DJ Okawari(ディージェイ・オカワリ)の徹底解説まとめ

DJ Okawariは静岡生まれで静岡に拠点を置き活動するDJ、音楽プロデューサー、作曲家である。2008年、ヒップホップ系音楽レーベルLibyus Music期待の新人としてデビューした。彼の音楽はヒップホップとジャズやニュージャズを融合させた「ジャジーヒップホップ」というジャンルに分類される。「Luv Letter」がフィギュアスケートの高橋大輔選手の2009~2010年シーズンのエキシビション曲に選ばれ、五輪の舞台などで使用されたことにより世界中から注目される存在となった。

DJ Okawari(ディージェイ・オカワリ)の概要

DJ Okawari(ディージェイ・オカワリ)とは静岡を拠点に活動する男性DJである。1989年11月28日静岡生まれ。2008年5月、ヒップホップ系音楽レーベルLibyus Music期待の新人としてファーストアルバム『Diorama』をリリースしデビュー。以来、本格的に活動を始め、世界で活躍するDJとなった。国内外で作曲やプロデュースを数多く手掛け、自身の作品のみならず、多くのアーティストに楽曲提供している。日本ではこのようなヒップホップ系プロデューサーを「トラックメーカー」「ビートメーカー」と呼ぶ。DJ Okawaraiは日本のジャズヒップホップの代表的アーティストとして確固たる地位を確立している。

「DJ Okawari」というユニークな名前は「常に満足することなく、常に新しいものを模索し、常に挑戦し続ける」という想いに由来している。彼は人生そのものからインスピレーションを受け、自分が経験したことを音楽で表現する。「音楽と日常の共存(The music is any moments in life)」をテーマに掲げ日々活動している。彼の音楽は、「眠りにつく直前の安らぎ」や「本を開くときの凛とした気持ち」、そんな風に場面と心情との関連性を重要視して創られる。DJ Okawariの音楽スタイルはヒップホップとジャズやニュージャズを独自に融合させ、ジャジーヒップホップというジャンルに分類される。ピアノを主体としたそのスタイルは耳に心地よく、ヒップホップながらもリラクゼーションやヒーリングミュージックとして用いられる場合もある。自らの音がリスナーの生活の中に居る事を願っている。

セカンドアルバム『Mirror』の収録曲「Luv Letter」がフィギュアスケート高橋大輔選手の2009~2010年のエキシビション・プログラム曲に選ばれたことで、世界中で大きな話題となった。ピアニストであり作曲家の月野そらより楽曲提供を受け、YouTubeの動画再生回数は1000万回以上。結婚式で使用されることも多く、入場曲の定番となった。

DJ Okawaraiの全アルバムジャケットを手掛けるのはグラフィックデザイナーのマルミヤン。彼らの出会いはインターネットを通じて。お互いの作品を見て、聴いて、すぐに意気投合した。DJ Okawaraiはマルミヤンに具体的なイメージなどは伝えず、音だけを聴いて描いてもらっている。「自分の音をイラストにするとすれば、きっとこうなるだろうな」と感じるほどマルミヤンのアートはDJ Okawaraiの音と見事にマッチしているという。その美しいジャケットに魅せられて購入する人もいる。
マルミヤンとの関係は一言で言うと「ライバル」。音楽とアートでジャンルは違うが、同じクリエイターとしていつも良い刺激を受けているという。
DJ Okawaraiはマルミヤン以外とのイラストレーターとのコラボは考えていない。

様々なアーティストとフィーチャリングやコラボレーションをするDJ Okawarai。国内外から多くのフィーチャリングの依頼がくるという。その選定基準は、そのアーティストの作品をじっくり聴き、第一印象を大事にしている点。DJ Okawarai自身の作品と重ね合わせてみて、完成のイメージが浮かぶと話を進める。

活動経歴

DJ Okawarai(ディージェイ・オカワリ)の原点

高校生の頃までは音楽に全く興味がなく、友達におすすめのアーティストを教えてもらい音楽を聴いていたというDJ Okawari。そうして様々なヒップホップを聴き込んでいくうちに自分でもしてみたいと思いDJを始めた。使い方もわからないままMPC2000XLを購入したことが全ての原点となる。
そんな彼が特に影響を受けたアーティストは世界を舞台に活躍する日本のヒップホッププロデューサーであり作曲家のDJ KRUSH。彼のファーストアルバム『KRUSH』を聴き衝撃を覚え、DJ Okawaraiの音楽生活は始まった。

音楽とサラリーマンの二足の草鞋

デビュー当時DJ Okawaraiは音楽活動をしながらサラリーマンとして一般企業に勤務しており、二足の草鞋を履いていた。それを聞いた人からはよく「意外」と言われていたが、そうして普通に仕事をしていく中で上司や先輩、同僚、後輩から学ぶ事も多いため、それは彼の音楽にも大きく反映されていた。サラリーマンとしての仕事の中などで感じた事をテーマにして制作する事も多々あった。制作時間は、帰宅してからと休日に限られてしまっていたがその分、集中して音楽制作に取り組むことができた。
勤務先でも広報でDJ Okawaraiの活動を紹介するなど、応援されていた。

