新しい上司はど天然(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『新しい上司はど天然』とは、いちかわ暖による漫画および、それを原作とした日本のアニメ作品である。2018年よりいちかわ暖のTwitterに投稿されており、2019年2月よりwebコミックサイト『マンガクロス』にて連載されている。2019年に“Web漫画総選挙2019”にて1位を獲得し、2020年には第4回TSUTAYAコミック大賞にて第3位を獲得。2023年5月にはテレビアニメ化が発表された。前職でパワハラ上司に悩み転職してきた部下と、転職先のど天然な上司とのやり取りが描かれる。

『新しい上司はど天然』の概要

『新しい上司はど天然』とは、いちかわ暖による漫画、およびそれを原作としたアニメ作品である。
2018年よりいちかわ暖のTwitterに投稿されており、2019年よりwebコミックサイト『マンガクロス』にて連載されている。2019年に“Web漫画総選挙2019”にて1位を獲得し、2020年には第4回TSUTAYAコミック大賞にて第3位を獲得。
2023年5月にはテレビアニメ化が発表され、2023年10月よりTOKYO MX、とちぎテレビ、群馬テレビ、BS11、ABCテレビ、AT-Xにて放送が開始。アニメーション制作はA-1 Pictures(エー・ワン・ピクチャーズ)、監督を阿部記之が担当している。
上司からのパワハラに病み、転職してきた桃瀬健太郎(ももせ けんたろう)。新しい上司である白崎優清(しろさき ゆうせい)との外回りに身構えていたが、白崎はパワハラどころかど天然な上司だった。
日々の仕事の中で起きるパワハラのフラッシュバックに悩みながらも、その度に白崎の天然な発言や行動によって桃瀬の心の傷は少しずつ和らいでいく。
桃瀬と同じように上司からのパワハラが原因で転職してきた金城愛悟(きんじょう あいご)、白崎が新人の頃に指導係についていた青山光男(あおやま みつお)とも関わるようになり4人は仲を深めていく。桃瀬と金城は、現在上司となった白崎、青山と関わることでパワハラ上司と向き合うことができ、それぞれの過去に折り合いをつける。
真面目でクールで仕事に一生懸命なできる上司が、実はど天然で仕事以外では色々な失態をするが、どれも可愛らしくて和んでしまうようなものばかり。天然な上司だけでなく、キャラクターそれぞれが魅力的で、クスッと笑える場面が必ずある作品である。

『新しい上司はど天然』のあらすじ・ストーリー

桃瀬と白崎の出会い

パワハラ上司に精神と胃をやられ、株式会社Minetteへ転職した桃瀬健太郎(ももせけんたろう) 。転職先での新しい上司である白崎優清(しろさきゆうせい)との外回り中、またパワハラ上司だったらどうしようという不安から、胃痛が再発。
痛みで思わず座り込んでしまった桃瀬は1人置いて行かれてしまい、どやされることばかり考えてしまう。しかし白崎はおなかを押さえて座り込んだ桃瀬のために薬と水を買ってきてくれていた。慌てた白崎は、元カノがおなか痛いときに買いに行っていたという生理痛の薬を買ってきてしまっており、桃瀬は思わず笑ってしまう。白崎のド天然な発言によって緊張がほぐれ、桃瀬の胃痛は治まった。

オフィスでの仕事中、やり方がわからない部分が出てきた桃瀬。以前の上司に質問をした際には、暴言と共にマウスやペン立てを投げられていたため、過去の恐怖から白崎にも質問できずにいた。しかし白崎は桃瀬を否定したり馬鹿にすることなく、真摯に指導をしてくれた。真面目に仕事をしている中でもマウスと桃瀬の手を間違えるなどの天然行動を起こす白崎に、桃瀬は癒されながら仕事に慣れていく。

白桃との出会い

桃瀬と白崎は仕事の帰りに捨てられている子猫に出会う。猫好きなのに猫にいつも威嚇されてしまう白崎は、この日も子猫に威嚇されていた。子猫は威嚇に臆さず病院へ連れて行こうとする白崎を思わずひっかいてしまっただけでなく、白崎のカバンで爪を研いだ。桃瀬は慌ててカバンから子猫を離し爪をといだことを注意する。桃瀬に注意されたことで子猫は、飼われていたころにソファで爪をといだことで飼い主に怒られたことを思い出す。怒られると身構えた子猫を白崎は優しく撫で、怪我をさせないように爪をといだ子猫の行動に理解を示す。はじめは威嚇していた子猫だったが優しい白崎に懐き、白桃(はくとう)と名付けられ白崎の家で飼われることになった。

