ペントハウス(韓国ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ペントハウス』とは2020年から2021年にかけて、韓国SBSで放送されていたサスペンスドラマである。富裕層しか入居することができない高級タワーマンション「ヘラパレス」に入居する人々は、一見何の不自由もなく幸せそうな暮らしをしていた。しかしその裏にはそれぞれ複雑な事情を抱えており、豪華絢爛なパーティーの最中に発生した一人の少女の死によって、その闇が次々と暴かれていく。格差社会や学力競争など様々な社会問題をはらんだ本作は、韓国で最高視聴率31パーセントを記録するなど大きな話題を呼んだ。

『ペントハウス』の概要

『ペントハウス』は、2020年から2021年にかけて、韓国SBSで放送されたサスペンステレビドラマである。この作品は、韓国の社会上層部に位置する人々の複雑で暗い内面、彼らの抱える欲望、野望、そして深い復讐心を描いている。衝撃的な展開と予測不能なストーリーラインで、多くの視聴者を惹きつけ、深い印象を残した。

ドラマは全3シーズンにわたり、高級住宅街「ヘラパレス」を主な舞台として展開される。この地は、富と権力を象徴する場所であり、そこに住む人々は一見、華やかで羨望の的であるかのように見える。しかし、その裏側では、彼らの間で繰り広げられる裏切り、欺瞞、そして復讐のドラマがある。表面的な成功と幸福の背後に隠された真実を描くことで、『ペントハウス』は社会的な地位や富が人間関係や個人の内面にどのような影響を与えるのか、鋭く問いかける。

このドラマの中心には、複数の家族が登場し、それぞれが独自の野望や秘密を抱えている。彼らは自分たちの子供を社会の最上層に押し上げようとするが、その過程で道徳的な境界を越え、しばしば犠牲者を出す。特に子供たちの教育を巡る競争は、親たちの間で過激な争いを引き起こし、その結果予期せぬ悲劇が発生する。

『ペントハウス』の物語は、ただのエンターテインメントに留まらず、現代社会の問題点を浮き彫りにする。教育、社会的地位、富の不平等、そして人間の本質について深く掘り下げることで、視聴者に強いメッセージを投げかける。このドラマが放送された後韓国国内はもちろん、世界中で大きな話題となり、多くの議論を呼んだ。その衝撃的な内容とメッセージ性は、多くの人々に影響を与えたのである。

『ペントハウス』のあらすじ・ストーリー

シーズン1:欲望の影

パーティーの様子。この後の悲劇によって地獄の様相を呈することになる

主要人物であるシム・スリョンは、ヘラパレスの女王として君臨するが、彼女の娘が謎の死を遂げる事件が物語の始まりである。「真実を明らかにするためならどんな犠牲も厭わない」という彼女の決意が、物語全体を通じて強い影響を与える。

また、このシーズンでは、チョン・ソジンやオ・ユニなど他のキャラクターたちも重要な役割を果たす。彼らは自らの野望のためには手段を選ばず、多くの陰謀と裏切りを巡らせる。特に子供たちの進学を巡る競争は、親たちの間で過激な争いを引き起こし、それが様々な事件やトラブルに発展する。

ここではオ・ユニがコンテストで優勝するもトロフィーで声帯を斬りつけられた為歌えなくなったこと、オ・ユニの恋人だったハ・ユンチョルをチョン・ソジンが奪ったことなど、オ・ユニとチョン・ソジンの過去がメインで語られる。
また、シム・スリョンの娘であるミン・ソラが学校、ペントハウスの住人から服装が貧しいことでいじめられ、過酷な日常を送っている事が鮮明に描かれる。

その過程でコンクールがあり、オ・ユニの娘ペ・ロナが1位を取らないと学校長であるチョン・ソジンから学校を退学させられることになる。
住人やチョン・ソジンからのストレスで、川で深酒をするオ・ユニ。泥酔した勢いで思い立ち、チョン・ソジンを殺そうと彼女のいるパーティー会場に向かう。

ただハ・ユンチョルに止められ、殺害はできなかった。ペントハウスを1人でさまよっている中、チュ・ダンテがミン・ソラを殺そうと高層階の窓際で首を占めているところを発見する。
それを止めるオ・ユニだが、「この女が居なければ娘は学校にいることができる」と考え、そのままミン・ソラを高層階から突き落とし殺害した。

ただミン・ソラを殺害した現場を見た人間は誰もおらず、パーティーの会場にいたペントハウスの住人たちは、この中の誰かがやったと疑心暗鬼に陥っていた。
殺した本人は泥酔しており全く記憶がなく、復讐に燃えるシム・スリョンと唯一の友人関係になるが、途中で自分の犯した罪に気づく。

殺害した犯人を見つける為シム・スリョンはオ・ユニ以外を監禁して「真実を言わなければ殺す」と脅迫したが、その中には犯人はおらず、真犯人はオ・ユニと気づく。
ついに真相を暴き、オ・ユニに伝えようと思い立ったところ、旦那であるチュ・ダンテに刃物で殺害される。
その現場を目撃したオ・ユニは、チュ・ダンテに罪を着させられ、逮捕される。
しかし、以前アメリカでミン・ソラが家族関係にあった家族の1人であるローガン・リーから真実を聞くために脱獄させられ、逃亡して姿を消してシーズンは幕を閉じる。

