GRAVITY DAZE 2(重力的眩暈完結編:上層への帰還の果て、彼女の内宇宙に収斂した選択)のネタバレ解説・考察まとめ

『GRAVITY DAZE 2』は、ソニー・インタラクティブエンタテインメントより2017年に発売された、『GRAVITY DAZE』の続編にあたるアクションゲーム。前作の「空に落ちる」かのような独特な操作感はそのままに、「チューンチェンジ」という新システムが追加されたことでより自由に空を移動できるようになった。
物語は前作のラストで謎の重力嵐に飲み込まれた後から始まる。重力姫キトゥンはバンガ集落というところに漂着、そこから別世界の街ジルガ・パラ・ラオにて新たな冒険が始まる。

『GRAVITY DAZE 2』の概要

『GRAVITY DAZE 2/重力的眩暈完結編:上層への帰還の果て、彼女の内宇宙に収斂した選択』とは、2017年1月19日に発売された、『GRAVITY DAZE』の続編。対応ハードはPlayStation 4で、性能を最大限に活かした高精細なグラフィックになっている。
開発はSIEジャパンスタジオ、発売元はソニー・インタラクティブエンタテインメント。ディレクターは、『SIREN』『SILENT HILL』シリーズなどで知られる外山圭一郎。
音楽は、『ONE PIECE』『サクラ大戦』などで知られる田中公平。

本作の特徴は、なんといっても「重力アクション・アドベンチャー・オープンワールド」と区別される、独特のゲーム性。PS4のコントローラーのジャイロセンサーを駆使し、コントローラーを上下左右に動かすことでカーソルを動かし、あらゆる方向に「落ちる」感覚を味わうことができるのが特徴だ(ジャイロセンサーの感度は調整することができ、センサーをオフにすることもできる)。

プレイヤーは、主人公である重力姫キトゥンを操作し、メインストーリーや任意のサブストーリーを進めていくことになる。本作の特徴である「重力操作」での移動はややクセがあるものの、プレイしていく中で次第に慣れていく。この重力を操る操作はかなり独特で、まさに唯一無二。しかし、人によっては「操作が独特すぎて酔ってしまう」という意見も見られる。一度YouTubeで実際のプレイ動画を確認してみると、その独特な操作感を確認できる。

前作『GRAVITY DAZE』のラスト、主人公のキトゥン、パートナーである重力使いのクロウ、警務官のシドーは、謎の重力嵐に巻き込まれてしまう。
目が覚めると、キトゥンはシドーとともに空中に浮かぶ集落「バンガ集落」に漂着する。
相棒である重力猫ダスティともはぐれ、重力の能力は使えない。クロウも行方不明となってしまっていた。キトゥンとシドーはバンガ集落で生活しながら、「採掘」の仕事をさせられていた。ある日2人が採掘に出ている際、ある現象を目撃する。

『GRAVITY DAZE 2』のあらすじ・ストーリー

バンガ集落

巨大な円柱の建造物に囲まれた空中都市ヘキサヴィル。この街では、人々は「重力嵐」という現象の脅威にさらされていた。あらゆる物を飲み込む重力嵐。この災害によって、ヘキサヴィルでは住む場所を失う人々も目立ち始めた。
その街の一角で、主人公である「キトゥン」が目を覚ます。ヘキサヴィルでは、重力嵐と共に現れた生物「ネヴィ」が人々の脅威となっていた。キトゥンは相棒の猫「ダスティ」と協力して「重力」を使い、街の人々を守るべくネヴィと戦う。

ヘキサヴィルは、ドネリカ前市長が引き起こした新兵器暴走事件によって、大きな打撃を受けた。そんな中、上空に浮かぶ政府機関「ノワ=ハイラレオン」で、異常な重力波の乱れが観測された。
主人公のキトゥン、重力使いのクロウ、警務官のシドーの3人は、調査のためにノワ=ハイラレオンに向かう。そこでは謎の実験が行われており、3人は実験を警護する謎の少年少女に襲われる。
キトゥンたちは少年少女と戦い、最後は彼らの自爆で幕を下ろす。その時、巨大な重力嵐が発生する。3人は、そのままノワ=ハイラレオンごと重力嵐に巻き込まれてしまう。
嵐に巻き込まれたキトゥンとシドーは、空に浮かぶ集落「バンガ集落」に漂着する。

バンガ集落は、鉱石を採掘することで生活している集落だった。「働かざる者食うべからず」を掟とする集落のならわしにのっとり、キトゥンとシドーは、バンガ集落で採掘を行う下っ端労働者として働かされていた。

愛猫ダスティとはぐれてしまい、重力の力も使えない。そして相棒である重力使いクロウも行方不明となってしまっていた。そんな中、採掘場でネヴィが出現し、騒動の最中でキトゥンはダスティと再会する。重力の力を取り戻し、ネヴィを撃退するキトゥン。

