S -最後の警官-(漫画・ドラマ・映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『S -最後の警官-』とは、小森陽一(原作)、藤堂裕(作画)により、『ビッグコミック』で2009年から2016年まで連載されていた漫画である。漫画の巻数は全20巻。元プロボクサーの神御蔵一號(かみくらいちご)は、犯人を生きたまま確保することを目的として新設された、警察庁特殊急襲捜査班「NPS」の隊員として役割を全うしている。特殊部隊同士の対立、友情、そして個性豊かな「NPS」のメンバーと一號が共に挑む、凶悪事件が描かれた警察アクションである。

NPS副官で警部。容姿・性格共にクールな、NPSの№2。表情を崩すことは滅多になく、ほとんどの人間に無愛想で近寄りがたい印象を与えているが、その胸の内には、誰よりも強い警察官としての矜持を抱いている。かつてはSITの二輪部隊に所属していた、追跡・尾行を務める走りのエキスパートだ。

古橋誠二郎(ふるはしせいじろう/演:池内博之)

NPS小隊長で警部補。FBIでの訓練経験もあり、情報収集能力に秀でている。身体能力・隠密性も高く、水中からの奇襲・射撃などを得意としている。バツイチで、筋トレバカな面もある。

梶尾竜一(かじおりゅういち/演:高橋努)

巡査部長で警備犬ハンドラー。警察犬「ポインター3号」を相棒とする、追跡捜査のプロだ。地味目で老け気味な見た目で変装を得意としており、潜伏犯の追跡・発見に長けている。自分の食事や負傷よりもポインター3号のことが気にかかるという犬好きだが、マザコンでもある。

棟方ゆづる(むなかたゆづる/演:吹石一恵)

一號と兄妹同然に育った、幼馴染の女性。小学生の頃、自分の家族と一號と出かけた繁華街で通り魔事件にあい、両親が殺されてしまう。犯人は射殺された。両親を目の前で失った衝撃とともに、憎むべき存在をも同時に失ってしまったため、なぜ愛する両親の命を奪ったことさえ犯人に問えないのかという苦悩を抱えながら生きてきた。その苦しみを常に傍らで見続けてくれた一號には言葉に表せない親愛の情を持っているが、兄妹に近い関係性から恋愛感情は封印している。
元来明るい性格であるが、事件を思い出すたびにどこにもぶつけられなかった怒り・憎しみ・絶望が心に広がる。それでも、天性の明るさと前を向いていく強さで、人の命を救いたいと看護師の道を選んだ。

神御蔵花(かみくらはな/演:朝加真由美)

定食屋「まんぷく」の女将で一號の母。10数年前に夫を亡くし、幼い一號を母一人で育て上げてきた。性格は豪快かつ天真爛漫で、明るい性格と料理の腕前により町内の人気者である。棟方家とは食事を共にするなど家族同然の関係だ。

横川秋(よこかわあき/演:土屋アンナ)

警察庁科学警察研究所・研究主任で警視。警察庁随一の切れ者で、科学的見地から迷宮入り寸前の事件の手掛かりを見つけ出し、次々に解決に導いてきた、凄腕のシークレットハンター。香椎とともに変わり者としても有名で、一號に興味を示している。昔、ハーバード大学に留学して世界一の経済学者を目指していたが、爆破テロに巻き込まれたことで目標を変え、「直接、人の命を守る」ために警察へ入庁した。

中丸文夫(なかまるふみお/演:髙嶋政宏)

SAT隊長で警視。「日本の治安の死守」を第一義とする特殊部隊SATを率いる、質実剛健を体現したような人物。蘇我を始めとするSAT隊員たちと強い信頼関係で結ばれており、自分たちが「この国の最後の砦」であると自負している。そのため、警察上層部が「犯人の生きたままの確保」を目的とするNPSを設立したことに強い反発心を抱いている。かつての部下だった香椎が率いるNPSの信条を受け入れられないものの、作戦に対しては妥協せず実行していく。

天城光(あまぎひかる/演:菅原大吉)

警察庁長官官房・審議官。SATを脱退した香椎に接触し、NPSを作らせた。常ににこやかな笑みを湛えているがその本心は誰にもわからない人物。日本警察の改革をひそかに推し進める勉強会「霧山塾」の主要メンバーの一人だ。「確保」を目的とするNPSを設立し、活躍を期待する一方、実際は「日本の治安を守る最後の砦はSAT。そのことを国民に理解させなければならない」と考えている。

M(演:オダギリジョー)

素性の全てが謎に包まれた国際テロリスト。世界中の紛争、武器流通に関わっていると言われており、日本の暴力組織はもちろん、これまで武器を手にすることのなかったような者たちにまで殺傷力の高い武器をばらまいている。その真意は不明。

『S -最後の警官-』の用語

NPS

犯人を生きたまま確保することを目的として新設された、警察庁特殊急襲捜査班「National Police Safetyrescue」で、架空の特殊部隊である。「人質はもちろん、犯人も含め誰ひとり絶対に死なせない」という信念をもっている。SATの機動力とSITの捜査力を併せ持った新たな「S」として注目を集めることになる。

SAT・SIT

凶悪事件の最後の砦として役割を全うしている警視庁特殊部隊「Special Assault Team」と警視庁特殊犯捜査係「Special Investigation Team」で、実際にも存在している特殊部隊である。これらの部隊は、通常の警察官では対応できないテロ等の特殊かつ凶悪な事件を担当し、犯人確保の際には犯人の生死を考えなくてもよいと許可されている部隊だ。

『S -最後の警官-』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

一號「ぜってぇ死なせねぇ!」

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