「スポ根展」に遠くなった昭和を思う。
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2015年8月26日から銀座松屋で開催が始まったスポ根展。
個人的に、「ど真ん中ストライク!」な世代なので、激しく興味を引かれました。
「いい大人」になった今だからこそ、あの頃とは違った角度からの視点でこれらの作品群を眺めてみたいと思います。
☆「巨人の星」
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「巨人の星」は、原案梶原一騎、作画川崎のぼるによる漫画作品です。
とにかくあの頃知らない人はいなかった大ヒット作。
毎週土曜日の午後7時から放送されていて、あの頃は録画機能などなかったからリアルタイムで見るしかなく、この時間には何が何でもテレビの前に座る!それが当然の生活でした。
私は「巨人の星」のコミックスを全巻そろえた記憶があります。
性別関係なく「巨人の星」は人気がありましたね。
そういえば、トレーシングペーパーを買って来て、コミックスの上に重ねて、自分が気に入ったシーンをたくさん模写したのを覚えています。
未だに二次創作に手を染めている私のルーツがこんな所にあったとは…wwwwww
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大リーグボール養成ギプスとか、消える魔球だとか、主人公飛雄馬の父一徹が、飛雄馬の無二の親友である伴宙太を「最強の敵」に仕立て上げ、最終的に飛雄馬の左腕を壊してしまうところまで行き着くとか、こういうのが当時の子供や若者には受けたんですよね。
今だったら多分引かれてしまう。
あと、やたら目の中に炎が燃えたり、涙の出方が半端なかったり、中学生のはずな花形がスポーツカーを運転していたり、明子ねえちゃんがいつも柱の陰から涙を流して飛雄馬を見守っていたり…今だったら「ギャグ」になりかねない描写が山ほどあります。
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あぁ、でも巨人の星(※続編の「新巨人の星」というのがあって、こちらは殆ど読んでませんが)のラストシーンは今思い出しても胸がジーンとしますね。
一徹が息子を背負ってマウンドからゆっくりと歩みさるシーン。
私と同じような想いを抱いた同世代の方は多かったと思います。
この時代、子供が好きなものは「巨人(野球)大鵬(大相撲)卵焼き」だと言われていました。
巨人の星はそんな子供達の好きなもののトップに上げられた「巨人軍」に入団することを夢見た父子が、厳しい鍛錬と苦難を乗り越えて、栄光を手にしていく過程を描いた「大河ドラマ」的な物語です。
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主人公星飛雄馬は、父一徹(若い頃巨人軍で三塁手だった)、姉明子との貧しい暮らしを送る少年。父とともに「巨人の星をめざす」という合い言葉を胸に、父からの厳しい訓練を受けながら次第に力をつけて行きます。
成長した飛雄馬は青雲高校に入学。そこで知り合った伴宙太とともにバッテリーを組み、野球部で活躍。やがて甲子園ではライバルの花形満、左門豊作らと闘い、少しづつ巨人軍入団への道を歩き始めるのです。
♡「アタックNo.1」
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「アタックNo.1」は、浦野千賀子作画による、スポーツ漫画です。
オープニングテーマソングの「だって、涙が出ちゃう。女の子だもん」という台詞が有名なこの作品。
連載当時やはりバレーボールをテーマにした「サインはV!」と人気を二分していました。
いや~大好きでしたし、徹底的に影響を受けました。
だって、このアニメのおかげで、ちょうど中学に入った頃の私はバレー部に入りましたもの。
(まぁ、背が低かったのと、思っていた程上手くなれなかったので、途中で止めちゃいましたけどね…)
鮎原こずえと早川みどり、最初はライバルだったんだけど、お互いの実力を認め合ってからは堅い友情で結ばれ、最強のアタックコンビになる。べただけど、そういうの憧れでした。
これは今ジャンプで連載中の「ハイキュー!!」(こちらは男子版だけど)にもどこかで共通したスピリットではないでしょうか。
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右側が早川みどり。初登場時は、つんけんした感じの悪いお金持ちのお嬢様だった。(富士見学園への転校生という設定)
今で言うところのツンデレっぽい感じ。
あ、こずえも転校生という設定でした。
また、本論からはズレますが、当時○子という名前が一般的だった中で主人公の名前が「こずえ」とか「みどり」とかいった子がつかない「しゃれた名前」(笑)だったことも、当時思春期まっさかりだった女子にはなかなかアピールポイントが高かったように思います。
つっこみどころもけっこうあって、特にこずえの彼氏だった務君が、こずえが大切な試合の最中に自動車事故で死ぬんですけど、何と自動車免許が取れるはずのない年齢の務くんが運転する車が横転しての事故!
これに関しては当時から「謎だよね」と言われてましたね。あ、これも本論からずれてますが。
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県大会で優勝し、病院へかけつけたこずえ。でも遅かった。
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大好きな務君の死で一時はバレーなんかどうでもよくなってしまったこずえ。でも務君が遺した「僕は鮎原こずえを愛している。でもそれを告白するのは彼女が世界のアタックナンバーワンになった時だ」という日記を読み、自分がなすべきは世界一のアタッカーになることだと決心します。
この潔さがスポ根ものの良さでもあると思います。
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「アターーーック!!」
○「あしたのジョー」
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「あしたのジョー」は、梶原一騎原作、ちばてつや作画の漫画。
それまでのスポ根ものの主人公とはひと味違って、まず少年院入りした札付きのワルという設定自体が新しかった「あしたのジョー」。
主人公矢吹ジョーが丹下段平に才能を見いだされ、ボクシングを知った所から本来のストイックさでどんどんと力をつけていく過程が、けっして暑苦しくなく、むしろクールさを感じさせて他の作品とは一線を画していたように思います。
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ライバルの力石の、ジョーをも上回る超ストイックさも見どころの一つ。
自分の命を削ってまで減量をし、リングの上で勝利を勝ち取ると同時にその命を落とすのですから。
これ以上のストイックさはないでしょう。
力石徹が作品内で亡くなった時には、本当にお葬式が開かれて、当時は今みたいな二次創作文化もコミケなどもなかった時代だったので、各マスコミに大きく取り上げられましたね。
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これがその当時の様子を伝える記事。1970年(昭和45年)のことでした。