廃バスに住む(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ
『廃バスに住む』とは、美しい教師・雨森先生が何故か廃バスに住むというミステリアスなコメディ漫画である。作者はイチヒで、『カドコミ』で2021年から連載が開始された。内容はソロカーキャンプを軸にした物語。この作品は、雨森先生の自由奔放でいたずら好きな性格が魅力的に描かれており、SNSで話題を呼んだ。また森の中の廃バスに住むことの奇妙なスリルや、その行為の背徳感が、読者に独特の興味を引き起こす。
『廃バスに住む』の概要
『廃バスに住む』とはイチヒによる、美しい教師が廃バスで生活するというユニークな設定で『カドコミ』で連載され 、 SNS上で人気を博している作品である。2021年7月21日に第1巻が発売された。
Amazonやピッコマ、ニコニコ漫画で無料漫画として読むことができる。
この作品の特徴は、一見すると非日常的なシチュエーションにも関わらず、登場人物たちの日常生活や人間関係が丁寧に描かれている点にある。魅力は、そのユニークな生活スタイルから生まれるさまざまなドラマや、主人公の内面の成長が読者に共感を呼び起こす。また、この作品は、現代社会における個人の生き方や価値観について考えさせる影響を与えている。略称や別名は特に確立されていないが、「廃バス生活」というキーワードで語られることが多い。題材を語る上で重要なキーワードは「非日常の日常」「自己実現」「社会との関わり」などが挙げられる。この作品は、ただの奇抜な設定を超え、現代人が抱える様々な問題や感情に寄り添う物語として注目されている。
『廃バスに住む』のあらすじ・ストーリー
廃バスとの出会い
高校の英語の先生である雨森はづき(あまもりはづき)の住んでいるアパートの部屋が水道管の破裂による浸水で4週間ほど工事にかかり、部屋を出なくてはならなくなった。雨森が部屋を出る時に図書館の本を借りっぱなしにしていたことを思い出し、部屋に置き忘れていたので取りに戻り、河川敷で本を読んでいると間に封筒が挟まっていた。中には手書きの地図が入っており、星印の場所が書いてあって、勤めている学校の近くの裏山らしい。好奇心で行ってみると、そこには後に住むことになる廃バスがあったのだった。
廃バスと秘密基地
雨森は今日も廃バスで1日を始める。近くにある水道で顔を洗い、服を着替え、食事を摂る。そして勤め先の高校へ行く。どうやら廃バスは誰かの秘密基地で、子供たちが使っていたらしい。食べるものもカラスに掠め取られ、空腹のまま半日を過ごしたり、当日次第で決めたりと、冷蔵庫が無いのでその日暮らしだ。
雨森がその日カラスに掠め取られたのはパンだったが、3日ぐらい賞味期限が切れていた気がすると授業中盛大に涼しい顔でお腹を鳴らしながら考えていた。そうすると今日はいい日なのかもしれないと雨森は感謝したい気持ちになる。カレーやラーメン、オムライスとあれこれ昼は何にしようと雨森は学食へ行くが全部売り切れだった。思わず雨森は朝からブッダじゃないのに断食が始まっているのかと邪推してしまう。ならいっそと雨森は勤務時間まで腹ペコで通し、廃バスにすぐに帰り、七輪で焼き鳥を焼き始める。母から電話がかかってきて、雨森は通話しながらじゅわっと焼けた焼き鳥を美味しそうに頬張る。
そして雨森は銭湯へ行き、歯を磨いてバスの座席をベッド代わりにスマホで物件を物色しながら自分の住んでいるところを分析するのだ。駅から徒歩で大体20分で、勤務先まで5分くらい。バストイレなし、細長ワンルーム扉なしで、あとは大事そうに飾られているトレーディングカードの邪竜ダークヘルズドラゴン付きだ。雨森は「しばらくはここがいいかな、誰かの秘密基地で」と思うのであった。
