針子の乙女(ラノベ・漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『針子の乙女』とは、ゼロキによりKADOKAWAにて2019年に発売された小説を原作として、雪村ゆににより角川コミックスにて2020年にコミカライズされた漫画作品。前世の記憶を残したまま技術貴族ヌィール家の子供に転生したユイは、ヌィール家特有の能力がないと判断されて虐げられる日々を過ごしていた。しかしある日、心優しき貴族ロダンに針子として引き取られたことで、ユイは自身の類まれな能力を隠すことなく披露し始めるのだった。針と蜘蛛と精霊が織りなす、幻想的な異世界裁縫ファンタジーが魅力的な作品だ。

ヌィール家の始祖の蜘蛛。
転生者であり、誘拐されて王城の地下の迷宮に捨てられたヌィール家初代当主であるサクラを育てた人物でもある。
当代の王がサクラを迎えに来てからも良好な関係を続け、サクラがヌィール家の当主となってからも蜘蛛との契約という形で支え続けた。
転生者の謎やこの世界のことについて、何やら詳しく知っていることを匂わせる描写がされている。
サクラやユイといった己の懐に入れた相手には優しく穏やかな人物だが、その相手に危害を加えようとする輩には苛烈な一面を見せることもあるようだ。

ヌィール家

ユイの父親

ヌィール家の元当主であり、ユイを虐待した張本人である。
作る服はセンスの欠片もなく、あまりのひどさにユイが憤慨するほどであった。
本人には大した実力もなく、加護縫いも呪霊師の策によって精霊から奪い取った魔力で行っており、精霊たちが尽きた際にはまともに加護縫いもできない程度である。
呪霊師から買った、精霊を呼び寄せてその力を食らう女性に自身の蜘蛛を融合しており、最後にはその女性に殺されてその命を終えた。

ヌィール・メイリア

ユイの妹であり、ヌィール家の次女である。
幼い頃はユイととても仲が良く、ユイが虐待され始めたころはよく隠れて食べ物を持ち込んでいたりもした。
しかし父親にそのことがばれて折檻されてからは、ユイを気にかけると自分が死んでしまうかもしれない、とユイに接することをやめてしまう。
ユイ曰く、本来はとても臆病で優しい子であるが、ヌィール家の環境のせいで歪んでしまった被害者である。

その他の登場人物

スクル

ロダンの仕事場での家令を務める男性。
精霊を視る眼を持っており、ユイが精霊を視ることができること、精霊の治療ができることに気づいた人物である。

カヤナ

官吏たちと束ねる文官長。
かなり高齢で車いすで移動しているが、それ以外は元気な様子である。
ロダンの直属の上司であり、ゲートを管理する一族の者でもある。

カミオカ・センリ

カヤナの親戚でゲートの修復ができる人物である。
実は祖父母が転生者であり、その血を継ぐセンリもゲートを見ることができる。
祖父母が転生者であることは知らないが、祖父母の出身がこの国から遠く離れた未知の場所であり、その場所のことを祖父母から聞かされていたためユイもそこの出身であると認識している。

『針子の乙女』の用語

人以外の存在

精霊

様々な属性を冠する存在。
手のひらサイズの小さな精霊や、人と同じ大きさの精霊など様々な精霊が存在している。
精霊たちの衣服は、正確には服ではなく体の一部であり、力の強い精霊ほど衣服も華やかになっていく。
また呪霊師に魔力を奪われた精霊は衣服が破れ、そこから徐々に力を失っていき、最後には消えてしまう。
ユイが行った魔力の糸による精霊の衣服の繕いは、精霊治療と呼ばれる治療方法であった。

魔物

知性や魔力がない、精霊を食らう邪悪な生き物。

yone4
yone4
@yone4

目次 - Contents