9-nine-ここのつここのかここのいろ(9ここいろ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】
『9-nine-ここのつここのかここのいろ(9ここいろ)』とは、株式会社クリアレーヴのゲームブランド、ぱれっとによって制作された恋愛アドベンチャーゲーム。シリーズ4作と新章からなる『9-nine-(ナイン)』シリーズの第1作目となる本作は、ヒロインの1人である九條都に焦点を当てたストーリーとなっている。異能を手にしたことで揺れ動く心情に葛藤するお嬢様“都”とぶっきらぼうな主人公の恋模様を描く。美麗なグラフィックからは想像しがたい過酷なストーリーに、プレイヤーを絶望に追い込んだ衝撃作である。
ソフィから聞いた「別の枝の都が一週間で犯人を特定した」という情報から、犯人は自分たちの生活圏にいると翔は考えた。学校で能力を使ってしまった都は、犯人にユーザーであることを知られている可能性が高く、犯人が都に対して何か行動を起こす前に捕まえる必要があった。こうして翔、都、天の3人で作戦会議をするなか、天が監視していたアガスティアの葉でオフ会が開催されたことを知る。そこに犯人である石化の能力者も紛れ込んでいる可能性があると考え、まずは香坂先輩の記憶を読み、参加者がわかったら次はその参加者たちの記憶を読んでいくことで、犯人の特定に繋げていく作戦で話がまとまった。
次の日の朝、3人は香坂先輩を待ち構える。相変わらず堂々とした立ち振る舞いで男子たちを引き連れており、自ら「彼らはわたくしの親衛隊なんです」と話すほどであった。都が能力を使って記憶を読む際、目に見えない記憶を選んで読むのは難しく、印象の強い記憶を読みやすいと話したため、翔はさりげなくオフ会の話を聞き出し、その最中に都は香坂先輩の記憶を読むことに成功する。その記憶のなかで香坂先輩と謎の男女が神社で会っていることがわかり、別の枝での都も神社で殺されていることから、神社が共通点であることを見出す。この3人のうち誰かが犯人であるからこそ、都は神社で殺されてしまったと翔は考えた。しかし、能力がまだ未熟な都と天の2人に犯人の可能性がある人物の元へ向かわせても、天まで殺されかねないと思った翔は、「石化の能力者は、私に勝てない。私のジ・オーダーは無敵」と豪語する希亜を用心棒として仲間に迎え入れることに成功する。
その日の夜に早速4人で神社へ向かうと、境内に人のような影を発見する。警戒して進むなか、「あの男が私たちに意識を向けることは、決してない」と言った希亜は無造作にその人影との距離を詰める。その自分勝手な行動に翔は苛立ちを覚え後を追うも、希亜の言ったことは正しく、そこにいたのは確かに男で、もう動くことは決してない石像であった。その傍らには紙切れが落ちており、そこには“罪の意識に押しつぶされそうだ。気が狂ってしまう前に僕は僕自身を石にして、すべてを終わらせよう。”と書かれていた。そしてその男を見た都は、香坂先輩の記憶で神社で会っていた男であると話した。「罪の意識に押しつぶされるのならば、はじめから犯罪など犯さなければいいのに。この男はしっかりと裁かれるべきだった。自分だけ楽に逝くなんて」と吐き捨てた希亜は、「…私の仕事は、これで終わりね」となんの動揺もせず平然と去っていくのであった。
神社の敷地内にて勝手に通報するわけにもいかず、都と天が成瀬先生を呼びに行っている間、翔はソフィを呼び出す。ソフィはその石像からアーティファクトを回収しようとするも、見つけることができなかった。それは、アーティファクトが他の主を見つけてしまったか、もしくは魔眼のユーザーはこの石像の男ではない可能性を示唆していた。あまりにもタイミングが良すぎる展開に不明な点が多く見受けられるも、手がかりを完全に失ってしまった以上、なにが真実であろうとこれで終わりでいいんだ、と翔は自分に言い聞かせる他なかった。
エピローグ
3人目の犠牲者となった男は、一連の事件の犯人という扱いにはならず、他の犠牲者と同じように人体が石化する謎の病気を発症し死亡したと発表された。詳細は不明のままであったため翔は自分で調べた結果、その男は“アガスティアの葉”の管理人であることが判明した。香坂先輩とも確かに親交があり、それを知った香坂先輩はひどくショックを受け、会話もままならない状態となっていた。
それ以降石化事件は起こることなく、なんの変哲もない平和な毎日が戻った。いつも通り都が翔の部屋で手料理を振る舞い食事をしていた最中、ソフィが姿を現す。魔眼のユーザーに全く動きが見られないため一時的なお別れを言いに来たと話すソフィは、また必ず来ると告げ、歪んだ空間に消えていった。
ソフィが一時的に去り、石化事件も収束し、翔と都は何気ない日々とかけがえのない幸せを嚙みしめる毎日を過ごしていた。そんなある日、アーティファクトの能力を私的に使おうとした都は、左手の甲のスティグマが広がっていることに気付く。そんな様子の都をよそに、見覚えのない金髪の女が不敵な笑みを浮かべ、夜の街を見下ろしていた。
