パジャマな彼女。(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『パジャマな彼女。』とは、『週刊少年ジャンプ』にて連載されていた濱田浩輔の作品。幽霊になってしまった幼馴染みの音巻まくらを救うべく、主人公の目覚計佑が奮闘する恋愛ファンタジー。ラブコメでありながらファンタジー色が強い作品である。作品前半部分は幽霊になった音巻まくらを救うミステリアスな展開が軸になっている。音巻まくらを救出したあとは、部活動メインになっており、作風が大きく変化している。『パジャカノ』といった愛称でも親しまれている。

Vol.17「幽霊になったら」におけるまくらのセリフ。

まくらは偶然親しくなったホタルの呪いを半分引き受けることにしたものの、ホタルはその決断に対して忠告した。
けれども幼い頃に母親を失い、いまだにそれを受け入れられないまくらは、「幽霊になったら 死んだお母さんに会えるかもしれないもん」とたとえリスクを背負ってでも母親に会える可能性にかけてみたかった。
そして高校2年の夏、まくらはこの呪いにかかることになる。

音巻まくら「大丈夫!計佑出来るよ!」

まくらは計佑のそばにずっといた。
だから計佑の好きなことも分かっている。

Vol.18「カワイイ幼馴染みだね」におけるまくらのセリフ。

夏期講習初日、「まくらを元に戻す」目標を達成した計佑はソフトボール部に熱心に励むまくらとは対照的に気が抜けた状態になっていた。
しかしその日の放課後、スポーツ用品店で部活の買い物を終えたまくらは偶然ゲームセンターを見つけ、計佑を誘った。
そのゲームセンターに設立されていたプリクラ撮影を行った後、ずっとそばいたからこそ知っている計佑の好きな点を次々と口に出し、「大丈夫!計佑出来るよ!」と計佑を励ました。
これが天文学部を設立するきっかけの1つとなる。

須々野硝子「傍から見ると 目覚くんはまくらのことしか考えてないよ」

vol.23「アルビレオ」における須々野硝子のセリフ。

まくらとの関係が上手く行かない計佑に対して硝子がかけたのが「傍から見ると 目覚くんはまくらのことしか考えてないよ」だった。
硝子は計佑がずっとまくらの近くにいるから、彼女のことを人一倍気に掛けていることを気付かせたかったのだろう。

『パジャマな彼女。』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

連載当時はラブコメ戦国時代

『パジャマな彼女。』の連載当初、ジャンプでは『ニセコイ』に『恋染紅葉』といったラブコメ作品が多数連載されていた。
『ニセコイ』はジャンプのラブコメ史上最長の連載期間・巻数となったものの、特定のキャラを贔屓する展開に批判が高まり、連載が続くにつれて評価がどんどん低下する傾向にあった。それが『パジャマな彼女。』が再評価される要因に繋がった。
この2作品の連載もあって『パジャマな彼女。』は長期連載にはならなかったものの、作画能力の高さや計佑とまくらの人間関係描写が高く評価されている。

衝撃を与えた第8話

Vol.8ではヒロインの雪姫が柄の悪い連中に誘拐されているが、その際に描かれた脅迫や暴力は少年ジャンプ誌において類を見ないほど過激な描写となった。
特に柄の悪い連中は、他のジャンルに登場するキャラクターが紛れ込んだと感じてしまうほど雰囲気が合わず、言動や行動が読者に衝撃を与え、ジャンプ史に残る悪役として名を残すなど、読者に衝撃を与えたエピソードとなった。

出版社の変更

「パジャマな彼女。」は当初、集英社からコミックスが刊行されていた。
しかし作者の濱田浩介は「パジャマな彼女。」の連載を最後に活動の舞台を講談社に移動。
移動理由について濱田は人気至上主義の象徴とも言えるジャンプ特有のアンケートシステムや「第一印象で面白いものを作る才能が一番求められる」ジャンプの方針と合わなかったことを上げている。
濱田はスルメイカのように噛めば噛むほど味が出る漫画の執筆を望んでおり、連載終了後に講談社に移動することになった。
濱田が講談社へ移動したことに伴い、新装版は講談社から刊行されている。
出版社が移動したケースは「金色のガッシュ!!」も該当する。

補填されたストーリー

表紙を見ていただくだけでも分かるように、絵柄は大きく変化を遂げている。

本作は打ち切りで連載終了となってしまったため、雪姫との関係がいきなり断裂したような状態で終了となった。
しかし新装版の刊行に伴い、下巻では連載時に補完できなかった計佑と雪姫のやり取りが新たに追加された。
失恋から立ち直って、前に進もうとする雪姫の姿が見れる。
なお、絵柄は連載当時と大きく異なり『はねバト!』以降の作風に変化している。

YoshimuTi-mas4
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@YoshimuTi-mas4

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