口が裂けても君には(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『口が裂けても君には』(くちがさけてもきみには)とは、日本の漫画家・梶本あかりによる漫画作品。2020年11月から2023年12月まで集英社のWeb漫画アプリ『少年ジャンプ+』で連載をしていた。日本の怪談を題材にしていながら、ホラー感は薄く、男子高校生と口裂け女のラブストーリーが主軸である。
口裂け女のみろくは、ひょんなことから茶乃紅一という男子高校生に嫁ぐことになった。紅一は何故か結婚に乗り気。だがみろくのほうはそうでもない。それからみろくが紅一に振り回される日々が始まった。

茶乃家(さのけ)

強い言霊の力を代々受け継ぐ一族。広大な茶畑を有しており、それを軸に商売をしていた。本作で登場する初代茶乃家当主である茶乃魅緑は、言霊の力が強い人間を連れてきてお家復興を願った当主が連れてきた養女。茶乃家自体はその前から長く続く家だったとのことだが、魅緑を当主に据えてから代を数え直すことにした。言霊の力が特に強かったのは、初代当主の魅緑と三代目当主の語(かたる)で、他のものはそこまで強い言霊の力は持っていなかった。

「逸話モノ」の管理をする家柄であり、消滅しかかっている「逸話モノ」がそれを免れるために嫁いでくることもある。しかし三代目当主の語が、嫁いできた「逸話モノ」に非道を行うようになり、そのせいで一時期は「逸話モノ」との関係性が崩れていた。語の甥に当たる紅太朗が四代目になり家業も「逸話モノ」との関係性を一からやり直し再興させる・語の所業を見ていた紅太朗は、家督を継いだ時に茶乃家の血筋にまじないをかけ、”「逸話モノ」の消滅へと繋がる言葉”と”愛の言葉”については、言霊の力を弱くしている。

『口が裂けても君には』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

”口が裂けても君には”

本作のタイトルにもなっている”口が裂けても君には”は、連載当初は主人公の「口裂け女」のみろくの紅一への思いを指しているものだと思われていた。みろくが紅一との結婚を認めていないところから始めるラブストーリーが主軸であったため、みろくが紅一への思いを自覚してからなかなか思いが伝えられない。そんなじれったい恋模様を表現しているように見える。しかし実際のところ、本作では様々な”口が裂けても君には”が描かれている。

人は誰しも他人に言えない思いを抱えて生きている。それは血の繋がった家族や心から愛する想い人に対してもあるものだ。本作では、登場人物が心の底に”口が裂けても君には”言えない思いを抱えて生きており、それはポジティブな内容だったりネガティブな内容だったり、多種多様である。キャラクターの情緒が鮮明に描かれており、様々な”口が裂けても君には”が描かれる。読者からは”秀逸なタイトル回収”として評価も高い。

『口が裂けても君には』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

主人公カップルに迫るウダサヤの人気

本作は主人公カップル・みろくと紅一のじれったくも甘いラブストリーが主軸であり、2人の恋を応援する声もコメントでは多く見られる。しかしその主人公カップルに迫る人気を持つカップルがウダとサヤ、略してウダサヤである。

紅一の用心棒兼お世話係を務めるウダは、「烏蛇(からすへび)」という「逸話モノ」で、茶乃語(さの かたる)が当主の時に茶乃家にやってきた。そこでウダは語が嫁いできた「逸話モノ」に非道を行う片棒を担がされていた。一方で語の養女・サヤは、そんなことを知らずに毎日絵を描いて幸せに暮らしていた。やがてウダは語の甥である茶乃紅太朗(さの こうたろう)と共に嫁いできた「逸話モノ」達を解放するために尽力する。ウダはその時恋い焦がれていたサヤと一緒になった。その時のウダはサヤに「からすへび様」と呼ばれており、サヤはウダや紅太朗から「お嬢」と呼ばれていた。時を経て、茶乃家は紅一が六代目当主の時代になる。サヤはすっかりおばあちゃんになったが、ウダはそれでもサヤのことを愛しており、作中で度々2人のラブラブっぷりが描かれる。

キャラクター人気投票では主人公を差し置いて、ウダが1位。そして「烏蛇」が3位となっている。またサヤは6位で、「お嬢」と呼ばれていた若かりし日の姿は5位に入っていた。2人で5万を超える票を獲得しており、これは総投票数の11万4640票の半分に近いに数字だ。このことはウダサヤが主人公カップルに迫る人気を持っていることの証明にもなっている。

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