メタモルフォーゼの縁側(漫画・映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『メタモルフォーゼの縁側』とは、自分の成長速度や周囲との人間関係に悩む主人公が、老婦人との出会いや初めての同人制作活動により成長する姿を描いた漫画作品。鶴谷香央理にとって初めて単行本化した漫画作品である。2022年には実写映画化された。17歳の女子高生・うららが、75歳の老婦人・雪と出会い、『君のことだけ見ていたい』という漫画を通じて仲を深めていく。そのなかで、うららが周囲との対人関係や、漫画を描くという未知への挑戦において、徐々に成長する様を描いている。
夫に先立たれて一人暮らしをしている高齢の女性。家で書道教室をしている。うららの働く本屋で「綺麗な絵だな」と思い偶然手に取った作品が『君のことだけ見ていたい』だったことがきっかけで、うららと仲良くなる。普段はテキパキと家事をこなしながら、近所の人や友達とも交流している。
うららに誘われて、うららが高校2年の年の10月1日におこなわれたJ.GARDEN(同人誌即売会)へ参加した。「うららには同世代の友達がいないのだろうか」と心配していたが、うららが自分で漫画を描き始めたことを知り、「何も心配する必要なかったわ」と思う。
うららが高校3年の年の5月におこなわれたコミティアという同人誌即売会に、うららが描いた漫画の売り子として参加する。雪が1人で店番をしている際に、コメダ先生の代わりに相馬という名前の担当編集者がうららの漫画を購入する。しかしこのときはまだ、コメダ先生がうららの漫画を買ったことは雪もうららも知らない。夏におこなわれたコメダ先生のサイン会にて、コメダ先生が雪に「行き詰まってたときだったんで、元気出ました」と感想を伝えてくれたので、雪が「この漫画は私ではなくうららさんという方が描いたものです」と訂正する。その後、9月に10日間、海外に住む娘の花江のところへ旅行へ行く。そして帰国して書道教室を閉め、家財の整理をして再び花江の家へ戻った。そのまま花江の家に永住したのかどうかは、作品内では描かれていない。
河村紡 (かわむら つむぎ / 演:高橋恭平)
うららの幼なじみ。昔はよく姉やうららと遊んでいたが、英莉という彼女ができてからは、英莉に嫉妬されるのでうららとはあまり遊ばなくなる。しかしうららからよく漫画を借りている。英莉が高校3年の夏から留学することになり、遠距離恋愛は無理だからという理由で振られる。ひとりで公園で泣いているところをうららに目撃されるが、うららは何も言わず立ち去ったので、紡は見られたことに気づいていない。英莉が飛行機で留学先へ立つ日、「俺は見送りに行かなくていいよね?」とうららに聞く。うららは「いいえ」と答え、途中まで付いてきてくれた。その後、英莉とどんな会話をしたのかは描かれていない。
橋本英莉 (はしもと えり / 演:汐谷友希)
紡の彼女。美人なことで有名。成績は学年3位を取るほどの実力者。アメリカに留学したいと思っている。紡と仲がいいうららを見て、自分もうららのように、紡と四方山話で盛り上がりたいと思っている。それをうららに話した際、うららが「でも私なんて」と言ったのに対し、「私なんてなんて言われたら、私だって傷つく」と言う。留学前、遠距離恋愛は無理だと言って紡を振る。
増山結花(ますやま ゆか)
うららが予備校の自習室で出会い、仲良くなった女子高生。「英莉は美人だから他校でも有名だ」とうららに話す。うららにおすすめの漫画を聞くなど、うららと仲良くしたがっている。
佐山美香(さやま みか / うららの母 / 演:伊東妙子)
うららの父とは離婚し、別居している。うららと二人暮らし。おおらかな性格だが、ときどきうららの生活に役立つことを教えてくれる。例えば「受験勉強を継続するのがきついときは、『せめて』を決めるといい。マラソンのときに『せめてあの電柱まで走ろう』っていうのやったでしょ」ということをうららに教えている。うららの成長を感じた際に高い食べ物を勧めてくるなど、明るい一面もある。
うららの父
うららやうららの母とは離れて暮らしている。月に一度はうららと会うことになっている。うららと一緒に映画を見た際、「後編は見なくていいな」と否定的な感想を持っていた。うららの母に対して、くどくどと細かな指摘をしてくる。しかしうららと本屋に行った際は「何か買うものあるか?」と聞き、うららが第一志望に合格した際はお祝いとして「何でも食べていいぞ」と言っている。
太田由美(おおた ゆみ)
うららの母の友達。お酒が好きだが、酔っ払うと陽気すぎる性格になる。
花江 (はなえ / 演:生田智子)
