犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい(犬猫どっちも)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい』とは、松本ひで吉によるエッセイ漫画作品、およびそれを原作としたショートアニメ作品である。2017年2月より松本が自身のTwitterに投稿を開始し、2018年3月より『Palcy』にて連載開始。2020年10月からは毎日放送・TBS系列にてショートアニメ全24話が放送された。
天真爛漫な犬とツンデレな猫を飼っている松本ひで吉の日常を描いている。

犬をいろんな名前で呼んではいけないと言うが、反応がかわいくてついつい読んでしまうひで吉。そしてどんな名前で呼ばれても、嬉しそうに返事をする犬。
一方猫は、どんな名前で呼んでも反応してくれないが、ゴハンという言葉には反応。名前とかどうでもいいようだ。

犬とひで吉の間で新しい遊びが流行っている。それは、犬マシンガン。犬を抱えて、ダダダダダと打ちまくる。何だかわからないけど、楽しい遊びだ。
猫に見られていたことに気付き、ササッとその場を後にする2人。しかし、自分もやりたいのか、ちらちらとひで吉の方を見る猫。猫もやるぞと意気込み抱えてみたが、びしっと体勢を整えることなく、くてんと倒れる。猫マシンガンは無理だった。

#11 先々代の犬

松本家の先々代の犬は、柴ベースの雑種犬だった。小学生の頃、散歩紐を着けたまま走ってきたため、保健所に問い合わせたり、新聞に載せてもらったりと飼い主を探したが見つからず、松本家の一員となった。
女の子だけど武士のような子で、頭も良い忠犬だった。おなかの具合が悪いが、敷地内にうんちをすまいと重いブロックを引きずり、家の敷地の外まで移動していたこともあった。
そして現在、犬は大ざっぱでウンチがトイレからはみ出していても気にしない。猫は自分が失敗したのに早く拾えと上から目線。犬も猫もみんな違う個性を持っている。掃除をすることになっても、それはそれでかわいいと思うひで吉だった。

#12 その意味は

男子小学生のように、うんこしっこでものすごくテンションが上がる犬。トイレに入っていると様子をうかがいに来るため、扉を少し開けて追い出す。するとそこへ猫が通りかかり、何の騒ぎだと顔をのぞかせ、「ないわー」という表情で引いていく。何だかよくわからないが、ひで吉は深く傷つくのだった。

猫が松本家にやってきた頃は、先住の老犬が一緒に暮らしていた。
初対面の際、おじいちゃんの犬に思い切り頭突きをした小さいころの猫。ひで吉はバリケードで2匹を隔てたのだが、猫はそれでも犬に向かっていっていた。そんなことを思い出しながらふとパソコン画面に目をやると、猫の行動から気持ちを知ることができるとかかれており、ひで吉は猫が頭突きをする理由を調べてみた。するとそこには大好きだよの文字が。松本家の猫は優しい猫だったのだ。

#13 ボランティア

ボランティアで保護犬シェルターを訪れたひで吉。他に来ていた人たちはみんな手早く、散歩もトイレもブラッシングでも出遅れた。やることがなく犬と遊んでいると、二階に猫もいるのでお世話をお願いしたいと、保護犬シェルターの人に声をかけられる。曲者な猫といつも暮らしているひで吉は、どんなツンツンの猫が来ても平気だと気合を入れるが、そこにいたのはかわいい猫だった。甘えん坊の猫は都市伝説ではなかったのかと言いながら、骨抜きにされるひで吉。終了の時間になったが、迷わず延長を申し出るのだった。
猫がゆっくり瞬きをするのは「好きだよ」の意味だと知ったひで吉は、自分の好きを猫に伝えられるのではないかと考え、試してみることに。こちらを向いている猫の前でゆっくり目を閉じ、開く。目の前にあったのは、猫のお尻だった。

ある日猫がくねくねと可愛い動きをしていた。あまりの可愛さに写真を撮りまくるが、写真では収まらないと動画を撮るひで吉。後で見返すと、猫に話しかけるきもい声がしっかり入っており、かわいい猫より気になってしまうのだった。