待望のCDデビュー、そして世界へ

デビュー前から、音楽系SNSのMy Spaceにて自身の音楽投稿が「Calm(日本のチルアウト/バレアリック・ミュージックの先駆者の1人)をブレイクビーツで表現したかのようなサウンド」と評され、大きな話題となる。そして2008年に待望のデビューを果たした。
2009年のセカンドアルバム収録曲の「Luv Letter」で世界中から注目される存在となり一躍有名になった。

中国での人気

世界で活躍するDJ Okawaraiだが、特に中国での人気はすさまじいものがある。
2015年8月に中国上海MAOで行われた初の海外単独公演では、1000人収容の会場の先行チケット販売が10分で完売、一般チケットも即日完売しプレミアム公演となった。
2018年3月よりアルバム『Restore』と『Perfect Blue』リリースツアーとしてEmily Stylerやバンドと共に中国9都市、台湾、日本をまわるアジアツアーを開催。軒並みチケットは完売し、大盛況であった。
2019年にはアルバム『Nightfall』リリースツアーをCeleina Annと共に中国10都市にて好演。
同年、中国でのCM楽曲として新曲「Piaoyun」を製作した。
2023年8月、アルバム『High Noon』リリースに合わせて過去最大16都市を巡る中国ツアーが開催された。
中国最大の音楽配信サービスを提供する「QQ音楽」、「網易雲音楽」、中国のSNS「Weibo」において多数のフォロー数があり、他の日本人アーティストと比較しても、傑出した人気を誇る。

DJ Okawarai(ディージェイ・オカワリ)のプロフィール・人物像

1989年11月28日生まれ。静岡県出身。高校生の時まで音楽には興味がなく、友達からおすすめされた音楽を聴いているうちにヒップホップに興味を抱くようになる。特に影響を受けたアーティストはDJ KRUSH。
メディアには顔出しをしないDJ Okawarai。元同僚によると「どんぐり瞳に、爽やかな笑顔。曲同様癒される存在」とのこと。
趣味はお酒を飲むこと。そして、無類のCasio G-SHOCK好きで多くのコレクションを持つ。

DJ Okawari(ディージェイ・オカワリ)のディスコグラフィー

アルバム

『Diorama』

2008年05月28日発売

01. Evening Comes
02. Chocolate feat. Agehah
03. Bluebird Story feat. Jumelles
04. Ring
05. Colors of Life
06. Synchronize
07. One for U
08. Aurora feat. Eri Kamiya
09. Coffee Break
10. Crescent Moon
11. TAYUTAU
12. Silent Night
13. Animal Forest
14. Times Fusion

デビュー前から注目を浴びていたDJ Okawaraiの待望のファーストアルバム。『Diorama』はファーストアルバムにも関わらず、雑貨店ヴィレッジヴァンガードで先行発売され、「リスニングミュージックとして昇華されたヒップホップの新たな指針」として高い評価を獲得。また、iTunes Storeにて異例のロングランセールスを記録するなど大きな反響を呼んだ。
また、ジャケットデザインを担当したイラストレーターのマルミヤンへはアルバムが各方面から大きな話題となったことで、問い合わせが殺到した。

『Mirror』

2009年6月24日発売

01. Sound Of Silence feat. Kaori
02. Luv Letter
03. You Gotta Be feat. Amadori (Des'ree カバー)
04. Pack Light feat. Eriko
05. Afterschool
06. Following The Dream
07. Free Bird feat. sierra
08. Sweet Light
09. All I Have feat. Amanda Diva
10. Minamo
11. Evening Comes 2

制作期間9~10カ月で30曲以上を作り、そこからバランスを考慮し選抜した11曲。当アルバム制作に入る段階でタイトルとコンセプトを「Mirror」とすることを決めていた。 アルバム制作期間中はDJ Okawarai自身にとって様々な面において大切で大変な時期であった。 その中で、気持ちが折れそうになったりした時に自分自身を見つめ直す意味で「鏡(Mirror)」となるようなアルバムを作ろうと考えていた。
今作では5名の女性シンガーをフィーチャリングしている。彼女たちを選ぶにあたっては、アルバムのコンセプトを踏まえた上で、多くのアーティストの作品を聴いた。その中で、自分が聴いた時の第一印象を大切にしたという。 今作の5人のアーティストの作品を聴いた時は、 曲のイメージが自然と出来上がったという。
フィーチャリングした5人の中の1人、作曲家月野そらがピアノ作曲・編曲・演奏を担当し、楽曲提供したのが「Luv Letter」である。フィギュアスケートの高橋大輔選手の2009~2010年シーズンのエキシビション曲に選ばれ、バンクーバーオリンピックで披露されたことでDJ Okawariは世界中から脚光を浴びることとなる。リスナーの幅も大きく広がった。
ジャケットデザインは前作と変わらずイラストレーターのマルミヤン。マルミヤン自身も今作のジャケットデザインについて「過去最高の出来」と評している。

『Libyus Music Sound History 2004-2010』

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