転生王女と天才令嬢の魔法革命(ラノベ・漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『転生王女と天才令嬢の魔法革命』とは鴉ぴえろによるライトノベルとそれを原作にした漫画、アニメである。略称は「転天」。この作品は「魔法に愛されなかった異端の天才」アニスフィア・ウィン・パレッティアと、「誰よりも魔法に愛された天才」ユフィリア・マゼンタの二人を中心とした物語である。アニスフィアは婚約破棄を突き付けられたユフィリアを助手にし、二人で魔法科学の発展を目指していく。また、二人の恋愛要素もあり、「王宮百合ファンタジー」というキャッチコピーがつけられている。

魔学

アニスフィアが作り出した魔法の力を持たないものでも、それに同等の現象を引き起こすことができる技術。アニスフィアが魔学を作り上げることのにきっかけとなった空を飛ぶための箒のほか、武器であるマナブレード、電気ポットのようなものも魔学によって開発されている。

魔石

魔物中にある精霊石。アニスフィアとティルティは魔薬と呼ばれる飲み薬を魔石から作成していた。これを使用することで魔法のような力を一時的に行使できたが、気分が高揚するなどの副作用があった。後にドラゴンの魔石を手に入れたアニスフィアは、それを背中に刻印することでドラゴンの力も引き出せるようになった。

ヴァンパイア

かつて魔法の心理を追求しようとした魔法使いがいたが、生涯をかけても時間が足りないと考えて、自分に魔石を取り込むことで人々の命を吸う化け物になった。それは魔石の力で他者の思考を書き換える力を持っており、ヴァンパイアと呼ばれるになった。魔石は子孫に受け継がれるようになっており、レイニはそのように魔石を受け継ぎヴァンパイアとして生まれることになった。

『転生王女と天才令嬢の魔法革命』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ユフィリア・マゼンタ「あなたに死んでほしくない!今行かないとあなたがあなたでなくなってしまうなら、せめて私を連れて行ってください!決してお邪魔にはなりません、あなたの魔法を理解したいんです!」

アニスフィア(左)に同行することを申し出るユフィリア(右)

ドラゴンと戦っている最中に一度撃ち落されて死にかけたにもかかわらず、再び立ち向かおうとしたアニスフィア。なぜドラゴンに立ち向かうかを問われたときに、自分が思う魔法使いはいつだって誰かの笑顔を守る人だから、人々を脅かすドラゴンを倒さないことには魔法使いを名乗れないと答え、アニスフィアは敵に向かおうとする。それをユフィリアは「あなたに死んでほしくない!今行かないとあなたがあなたでなくなってしまうなら、せめて私を連れて行ってください!決してお邪魔にはなりません、あなたの魔法を理解したいんです!」と言って同行することを申し出た。これまで、ユフィリアは侯爵令嬢としてあまり感情あらわにすることはなく、婚約破棄を言い渡されたときも何とか冷静を装うとしていた。しかし、このときは感情をあらわにしてアニスフィアに訴えた。これにはユフィリアがアニスフィアと過ごすうちに彼女への想いを深く募らせたことが表されている。

アニスフィア・ウィン・パレッティア「仲直りの…握手だね」

手を差し出すアルガルド(左)とその気持ちに答えるために手を握ろうとするアニスフィア(右)

アルガルドの廃嫡と辺境に送られることが決まり移送される途中で、アルガルドとアニスフィアが会う。気まずそうに眼をそらすアニスフィアに対して、アルガルドは「憶えているだろうか?」という言葉と共に手を差し出す。それに対してアニスフィアが答えたのがこの「仲直りの…握手だね」というセリフである。それは幼少期の二人の仲が良かったころに、喧嘩したあとに仲直りのために二人がしていたの握手であった。当時はアルガルドを怒らせたアニスフィアが彼に向かって手を差し出していた。すべての気持ちをアニスフィアに打ち明けたアルガルドはそれをもってわだかまりが解けたことを伝えるように、今度はアルガルドの方から手を差し出した。その気持ちに答えるために、アニスフィアもまたその手を握り返したのだった。アニスフィアは手を握りながらアルガルドを守ることができなかったことに心の中で謝罪するのであった。

ユフィリア・マゼンタ「私一人では世界をこんなにも愛せなかった。あなたがいる世界だから。世界はこんなにも美しい。あなたも美しいと思ってくれるなら、どうか自分のことも愛してあげてください」

泣きじゃくるアニスフィア(左)を抱くユフィリア(右)

王位をかけた戦いで敗れ、泣きじゃくるアニスフィアをそっと抱きながらユフィリアが告げた言葉が「私一人では世界をこんなにも愛せなかった。あなたがいる世界だから。世界はこんなにも美しい。あなたも美しいと思ってくれるなら、どうか自分のことも愛してあげてください」である。アニスフィアは王女としての役割を果たせなくなった自分には、価値がないと思っていた。ユフィリアはその想いを否定し、自分にとってはアニスフィアに価値があり、それを認めてほしいと告げたのであった。その言葉を聞いたアニスフィアは、遂に胸の内に抱え込んでいた気持ちを口にした。物語序盤では、ユフィリアはアニスフィアに助けてもらうような関係であったが、それが逆転して今度はユフィリアがアニスフィアを助けたのであった。

『転生王女と天才令嬢の魔法革命』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

Web版を大幅に改稿した小説版

小説版はWebで連載していたものを大幅に改稿したものとなっている。タイトルもWeb版では『転生王女様は魔法に憧れ続けている』というタイトルであった。この改稿について作者である鴉ぴえろは「作品の原型を世に送り出すのは原作者にしか出来ない事ですが、生まれたものを彩ってくれるのは他ならぬ皆様から頂いた声でございます」と述べており、読者の声をかなり参考にしたことが伺える。

アニスフィアの転生前は女性であるか男性であるかは未確定

作者である鴉ぴえろに、アニスフィアは転生した際に男性から女性になった「TS転生者」と呼ばれるものではないかという疑問が投げられていた。この通りだとすると、この作品は女性同士の恋愛要素のある「百合もの」ではないということになる。これに対して、鴉ぴえろはアニスフィアは「TS転生者」ではないと言いながらも、「男かもしれないし、女かもしれない。必要にならなければ決定しない」とも回答した。これには作者としてどちらかに決めるのではなく、読者個人に解釈を任せたいという想いが込められている。

アニスフィア自身の人格と前世の人格は別物

アニスフィアは劇中で、自分は転生者でもともといたアニスフィアの人格を塗りつぶしてしまったのではないかと心配するシーンがあるが、作者である鴉ぴえろはこれについて否定している。鴉ぴえろによれば、アニスフィアはあくまでアニスフィアとして、ある一人の人生をドキュメンタリー映像として我が事のように追体験したと表現している。そのため、ほかの主人公が死後転生するような作品とは異なっていると述べている。また、その前世の詳細については設定の必要のないものであり、空白にすると宣言している。

『転生王女と天才令嬢の魔法革命』の主題歌・挿入歌

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