裏バイト:逃亡禁止(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『裏バイト:逃亡禁止』とは、田口翔太朗によるホラー漫画。漫画雑誌アプリ『マンガワン』にて毎週土曜日更新で連載中。白浜和美と黒嶺ユメを中心に、常に命の危険がある裏バイトに身を投じ、様々な怪異と対峙、高額な報酬を得ていく。1エピソードが基本的に前中後編で構成されているオムニバス形式である。毎回異なる怪異が登場し、ゾクッとさせられる結末も多い独特な味わいを持つホラー漫画である。

金と一緒に登場する、金の兄弟。
スキンヘッドであることは同じだが金より背が高く、金を「金ちゃん」と呼び日本語を流暢に話す。
銀も武闘派であり、怪異にぼこぼこに痛めつけられた際には重傷を負いながらも戦い、一矢を報いた。
黒嶺弥生の情報を渡す代わりとして、ユメにデートを申し込んだ。

『裏バイト:逃亡禁止』の用語

裏バイター

裏バイトを請け負うアルバイター。裏バイトに手を染めるのは各自様々な理由ではあるが、皆一様に大金を必要としているため、危険を承知で身を投じる。
暗黙の了解として、裏バイターが行方不明・死亡したとしても闇に葬られ表ざたになることはない。
どこで手に入れるのかは不明だが、裏バイターの心得なる冊子も存在するようである。

怪異

悪霊やあやかしの類、得体のしれない何か、人知の及ばない上位存在など、実態があるないにかかわらず裏バイトに関わってくる多種多様な異様なものたち。
怪異に対してはほとんどが対応策がなく、出会うと即死に至ることも。死ねるのはまだましな方であり、怪異に取り込まれて延々と苦しみ続けたり、犠牲者を増やすために利用されたりするパターンも多い。
そのため、対応策が発見されたファミリーレストラン・マストや、小滝の開かずの間などは非常に珍しい部類である。

Q

藍川時子が所属している謎の組織で、怪異など裏の事象を技術転用するため研究をしている。
怪異の情報を得るために裏バイターを雇って危険な地域に派遣することも。
裏の案件によって精神に異常をきたした小松茶々の治療を行った。
異次元・異空間を観測するための百葉窓を作ったことから、かなり高度で異質な技術をもっていることがわかる。
また、この世界におそろしい未来が起こると想定し、その未来に向け対策を取るべくして動いている模様。

デザイナー

花びらのような眼窩を持つ骸骨で、考古学者の平川は異形人類と呼び、人間の上位種だと考えていた。
不都合があった場合に歴史をすべてリセットして修正し、歴史をデザインすることから平川によってデザイナーと呼ばれた。
裏の事象を研究するQが異形人類の情報を欲しており、異形人類の化石を掘り出そうとしたタイミングでリセットが起きたことから、デザイナーは異形人類の化石がQへ渡ることを不都合だと考えていることがわかる。
最終的には異形人類の化石=デザイナーであることが判明すると同時にリセットされ、平川からの依頼自体をなかったことにされた。
また、その際に日本の地形が若干変更された模様。

『裏バイト:逃亡禁止』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

黒嶺ユメ「どちらを奪われても死んだも同じなの。たとえ相手が誰でもどんなに偉くても…絶対許さない。」

助勤巫女の回での黒嶺ユメのセリフ。
未帆を殺された真琴がわが身を捨てて島民たちに報復したことに対して、和美が自分たちが同じ立場だとしたら逃げてねとユメに伝えた。
ユメは約束しかねると言い、一番大事なのは自分と和美の命であると語ったのちに「どちらを奪われても死んだも同じなの。たとえ相手が誰でもどんなに偉くても…絶対許さない。」のセリフへと繋がっている。
互いを大事に思っている二人だが、ユメの方が和美の命をより重く考えていると感じられるセリフである。

白浜和美「金なんていくらでも払うから、絶対、ユメちゃんを助けてよ!?」

料亭スタッフでの白浜和美のセリフ。
開かずの間の呪いを受けたユメに死が迫る中、裏専門の探偵である八木へ助言を依頼する。
その際に八木が「高いよ?」と聞いたところ、「金なんていくらでも払うから、絶対、ユメちゃんを助けてよ!?」と和美は返した。
姉の赤川からの情報で、何よりも金が優先の人物だった和美だが、ユメと出会ったことで変わったのだろうと八木は推測する。
初回であるホールスタッフの回で、「時には非情な決断も必要」との裏バイターの心得に従ってユメを見捨てて逃げようとしていたことを考えると、現在の和美がユメを大切にしていることがよくわかるセリフとなっている。

篠月橙「そーだ、先輩と密造ワイン造ってたんだ!」

交通量調査員での篠月橙のセリフ。
赤刃トンネルは人々の畏れが具現化した通称「特異車両」と呼ばれる怪異をカウンターで定義することで消滅させていた。
そして、みた者が発狂する大量の悪霊が連なった霊団「超・異質特異車両」が現れるが、その連なりからぶどうを連想した橙は和美と密造ワインを作っていたがダメにしてしまったことを思い出す。
「そーだ、先輩と密造ワイン造ってたんだ!」という橙のセリフと共に、超・異質特異車両は「ぶどう」とカウントされて無事に消滅した。
この回は裏バイトで珍しいギャグ回であり、エピソード人気投票で一位を獲得した。

『裏バイト:逃亡禁止』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

怪奇撲滅外道光線で凶悪な怪異を滅する最強のバディ・ユメちゃん

コミックスカバー裏、コミックス本体の表紙・裏表紙で連載されているシュールギャグ漫画。
ユメを含むいくつもの魂が入った人形がバディ・ユメちゃんとして、様々な怪異を怪奇撲滅外道光線にて焼き払う最強っぷりを見せつける。主人公以外救いのないホラー展開がほとんどの本編を和らげてくれる。

マンガワンで連載中の他作品とギャグ・ホラーの交換コラボ

マンガワンで連載している人気漫画作品の『うしろの正面カムイさん』や『翼くんはあかぬけたいのに』と交換コラボを開催したことがある。
カムイさんではイラスト交換を、翼くんでは作者の小花オト(おばな おと)とネーム交換での漫画コラボを行った。
いつもならガチホラーの裏バイトがギャグ回、全力ギャグの翼くんがガチホラー回となったため、いつものギャグだと思って読んだ翼くんファンの読者を恐怖のどん底にたたき落とし、コメント欄を阿鼻叫喚であふれさせた。
何よりも小花オトがノリノリで本気のホラーを描いていた模様である。(毎年一回、夏に恒例のホラー回があったため)

橙が主役の「交通量調査員」がエピソード人気投票で1位に

2022年9月10日に第一回エピソード人気投票が行われ、投票された有効応募総数7456票を集計した結果が年末に発表された。
第三位に家政婦、第二位にファミレス店員、第一位に交通量調査員が選ばれた。特に第一位の交通量調査は二位に倍以上の得票差をつけてランクインしたエピソードである。
編集者曰く、作者の田口は隙あらばギャグ回をねじりこもうとしてくるため、編集者によって止められているとのこと。

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