セックス・アンド・ザ・シティ(Sex and the City、SATC)のネタバレ解説・考察まとめ

『セックス・アンド・ザ・シティ』とは、1998年から2004年にかけてアメリカで放送された恋愛コメディドラマ。全6シーズンで構成されている。ニューヨークに住む自立した4人の女性の友情、仕事、恋愛、セックスのリアルを覗くドラマ。女性の社会進出が一般的では無かった時代に男性と同等の収入を得て、最高の友人を持つ女性でも恋愛を通して失敗する様子は多くの女性の共感を得て支持された。その人気から映画が2本公開され、続編のドラマが放送された。

『セックス・アンド・ザ・シティ』の概要

『セックス・アンド・ザ・シティ』とは、1998年から2004年にかけてアメリカのケーブルテレビ局HBOで放送された恋愛コメディドラマ。全6シーズンで構成されている。
ニューヨークのセックス事情を取材した女性ライターのキャンディス・ブシュネルが週刊紙『ニューヨーク・オブザーバー』に連載していた、赤裸々なコラム『セックスとニューヨーク』が原作である。
原作の原題はドラマと同じ『Sex and the City』である。監督・脚本・製作は、マイケル・パトリック・キングが務めている。脚本は原作と比べ大きく異なっており、知的なユーモアを所々に織り入れる等エンターテインメントを重視している。

ニューヨークに住む30代独身女性4人の生活をリアルでコミカルに描く。恋にセックスに仕事、普段思ってはいても声に出来ない悩みや思いを代弁してくれているということから放送開始直後から爆発的な大ヒットとなり、HBOが世界中に名を知らしめるきっかけとなった。
50回以上エミー賞にノミネートされて7回受賞している。ゴールデングローブ賞でも24回ノミネートされて8回受賞している。
その人気は全世界で社会現象となり、放送終了後も世界中で何度も再放送されている。関連グッズも発売され、飛ぶように売れて根強いファンを持つ。

2008年10月には映画『セックス・アンド・ザ・シティ』が日本でも劇場公開、2009年1月23日にはDVDとブルーレイが発売決定。
2010年に、続編の映画の『セックス・アンド・ザ・シティ2』が公開された。映画版もドラマ同様、マイケル・パトリック・キングが監督・脚本・製作を務めた。

その後、更なる続編映画の制作も発表され、脚本まで完成していたが、キム・キャトラルが参加を拒否したことで制作中止となった。

2021年1月にHBOから最新作の発表があり、タイトルは『And Just Like That...』。キム・キャトラル以外のキャストが復帰し、50代を迎えた3人の姿を描く。撮影は2021年春からニューヨークで始まった。新作は全10話で構成され、定額制動画配信サービス「HBO Max」にて独占配信する。日本では『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章』の邦題で2021年12月よりU-NEXTで独占配信された。

『セックス・アンド・ザ・シティ』のあらすじ・ストーリー

ニューヨークの恋愛事情

左からキャリー、ミランダ、シャーロット、サマンサ

キャリー・ブラッドショー(以下キャリー)は恋愛、セックスを専門にするコラムニストである。キャリーは常々思っていたことがある。「どうして、未婚のいい女は多いのに、いい男はいないの?」ということである。
キャリーの友人には弁護士として働き、男勝りで現実主義のミランダ・ホッブス(以下ミランダ)。アートギャラリーのディーラーで白馬の王子を待ち続けるお姫様体質のシャーロット・ヨーク(以下シャーロット)。広告代理店を経営し、性に奔放で特定の恋人を作らずセックス第一のサマンサ・ジョーンズ(以下サマンサ)がいる。
キャリーは恋愛至上主義でいつか自分に合う男性が現れると信じて色々な男性とデートを繰り返す。そんな中でミスター・ビッグことジョン・プレストン(以下ビッグ)と出会い恋に落ちる。彼こそが運命の相手と思っていたキャリーだが、彼が他の女性とデートしているところを目撃したり、結婚を経験していたこと、もう二度と結婚を考えていないことを知ってしまう。更にはビッグの母親に友人として紹介されてしまう。それでも関係を続けようとするビッグにキャリーは、私を運命の人だという確信がほしいと懇願した。しかしビッグはためらい、二人の関係は終わった。

ミランダはキャリーの友人で年下のスキッパーを紹介されて乗り気では無かったがお酒の力もあり一夜を共に過ごす。するとスキッパーはミランダのことを本気で好きになってしまい、ストーカーまがいの行動を始める。ミランダも最初は拒否していたが、スキッパーが他の女性とデートしているところを見て嫉妬してデートに誘う。そしてスキッパーと付き合うようになったミランダだが、何度もくっついたり離れたりを繰り返し結局は別れてしまう。

シャーロットは運命の王子様を探すためにデートを繰り返すが、なかなか理想的な男性に巡り合えない。体の関係をすぐ求められることが多く嫌気がさしていたが、ある日ギャラリーに絵を見に行くと黒い帽子をかぶりヒゲを三つ編みにしていた怪しげな男性と出会う。その雰囲気に惹かれあっさり体を許してしまうがその先まで関係が進まずがっかりする。