雨の日があった。老朽化した廃バスは雨漏りがひどく、雨森はテープで修繕するが、数分後に少しずつ漏れ出てくる。ビニール袋で漏れ口を塞いでもどっぷりと溜まり、しまいには勢いよく溢れ出す。雨森は「今日はネットカフェでアイス食べて過ごそう」と傘を差して外へ出ようとするが、地面に溜まっている雨水に足を入れた瞬間、過去の浸水した部屋のことが思い浮かんだ。「かわいそうだな家」と雨森は同情し、本格的に防水テープと速乾ボンドを買ってきて対処し始める。見事雨漏りは直ったが、台風が来たらさすがに避難するしかないとアイスを食べながら思う。雨森は「そういえばこの廃バスに来た日も雨が降っていたな」と思い出していた。
ある日、大家(おおや)という高校生が秘密基地である廃バスにやってきた。最近誰かの痕跡があると気づいたのだ。「はづき(仮)」とメンバーの黒板に書いてあり、誰だろうと勘繰ってみるが分からない。
別の日大家は廃バスで寝ている雨森とばったり出くわしてしまう。雨森が起きたので大家は咄嗟に物陰に隠れる。雨森は楽しそうに過ごしており、カレーを作り始める。大家も、誰かのいる秘密基地が何だか無性に嬉しかった。このまま夜まで隠れていなくてはいけないのかと思ったが、雨森が福神漬けを買い忘れていたことで事なきを得た。
同僚の山崎先生
職員室で雨森の隣の席の山崎(やまざき)は雨森に興味があったが親しくなるタイミングを掴みかねていた。雨森は眠そうにしていたが、おもむろに超高額な栄養ドリンクを取り出し、飲み始めるがむせる。山崎はおかしくなり、笑い出す。山崎は雨森に「その栄養ドリンクマジ強いんできっと夜眠れなくなりますよ」と言ったが、彼女は謎の自信か意に返さない。夜に実際に雨森は眠れなくなり、徹夜をすることになる。夜食に袋ラーメンを食べ、そのまま朝を迎え眠れたのはほんの少しの時間だ。雨森は山崎とその話をし、雨森が「炭火…消したっけ…」と言い、山崎が「キャンプでもしてたんです?」と聞くと「あーまぁ…」と返すのを余計わからなくなり、またまたおかしく笑ってしまうのだった。
1ヶ月経って何となくだが雨森のことを分かってきて、山崎はついに一緒にご飯を食べようと誘う。山崎は雨森と外食で夕食をとろうとしていたのだ。雨森先生は「いいですよ」と了承し、なぜか昼になって雨森が「それでは行きましょうか」と山崎を職員室から連れ出した。そして雨森が山崎を連れて行った先は屋上だ。しかも間違えて雨森は視聴覚室の鍵を持ってきてしまい、屋上へは出られない。仕方なく2人は屋上へ通じる扉の前で昼食をとる。雨森はマクドナルドのセットだったので匂いが階下へ漂って山崎は内心ヒヤヒヤだったが、こういうのも悪くないと思ったのだった。
大家と鉢合わせ
台風の日、大家は廃バスで雨森を待ち構えていた。この前は逃げてしまったが、今日こそはここは俺の秘密基地で、でも別にダメではないと説明してと考えていると、台風が来ていることを思い出す。大家はさすがに避難しなくてはと思いつつ、段ボールで扉をつけて帰る。そのころ雨森は避難してホテルでケーキを食べて窓から外を見ていた。そして明日出勤する前に廃バスに寄っていこうと考える。雨森が次の日寄ってみると、誰か来た痕跡があるのがわかり、そこでたまたま来た大家と鉢合わせする。雨森はお腹が空いていたのでチーズや生ハムロースでサンドイッチを作り大家はハム抜きだったが一緒に食べた。
雨森は「勝手に住み着いちゃってごめんね。数週間お世話になりました。出ていきます」と頭を下げたが、大家は「別に…出ていかなくても…いいんじゃないかな」と言うと、あっさり雨森は「じゃまだいようかな」と答えてきた。
高坂カレンとの出会い
