MAD GOD(マッドゴッド)のネタバレ解説・考察まとめ

『MAD GOD(マッドゴッド)』とは、「特殊効果の神」と呼ばれたフィル・ティペットが監督を務め、30年の歳月をかけて完成させたストップモーション・アダルト・アニメーション・エクスペリメンタル・ホラー映画。
緻密なストップモーションアニメにCGや実写も交えた、シュールかつ悪趣味な唯一無二の世界観を実現している。
日本では2022年に公開され、上映館は少なかったもののストップモーション愛好者やフィル・ティペットのファンを中心に話題になり、注目を浴びた。

『MAD GOD』(マッドゴッド)の概要

『MAD GOD(マッドゴッド)』とは、「特殊効果の神」と呼ばれたフィル・ティペットが監督を務め、30年の歳月をかけて完成させたストップモーション・アダルト・アニメーション・エクスペリメンタル・ホラー映画。
緻密なストップモーションアニメにCGや実写も交えた、シュールかつ悪趣味な唯一無二の世界観を実現している。
日本では2022年に公開され、上映館は少なかったもののストップモーション愛好者やフィル・ティペットのファンを中心に話題になり、注目を浴びた。

もとはフィル・ティペットの個人的なプロジェクトとして製作開始された短編作品だったが、資金不足でとん挫していた。彼のスタジオの若手スタッフの働きかけにより「Kickstarter」でクラウドファンディングが開始され、目標額だった4万ドルを大きく上回る12万4156ドルを達成。2013年12月に第一部が完成し、カリフォルニア州のニュー・パークウェイ・シアターで初公開された。さらに、公式サイトで有償公開もされた。その後、再び第二部の資金を「Kickstarter」で集めはじめ、目標額6万ドルに対して6万1567ドルを達成。最終的には第三部まで製作され、無事に長編作品として公開された。

日本では、近い時期に公開されたストップモーションアニメ映画『JUNK HEAD』と並べて話題にされることが多い。

『MAD GOD』(マッドゴッド)のあらすじ・ストーリー

地獄世界の冒険

遠い未来のどこか、ひとり乗りのポッドが地底深くへと向かっていた。ポッドを破壊しようとする防衛システムをかいくぐり、化石の埋まった地層を過ぎ、やがてポッドは荒廃した地獄の世界へと辿り着いた。ポッドには、ガスマスクを装着した「アサシン」が乗っていた。アサシンは地図を頼りに、地底世界のある一点を目指して歩き始める。
小人のサンタクロースを踏みつぶし、歯をむき出しにした怪物が獲物を切り刻むのを横目に、アサシンは地獄の住民に見つからないように進んでいく。途中、手術台に拘束された猿と、自慰行為にふける木の人形がいる部屋を通りがかるが、アサシンは気にせず先を目指した。アサシンの目的地はもっと下層にあるのだ。
アサシンは、拘束された巨人が何体も並び、電気ショックの拷問を受けている部屋に辿り着く。青白い閃光が明滅する部屋で、電気を流された巨人は椅子にあいた穴に向かって排泄物を垂れ流していた。その部屋の奥に下層へと続く入り口を発見し、アサシンは排泄物の滝を横目に下層へと下りていった。その途中、巨大な人間に似た顔の生物が大きな口を開けて、落ちてくる巨人の排泄物を飲み込んでいるところを目撃する。顔は大きなパイプに繋がっていて、パイプの先には巨大な装置があった。パイプから流れ出た排泄物はプレス機に流され、細い人型の生物を次々と生み出していた。弱弱しいそれらは誰に言われるでもなく歩き出し、工場の炎に呑まれて消失したり、何か大きなものを動かす苦役に従事している。そこらじゅうに設置されたテレビからは赤ん坊の声が絶え間なく流れており、怪物が徘徊して労働者たちをなぶり殺しにしていた。アサシンは労働者や怪物に見つからないように進み、下へ続く扉を見つけて下りていく。

生まれたもの

アサシンが降り立ったのは、暗い森のような場所だった。そこで荷物を降ろしたアサシンは、トランクに仕込まれた時限爆弾を起動させようとする。しかし、そこで怪物の襲撃を受け、アサシンは爆弾を残してどこかへ連れ去られてしまった。時限爆弾の時計は、あと1秒のところで止まっている。
拘束され、たくさんの観客の前で装備をすべて剥ぎ取られたアサシンは、大きな建物の一室で手術台に拘束されていた。そこに外科医と看護師がやってきて、アサシンは生きたまま胴体を開かれてしまう。最初はもがいていたアサシンだったが、やがて力尽きて動かなくなった。
外科医は切開したアサシンの体に両腕を突っ込んで、中のものをつぎつぎに取り出していく。外科医の足元は、血と本と装飾品でいっぱいになった。やがて、外科医はようやく肉の塊に歯が生えた赤ん坊を発見し、看護師は赤ん坊を受け取って出ていった。外科医がアサシンの頭部につけた装置を動作させると、過去に送り込まれたアサシンが地獄を進んでいく姿が映し出されていた。
赤ん坊を抱えた看護師が大きな扉の前に立つと、ペストマスクを被った浮遊するアルケミストが現れる。看護師はアルケミストに赤ん坊を渡し、自室に戻って眠りについた。
アルケミストは赤ん坊を抱えて地獄の最下層を進んだ。やがて実験室に辿り着くと、助手のインプに手伝わせて作業に取り掛かる。赤ん坊をプレス機で圧し潰し、出来た液体を型に入れて熱し、冷やして金属の延べ棒のように整形する。そして延べ棒を粉末状に砕いて、フラスコの中へと振りまいた。
フラスコの中でまばゆい光が広がり、やがて宇宙が生まれる。その中の惑星では、若者たちがまるでアサシンのように、町に爆弾を仕掛けていた。そうしてアサシンが仕掛け損ねた爆弾の時計の最後の1秒が刻まれ、爆音が響き渡った。

『MAD GOD』(マッドゴッド)の登場人物・キャラクター

アサシン/THE ASSASSIN

ラストマンの指令を受けて、地底世界に降り立った主人公。ガスマスクを装備し、時限爆弾を携えている。
大量に存在するが、一度に地底を目指すのはひとりだけだ。

ラストマン/LASTMAN

人類最後の男。地底世界にアサシンを送り込み、時限爆弾をしかけようとしている。
大量にいるアサシンは何度も失敗しており、地底世界には不発におわった爆弾が積みあがっている。

シー・イット/SHE-IT

地底世界の表層に近いエリアに住んでいる。大きな出刃包丁を振りまわし、クリープを切り刻む。

クリープ/THE CREEP

ドラム缶の中に生息し、罠をしかけて獲物を狩る。
シー・イットが天敵で、捕まると生きたまま切り刻まれる。

シットマン/SHITMEN

地底世界の中層で苦役に従事する労働者たち。巨人の排泄物から作られる。目的もなく働かされたり、他の怪物に殺されたり、特に理由なく死んだりする。

ミートボール/MEATBALL

shuichi
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@shuichi

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