雪の娘。今は外国人の配偶者とともに海外に住んでいる。夫に先立たれた後もひとりで日本に住んでいる雪を心配し、雪がうららと知り合って二度目の9月に「こちらで試しに10日間暮らしてみないか」と提案した。
埴生(はにゅう)
雪の隣家に住んでいる。息子が雪の書道教室に通っている。雪とおすそ分けをし合ったり、雪の断捨離や旅行の準備を手伝ったりしてくれる。
コメダ優(こめだ ゆう / 演:古川琴音)
『君のことだけ見ていたい』の作者。遠藤ちまきのことを「ちまちゃん」と読んでおり、よく漫画執筆の手伝いをしてもらっている。10月1日のJ.GARDENに出店し、ここで雪とうららと初対面する。そして5月のコミティアでは、ちまきに「前に即売会に来てたおばあちゃんがいた」と言われ、雪が店番するうららのスペースに行くも、ちょうど2人とすれ違う。しかしコメダ先生の漫画の担当編集者である相馬が、コメダ先生とちまきの代わりにうららが描いた『遠くから来た人』を2冊購入したので、コメダ先生はうららの漫画を読むことができた。自身のサイン会で雪を『遠くから来た人』の作者と思い込んで感想を言うも、雪に作者はうららさんという方だと訂正される。しかしうららは緊張して何も話せなかったため、コメダ先生はうららの顔を『遠くから来た人』の作者の顔として覚えることができずにサイン会は終わった。
遠藤ちまき (えんどう ちまき / 演:菊池和澄)
たまにコメダ先生の原稿の手伝いをしている。自身は商業BLは描かずに同人誌のみを描いている。5月のコミティアには自身の描いた漫画を販売するために参加した。本屋やコミティアで雪を見かけるのはいつも、コメダ先生ではなくちまきだった。
相馬(そうま)
コメダ先生の漫画『君のことだけ見ていたい』の担当編集者。5月のコミティアでは、仕事をせずにイベントに参加しているコメダ先生を発見し、原稿のラフに着手させた。そのため、コメダ先生とちまきの代わりにうららの漫画『遠くから来た人』を購入する。『君のことだけ見ていたい』のことが好きで、コメダ先生のサイン会では横断幕を手作りしている。
まさき (演:大岡周太朗)
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目次 - Contents
- 『メタモルフォーゼの縁側』の概要
- 『メタモルフォーゼの縁側』のあらすじ・ストーリー
- 出会い編
- J.GARDEN編
- 紡と英莉編
- うらら、創作への第一歩編
- それぞれの進路編
- コミティア編
- それぞれの変化編
- サイン会編
- 『メタモルフォーゼの縁側』の登場人物・キャラクター
- 佐山うらら (さやま うらら / 演:芦田愛菜)
- 市野井雪 (いちのい ゆき / 演:宮本信子)
- 河村紡 (かわむら つむぎ / 演:高橋恭平)
- 橋本英莉 (はしもと えり / 演:汐谷友希)
- 増山結花(ますやま ゆか)
- 佐山美香(さやま みか / うららの母 / 演:伊東妙子)
- うららの父
- 太田由美(おおた ゆみ)
- 花江 (はなえ / 演:生田智子)
- 埴生(はにゅう)
- コメダ優(こめだ ゆう / 演:古川琴音)
- 遠藤ちまき (えんどう ちまき / 演:菊池和澄)
- 相馬(そうま)
- まさき (演:大岡周太朗)
- 沼田(ぬまた / 演:光石研)
- 『メタモルフォーゼの縁側』の用語
- 同人誌
- 同人誌即売会
- J.GARDEN
- コミティア
- 商業BL
- トレース
- pixiv
- 『メタモルフォーゼの縁側』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 雪「エーッもう全部読んじゃったわよ 全部面白かったわー」
- 英莉「私なんかって言われたら 私だって傷つく」
- うらら「いろんなこと 別にいつやってもいいのかもって」
- うらら「好きなものを好きっていうのも 綺麗な人をうらやましいと思ったり 将来はこうなりたいみたいのとか そういうの全部恥ずかしい。疲れる」
- うらら「いいえ」
- コメダ先生「宇宙人可愛かったです 行き詰まってた時だったんで元気出ました」
- 『メタモルフォーゼの縁側』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 作者が映画を絶賛「小さなことを小さなまま映画にしてくださった」
- 主演の芦田愛菜が作品について語る「明日も頑張ってみようかなと思わせてくれるような、大好きな作品」
- 『メタモルフォーゼの縁側』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:芦田愛菜&宮本信子(うらら&雪)「これさえあれば」