O.SHI.GO.TO(しりあがり寿)のネタバレ解説・考察まとめ

『O.SHI.GO.TO』とは、しりあがり寿によるお仕事漫画である。雑誌『Hanako』で1988年のバブル期に連載が開始され、バブル世代のOLを描いたハイテンションなコメディーとして人気を博した。
主人公のヨモヤマハナコと大日本商事企画室の面々が繰り広げる、脱力感と爆笑に満ちた日常を描く。著者の会社員経験を活かした共感必至の「あるある」ネタや毒気のある笑いが満載で、新装版の上下巻にはバブル期から21世紀初頭までの激動のエピソードや描き下ろし4コマが収録されている。

大日本商事企画室課長。いつも猫背で腕を組む。転勤に際して自分の送別会用のスピーチを練っていたが、結局送別会は開かれなかった。

山の上 雲の助(やまのうえ くものすけ)

山の上 雲の助

ヨモヤマに片思いをしている青年。驚異的に気を引くのがへたくそでいつも空回りしてしまい、当のヨモヤマからは「真意が謎に包まれた男」と不審がられている。

『O.SHI.GO.TO』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

深夜の誰もいないオフィスで繰り広げられる上司ごっこ(物真似)

本作の魅力は、作者であるしりあがり寿の実際のサラリーマン経験が色濃く反映されたリアルかつユーモラスなオフィスの小ネタやエピソードである。
劇中では、提出すべき報告書をうっかり脂取り紙代わりに使ってしまったり、役員会議において「女性社員たちがモデルの男の子のお尻に色めき立っている」という一見不条理な内容が真面目に議論の議題に上がったりと、会社組織の硬軟交えた日常が独特の毒気とユーモアを交えて描かれている。
特に、「深夜の誰もいないオフィスで繰り広げられる上司ごっこ(物真似)」シーンのような、一見すると小学生の悪ふざけのような無邪気で脱力感のあるやり取りが多くの会社員の共感を呼んだ。

ヨモヤマ ハナコ「他の会社じゃこーゆーのフツーですよ。友達の会社なんかパンツいっちょうらしいですよ」

本作では、バブル期から不況期にいたる過酷なビジネス社会を生き抜く会社員たちの心理が、独自のシニカルなユーモアとともに描かれている。
上司からの「キミみたいなススンだ女性が増えると我が社も成長するぞ」という言われたハナコは、「他の会社じゃこーゆーのフツーーですよ」と笑顔で返し、さらに「友達の会社なんかパンツいっちょうらしいですよ」という極端な噂話を平然と披露する。この発言に驚く上司のリアクションや、背後で「マジで転職を考えている人達」として沈黙する男性社員たちの葛藤が、独特のコマ割りでコミカルに表現されている。

『O.SHI.GO.TO』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

作者のしり上がり寿がサラリーマン時代に描いたリアルなお仕事漫画

本作はギャグ漫画であるため、作中は「そんなわけあるか」のオンパレードである。ギャグ漫画なのだから当然なのだが、作者のしりあがり寿が実際にサラリーマンであったため、ディテールがいちいちリアルであり、余計に面白い。お仕事漫画によくある、やたらとコピーを取っているだけのOLなどは出てこない。そのリアルさが働く社会人に受けたのである。

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