ハイパーインフレーション(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ハイパーインフレーション』とは、日本の漫画家・住吉九による経済バトル漫画。2020年に集英社の『少年ジャンプ+』にて連載を開始し、2023年に完結した。経済とバトルがかけ合わさった異色の作品。経済の歴史や仕組みが学べる内容になっており、高度な頭脳戦やその合間に挟み込まれるギャグ要素の絶妙なバランスが読者に多く支持されている。
主人公のガブール人の少年・ルークは、ヴィクトニア帝国の奴隷狩りで攫われた姉・ハルを助けるために、精巧な贋札(ハイパーノート)を身体から生み出す能力を使って戦っていく。
ヨゼン
ヴィクトニア帝国秘密諜報部の男性。レジャットの部下。極東の島国から来た刺客であり、刀を武器にして戦う。刀の腕は超一流で、刀以外の武器を使わないというこだわりがある。頭はそんなによくない。
贋札殺し
ヴィクトニア帝国の紙幣局局長。優秀な画家であり、ビオラの憧れの人である。過去に発生した贋札の偽造事件で、政府に協力し犯人逮捕に貢献した。25年間で処刑台に送った人数は313人。そのことから「贋札殺し」という異名で呼ばれている。本名は不明。舌触りと味覚で紙幣の真偽を判定できる技能がある。非常に醜い容姿をしており、それがコンプレックスになっているもよう。「醜い容姿と醜い心を持った人間だけが本当に美しい作品を生み出せる」という持論を持ち、「美しい容姿を持つ者と自分より才能を持っている者は全員死ねばいい」という歪んだ思想を持っている。
ゼニルストン自治領
イェルゴー
ゼニルストン自治領の委員会の一人。ヴィクトニア帝国本土に留学をしていたが、父親が高齢になったため、父親に代わって委員会に参加するようになった。現実主義者であり、当初はゼニルストン自治領で行われていたガブール人救世主創造実験に懐疑的だった。しかし証拠である過去のガブール人救世主が身体から出した銃を見てからは一点。すぐさま事実を受け入れて、救世主が生まれる条件を事細かに分析した。帝国への留学では、医学、とくに精神病について学んでおり、戦いなどで人の命が失われることを避けたい、など、医者として矜持を持っている。しかし、ガブール人のことを徹底的に見下しており、異常なまでの差別意識がある。
『ハイパーインフレーション』の用語
ガブール人
ルークやハル、ダウーやクルツの出身民族。白い髪に赤い目、やや尖った耳など身体的特徴がある。ガブール神や救世主伝説を信仰している。過去にあった奴隷狩りで、多くは奴隷になり、世界各地に散らばった。奴隷狩りが禁止になってからも、違法な奴隷密貿易が続いている実情がある。
救世主伝説
ガブール人の間にある伝説。ガブール人は救世主を信仰する文化があり、「ガブール神に見出された子供は、成長に伴って得られる生殖能力を失う代わりに、特別な能力を授かる」と言い伝えられている。そしてその能力を得た子供は救世主と呼ばれた。主人公ルークは、「身体から精巧な贋札(ハイパーノート)を生み出す能力」得て、”贋王(がんおう)”という称号を得た。過去には、鉄で作った兵器で古代世界を征服した戦王イエフ、バッタの大群を率いて大飢饉を起こした餓王タツバ、疫病を発生させて大量殺人を犯した病王スペト、アヘンを生み出し痛みを感じない兵士を作り上げた麻王ヘアンなどがいたとされている。
本来、救世主の能力を手に入れたカブール人の子供は生殖能力を失う。しかしハルによれば、救世主の力は使えば使うほど身体から出せるモノの量が増えていく。しかし我慢すれば我慢するほど出せるモノの量が減り、最後には特別な力を失って生殖能力を取り戻すことができるそう。それが何年かかるかわからないが、過去の救世主の中には、子供がいる救世主もいたので、いつか必ず生殖能力は戻る。
ヴィクトニア帝国
世界経済の中心を担う巨大な帝国。通貨はベルク札。ベルク札には贋札作り防止のために、何重にも仕掛けが施されている。
ハイパーノート
主人公・ルークが身体生み出せる、1万ベルク札のヴィクトニアでの呼称。非常に精巧な贋札であり、パッと見で贋札で判別するのは不可能である。ただし、通し番号が全て「4370953」であるため、この番号が外部に漏れると贋札だとバレてしまう。本編では、この番号の攻防戦が繰り広げられた。
ゼニルストン自治領
ヴィクトニア帝国が自治を認めている土地。大きな農園がいくつもあり、その農園の管理者が集まってできた委員会が取り仕切っている。ガブール人救世主伝説を信じており、過去には救世主を生み出すための条件を探る実験を行っていた。数千人のガブール人が奴隷として働いている。
『ハイパーインフレーション』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
「ってかさァ!!もう全部全部俺の望むとおりに!!俺は…俺は…カネが欲しいッ!!世界を買えるカネを寄こせッ!!」
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目次 - Contents
- 『ハイパーインフレーション』の概要
- 『ハイパーインフレーション』のあらすじ・ストーリー
- 救世主ルーク誕生
- オークション会場にて
- 船上での戦い
- 贋札合戦の開始
- 古城での戦い
- ゼニルストン自治領にて
- それぞれの道へ
- 『ハイパーインフレーション』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- ルーク
- レジャット
- グレシャム
- ハル
- ルークの関係者(救世主チーム)
- フラペコ
- ダウー
- クルツ
- ビオラ
- ヴィクトニア帝国政府
- コレット
- ヨゼン
- 贋札殺し
- ゼニルストン自治領
- イェルゴー
- 『ハイパーインフレーション』の用語
- ガブール人
- 救世主伝説
- ヴィクトニア帝国
- ハイパーノート
- ゼニルストン自治領
- 『ハイパーインフレーション』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「ってかさァ!!もう全部全部俺の望むとおりに!!俺は…俺は…カネが欲しいッ!!世界を買えるカネを寄こせッ!!」
- クルツとレジャットの熱い戦い
- 「私は誰の味方でもない カネの味方だ」
- ルーク、レジャット、グレシャムの3人の共闘
- 『ハイパーインフレーション』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 一種の経済入門書として高評価
- 作者・住吉九は国崩しの経験者説
- 公式による神作画アニメPV