『9-nine-ここのつここのかここのいろ』のゲームシステム
ADVゲームに分類され、ストーリー中に出てくる選択肢を選ぶことで物語の展開が変化していく。なお『9-nine-ここのつここのかここのいろ』において、1周目は選択肢が存在せず強制BADエンドとなっており、2周目から選択肢が発生していく。
『9-nine-ここのつここのかここのいろ』の登場人物・キャラクター
新海 翔(にいみ かける)
CV:寺竹順(18禁版) / 阿部敦(全年齢版)
本作の主人公。白泉学園2年生。少々無愛想ではあるが、責任感が強く頼れる青年。
妹の天が自室を熱望したことにより、翔は学園の近くのアパートで生活をしている。
都からアーティファクトの相談を受け、都と仲良くなりたいという下心から事件を解決するために行動を共にすることとなる。
ソフィーティア曰く翔自身もアーティファクトユーザーらしいが、能力は不明で自覚もない。
九條 都(くじょう みやこ)
CV:澤田なつ(18禁版) / 福圓美里(全年齢版)
本作のヒロイン。白泉学園2年生。正義感があり真面目でしっかり者。
世界的に有名な企業のお嬢様であるが、金銭感覚は庶民的であり日々節約を意識している。
固定観念に囚われがちな自分とは違う考えができる翔に絶大な信頼を寄せている。
不思議なアクセサリーである“アーティファクト”を手に入れたことで異能に目覚め、持ち前の正義感で事件の解決に乗り出す。
新海 天(にいみ そら)
CV:沢澤砂羽(18禁版) / 種﨑敦美(全年齢版)
主人公の妹。白泉学園1年生。無邪気で社交的な性格であり、誰からも愛されるマスコットキャラクター的存在。
兄の翔と日常的に憎まれ口を叩きあっているも、それが兄妹仲の良さを物語る。
普段翔のことを「にぃに」と呼ぶも、本気で翔に頼りたいときは「お兄ちゃん」に変化する。
いつの間にかアーティファクトユーザーとなっていたが、アーティファクトの形状は不明である。
香坂 春風(こうさか はるか)
CV:渚しろな(18禁版) / 山岡ゆり(全年齢版)
主人公たちの先輩。白泉学園3年生。気が小さくおとなしい人格と、女王様のような人格の二面性がある。
アーティファクトユーザーの1人であり、躊躇うことなく他者に能力を使う要注意人物である。
結城 希亜(ゆうき のあ)
CV:夏和小(18禁版) / 藤田茜(全年齢版)
主人公と同い年。玖方女学院2年生。ミステリアスな他校の女子。
アーティファクトユーザーの1人であり、主人公たちと同じく事件の真相を追うが、警戒心が強く主人公たちの協力を拒否している。
ソフィーティア
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目次 - Contents
- 『9-nine-ここのつここのかここのいろ』の概要
- 『9-nine-ここのつここのかここのいろ』のあらすじ・ストーリー
- 変化する日常
- 人体石化事件
- 幻の火事
- ソフィーティアとの出会い
- 新たなアーティファクトユーザー
- 再び発生する人体石化事件
- 都の異変
- やり直される世界
- 犯人の末路
- エピローグ
- 『9-nine-ここのつここのかここのいろ』のゲームシステム
- 『9-nine-ここのつここのかここのいろ』の登場人物・キャラクター
- 新海 翔(にいみ かける)
- 九條 都(くじょう みやこ)
- 新海 天(にいみ そら)
- 香坂 春風(こうさか はるか)
- 結城 希亜(ゆうき のあ)
- ソフィーティア
- 成瀬 沙月(なるせ さつき)
- 深沢 与一(ふかざわ よいち)
- 『9-nine-ここのつここのかここのいろ』のアイテム
- 神器
- アーティファクト
- アンブロシア
- 『9-nine-ここのつここのかここのいろ』の用語
- 輪廻転生のメビウスリング
- 魔眼のイーリス
- コロナグループ
- 喫茶ナインボール
- セフィロト
- アガスティアの葉
- スティグマ
- 枝
- 『9-nine-ここのつここのかここのいろ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 1周目の強制BAD END
- 結ばれた翔と都
- ラストシーン
- 『9-nine-ここのつここのかここのいろ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 都のスティグマが広がる場面
- 有料体験版と揶揄
- キャッチコピーの意味
- 『9-nine-ここのつここのかここのいろ』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):米倉千尋「ReAliZe」
- ED(エンディング):米倉千尋「ふたり」