サマンサは特定の相手を作ることはせず、モデルマニアの男性と寝て自分の存在価値を確かめる。それに満足すると次は20代の恋人と付き合うサマンサはセックスには満足していたが、その恋人に首のしわを指摘されて若い恋人に見切りをつける。

繰り返す恋愛と失敗

左からシャーロット、サマンサ、ミランダ、キャリー

キャリーはビッグと別れた後、野球選手と付き合ったがしっくりいかない。ニューヨークは変わり者が多いから普通の男と付き合いたいと願ったキャリーの前に普通の男ベンが現れた。波風の無い安定した付き合いにキャリーは、いつもの男と違い何か隠しているのではないかと怪しむ。彼の家で何か無いか家中を荒らしているところを彼に見つかり破局する。自分もすっかりニューヨークに染まっていると自覚する。
再びビッグに出会ったキャリーはひどいことをされた過去は引きずりながらもまたビッグと付き合ってしまう。しかしキャリーとデートしている時も他の女性をジロジロ見たり全く安心出来ない。
キャリーは不安な気持ちを抑えるためにビッグに「愛してると言って」というがはぐらかされてしまう。その後ビッグが仕事でパリに行かないといけなくなったときに、キャリーに「一緒に来てほしい」と言ってくれずキャリーは悶々とした日々を送る。その後気持ちが伝わらないとビッグと別れたキャリーは、セラピーで出会った男性と付き合うが上手くいかず別れる。そしてしばらくしてパリから戻ったビッグとランチをしたキャリーは、ビッグが結婚したことを告げられどん底に陥る。

ミランダはセックス中に卑猥な言葉を投げかけてくる恋人に嫌気がさしていた。何度も止めてほしいと頼むが、記憶が無いという恋人に愛想をつかし別れてしまう。次の男もAVを見ながらでないとセックスが出来ない男で別れる。ロンドンから帰ってきた友達と恋愛関係になれると希望を持ったが、他の女と出会ってすぐ結婚してしまい意気消沈する。
しかし1人で飲みに行ったバーで運命の出会いをする。そのバーを経営するスティーブ・ブレディ(以下スティーブ)と出会い付き合う。順調に付き合っていたが弁護士とバーの店員ということもあり、生活が真逆だった。更に収入格差もあり耐えられなくなったスティーブから別れを告げられてしまう。

シャーロットは新しい恋人でミスタープッシーの異名を持つ男性と出会い、セックスに溺れてしまう。心の繋がりが欲しいのにセックスが良すぎるあまり冷静に判断出来なくなったシャーロットは、ミスタープッシーと別れを決意する。その後は妻を亡くした男性や花婿の付添人やゲイの男性と関係を持つがどれもうまくいかない。セックスの最中に寝られて自信を無くしてみたり、20代の男の子とセックスを楽しみ性病を移されたりと散々な恋愛を繰り返す。それでも運命の男性を探す心は折れていないシャーロットであった。

結婚と不倫の始まり

ビッグの結婚で傷心のキャリーは政治家のビルと知り合い猛烈にアピールされ付き合うことに。ファーストレディとして頑張っていたがビルにおしっこをかけてほしいと頼まれ別れる。
そしてビッグの結婚相手のナターシャと下着姿でブティックで鉢合わせしてしまい、どん底に陥る。そして結婚が新聞に載るとビッグが結婚した現実を思い知らされ打ちひしがれる。
そんな時に出会ったエイダン・ジョーという男性と真剣に交際することとなる。家具デザイナーで少々頑固だが、筋の通った優しい男である。しかしキャリーがタバコを吸っているところを見たエイダンは「スモーカーとは付き合えない。」と言われショックを受ける。エイダンのために禁煙することを決心したが、付き合っているのにいつまでも抱いてくれないエイダンに不満を募らせる。
理由を聞くと「真剣に好きになるまで抱けない。」と言われついにその時がきてキャリーは幸せの頂点に立つ。その後も順調に交際が続いたが、船上パーティでビッグに再会してしまう。
ビッグはキャリーに「君を忘れられない。結婚は失敗だった。」と告げる。理性に抗えないキャリーはビッグと不倫状態に陥ってしまう。そのことが原因でエイダンとは破局してしまう。
ビッグの家にいたキャリーはナターシャと鉢合わせになって、逃げているとナターシャは転倒し怪我をする。その後ビッグとナターシャは離婚する。

ミランダはスティーブが睾丸ガンを発症し落ち込んでいたのでセックスのみの関係を復活させ、そこで妊娠が発覚する。中絶をしようとしていたが、シングルマザーになることを決めたミランダはスティーブとは結婚せずに協力して2人で子育てをしている。

