物語は昭和50年代初頭、チンピラの「ヨタ」が刑務所を出所したところから始まります。行くあてのないヨタが目指したのは寄席。かつて刑務所の慰問で聞いて感動した落語家「八雲」に弟子入りするためでした。それまで頑なに弟子を取らなかった八雲ですが、ヨタの人懐っこく破天荒な性格に何か感じるものがあったのか、アッサリと弟子入りを許可します。
ヨタの弟子入りが面白くないのは八雲を信奉する人間たち。そして、八雲宅に居る養女の小夏でした。八雲の兄弟子の忘れ形見である小夏と養父の八雲の間には、ある因縁がありました。
物語の見所は落語のシーン。登場人物たちの表情が普段とはガラリと変わります。一人で何人もの役をこなす落語家の語りの様子が、緊迫感と迫力を伴って読んでいるこちらに迫ってくるようです。
ちょっとした失敗から弟子を首にされそうになるヨタ。首を取り消す代わりに八雲はヨタにある条件を出します。八雲の口から戦後の大名人と言われた助六との因縁が語られます。
八雲と助六編の舞台は昭和初期。幼い八雲が落語家に弟子入りし、兄弟子になった助六との友情が描かれます。しかし、やがて小夏の母である芸者・みよ吉を挟んで、二人の仲はこじれてゆきます。
時代は昭和の末期から平成へ。バブルの頃から阪神大震災にかけての時代の「空気感」が描かれます。テレビでは漫才ブームがおき、落語はすっかり下火に。しかし、助六を拝名したヨタや小夏たちは、新たな落語のありようを模索していきます。
アニメ「昭和元禄落語心中」ティザーサイト
rakugo-shinju-anime.jp
雲田はるこ原作、話題の本格落語漫画がついにTVアニメ化決定!!
現在、「与太郎編」のみ前後編がコミックス特装版に同梱されています。2016年1月のテレビアニメに先駆けて発売中です。