シーズン2:終焉と救済

逃亡したオ・ユニはローガン・リーと手を組み、今はなきシム・スリョンが明らかにしたかった真実をすべて暴くことを決意した。
この頃には、チョン・ソジンはチュ・ダンテと婚約し、ハ・ユンチョルとは離婚。オ・ユニの元彼だったハ・ユンチョルは、チュ・ダンテに復讐するためにパートナーの振りをしつつ、共同関係になる。

だが、ある事件をきっかけにその共同関係も破綻する。
ハ・ユンチョルとチョン・ソジンの間に生まれた娘ハ・ウンビョルが、コンクールの練習前に大量の薬を飲んだ副作用がきっかけで、日頃のストレスが爆発する。歌がうまいことで嫉妬していたペ・ロナに対してトロフィーで首を傷つけ、階段から突き落とした。それを見ていたチュ・ダンテがトロフィーをペ・ロナの頭に突き刺し、彼女は大量出血のすえ死亡する。

その後ハ・ウンビョル自分が殺したと思い込んで体調を崩し、ハ・ユンチョルは看病するが、そのときに彼女がペ・ロナを殺したことに気づく。チョン・ソジンと協力して記憶をなくす薬をハ・ウンビョルに投与し、罪を隠蔽した。
それ以降ハ・ユンチョルはオ・ユニとの共同関係を解消し、オ・ユニはローガン・リーと全員の罪を暴くために動き続ける。

その間、チュ・ダンテの最初の結婚相手であったナ・エギョが姿を突如表すが、実はナ・エギョはシム・スリョンであることにオ・ユニは気づく。
そして監禁したときに暴いた真実を警察に提出。オ・ユニは自首することですべての真実は明らかになる。

『ペントハウス』の登場人物・キャラクター

オ・ユニ(演:ユジン)

出典: comic-consul.com

オ・ユニは、この物語の主人公である。貧しい家庭出身で、「ヘラパレス」の住人になることを夢見る女性である。彼女は、自分と娘の地位向上のためなら、どんな犠牲も払う覚悟がある。「私たちもここに居場所がある」と信じ、その野心は彼女を数々の謀略へと駆り立てる。誰と結婚したのかは明確に描かれていないが、ペ・ロナの母である。ハ・ユンチョルと恋愛関係だったが、医者になることを志していた彼はチョン・ソジンに財力面で交渉をされ、チョン・ソジンと恋愛関係に発展した末奪われた。またコンテストで1位を受賞した彼女だったが、チョン・ソジンにトロフィーで喉を切られて歌を歌えなくなると同時に、チョン・ソジンが傷つけられたことにされ事件も有耶無耶になる。

ペ・ロナ(演:キム・ヒョンス)

出典: comic-consul.com

ペ・ロナは、オ・ユニの娘で、彼女もまたソリダム芸術高校の生徒である。ロナは非常に才能があり、母親とは異なる正義感を持つ。彼女の正直さと勇気は、物語の中で多くの困難に立ち向かう原動力となる。

チョン・ソジン(演:キム・ソヨン)

出典: comic-consul.com

チョン・ソジンは野心的で権力志向が強いキャラクターである。彼女は家族の社会的地位の向上を最優先し、その目的のためには手段を選ばない。特に子供の教育に対する彼女の執着は、ヘラパレス内の競争を激化させ、物語に衝突をもたらす。チョン・ソジンの行動は、社会的地位の追求が如何に人間関係を破壊するかを象徴し、ドラマの緊張感を高める重要な要素である。
オ・ユニと恋愛関係だったハ・ユンチョルを奪い、結婚し、後に権力闘争の末チュ・ダンテと結婚する。

シム・スリョン(演:イ・ジア)

出典: comic-consul.com

シム・スリョンは、「ヘラパレス」に住む女性で、物語の中心人物の一人である。彼女は、娘であるミン・ソラの謎の死をきっかけに真相を追求し始める。「私は真実を知る権利がある」という強い信念を持ち、その過程で様々な困難に直面する。彼女の品格ある振る舞いと強い意志は、多くの視聴者からの共感を呼んでいる。過去婚約していた彼をチュ・ダンテに殺されるが、真相を明かされずチュ・ダンテが救ったことにされた末に彼と結婚。チュ・ダンテに隠れて彼の裏で行っていることなどを盗聴し、裏で娘を殺された恨みを晴らすための復讐を企てる。そして事件に関与したペントハウスの住人全員を巻き込み、確実に悪事を暴いていく。

チュ・ダンテ(演:オム・ギジュン)

出典: comic-consul.com

チュ・ダンテは『ペントハウス』におけるヘラパレスの警備責任者である。彼は住人たちの秘密を知る立場にありながら、その知識を公平かつ賢明に扱う人物である。ダンテの役割は物語において住人たちの陰謀や秘密が表面化するきっかけを提供することであり、彼の正義感と職務への忠誠心は、複雑な人間関係の中での道徳的な指針となる。彼の存在は、ドラマの展開において重要な役割を果たしている。ナ・エギョと結婚し、双子のチュ・ソッキョン、チュ・ソクフンを授かる。シム・スリョンの元夫を殺害し、自分の妻にする。

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