紅茶王子(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『紅茶王子(こうちゃおうじ)』とは、山田南平(やまだ なんぺい)による漫画作品。平成8年21号から平成16年12号まで白泉社『花とゆめ』にて連載された。単行本は全25巻。文庫版は全12巻。
満月の夜のお茶会で、吉岡奈子(よしおか たいこ)は紅茶の精「紅茶王子」を呼び出してしまう。願い事を3つ叶えるまでは帰れないという紅茶王子たちと奈子、仲間たちの恋愛や学園生活を描いた物語である。

紅牡丹の母、錦上添花(ふぁんじゃんてぃあんふぁん)についてゴパルダーラが語るシーンでのセリフ。「錦上に花を添う。優れた者が優れた者を補うという意味だね」と語り、彼女の人生がまさにそのものであったとゴパルダーラが言う。紅牡丹の父が今の地位に立つために、添花は自分の地位を犠牲にしてまでも、必要な地位と財力、世継ぎ、心の拠り所全て与えた。周囲からは愛する人のために自分を犠牲にしたと思われていても、彼女自身が幸せであった事が重要なのだと説く名シーンである。

アールグレイ「楽な逃げ道に見える事でもリスクを伴う。自分の良心をねじ伏せたり、人の信頼を損なったり、大切なものを失ったり。そうやって道を選んで生きていく。生きることに逃げなんてない」

アッサムが人間になる事を選んだ際、アールグレイに「自分は人間になるけど、それは逃げているんじゃない」という伝言を残した。その伝言を聞いたアールグレイが言ったセリフが「楽な逃げ道に見える事でもリスクを伴う。自分の良心をねじ伏せたり、人の信頼を損なったり、大切なものを失ったり。そうやって道を選んで生きていく。生きることに逃げなんてない」である。
アッサムが人間になることを選択した一方で、アールグレイは人間になることを諦めた事がある。どちらも自身で選んだ人生の道であり、どちらにもリスクや痛みが伴っている。違う道を選んだ2人の人生は、どちらも逃げではないのだということを表現している名シーンである。

『紅茶王子』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

作者の落書きブログ

奈子、アッサム夫婦と娘の杏梨(あんり・続編に登場する)、お土産を持ってきた奈子の弟・健太の日常の一コマ。

作者・山田南平のブログにはNHK大河ドラマを楽しむ奈子の姿や、コンビニ店員への愚痴を奈子と雪子に話す美佳の姿などのイラストが掲載されている。奈子らが現実にいたら、このような日々を送っているのかと思わせる内容が多い。

登場人物の名前の由来

左が作者、中央の男性が実在する「内山美佳」さん、右の女性も別の漫画のキャラクター名になっている。

作者は友人の名前をキャラクターの名前としてつけることが多い。紅茶王子に登場する「内山美佳」も友人の名前であり、その友人がメールのやりとりをしていた人から「学生の頃に大好きだった漫画のキャラと同姓同名でびっくりしました」と言われた事がある。

登場人物の「今」

紅茶王子続編では奈子とアッサムの娘も登場するなど、「紅茶王子」の時に学生だった登場人物が親世代になっている。作者のブログでは、続編に出てこない登場人物たちの「今」が妄想で描かれている。

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