Sonny Boy(サニーボーイ)のネタバレ解説・考察まとめ

『Sonny Boy』とは夏目真悟の原作をもとに、 2021年7月からTV放送された、全12話のSF青春群像劇アニメーションである。主人公・長良を含む中学生36人は気がつくと真っ黒な異世界にいた。超能力の有無や理不尽な異世界のルール、変化する世界を漂流しながら、元の世界に戻るべく謎を解明していく。BGMも少なく、世界観や説明的なセリフもない「わかりにくいが、なんかいい」異色なSFアニメだ。

2000年旅をしたラジダニに瑞穂が「ホームシックにならなかった?」と問いかけられ、ラジダニは旅の中で絵描きの作った世界に立ち寄った時の話をする。「前に立ち寄った世界に故郷の情景が描かれた世界があってね、それは恐ろしいほどに正確で鮮明、何より神秘的だった。不安になるくらいにね。だけどちょっと違うんだ。元の世界より元の世界らしい世界だった」「この世界こそホームシックと呼ぶことにした」と答えた。

ラジダニが作った能力異物・スクープスコープで描かれた故郷の絵を見てみると「実際の故郷は彼の描く絵のように美しくも大して魅力もない、僕のよく知ってる町だった」と言い、美化された思い出が帰りたいと思わせ、過去に囚われてしまう原因だと語った。

絵描きの書いた恋人は、絵の中の人ほど美しくなかった。描かれた恋人自身は絵描きに現実をともに生きて欲しかったが、絵描きは現実を受け止めなかった。
思い出は懐かしむほど美化される。愛したものは美しく見える。彼女との思い出に囚われ、恋人を描きづつけて世界を作ってしまった。
11話はラジダニによる哲学的な独白が多く、神について触れることも多く悟りを開いたように見受けられる。

希のお葬式

長良と瑞穂は、骨折から届いた絵葉書で希の消失を知る。
2人は文化祭の準備さながらに、青いペンキで鯨幕を作り、キャンパスノートを芳名帳の代わりにし、ラジダニの仏像で入り口案内まで用意したが、式の間は誰もこなかった。
式の最後には、希の写真や花をオルゴールに入れて海に流す。
海に入れる前にオルゴールのネジを回すと、ザ・なつやすみバンド「lightship」がかかるのが印象的である。
翌朝、ラジダニが小さな花をあしらった香典袋を持って現れた。

『Sonny Boy』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

作中に登場する『ストップ!!ひばりくん!』のコミックス

キャラクターデザインを担当した江口寿史は漫画家でもあり、自身の代表作『ストップ!!ひばりくん!』(1981年〜)のコミックスが登場している。
1話で瑞穂が、ニャマゾンで取り寄せた大量のコミックスをピアノの上でクッションの上に寝転びながら読んでいるシーンだが、大写しになるのでファンならすぐにわかる演出となっている。

多用されたプロダクトプレイスメント

いなばの「CIAOちゅ〜る」やヤクルトの「ヤクルト1000」、ファーストキッチン、吉野家など、提供元の商品が登場する。
異世界に現れる馴染み深い商品がシュールさを増しており、視聴者は楽しみにしていた。
プロダクトプレイスメントは作中に企業コマーシャルの商品を入れ込む手法だが、2000年頃からアニメでもよく見るようになった。

『Sonny Boy』の主題歌・挿入歌

ED(エンディング)銀杏BOYS:「少年少女」

作詞・作曲・編曲:峯田和伸

銀杏BOYZによる主題歌・エンディングテーマ。作詞・作曲・編曲は峯田和伸。
本作はOPがないため、主題歌にあたる。

挿入曲:落日飛車「Broken Windows」(第2話)

曲・編曲:曾國宏、Jewell

挿入曲:落日飛車「Seagull」(第2話)

曲・編曲:曾國宏、Jewell

挿入曲:VIDEOTAPEMUSIC「Summer Storm」(第3話)

作曲・編曲:VIDEOTAPEMUSIC

挿入曲:ザ・なつやすみバンド「Tune from diamond」(第4話)

作曲:MC.sirafu、編曲:ザ・なつやすみバンド

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