初めて恋をした日に読む話(はじこい)のネタバレ解説・考察まとめ

『初めて恋をした日に読む話』とは、2016年7月号から『Cookie』(集英社)で連載されている持田あきによる日本の漫画作品である。一時休載し、2024年3月より連載を再開している。予備校講師の春見順子が、東大受験失敗後の転落人生を乗り越える姿を描いた物語。TBSテレビ系でドラマ化もされ、原作とは異なるストーリー展開で全12話が放送された。物語の中では、順子が匡平に合格を目指させる一方、彼の真摯な姿勢に感化され、自身も再び夢と自信を取り戻していく姿が描かれている。

由利匡平(ゆり きょうへい/演:横浜流星)

匡平が自分に対して恋愛感情を抱いているように見えるのは、罰ゲームだからだと誤解した順子の本音。講師と生徒が恋愛関係になってしまうことは匡平にとって悪影響なのではないかと心から匡平の人生を考え、「由利くんが合格する時横にいたい どうしたって先生と生徒じゃなくなるその日は来るから その時まで一瞬も離れたくない」と伝える。この言葉を聞いた匡平は、「ごめん」と、自身の後先考え内行動を反省し、受験合格への思いを新たにする。

由利匡平「かっこよくて 可愛い 先生みたいな大人に 俺もなりますかね?」

匡平(左奥)と順子(右手前)

受験に落ちてから、同窓会に1度も顔を出せず居場所がないと感じていた順子に、由利匡平「かっこよくて 可愛い 先生みたいな大人に 俺もなりますかね?」と質問する。自信をなくしていた順子は、本来は励ますべき生徒である匡平に、思わず励まされてしまう。この辺りから恋心が芽生え始めていたのかもしれない。

松岡美和「男ってのはさ プライド高い生き物だから基本同情なんてされたら腹立つわけよ ところが唯一「かわいそう」って頭撫でられても嫌どころか心地いい女がいるわけよ それが惚れた女よ」

キャバクラのオーナーを務める美和が、匡平の友人の男子高校生たちに教えた「自分合う女の選び方」として、「男ってのはさ プライド高い生き物だから基本同情なんてされたら腹立つわけよ ところが唯一「かわいそう」って頭撫でられても嫌どころか心地いい女がいるわけよ それが惚れた女よ」とアドバイスする。経験豊富な大人の女性の一言に男子高校生たちは盛り上がる。

『初めて恋をした日に読む話』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

匡平が付けられたユニークなあだ名が多数登場

順子(左奥)と匡平(右手前)

順子は常に匡平にユニークなあだ名をつけて呼んでいる。もっとも多い「ゆりゆり」に始まり、ゆり坊、ゆりぴょん、ユリゲラー、ゆりっぺなど、多様な呼び方で匡平と接している。最初はツッコミを入れていた匡平も徐々に慣れて、当たり前のように接するようになっている。クールな不良少年につけるには可愛らしすぎるようだが、歳の差を気にかけている順子は、親しみを持って接しているのかもしれない。

無敵ピンクでトレンド入り

匡平(左)と順子(右)

ドラマ化された本作では、匡平役を務めた横浜流星の髪が、鮮やかなピンク色に染められている。そんな匡平を初めて「ユリユリ」と呼ぶシーンでは、順子役を務める深田恭子が「無敵ピンク、いい色」と匡平の髪を触る場面が描かれる。このシーンはファンから熱狂的な声が上がり、X(当時はTwitter)では「無敵ピンク」トレンド入りするなど、一気に盛り上がりを見せた。ドラマ最終回では、順子がピンク色のトレンチコート、ピンク色のリップなど、全身ピンク色で東京大学に乗り込むシーンが描かれている。本作で、「ピンク色」というのは大きな役割を果たしているようだ。

東京ドラマアウォード2019にて助演男優賞受賞

『初めて恋をした日に読む話』のドラマ化後、出演していた横浜流星は、東京ドラマアウォード2019にて、助演男優賞を受賞している。東京ドラマアウォードとは、海外発信を目的とした、日本初の国際的なドラマ祭である。授賞式では、匡平から順子に向けて発された多くの愛情深い言葉が映像で流された。礼儀正しく深々とお辞儀をしたことで、胸元の花が落ちてしまうというハプニングもあったが、すぐに拾い上げて戻す仕草も可愛らしいとファンからの声が上がっていた。

『初めて恋をした日に読む話』の主題歌・挿入歌

ED(エンディング):back number「HAPPY BIRTHDAY」

back numberが2019年にリリースした楽曲、「HAPPY BIRTHDAY」がこの『初めて恋をした日に読む話』のドラマの主題歌だ。 「片想いを歌った切ないラブソング」で、主人公・春見順子に片想いする3人の男性の気持ちに寄り添う楽曲だと説明されている。 back numberの清水依与吏のコメントでは、「見せるつもりもなく書いてきた日記を渡すような曲」と表現されている。 『初めて恋をした日に読む話』の作中では、3人の男性が届かない想いを募らせている。 毎日授業を受けているものの、高校生で一生徒という立場から、想いを伝えることができずにいる匡平。 幼馴染で従兄弟として小さい頃からずっと一緒にいるにも関わらず、告白するチャンスを逃し続けている雅志。 学生の時、唯一告白をしていたが、受け取ってもらえずに時が経ってしまった山下。 3人の、届きそうで届かないもどかしい感情が、この主題歌で表現されているようだ。 まさに好きな人へそっと寄せる片想いを歌った切ないラブソングとして人気を博している。

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