針子の乙女(ラノベ・漫画)のネタバレ解説・考察まとめ
『針子の乙女』とは、ゼロキによりKADOKAWAにて2019年に発売された小説を原作として、雪村ゆににより角川コミックスにて2020年にコミカライズされた漫画作品。前世の記憶を残したまま技術貴族ヌィール家の子供に転生したユイは、ヌィール家特有の能力がないと判断されて虐げられる日々を過ごしていた。しかしある日、心優しき貴族ロダンに針子として引き取られたことで、ユイは自身の類まれな能力を隠すことなく披露し始めるのだった。針と蜘蛛と精霊が織りなす、幻想的な異世界裁縫ファンタジーが魅力的な作品だ。
今まで治療法もなく絶望的であった国布守の右手に、ユイが回復の可能性を示した感動的な場面。
前王妃の呪いによってその身を蝕まれている国布守だったが、ユイの精霊治療によってほんの少し指先を元に戻すことができた。
国布守は国の守護精霊であると同時に家族のような大切な存在である。
そんな国布守に初めて回復の可能性が示されたことで、アムナートは涙を流しながらユイに礼を述べる、感動的な場面である。
ユイの国宝級の加護縫いがお披露目された瞬間
ハーニャの汚されてしまったドレスを、ユイが国宝級の加護縫いの技術によって変化させる場面。
ハーニャは、ユイの妹であるメイリアによって婚約発表の衣装を盗まれ、代わりの衣装まで飲み物をかけられて汚されてしまった。
意気消沈するハーニャのドレスに、ユイはアムナートの緑の精霊とハーニャの炎の精霊から力を借りて加護縫いを施す。
縫われた刺繍が蔦や葉の形に伸びてドレス全体に広がり、加護縫いによってドレス自体が変化をするのだった。
加護縫いや精霊たちの力が美しい、幻想的な場面である。
アリアドネ「私はユイに会えてよかった。この世界に生まれてきてくれてありがとう」
アリアドネはユイとの邂逅の最後に、「私はユイに会えてよかった。この世界に生まれてきてくれてありがとう」と告げるのだった。
ユイは、アリアドネの名を読み上げたことで彼女の元へ召喚された。
そこで何でも聞いていいと言ったアリアドネに、ユイは一緒に召喚された者たちの安否を確認したり、国布守の治療方法を訊ねる。
ヌィール家への復讐方法でもなく転生した謎でもない、ただただ他人を想い過去ではなく未来を見るユイを、アリアドネは「強いのね」と評した。
そして、自分とサクラにとって子供のように大切な国布守を気にかけてくれるユイに礼を言い、その治療方法を授けてくれるのだった。
元の場所に戻る前に、アリアドネは最後に優しくユイを抱きしめてもう一度お礼を言い、「いつでも見守っているわ」と送り出す。
アリアドネの、母親を思わせる暖かく優しい一面を見ることができる言葉である。
アージット「心配して当然だろう。ユイは婚約者だ。私がこの世で一番に守るべき相手なのだから」
ユイを心配していた様子をミマチにからかわれたアージットは、「心配して当然だろう。ユイは婚約者だ。私がこの世で一番に守るべき相手なのだから」と告げる。
アリアドネに召喚された際、ユイだけはアリアドネ本人の場所に飛ばされたため、アージットはユイの姿が見えないことにひどく慌てていたという。
その様子をミマチにからかわれるも、心配するのは当然だと告げる、アージットの誠実さが良く分かる言葉である。
落ち込むユイを励ます側仕え達
落ち込むユイに対して、ミマチとストールとセンリは「いつでも味方だから」と励ます場面。
ヌィール家の危険性から縁を切れたらと思案するストール達に対して、ユイは妹が心配であることを打ち明ける。
ハーニャのドレスの件もあったが、昔はもっと臆病で優しい子であったのだと、ヌィール家の環境が妹を歪ませてしまったのかもしれないのだという。
迷惑をかけられてしまった皆に対して申し訳なさそうに妹への心配を吐露するユイだったが、それを聞いたミマチ達は「ユイのしたいようにしていい」と励ましてくれるのだった。
今まで過酷な環境に居たため、友達のように色々な話を楽しむことができる日が来るとは思っていなかったユイの、心からの笑顔が素敵な場面でもある。
アージット「お前がしたいと思うことをするんだ。私はどこだろうと、お前と共に行く!」
迷うユイに対して、アージットは「お前がしたいと思うことをするんだ。私はどこだろうと、お前と共に行く!」とその背を押すのだった。
センリの実家へ向かう道中、突如ヌィール家のある方角から強い瘴気が発生し始めた。
兵たちに王城への帰還を促されるユイたちだったが、妹が心配なユイはどうすればいいのかと迷ってしまう。
そんなユイの様子にアージットは手を差し伸べ、迷うユイの背を押してくれるのだった。
ユイを気遣い真っ直ぐな言葉で背を押してくれる、アージットの誠実な言葉である。
『針子の乙女』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
ファン必見のオリジナルPV
『針子の乙女』の第2巻の発売を記念して、オリジナルのPVが公開された。
ナレーションは声優の早見沙織が務めており、視聴回数は3万回を超えている。
ファンからは、「このままアニメ化してほしい」という声があがるほど注目を集めた。
裏話もある巻末メッセージ
コミックスの巻末には、原作者のゼロキや漫画家の雪村ゆに、キャラクター原案の竹岡美穂からのメッセージが載せられている。
それぞれの個性を感じられるメッセージになっており、ゼロキは遅筆の自虐ネタを披露したり、竹岡はキャラクター原案の裏話を暴露したりなど様々だ。
雪村はメッセージと共におまけイラストも掲載しているので、見逃したら非常にもったいない内容である。
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目次 - Contents
- 『針子の乙女』の概要
- 『針子の乙女』のあらすじ・ストーリー
- 転生後の地獄のような日々
- 針子としての新しい人生
- 王族との婚姻
- ヌィール家の当主
- ユイの実力
- 蜘蛛との契約
- 転生者の存在
- ヌィール家の実情
- 『針子の乙女』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- ヌィール・ユイ
- ロメストメトロ・アージット
- カロスティーラ・ロダン
- 王族関係者
- ロメストメトロ・アムナート
- フルク・ハーニャ
- ミマチ
- メネス・ストール
- 国布守
- アリアドネ
- ヌィール家
- ユイの父親
- ヌィール・メイリア
- その他の登場人物
- スクル
- カヤナ
- カミオカ・センリ
- 『針子の乙女』の用語
- 人以外の存在
- 精霊
- 魔物
- 聖獣
- 技術貴族
- 加護縫い
- ヌィール家の蜘蛛
- 精霊治療
- 呪霊師
- 乙女の称号
- ゲート
- 『針子の乙女』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 精霊が自ら力を貸す奇跡のような光景
- アージット「お前の針子としての才能と魂は、私が守ろう」
- 希望を与えたユイの加護縫い
- ユイの国宝級の加護縫いがお披露目された瞬間
- アリアドネ「私はユイに会えてよかった。この世界に生まれてきてくれてありがとう」
- アージット「心配して当然だろう。ユイは婚約者だ。私がこの世で一番に守るべき相手なのだから」
- 落ち込むユイを励ます側仕え達
- アージット「お前がしたいと思うことをするんだ。私はどこだろうと、お前と共に行く!」
- 『針子の乙女』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
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