光とともに…〜自閉症児を抱えて〜(漫画・ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『光とともに…~自閉症児を抱えて~』とは2000年より『フォアミセス』にて連載していた戸部けいこによる日本の漫画、及び2004年に日本テレビ系列でドラマ化放送された作品である。同年、第8回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞している。
主人公・東光(あずま・ひかる)は知的障害を伴う比較的重度の自閉症児。ごく普通のサラリーマン家庭で生まれたものの、自閉症がまだ浸透していなかった時代ゆえの困難や主人公とともに家族が成長する姿を作者の綿密な取材に基づき描写している。

あさがお教室(特別支援学級)担任を務める特殊教員免許保有者。
特別支援について熟知しているため、光達や保護者にまできめ細やかな指導と共有をしてくれる存在。

郡司先生(演:片桐 はいり)

光が5年生になる時に、あさがお教室(特別支援学級)担任を務める。自由奔放なパラサイトシングルの一人娘と亭主関白気味の夫に悩んでいる。

『光とともに…〜自閉症児を抱えて〜』の用語

自閉症

自閉症とは、「自閉症スペクトラム障害(自閉症・アスペルガー障害・高機能自閉症の総合名称)」のこと。
「自閉」という名称から自分の殻に閉じこもる病気と思われがちだが、実際にはそういった意味はない。また、親の教育や幼少時の体験が原因の障害でもない。胎内での中枢神経系の発育に何らかの問題が生じたことが大きな原因だと考えられている。脳の発達の仕方の違いから、他人の気持ちや感情を理解すること、言葉を適切に使ったり新しいことを学習すること、一般的な常識と思われることを身につけることが苦手とされている。障害には個人差が大きい。

福祉センター

身体障害者や家族に対し、無料、または低額な料金で各種の相談に応じたり、機能訓練や教養の向上、社会との交流の促進、レクリエーションのための便宜を総合的に供与する機関。

『光とともに…〜自閉症児を抱えて〜』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

雅人「光の父親として生きてみたい」

幸子の賢明な説得により光の父親としての自覚と、別居中の幸子とやり直すきっかけになる。その際の雅人の言葉が、「光の父親として生きてみたい」である。

幸子「大きくなったら明るく元気に働く大人になります」

保育園の卒園式にて「光の将来の夢」を発表する幸子

本作品の執筆のきっかけとなった「明るく元気に働く大人になりたい」という実際の発言を、保育園編の最後に再現し印象付けたシーン。
幸子が母親として自信を持って堂々と宣言するこのシーンは、何もかも上手くいかなかった幼少期編からの大きな成長を感じる。

『光とともに…〜自閉症児を抱えて〜』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

作者の逝去

名作、完結

2009年3月号を最後に作者の病気療養のため休載。
2010年1月28日に作者52歳の若さで逝去後、『フォアミセス』2010年4月号、5月号に病床に残された未発表の遺稿が掲載。
単行本化されていない原稿と病床に残されたネームなどをまとめた単行本の最終巻(第15巻)が刊行された。

また、2016年作者デビュー30周年を記念して『フォアミセス』2016年3月号で特集が組まれ、残されたネームに生前戸部と親交のあった漫画家の河崎芽衣がペン入れをし、完結編として掲載されて幕を閉じる。

最終回に当初予定していた「光が明るく元気に働く大人になる姿」は描かれなかったが、読者側はそれを想像できるようなラストであった。

テレビドラマ化

ドラマ『光とともに…』

2004年4月14日~6月23日まで毎週水曜日に日本テレビ系でドラマ化された。
初回と最終回は15分拡大。篠原涼子の連続ドラマ初主演作。

平均視聴率は15.4%、最高視聴率は最終回の18.3%を記録した。
第42回ギャラクシー賞 テレビ部門奨励賞・受賞、第41回ザテレビジョンドラマアカデミー賞・最優秀作品賞、篠原涼子・主演女優賞、齋藤隆成・助演男優賞、小林聡美は助演女優賞を受賞した。

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