転職を決めた日

ある日桃瀬と白崎は帰宅中の電車で、停電に遭遇。周辺一帯が停電しており、真っ暗な中では星がよく見える。星空を見て白崎は地元の秋田を思い出し、桃瀬は転職を決めた日の事を思い出した。
上司からのパワーハラスメントに悩み、会社を辞めたいと思いながらも言い出せずに過ごしていた桃瀬。ある日、台風の接近により会社が休みになった事を知らされておらず鍵がしまった会社へ出勤した。上司に理不尽な対応をされ、すっかり心が沈んだ桃瀬の目に、真っ黒な看板が目に入る。それはプラネタリウムの看板で、映し出された光と言葉は弱っている桃瀬の心に響いた。そのままプラネタリウムへ向かった桃瀬は、満天の星空を見上げながら、上京したころの気持ちを思い出す。そして、自分の心を動かしたあの看板の広告を作った会社で働きたいという気持ちに押され、転職。その広告を作ったのが現在勤めているMinetteであり、白崎だった。
そして、面接時に桃瀬がプラネタリウムの広告のエピソードを話したため、面接終了後の合否もまだ決まっていないうちから、面接官として座っていた白崎は桃瀬の指導係になることを志願する。こうして、無事にMinetteに入社した桃瀬の指導係に白崎がつくことになったのだった。白崎が自ら自分の指導係としてついてくれたことに桃瀬は感謝した。

同僚と上司

天然な白崎の行動に癒しを感じているのは桃瀬だけではない。
桃瀬と同様にパワハラに悩んで株式会社Minetteの企画営業部へ転職してきた金城愛悟(きんじょう あいご)も、白崎の上司で金城の指導係でもある企画営業部部長の青山光男(あおやまみつお) も、白崎の天然な行動には癒されていた。
金城は天然な発言と行動で場を和ます白崎を慕っており、白崎に直接仕事を教えてもらっている桃瀬をうらやましく思っている。かまってちゃんな部分がある青山は金城が白崎を慕う行動や言動をするとあからさまに態度に表すが、金城は素直な青山のことも慕っている。
また青山は、10年前には白崎の指導係を務めていた。そのため、部下から慕われる白崎をうらやましく思っていると同時に、立派な上司になった姿を見て喜んでもいる。

それぞれの距離が近付いてきた頃、青山の提案で会社帰りに4人で飲みに行く事に。白崎の天然な行動に場が和み、恋バナも盛り上がる。パワハラを受けていた前職での飲み会では、楽しいと思ったことのなかった桃瀬と金城だったが、白崎、青山との飲み会は楽しむことが出来た。この飲み会をきっかけに4人は以前よりも仲良くなり、仕事だけでなくプライベートな話をすることも増える。
少し仕事にも慣れてきた頃、桃瀬は白崎と、金城は青山と泊りでの出張を行い、お互いに信頼を強く抱くようになる。

金城のSNS

白崎、青山の参加している会議が長引いているため、金城と2人でランチをする事になった桃瀬。ベンチに横並びで座る。青山が好きなくまのキャラクター、くまってちゃんに似た形の雲を見つけ、写真を撮り、SNSに投稿する金城。金城のアカウントに、様々な人の写真が投稿されていることに興味を示す桃瀬。そこには金城が転職するきっかけになった前の職場の上司との写真も投稿されていた。
アメとムチが必要だと思っている時代錯誤な人だった元上司。SNSに投稿されていたのは、アメタイムで金城の髪をクシャクシャとなでながら褒めている時の写真だった。
金城は上司に認めてもらおうと頑張っていたが、上司のムチはだんだんエスカレートしていき、ついには手まで出るようになってきた。褒めるときに髪をクシャクシャとする癖も、ぶたれるのかと身構えるようになってしまい、金城はもう耐えられないと感じ転職を決めた。
会社を辞める日、金城は退職理由を正直に伝えたが、上司はずっと黙ったままだった。それ以降連絡を取っておらず、SNSの投稿への反応もなくなったため上司が今何を思っているかわからないが、金城は自分が辞めた事で部下への対応が変わっていることを願う。
上司が見たらどう思うかを気にして今の会社の人の写真をSNSに投稿していなかったが、もう元部下の投稿など見ないだろうと桃瀬との写真を撮る金城。いつの間にか背後に居た青山と白崎が顔を出した。4人でベンチに座り、金城は4人で写った写真を投稿。するとすぐにいいねがつく。いいねをしたのは元上司だった。「転職し素敵な上司や同僚に出会えました。祝福のいいねください」との文を添えた投稿に、元上司から反応があったことに金城は思わずうれし涙を流した。

