目が大半を占めている。あやかしからは自分の花嫁にちょっかいをかける男がいない、一緒に学校に通えるとして、花嫁にかくりよ学園の転校を強制する者も少なくない。

『鬼の花嫁』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

鬼龍院 玲夜「見つけた 俺の花嫁」

鬼龍院玲夜(きりゅういん れいや)が柚子(ゆず)を見つけたときの一言で、今まで花嫁など信じていなかった玲夜の前に、柚子が現れ一目で花嫁だと確信した瞬間に「見つけた 俺の花嫁」と呟いた。

鬼龍院 玲夜「お前を苦しめる奴を俺は許さない」

玲夜があやかしの本能により柚子以外は見えていないという様子。どんな手を使っても柚子を幸せにするという決意が現れている。家族から虐げられてきた柚子に対して、柚子を傷つけ悲しませる存在は家族でも不要と思っているため、「お前を苦しめる奴を俺は許さない」と言った 。

柚子が自分の意思を伝えたシーン

柚子が今まで言えずにいた本音を両親に打ち明けた成長の瞬間である。両親から愛されたいと願っていたはずの柚子が、両親から愛されることはないのだと理解した。そして玲夜からの愛を知ったことで、幸せの意味を知った。自分が幸せになれる場所は両親の元ではないと思い、本心を打ち明けた。

『鬼の花嫁』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

制作背景

原作小説の作者・クレハは書き上げる際に気を付けている点として、鬼龍院玲夜(きりゅういん れいや)の愛情表現がやりすぎにならないことを挙げている。作者の中に、どれだけ相手を愛していても許せないラインがある、という考えがある。そのため、押しつけがましくならないこと、相手を慮った愛情の与え方になるようにすることを意識しているとインタビュー内で話している。

小鬼の衣装

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