スーパーの裏でヤニ吸うふたり(ヤニすう)のネタバレ解説・考察まとめ
『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』とは地主による喫煙者男女の恋愛漫画である。2022年3月に地主のTwitterに掲載されて人気を博したことから、同年8月発売の「月刊ビッグガンガン」で連載開始。物語は主人公・佐々木がいきつけのスーパーの店員・山田の笑顔の接客を心の癒しとしているところから始まる。ある時スーパーに寄ったが山田がおらず、仕方なく喫煙しようとしたが、周囲の冷たい視線に喫煙を躊躇っているとスーパーの喫煙所から店員の田山に喫煙所に誘われた。愛称は『ヤニすう』。累計発行部数は60万を突破した。
『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』の概要
『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』とは、地主による喫煙者男女の恋愛漫画である。2022年3月9日に作者のTwitter上にて1話目が発表されると瞬く間に拡散、好評を博した。その後、Twitterにて定期的にで定期的に連載された。同年8月発売の『月刊ビッグガンガン』2022年Vol.09から紙面連載が開始され、同時に単行本1巻が発売された。単行本累計発行部数は60万部を突破した。略称は『ヤニすう』。Twitterに掲載されていた時は『スーパーの裏でヤニ吸う話』というタイトルだったが、紙面連載を開始する際に『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』に変更された。
ブラック企業に勤めている冴えないサラリーマンの佐々木は、日々の理不尽な残業や上司からの叱責に心身共に疲れていた。そんな佐々木を唯一癒してくれる存在が、行きつけのスーパーSの2番レジにいる店員の山田であった。ある時上司からの叱責で疲弊した心を癒すために2番レジに並ぶも山田はおらず、仕方なく煙草を吸うことで気を紛らわせようとする。周囲からの喫煙者に対する冷たい視線に傷ついて吸うのを躊躇っていると、スーパーの裏の喫煙所にいた女性・田山に喫煙所に誘われる。それをきっかけに田山と親しくなり、佐々木は喫煙所に通うようになる。実は佐々木は気づいていないが、田山と山田は同一人物なのだ。彼女の2面性を軸に進んでいくシガレットラブストーリーとなっている。
『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』のあらすじ・ストーリー
レジの彼女と喫煙所の彼女
ブラック企業に勤める冴えないサラリーマンの佐々木(ささき)は、行きつけのスーパーの2番レジを担当する女性・山田(やまだ)の笑顔を癒しとしていた。ある時も理不尽な残業で疲れ果てていた佐々木は癒しを求めてスーパーに向かった。しかし、時間が遅かったためか2番レジに山田の姿はなく、次の担当である大野(おおの)がいた。山田に会えなかったため癒しを得ることができなかった佐々木は煙草を吸うことで自身を慰めようとするが、周囲からの冷たい視線に戸惑ってしまう。すると、スーパーの裏にある従業員用の喫煙所からロック系の恰好をした女性が現れ、「喫煙所を使ってもいい」と声をかけられる。女性の言葉に甘えて喫煙所を使わせてもらうことになった佐々木は、女性の隣に腰を下ろして煙草を吸う。女性は佐々木が山田のレジを狙って並んでいることを知っており、そのことをからかう。からかわれた佐々木は「山田に対して下心があるわけではなく、彼女の仕事に元気を貰っているだけだ」と怒る。呆然とする女性の姿に佐々木は我に返り謝るが、女性は山田に下心を持って近づく男性客が多かったために、佐々木もそうだと思っていたが違うとわかり「安心した」と言う。そして、「頑張ってお上品でいてね…佐々木さん」と言った。佐々木は女性が同僚思いのいい子なんだなという感想を抱いた。次の日スーパーに来た佐々木に、山田は「喫煙所にいた女性から『佐々木が山田のファンだ』と聞いて嬉しかった」と話す。そして、佐々木は山田から喫煙所の女性の名前が「田山」であると聞いて、田山が山田に自身のことを話したことに羞恥心で半泣きになりながら帰っていった。山田は佐々木を見送ったあと「また喫煙所にこいよ~」と笑った。実は、山田と田山は同一人物であった。以降は勤務中は山田、喫煙所では田山として佐々木を翻弄していく。