元上司からの電話

スマホを買い替えた桃瀬。白崎のスマホは画面が少し割れているが、色々あって替えないのだという。終業後、白崎と桃瀬がオフィスを出たところで桃瀬のスマホに元上司からの着信が入る。転職のきっかけになったパワハラをしていた元上司の事は、退職後に着信拒否していたのだが、スマホを替えたため解除されたようだ。
着信拒否が解除になったとたんかかってきた元上司からの電話に、これまでどれだけかけていたのかという恐怖が桃瀬を襲う。激しい胃痛に見舞われ、その場に座り込んでしまう。桃瀬の様子を見た白崎は、桃瀬のカバンを持ち手を引いてベンチへ座ろうと促した。白崎の優しさに胃痛が和らいだ桃瀬だったが、再び元上司からの着信が入り痛みがぶり返す。心配した白崎は、タクシーで桃瀬を家まで送ることにした。
申し訳なさから下を向いたままの桃瀬の視界に、白崎が撮影した今の夕日の写真が映る。気遣いに少し元気を取り戻した桃瀬に、白崎はスマホの画面の傷について語りだした。パワハラで傷ついて転職してきた桃瀬と、転職初日に薬を買いに行った際、焦って落としてついた画面の傷が重なって見えてしまい、スマホが小さい桃瀬に思えてきてしまったのだという。桃瀬の事もスマホの事も、これ以上傷つかないように大事にしてあげたいと話す白崎の言葉に、桃瀬は号泣。勇気をもらった桃瀬は元上司へ電話をかける。電話に出た元上司は、一緒にタクシーに乗っている白崎にも聞こえるほどの大声で怒鳴り、今の上司にも使えない奴だと思われていると吐き捨てる。白崎は思わず「桃瀬は優秀で大切な部下です」と答えてしまい、元上司は白崎の事もバカな上司だと罵った。白崎の事を悪く言われ、桃瀬は怒りから最低な上司がいたおかげで、白崎と言う最高の上司に出会えたと言い返す。言い返されて逆上した元上司は、家まで行くから覚悟しろと叫んでいたが桃瀬は構わず通話を切った。
通話終了後、元上司の最後の言葉に引っ越しを考える桃瀬。しかしすぐに引っ越しできるような費用はなく頭を抱える。すると元上司との電話でテンションの上がった白崎が自分の家に住むかと提案。そうして引っ越し費用が貯まるまでの突然の同居生活が始まった。

『新しい上司はど天然』の登場人物・キャラクター

主人公

桃瀬 健太郎(ももせ けんたろう)

CV:西山宏太朗

今作の主人公。上司から悪質なパワーハラスメントを受け続けたために転職をし、株式会社Minetteに入社。企画営業部に所属している。仕事中にも以前の会社で受けたパワーハラスメントによるフラッシュバックに見舞われることがる。入社当初は白崎もパワハラ上司だったらどうしようと怯えていた。一緒に仕事をするうちにど天然であることがわかり、白崎は桃瀬にとっての癒しの存在となっていく。

株式会社Minetteの社員

白崎 優清(しろさき ゆうせい)

CV:櫻井孝宏(PV・ドラマCD)/梅原裕一郎(テレビアニメ)

株式会社Minetteの企画営業部主任で、桃瀬の直属の上司。仕事中は髪をオールバックにしており、仕事に集中している時の表情は厳しく怖い印象。桃瀬の心を動かした広告を作った人物。しっかりしているように見えるが、実はド天然である。

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