落語とともに生きともに死す!「昭和元禄落語心中」

女性誌に掲載されたマンガとしては初の、落語界を描いた漫画「昭和元禄落語心中」。落語界の巨匠である八雲と八雲に弟子入りする元チンピラの青年を中心に、昭和から平成の落語家たちが生き生きと描写されます。マンガ大賞にノミネートされたことで一躍有名になり、2016年にはテレビアニメの放送もスタートします。

与太郎放浪編

物語は昭和50年代初頭、チンピラの「ヨタ」が刑務所を出所したところから始まります。行くあてのないヨタが目指したのは寄席。かつて刑務所の慰問で聞いて感動した落語家「八雲」に弟子入りするためでした。それまで頑なに弟子を取らなかった八雲ですが、ヨタの人懐っこく破天荒な性格に何か感じるものがあったのか、アッサリと弟子入りを許可します。

ヨタの弟子入りが面白くないのは八雲を信奉する人間たち。そして、八雲宅に居る養女の小夏でした。八雲の兄弟子の忘れ形見である小夏と養父の八雲の間には、ある因縁がありました。

物語の見所は落語のシーン。登場人物たちの表情が普段とはガラリと変わります。一人で何人もの役をこなす落語家の語りの様子が、緊迫感と迫力を伴って読んでいるこちらに迫ってくるようです。

ちょっとした失敗から弟子を首にされそうになるヨタ。首を取り消す代わりに八雲はヨタにある条件を出します。八雲の口から戦後の大名人と言われた助六との因縁が語られます。

八雲と助六編

八雲と助六編の舞台は昭和初期。幼い八雲が落語家に弟子入りし、兄弟子になった助六との友情が描かれます。しかし、やがて小夏の母である芸者・みよ吉を挟んで、二人の仲はこじれてゆきます。

助六再び編

時代は昭和の末期から平成へ。バブルの頃から阪神大震災にかけての時代の「空気感」が描かれます。テレビでは漫才ブームがおき、落語はすっかり下火に。しかし、助六を拝名したヨタや小夏たちは、新たな落語のありようを模索していきます。

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現在、「与太郎編」のみ前後編がコミックス特装版に同梱されています。2016年1月のテレビアニメに先駆けて発売中です。

とんとん
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@tonton

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