#14 ただいま

3日ぶりに帰宅したひで吉。玄関を開ける前からドアの向こうでは犬が待ち構えており、開けた瞬間に全力でうれしいを表現して出迎える。猫は探しても出てきてくれず、背後に現れ音もなく確認だけして去っていく。
1週間ぶりに帰宅した時も、犬は全力でお出迎えしてくれ、玄関には猫も姿を現した。直線で方向を変え爪とぎに行った猫だったが、母は玄関のドアが開くまでの一部始終を目撃していた。
返ってくる直前に猫は布団から出てドアの前でソワソワ待っており、ドアが開くと同時に隠れて何食わぬ顔で出てきたのだという。高次元過ぎるツンデレ具合だが、ひで吉は歓喜で涙した。

#15 おたんじょうび

犬の誕生日、ひで吉は歌をうたい、犬はワクワクしながらプレゼントを待つ。プラスチックでできた骨の形の中に匂い付きのワックスが入っており、噛めば無限に味がするおもちゃをプレゼントする。しかし、犬の反応はイマイチで、猫を見つけて去って行ってしまう。プレゼントに凝りすぎてスベるのは、あるあるだ。そして犬の誕生日の感想は「おうたは楽しかった」だそうだ。
猫の誕生日には高級おやつをプレゼント。見つけた犬が自分も欲しいと大騒ぎするため、ひで吉がおさえて猫が食べる時間を確保する。猫が食べ終わるまでの間、ぼくもぼくもと騒ぐ犬。猫は犬にとられることなく高級おやつを食べることができたが、誕生日の感想は「うるさかった」だった。

犬に新しくボールのおもちゃを買ってあげたひで吉。ぶにぶにしていて、いぼいぼがついたボールに大興奮の犬。楽しそうに遊ぶ犬を、冷めた目で見る猫にも新しいおもちゃを渡す。興味がないような顔をした猫だったが、通りすがりのふりをして遊んでいる。とてもお気に召したようだ。

#16 友人のはなし

9歳になった犬、人間の年齢にすると50歳半ばくらいにあたる。歳を取ると動くのが面倒になり、しっぽだけで返事をするようになるなどの様子が見られる。しかし犬は全力で返事をし、全身でワクワクして過ごしている。今のところまだまだ元気いっぱいだ。
猫も9歳、人間の年齢にすると60歳手前くらい。最近寝ている時間が増えた猫を見ながら、こうして静かに歳をとっていくのかとしんみりと背中を向けたひで吉。背後では、しまってある食パンを全力で猫が引きずり出していた。まだまだ全然変わっていなかった猫の姿を見て、うれしくなるひで吉だった。
尋常じゃない犬好きの友人宅に、先日宗教の勧誘の人が来たらしい。友人はその人たちを部屋に上げてお茶を出し、話を聞いたという。神がどうとか人が死んだあとの話をしだしたため、友人は犬が死んだらどうなるのかと聞いてみた。「犬は消えます」と言われ、友人は大泣きしながら追い出したらしい。友人の行動に、ひで吉は思わず「相手もびっくりしただろうね」と口にした。

扇風機にあたりながら、おやつにきな粉をかけるひで吉。通りがかった猫が扇風機の「強」ボタンを押す。きな粉は全て吹き飛んだ。

#17 獣医さん

目が合うと耳をぴょいとあげ、にこっとしてみせるとしっぽをふって答えてくれる犬。言葉が分からなくても、ちゃんと会話ができていると感じるひで吉。
一方猫は、人の言葉をわかっているのではないかとひで吉は思う。かつおぶしと書いてある入れ物を荒らす猫は、字が読めるのではないかと思ってしまう。そこでひで吉は、お皿にジャーキーを乗せ、毒入りとメモを添えてみる。猫は皿を落として、犬にジャーキーを食べさせた。犬に毒見をさせたのだろうか。偶然だと分かっていても、猫の行動によってひょっとして感をぬぐいきれないひで吉だった。

多くの犬にとって恐怖の存在である獣医さん。松本家の犬は元気に挨拶した後、助手さながらさりげなさで先生の後をついていく。犬は獣医さんが大好きだ。
しかし猫は袋型のキャリーバックの中で暴れるだけで、顔を出したりはしない。ファスナーの隙間から猫が手だけ出したのを見て、昔持っていたホラーな貯金箱を思い出すひで吉だった。