雨の日コンビニのそばのベンチで、雨森の勤めている高校の生徒である高坂カレン(たかさかかれん)は雨宿りしてヒマだった。そこへ雨森がやってきて、コンビニに入って行った。気になるカレン。友達ともメッセージアプリで雨森のことを話題に出す。雨森がコンビニから出てきて、カレンに挨拶をして隣に座ってきた。雨森は廃バスにあった昔の携帯ゲーム機に入れる電池を買ってきていて、ゲーム機に単三電池を入れて、遊び始める。カレンもゲーム機を覗き込み、やったこたがあると雨森とやりとりする。ゲームの中の名前をつけるのもカレンは可愛い方は自分に名前にしてくれといい、雨が上がって友達の芳澤マリコ(よしざわまりこ)が迎えに来るまで楽しい時間が過ごせた。雨森はすでに去り、マリコはカレンが機嫌良さげなのを見て、「大家くん関係だ」と言うが、カレンは「それならもっとご機嫌かな」と返す。
同僚と食べるピザ
職員室での業務中雨森と山崎がお喋りしていた。雨森がテストの訂正をしに山崎がテスト監督をしている教室に来たという。山崎が監督している間中、犬をケンに直すという訂正に意味があるのかおかしくて笑いそうになったとか、教室で教壇に黒猫がいた話などで盛り上がっていた。同僚の三田(みた)もその話を聞きながら猫が授業していたのかなどと想像し、雨森はここに来て半年も経っていないのにもう打ち解けていると思ってしまう。雨森が生徒がテストの打ち上げにピザを食べる話をし、「私たちも頼んじゃいましょうか?」と山崎に振ってみる。山崎が職員室でピザはどうだろうと、三田にも聞いてくる。三田は「教頭先生に何か言われる気はします」と言う。その場はそれで終わったが、三田が帰り際、学校の玄関で雨森と山崎が宅配ピザを食べている場面に遭遇する。三田は驚くが、雨森が「しーっ」と内緒にするよう促し、一緒に食べませんかと誘ってくる。三田は誘いに乗り、3人一緒にピザを食べ、みんなで飲み物まで買いに行くこととなった。
『廃バスに住む』の登場人物・キャラクター
主人公
雨森はづき(あめもりはづき)
CV:涼本あきほ
いつ頃からか廃バスに住むようになった高校の英語の女性教師。妙齢でショートカットの黒髪が特徴。マイペースな性格で、生徒からはミステリアスな雰囲気の先生として羨望の眼差しで見られている。持っているスマホはiPhoneで指紋認証IDのはずなのだがデザインが多少違うので正確にはiPhoneもどきである。
同僚
山崎(やまざき)
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目次 - Contents
- 『廃バスに住む』の概要
- 『廃バスに住む』のあらすじ・ストーリー
- 廃バスとの出会い
- 廃バスと秘密基地
- 同僚の山崎先生
- 大家と鉢合わせ
- 高坂カレンとの出会い
- 同僚と食べるピザ
- 『廃バスに住む』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- 雨森はづき(あめもりはづき)
- 同僚
- 山崎(やまざき)
- 三田(みた)
- 生徒
- 大家(おおや)
- 高坂カレン(たかさかかれん)
- 芳澤マリコ(よしざわまりこ)
- その他
- カラス
- テッチャン
- 『廃バスに住む』の用語
- 廃バス
- ソロカーキャンプ
- 『廃バスに住む』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 雨森「…ナイショにしようって言ったじゃん」
- 雨森「ヘイ!シリ」
- 雨森「ただいま」
- 『廃バスに住む』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- イチヒのちょっとした情報がコミックスの折り返しカバーに記載
- 本屋大賞にて取り上げられた『廃バスに住む』
- 『廃バスに住む』の食べ物へのこだわり
- 『廃バスに住む』はSNSでの反応が良くて商業連載化