廃バスに住む(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『廃バスに住む』とは、美しい教師・雨森先生が何故か廃バスに住むというミステリアスなコメディ漫画である。作者はイチヒで、『カドコミ』で2021年から連載が開始された。内容はソロカーキャンプを軸にした物語。この作品は、雨森先生の自由奔放でいたずら好きな性格が魅力的に描かれており、SNSで話題を呼んだ。また森の中の廃バスに住むことの奇妙なスリルや、その行為の背徳感が、読者に独特の興味を引き起こす。

この作品の舞台となる廃バスの魅力については、その独特な雰囲気と、限られた空間の中での創造性の発揮にある。廃バスは、一般的な住居とは異なり、その歴史や形状が生み出すユニークな空間が特徴。例えば、京都市交通局が残した廃バスは、自然に触れ合いながら心をリフレッシュできる場所として注目されている。また、赤錆びたストライプの廃バスは、その歴史的価値や見た目の魅力から、固定点観測の対象としても興味深い存在になっているのだ。
さらに、イスラエルでは、古いバスを改装して住居にした二人の女性が、機能的かつスタイリッシュな内装デザインで注目を集めている。このように廃バスを住居に改装するトレンドは日本でも人気があり、限られた空間を最大限に活用し、個性的な生活空間を創出することができる点が魅力とされている。
廃バスの魅力は、単に古いバスを再利用するという点にとどまらず、そこに新たな価値を見出し、創造的な生活スタイルを実現することにあるのだ。このような廃バスの活用は、現代社会における持続可能な生活や、個人のアイデンティティを表現する手段としても注目されている。

ソロカーキャンプ

雨森は、アパートと廃バスの間で二重生活を送り、大家や同僚たちとののんびりとした日常を楽しんでいる。この物語は廃バスをリノベーションし、30年間横浜にあるバスの内装を改装した「The Old Bus」の魅力を紹介する記事や、ソロカーキャンプに関する情報と共に、現代のライフスタイルや自分だけの空間を大切にする文化を反映しているのだ。
ソロカーキャンプについては、車を直接キャンプ地に運転して行き、車の横にテントやタープを設置することが可能で、オートキャンプタイプのサイトでなくても楽しむことができる。このようなキャンプスタイルは、『廃バスに住む』の物語における雨森の生活スタイルと共鳴する部分があり、自分だけの時間を大切にし、自然の中でリラックスすることの楽しさを伝えているのだ。
『廃バスに住む』とソロカーキャンプは、どちらも現代人が求める自由で個人的な空間を提供する点で共通している。物語の中で描かれる雨森の生活や、実際のソロカーキャンプの経験は、日常から離れて自分だけの時間を楽しむことの大切さを教えてくれる。

『廃バスに住む』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

雨森「…ナイショにしようって言ったじゃん」

第4話での教室でのセリフ。
教室で大家が雨森を間違えて「姉ちゃん!」と呼んでしまったが、雨森は「…ナイショにしようって言ったじゃん」と返してきた。ミステリアスな名セリフ。

雨森「ヘイ!シリ」

第6話での廃バス前でのセリフ。
強力な栄養ドリンクを飲んで眠れなくなった雨森だったが、ずっと起きてスマホのラジオアプリでラジオを流しながら、廃バス前で袋ラーメンを作り出す。3分タイマーの設定のため「ヘイ!シリ」とスマホに呼びかけるが反応が悪く、何度も声がけしてしまうほっこりした名セリフ。

雨森「ただいま」

第26話での本来のアパートの部屋の前でのセリフ。
雨森が水道管の破裂による浸水の修理工事が終わり、久しぶりに帰ってきたアパートの部屋の前で「ただいま」と言って開けようとする一区切りな名セリフ。

『廃バスに住む』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

イチヒのちょっとした情報がコミックスの折り返しカバーに記載

作者のイチヒの情報がコミックスの折り返しカバーの部分に書かれている。幼い頃に、茂みのちょっとした所を秘密基地にしていて、カルビと海苔の湿ったおにぎりと焼きそばが好き。猫を飼っている。

本屋大賞にて取り上げられた『廃バスに住む』

この作品は、その独特の世界観と魅力的なキャラクターで多くの読者を惹きつけ、2024年の本屋大賞においても注目された。『廃バスに住む 5 (MFC)』は、翻訳小説や発見部門を含む2024年の本屋大賞の発表で取り上げられた作品の一つとして特集されている。また、Amazonのランキングでは『廃バスに住む 1』が2024年のトップランクの本として挙げられ、関連するタイトルや読者からの人気も伺える。この作品が本屋大賞に取り上げられたことは、マンガが持つ文化的価値や社会的影響力の認識が高まっていることを示す。『廃バスに住む』が描く日常から一歩踏み出した生活や、個性的なキャラクターたちの交流は、多くの読者にとって新鮮で魅力的な読書体験を提供した。

『廃バスに住む』の食べ物へのこだわり

『廃バスに住む』では、様々な食べ物が出てくる。これは主人公の雨森が食に興味があるキャラなのもあるし、その日暮らしなので必然的に食がクローズアップされるというのもある。スーパーやコンビニでも買えるあんぱんや袋麺、焼き鳥や焼肉や栄養ドリンクなどと種類は豊富であるが、これはこの漫画がソロカーキャンプ的側面も備えているせいもあるからだ。雨森は金は持っているので、ソフトなサバイバルをしているのである。どこにでもある食べ物なのかもしれないが、「廃バス」というフィルターを通すことによって、日常とは別の見え方がしてくるのだ。物語を通じて読者は食べ物を通した人との繋がりや、食事を作る喜び、そして食べることの大切さを再認識することになる。『廃バスに住む』の食べ物の描写は、単にお腹を満たすだけでなく、心を豊かにする食事の力を伝えている。また、食べ物を通じて登場人物たちの関係性が深まる場面もあり、食事がコミュニケーションの手段としてどのように機能するかを見ることができるのだ。このように、『廃バスに住む』は食べ物を軸にした物語を展開し、読者に食に対する新たな視点を提供している。食べ物にまつわるエピソードは、このマンガの魅力の一つであり、多くの読者が共感し楽しんでいる理由の一つである。

『廃バスに住む』はSNSでの反応が良くて商業連載化

『廃バスに住む』は、美しい先生が廃バスに住むというユニークな設定で、SNS上で人気を集めている。イチヒの人気作品として、Twitterで発表された際には9万以上のいいねを獲得し、ファンの要望に応えて商業連載化された。ファンは雨森の自然で少し天然な性格や、かわいらしさと強さを兼ね備えたキャラクターを気に入っており、廃バスの夢のようで楽しい雰囲気も魅力の一つとして挙げられている。この作品に対するSNS上の反応はそのユニークな世界観やキャラクターの魅力、そして連載化への経緯など、多方面からの支持を集めていることが伺える。読者からの熱い支持が、作品のさらなる発展を後押ししているのだ。

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