伝染るんです。(漫画・アニメ・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『伝染るんです。』(うつるんです)は、吉田戦車が1989年から1994年まで小学館の『週刊ビッグコミックスピリッツ』で連載していた漫画、およびそれを原作としたアニメ作品、実写による動画作品である。従来の起承転結の常識を覆した4コマ漫画で、現実の枠を超えた奇妙な設定や状況、不可解なキャラクターたちによるシュールでナンセンスなギャグを特徴とする。その独特のギャグとキャラクターが受け、多くのフォロワーを生んだ。「不条理ギャグ」と呼ばれるジャンルを確立したパイオニア的作品とされる。

作中でかわうそが「下の人」に肩車されて行動し、それを指摘されるたびに「下の人などいない!」と返すギャグは、インターネットスラングとしてよく使われる「中の人」の元ネタとなった。

乱丁かと思わせる単行本の意図的な誤植

本作の単行本は小学館からA5判ハードカバーで発売されたが、1巻は不器用なデザイナー・祖父江慎が作ったという設定で、意図的に誤植をし、乱丁本と勘違いされるような装幀・製本がなされていた。このため問い合わせが多発し、2巻目以降は通常の装丁・製本に戻っている。

「写ルンです」に由来するタイトル

「伝染るんです。」というタイトルは、当時ヒット商品だった使い捨てカメラ「写ルンです」に由来している。作者の吉田戦車は、当初『スキップ魂』というタイトルに決めていたという(第1巻のあとがきより)。

様々な派生作品が存在

本作に登場するキャラクターたちは、吉田戦車の以降の作品にも多く登場している。同じく4コマものの『殴るぞ』やかわうそを主人公とした『山田シリーズ』『かわうそセブン』のほか、連載終了後18年ぶりの新作として『ビッグコミックスピリッツ』に連載された「伝染るんです。外伝『サラマンダー』」など、多岐にわたる。これらの作品では、かわうそは「山田」、バイト君は「桜小路ムネオ」と命名されている。

不条理ギャグのパイオニア的作品

本作は4コマ漫画でありながら従来の4コマ漫画の常識である起承転結を廃し、「不条理ギャグ」を確立させたパイオニア的な作品として評価されている。本作のヒットにより多くの同様のテイストの作品が生まれることになり、様々なジャンルで影響を受けた作品が登場し、ブームを巻き起こした。

『伝染るんです。』の主題歌・挿入歌

ビデオ版OP(オープニング)・ED(エンディング):かわうそ少年少女合唱団「かわうそ音頭」

単行本2巻に歌詞と楽譜が載っていたものを音源化したもの。

アニメ版ED(エンディング):カンニング竹山「カブトムシ斎藤の歌」

DVD3巻の巻末に収録。歌というより、曲に登場キャラクターのセリフをサンプリングしたものになっている。

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