#18 しらないみち

犬におやつを上げるとき、じらして横取りするふりをするひで吉。困った犬は怒るわけでもすねるわけでもなく、お座りができる姿を見せ必死にいいこアピールをする。その健気さに負け、ひで吉は1本の予定だったジャーキーを2本あげてしまう。
猫にも同じようにじらしてみる。猫は飼い主のおたわむれに見向きもせず、袋の方を持って行った。猫の強さを見たひで吉だった。

いつも犬が行っているトリミングサロンが移転し、新しい店に行く日。知らないが大好きな犬は、知らない道にウキウキしながら、知らない店にたどり着く。ワクワクしながら店内に入ると、そこには知っている人がいて、好きではない散髪をする場所だった。しかし犬は嫌なことを忘れて楽しかっただけが残るので、幸せなのだ。
猫がいつも寝ているお気に入りの場所。部屋の隅っこで何もないその場所に、ひで吉は爪とぎやふかふかのタオル、おもちゃを置いて豪華にした。しかし猫は居心地悪そうで不機嫌な顔に。ひで吉は慌てて元に戻す。猫は新しいことが嫌いなのだ。

#19 おくすり

獣医さんで薬をもらった犬。餌に薬を混ぜて与えるのだが、薬だけ残すこともあるため気を付けるようにと言われたひで吉は、シートン動物記に出てきたオオカミ王ロボの話を思い出す。家畜を荒らすロボを捕まえるために毒餌を用意したが、ロボは毒餌だけを避け、あざ笑うかのように糞尿がかけられていたという。イヌ科の恐るべき知恵と嗅覚。薬を犬くんに飲ませるのは至難の業かと思われた。
しかし犬くんは、ちょうだいちょうだいと寄ってきて、薬をパクリ。えさに混ぜる必要もなく、難なく薬を与えることができたのだった。
猫も薬をもらった。えさに混ぜてあげるが、薬だけ残すので、エサを追加。また残しているので、エサを追加。繰り返すうちにひで吉は気づいた。猫は最初からエサの追加が目的であり、自分は猫の策にはまっているのではないかと。気付いた時にはもう遅い。猫強い。

#20 お母さん

先々代に駆っていた柴犬ミックスの雑種の女の子は、ある年の春お母さんになった。出産した犬はめちゃくちゃ怖いと本で読んだ小学生のひで吉はビビりまくる。そんなひで吉の予想に反して、母になっても忠義者な先々代ちゃんは子犬を一匹ずつ紹介してくれた。ひで吉は子犬を抱いて見せてもらうことができたが、時間が経つと返してほしそうにした。忠犬だけど、ちゃんとお母さんなのだった。
松本家の中で一番強いのは母。ひで吉が犬を叱っても、叱り終えればけろっとして効果はないが、母が怒ると石のように固まる。猫もひで吉が叱ったところで効果はなく、持っていた食パンも取られてしまうが、母は猫から無傷でパンを取り返す。母の前での猫は「命にはかえられん」という顔になるのだった。

#21 ブラッシング

奮発して高い犬用のブラッシングブラシを購入したひで吉。ブラッシングはバリバリするので犬は嫌がる。しかし高級ブラシでのブラッシングはバリバリせず、犬は感動する。そしてふかふかになってかわいくなった犬を褒めると嬉しそうに喜びの舞を披露した。さんざん舞った後、ぼさぼさになった犬。ブラッシングは振出しに戻るのだった。
猫用にも新しいブラシを購入。手袋タイプのブラシで、なでながらブラッシングすることを想像してにやけるひで吉。しかし実際にはめて猫を迎えようとすると、敵意むき出しで警戒され、手袋タイプのブラシは不要になった。

いい天気の日のお散歩、ひで吉は帰り道を犬に任せてみることにした。犬は方向感覚に優れていて、何百キロも離れたところから戻ってきた例もあるほど。犬くんも自信に満ちた足取りで前を歩いていくがふと足を止めて振り返る。犬くんは自信満々で道に迷っていたのだった。

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