ブレフマンの野望

天才的頭脳を持つ科学者のブレフマンはヘキサヴィルの救世主だった。温厚な老紳士としてキトゥンからも信頼されていたが、時の流れから外れて石のようになってしまった娘と再び邂逅するために「世界の時間も停止させて娘と同じ時間を歩むようにする」という狂った計画を立案する。その計画に必要な「アンジェ」を生み出すために数多の孤児たちを拉致し実験台としてきた。その計画を実行に移したものの、「アンジェ」のカーリィが暴走。巨大な怪物と化してしまう。ブレフマンはその際に乗っていた飛行船を叩き落され残骸が胸に突き刺さり死亡する。キトゥンはカーリィのコアを破壊した。

世界を呑み込む破局的意識

ブレフマンの事件を解決した後、キトゥンは各町で光り輝く少女の幻影を目撃するようになる。その少女の導きによって上層を目指した結果、かつて住んでいた上層の街へと到達する。そこで彼女は当代の王「カイ」の策略にはまり、、意識が混濁した状態で偽りの王として祭り上げられることに。しかしダスティの導きによって覚醒を果たすと、「破局的意識」に操られてヘキサヴィルを破壊しようとするカイと封印されていた輝く少女「エレクトリシティ」と対決。2人を倒したものの、世界を呑み込まんとする破局的意識に追い詰められる。その時今まで出会った様々な人たちの援護を受け、ダスティとクスィの力で「グラビティ・グリュプス」と呼ばれる存在となる。キトゥンは破局的意識を撃破した後、街を救うため極限の重力を身に着けた自分が特異点となって虚無の上昇を食い止める事を選択し、虚無の中へと姿を消した。

『GRAVITY DAZE 2』のゲームシステム

重力操作

本作の特徴は、なんといっても「重力操作」と言われる重力を使ったキトゥンの操作だ。プレイヤーはコントローラーのジャイロセンサー、もしくはスティックを使用して方向を指定し、空中を移動できるのが特徴だ。
この空中を移動、というのがまさに唯一無二のゲーム性だ。空中を移動と聞いて、多くの方は空を自由に飛行することを想像するだろう。しかし、本作は一味違う。飛行ではなく、「落下」なのだ。
プレイヤーは自身で方向を指定し、重力を向けることができる。例えば、正面に向ければまっすぐ落ちていき、真上に向ければ、空へ向かって落ちていくことができる。
この「空への落下」が独特の操作感となっている。

この他にも、重力をビルの方向に向ければ、ビルの壁が地面同様になるので、一気に滑り上がったり、壁に垂直に立つことが可能だ。

チャージグラブ

オブジェクトをグラブする際、○ボタンを長押しすることでSPを消費して強力な特性を付与した「チャージグラブ」が行える。チャージグラブは「チューン」によって効果が異なる。

チューンチェンジ

ストーリーが進むと、キトゥンは従来の状態である「アンチューン」から「ルーナチューン」「ユピトールチューン」に変身できるようになる。チューンによって、移動能力や重力キック、チャージグラブ、必殺技など様々な特性が変化する。キトゥンのパワーアップは各チューンでそれぞれ異なる特性が強化されるようになっている。

アンチューン

前作までのキトゥンの状態。チャージグラブは貫通追尾性が付与されて複数の敵に着弾する「ペネトレイトスロー」、必殺技は継続的に回転しながら突進してダメージを与える「スクラッチトルネード」。

ルーナチューン

「軽くなる力」。滑るように比較的早く移動できる、ジャンプ力が上がるなど、移動に関する能力が向上する。一方、重力自体が弱くなっているため、重力スライドや落下による移動速度、重力キックによる攻撃力は落ちている。重力キックはロック中の敵目掛けてワープして空中で地上同様にキックを見舞う「ワームホールキック」に変わる。これは素早い敵に有効となる。チャージグラブは着弾地点に風を巻き起こしてダメージ&足止めを行う「ボルテックススロー」、必殺技はオブジェクトを大量に投げつける「グラビティタイフォン」になる。

ユピトールチューン

「重くなる力」。ルーナチューンとは逆に移動力は低下するが、格闘能力が向上する。また重力操作による移動速度は上がっているが、軌道修正がしづらい。重力グラブはオブジェクトを1つにまとめることで、単発の威力に特化した「デブリボール」に変化する。また重力キックはボタンを押し続けることでチャージし、この時間に比例して着地点を中心に広範囲に衝撃波によるダメージを与える「重力波動キック」に変化。密集地帯や動きの遅い強敵などに有効であり、イベント時の壁破壊などにも使用される。
チャージグラブはより周囲のものを集めて着弾点周辺にもダメージを与えるようになり、必殺技は周囲の雑魚を殲滅する「マイクロブラックホール」へと変わる。

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