スーパーの裏でヤニ吸うふたり(ヤニすう)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』とは地主による喫煙者男女の恋愛漫画である。2022年3月に地主のTwitterに掲載されて人気を博したことから、同年8月発売の「月刊ビッグガンガン」で連載開始。物語は主人公・佐々木がいきつけのスーパーの店員・山田の笑顔の接客を心の癒しとしているところから始まる。ある時スーパーに寄ったが山田がおらず、仕方なく喫煙しようとしたが、周囲の冷たい視線に喫煙を躊躇っているとスーパーの喫煙所から店員の田山に喫煙所に誘われた。愛称は『ヤニすう』。累計発行部数は60万を突破した。

煙草を吸うきっかけとなった話をしているときに山田が昔助けてくれた男性が吸っていたからなんとなくと答えた。佐々木は山田の言動からなんとなくではなく、その男性に憧れを抱いていたんだと指摘する。山田は自分でも気づいていなかった感情を知らされ、「……そうなの?」と言った。

山田がまだ学生バイトであった頃、理不尽なクレーマーに絡まれてしまうことで周りに迷惑をかけてしまっていると悩んでいた。そのため、仕事を辞めてしまおうかと考えていた際に、スーパーの入り口にあった喫煙所にいた男性に、「辞めたい気持ちよりも仕事が好きな気持ちの方が強いんじゃないか」と励まされたことで仕事を続けることを決めた。この時、男性が煙草を吸っていた姿を20歳まで覚えていたことが山田が煙草を吸うきっかけとなった。山田は長くなんとなくであると思っていたが、その気持ちは憧れであると佐々木に教えてもらったことで、驚きつつもどこか嬉しそうな表情を見せた。

佐々木「いつもあんなに一生懸命なのに」

山田が悪質なクレーマーに絡まれたときに佐々木がクレーマーを撃退してくれたため、外の喫煙所で煙草を吸っていた佐々木に山田はお礼を言う。佐々木が「クレーマーが自分の癒しになっている山田のことを否定したから怒っただけ」と返事したことに対して、山田は自分の仕事ぶりを卑下する。そんな山田に佐々木は、「いつもあんなに一生懸命なのに」と言った。

学生バイトであった山田は笑顔が上手に作れず、そのせいで妙なクレーマーに粘着されていた。後藤は「なんとかするから気にするな」と言うが、周りに迷惑をかけてしまっていると思い山田は悩んでいた。そして、またレジで粘着質なクレーマーから理不尽なクレームを受けていると、後ろに並んでいた佐々木が助けてくれた。山田はスーパーの入り口にある喫煙所で煙草を吸っていた佐々木にお礼を言いに行く。佐々木は今日は仕事でむかつくことがあったことと、「山田のレジが速く丁寧で助かっているのに否定されたことに腹を立てただけ」と返す。山田は「こんな無愛想でテキトーなバイトに…」と自嘲するが、普段の山田の仕事ぶりを見ていた佐々木は山田の仕事に対する姿勢を評価した。さらに、佐々木は「仕事が好きであるなら必要なことは全部自身の気持ちに追いつく」と励ましの言葉をかけた。この出来事のおかげで山田は仕事を続けることを決めることができた。

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

キャラクターの吸っている煙草の元ネタは実在する煙草

左が山田の煙草。右が実在する煙草のマルボーロ。

登場人物の吸っている煙草は架空の名前のものだが、パッケージデザインから元となった煙草を知ることができる。佐々木の煙草は作中では「BONSTARs」というもので、大きな星が描かれているのが印象的なパッケージになっているが、これはセブンスターが元になっていると思われる。セブンスターのパッケージにも大きさは違うものの星が描かれている。山田の煙草は「BesideMe」というもので、赤と白が印象的なパッケージになっているが、これはマールボロが元になっていると思われる。パッケージデザインはマールボロそのままになっている。

『やにすう』は作者の創作練習用

作者は『やにすう』連載開始前から『月刊ビッグガンガン』で『ロクレイ -天成市りんね区役所第六感部助霊課活動記-』を連載していた。その担当編集者に「創作の練習のために短編漫画を描いてみないか」と持ち掛けられたことで本作が生まれた。『ロクレイ』がファンタジー寄りの作品であったことから、現実寄りの作品を目指して描かれた。スーパーが舞台となったのは作者に接客経験があったためである。

作者のこだわりは表情と目線で魅せること

作者が本作を描くのにあたってこだわっている部分が表情や目線であるという。目立った行動で距離が縮まるというより、佐々木と山田の心の距離が縮まる様子を丁寧に描写するようにしている。たとえば佐々木のコロコロ変わる表情や、山田の目線の動かし方で心情が読者に伝わうようになっている。また、山田から佐々木へのアプローチの仕方も何度も書き直すほどにこだわりがあるとのこと。2人の絶妙な関係性は作者のこだわりの強さによって生み出されている。

0lRenote1121
0lRenote1121
@0lRenote1121

目次 - Contents