大事な灰皿
嫌煙家の上司から煙草臭いと言われた佐々木は落ち込みながらスーパーにて消臭グッズを買い込んだ。その様子を見ていた山田は、仕事終わりに喫煙所に寄った佐々木に田山の姿で「煙草臭いと言われたのか」と指摘した。「その通りだ」と落ち込む佐々木に、田山は煙草を吸った後の臭い消しのコツを教え、さらに自身が使っている消臭ミストを渡した。その後、佐々木は消臭のコツを教えてくれたお礼として、田山にプレゼントを渡すために喫煙所を訪れた。しかし、そこに田山の姿はなく代わりにスーパーの店長・後藤が煙草を吸っていた。後藤に怪しまれながらも、田山に礼を渡しに来ただけと弁解して、「田山に渡してほしい」とプレゼントを後藤に託して佐々木は去った。後藤が佐々木から預かったプレゼントを田山に渡すと、田山は嬉しそうにプレゼントを抱えた。後日、佐々木からのプレゼントである犬をモチーフにした携帯灰皿を手に田山は佐々木に「ありがと、大事にする」と言った。
ある時、夜勤を終えた山田が着替えようとしている最中に佐々木から貰った携帯灰皿を無くしていることに気づく。山田は着替えをやめて制服にカーディガンを羽織っただけの姿で携帯灰皿を探すためにスタッフルームなどを探し始める。自動販売機の下を探っていると後藤に話しかけられて、「自身の携帯灰皿を見ていないか」と聞くが、後藤は「見ていない」と返事した。後藤は店の入り口に設置されているゴミ箱を清掃したのが山田であることを知っていたため、その周辺を見ることを勧める。山田がゴミ箱周辺を探しに行くと、丁度佐々木が来ており声をかけられる。山田の姿で携帯灰皿を持っているのが知られてしまえば、田山の正体がバレてしまうと焦るが、ゴミ箱の下から出てきたのはスーパーのチーフ・前澤(まえざわ)の息子のおもちゃであった。正体がバレなかったことに安堵しつつ、携帯灰皿を無くしてしまったことに山田は落ち込んでしまう。2日経っても見つからないため喫煙所で煙草を吸いながら「佐々木に謝らないと」と零す田山の言葉を聞いてしまった佐々木は、後藤が連れてきている犬・大五郎と共に店の周辺を回ることにする。
レジで笑顔で接客しているものの、どこか元気のない状態で佐々木に会った山田は「喫煙所で会ったら謝ろう」と考えていると、佐々木が「店の近くの排水溝でたまたま見つけたから田山に渡してほしい」と携帯灰皿を出してきた。山田は思わず佐々木の手を取り、携帯灰皿を受け取って安堵の笑みを浮かべる。そこで我に返り、正体がバレてしまうことを懸念してすぐに「田山に渡しておく」と取り繕うが、佐々木は山田に手を取られたことで顔を真っ赤にしてフリーズしており気づく様子はなかった。そして、照れたまま佐々木が店を出て行く姿を見ていると、佐々木のスーツの袖が汚れていることに山田は気づいた。そして、携帯灰皿はたまたま見つけたのでなく、佐々木が探してくれたのだと察した。
『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』登場人物・キャラクター
主人公
佐々木(ささき)
本作の主人公の男性。ブラック企業に勤めている冴えないサラリーマン。年齢は45歳。上司に理不尽に叱責されても言い返す事のできない気弱な性格をしている。また、仕事でミスした部下を励まそうとしたりなど優しい一面を持っている。行きつけのスーパーに勤めている2番レジ担当の山田の笑顔と丁寧な接客を心の癒しにしている。あくまでも、山田の仕事に対して癒しを感じているのであって、女性としての癒しを求めているわけではない。
喫煙者であるため、周囲からの冷たい視線に肩身の狭さを味わうこともある。山田(田山)の誘いを切っ掛けにスーパーの裏に設置された喫煙所に度々寄るようになる。山田の距離の近いからかいに戸惑ったり、赤面したり、焦ったりなど表情や行動が豊か。周りからは犬のようだと思われている。田山と山田が同一人物であることに気づかないなど鈍感であり、周りに鈍感であることを弄られることもある。
ガラケーからスマホに機種変更した際にうまく使いこなせなかったり、山田のチョーカーを「首輪」と呼ぶなど、おじさん的言動が多い。自身がおじさんであることを自覚はしている。しかし、山田の影響で挨拶など一部の言葉遣いがギャルっぽくなってきている。また、山田が腹を露出しているところを見て恥ずかしがることもなく、腹が冷えるのではないかと心配していた。
