蒼の封印(篠原千絵)のネタバレ解説・考察まとめ

『蒼の封印』とは、篠原千絵による少女漫画。小学館の『少女コミック』にて1991年22号から1994年21号まで連載された。1993年にCDブックも発売されたが、結末が漫画版と異なっている。転校生・桐生蒼子の学校で生徒が次々と消える事態が発生。蒼子は自身が鬼族の長「東家の蒼龍」の人喰い鬼だと知り、苦悩しながらも鬼を封じるため「蒼の封印」を行う。血に翻弄されながらも宿命に抗うホラー・ファンタジーである。

中国由来の四神に由来する。鬼門の中でも特殊な能力を持つ4つの血筋を持つ家系を指す。人間との混血をした西家以外では、四家の能力は第一子にしか備わらない。
普通の鬼門は人肉を直接喰うのだが、人に触れるだけでエナジーだけを吸い取ることができる。五行(木・火・土・水・金)の結界を使い分ける。
血筋を守るため一族間で繰り返された婚姻は不妊と短命を招いてしまい、人間と交わった西家以外は途絶えている。それぞれが「隠れ屋」を持っており、長は隠れ屋に行き本来の力を授かる。

東家の蒼龍

鬼門の長。人を喰ったエナジーから青い炎を燃やしたり、蒼魂を作り出し鬼を増やすことができる。
蒼魂を人間に飲ませると、飲んだ人間は蒼龍に従い鬼門になる。
「東の隠れ屋」は鬼門の女が子を産み、クローンも作られる。東の隠れ屋を封じることを「蒼の封印」といい鬼門を滅亡させる。

西家の白虎

鬼門の中で唯一、鬼を倒すことができる。
長い年月の中で人間と交わり生き延びてきた。

北家の玄武

鬼門の司祭を担う。黒い炎で球体を作り頭を覆うと精神を操ることができる。苦痛や快楽などを与え、意に反して動いてしまう。
「北の隠れ屋」は癒しの場でどんな傷も治してしまう効果がある。

南家の朱雀

鬼門の刑罰を司る一族だが、既に部族は残っていない。隠れ屋は阿蘇山の火口にある。

『蒼の封印』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

西園寺 彬「“蒼龍”は美しい鬼なのだそうだ」

「ミイラ取りがミイラになるな」という叔父の忠告も虚しく、彬は蒼子の涙を見て一瞬で心を奪われ、愛するようになる。

その際の彬の独白が「“蒼龍”は美しい鬼なのだそうだ 見たものは男も女も魅せられ 恍惚のうちに“生命(いのち)”も“魂(こころ)”も奪われるのだ」である。
作品内に置ける「鬼」のあり方が表現された一文である。

『蒼の封印』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

最初は河童を主人公にしたかった作者

Sho-Comi50周年特集インタビューで、作者は「本当は主人公を鬼じゃなくて、河童にしたかったんです」と語っている。
作者の中では美しいイメージができていたが、少女漫画に河童は向かないと編集に止められ鬼の話になった。この時のイメージを後の「水に棲む花」で使ったそうだ。

9hbajiriko1982
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