実は山田がスーパーに勤め始めた頃に遭遇しており励ましたことがあるが、それが山田であることを覚えていない。
喫煙をする切っ掛けは大学生時代に付き合っていた遠野の影響である。付き合う前は遠野が好きであるという自覚もなく、遠野から指摘されて気づくなど若い頃から鈍感であった模様。
ヒロイン
山田/田山(やまだ/たやま)
本作のヒロイン。スーパーSにて2番レジを担当している。年齢は24歳。丁寧な接客と朗らかな笑顔が評判の良い店員で、見た目もよい事から男性客に絡まれることもあるという。佐々木のことも認知しており、レジにて声をかけることもある。
喫煙者であり、仕事終わりはスーパーの裏の喫煙所で煙草を吸っている。佐々木が煙草を吸えずに困っているところを目撃した際に、喫煙所に誘った。自身が山田であることを隠して、喫煙所では田山として佐々木に接している。接客時は清楚系の見た目をしているが、プライベートではロック系の恰好で、ピアスも多めに開けているため佐々木には「強い見た目の子」と評されていた。山田の時は朗らかな笑顔を見せるが、田山の時は愛想が良いとは言えない。これは、田山の時に素の性格が出ているためである。また、山田の時はピアスの穴を絆創膏で隠している。
佐々木と喫煙所で交流するうちに好意を抱き始めて、佐々木から貰った携帯灰皿を大事にしたり、佐々木の反応に赤面するようになる。自身の正体に気づかない鈍感な佐々木のことを、名前とかけて「にぶす木」と呼ぶこともある。
仕事に対して真摯で努力家である。しかし、クレームをもらうと落ち込んでしまうなど少し打たれ弱い一面を持っている。ホラーが苦手であり、スーパーの裏にオバケが出るという噂が出た時には態度に出さなかったものの、怖がっていた。
喫煙のきっかけは、バイト時代に笑顔の接客ができず粘着質なクレーマーに悪質な絡まれ方をしている際に助けてくれた男性が吸っていたのが印象的で、憧れを抱いたからである。この時の男性が実は佐々木なのだが、男性の顔を覚えていなかったため気づいていない。
佐々木の同僚
鈴木(すずき)
佐々木の同僚の男性。佐々木とは学生の頃からの付き合いで、共にブラック企業にこき使われている。佐々木が山田の影響を受けて変わっていくことに、度々「おじさんはギャルにはなれない」などとツッコミを入れている。既婚者で娘がいる。また、犬を飼っている。喫煙者。
スーパーSの従業員
後藤(ごとう)
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目次 - Contents
- 『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』の概要
- 『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』のあらすじ・ストーリー
- レジの彼女と喫煙所の彼女
- 大事な灰皿
- 『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』登場人物・キャラクター
- 主人公
- 佐々木(ささき)
- ヒロイン
- 山田/田山(やまだ/たやま)
- 佐々木の同僚
- 鈴木(すずき)
- スーパーSの従業員
- 後藤(ごとう)
- 前澤(まえざわ)
- 大野(おおの)
- その他
- 大五郎(だいごろう)
- 『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』の用語
- スーパーS
- ヤニ
- 2番レジ
- 『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 佐々木「さびしいね。違う面を知った途端…素敵だと思っているその人を信じられなくなるのは」
- 山田「……そうなの?」
- 佐々木「いつもあんなに一生懸命なのに」
- 『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- キャラクターの吸っている煙草の元ネタは実在する煙草
- 『やにすう』は作者の創作練習用
- 作者のこだわりは表情と目線で魅せること