シャーロットはトレイ・マクドゥガル(以下トレイ)が乗るタクシーに轢かれそうになるという運命的な出会いを果たす。
トレイは由緒正しいマクドゥガル家の跡継ぎでシャーロットの結婚相手として申し分ない相手だった。トントン拍子で結婚まで行くが、結婚するまで体の関係を持たないというシャーロットの考えが思わぬ不幸をもたらす。結婚初夜の日、トレイは機能しなかったのだ。その後も何度も試すがトレイはシャーロットに対してEDを発症し別居する。その後復縁したがシャーロットの不妊症が発覚し、治療を開始した。しかし治療では無く自然に任せたいトレイと、妊娠に対する思いと行動がエスカレートするシャーロット。トレイはついていけなくなり離婚となる。

サマンサは相変わらずワンナイトを繰り返していた。ユーモアもテクも完璧だが自分よりかなり背の低い男と関係を持つ。身長を原因に別れようとしたが、身長ではないと思い改め珍しくしばらく付き合った。
その後自分のセックス観、恋愛観が同じと感じていたホテル王リチャードを本気で愛していた。しかしプレイボーイの彼を疑い続けて疲れ切ってしまい「あなたより自分のことを愛している。」と言って彼の元を去る。

それぞれの結末

ビッグ(画像左)とキャリー(画像右)

しばらく男日照りが続いていたキャリーだが、訪れたギャラリーで出会ったアレクサンドルと付き合うことに。彼が仕事でパリに移住する際に「一緒に来てほしい。」と言われ迷ったがついていくことにしたキャリー。しかし引っ越したパリではアレクサンドルは仕事が忙しすぎてキャリーを放ったらかしにする毎日となる。そこで言い合いになった2人は別れることになる。
部屋を追い出されたキャリーは他の部屋を取ろうとフロントにいくと、なんとビッグと再会する。そこでキャリーはビッグに「ニューヨークに連れて帰って。」と懇願し、ニューヨークに2人で戻ってくる。
そしてビッグはキャリーに「アイラブユー」と告げ、ついに2人は本当に結ばれることとなった。

ミランダは出産してから恋愛をしようとするが、子供がいることで嫌厭されて嫌な思いをする。ミランダはスポーツドクターのロバートと、スティーブは美女のデビーと付き合って順調な日々を送っていた。しかしロバートからの愛の告白に戸惑ったミランダはスティーブへの自分の気持ちを再確認する。
そう思っていた矢先、ミランダとスティーブの子供のブレディの1歳の誕生日パーティーでスティーブに会ったミランダ。思いがけず彼に愛を伝え、彼も同じ気持ちだったことから2人はヨリを戻し、結婚する。そして子育てに最適な土地に住もうと、ニューヨークからブルックリンに引っ越しする。

シャーロットはトレイとの離婚裁判が泥沼化していた。そこで離婚弁護士を雇うが、その弁護士がイケメンすぎて本音を言えないことを悩む。そんなとき部屋に入ってきた同僚弁護士のハリー・ゴールデンブラッド(以下ハリー)と出会う。ハゲで小太りでお世辞にも見た目がいいと言えないハリーを見て、気を遣わず何でも言えそうという理由で担当弁護士をハリーに変更する。
そしてハリーと関係を持ってしまう。好きじゃないのに何故か惹かれることに戸惑いを感じていたシャーロットだったが、本気でハリーを好きになって結婚する。
結婚後はユダヤ教に改宗して、中国から養子を迎えたあと自分も妊娠して2人の子の母親として生活している。

サマンサは、スミス・ジェロッドという若い俳優志望のウェイターといつも通りワンナイトの関係を楽しんでいた。俳優として彼をプロデュースしていくうちに彼の純粋な人柄に魅かれていき、いつしか彼の存在が大きいものになっていく。豊胸手術を受けようとして乳がんが発覚して、闘病する際もそばで支えてくれたスミスを本気で愛していく。
サマンサのプロデュースで一躍スターになった彼とロサンゼルスの豪邸に引っ越してマネージャー兼恋人として暮らしている。

『セックス・アンド・ザ・シティ』の登場人物・キャラクター

主人公

キャリー・ブラッドショー(演:サラ・ジェシカ・パーカー)

吹き替え:永島由子(ながしまゆうこ)
本作の主人公・語り手。現地の新聞『ニューヨークスター』紙に『SEX and the CITY』というコラムを連載するコラムニスト。コラムには自分の恋愛ネタから友人のセックスネタまで多岐に渡る。ファッションと靴をこよなく愛し、特にマノロ・ブラニクの靴に目がない。恋愛至上主義でヘビースモーカー。
たくさんの男性と出会い付き合うが、なかなか運命の男性に出会えない。しかしミスタービッグと出会い何度も復縁と別れを繰り返し、最終回で結ばれる。
料理はせずデリバリーと外食のみ。ニューヨークをこよなく愛している。

シャーロット・ヨーク(演:クリスティン・デイヴィス)

吹き替え:松谷彼哉(まつたにかや)
アート・ギャラリーのディーラー。純愛主義のお嬢様で、4人の中で唯一結婚願望が強い。家庭的な女性でいつか迎えにきてくれる白馬の王子様を待ち続けている。
様々な男性を運命の男性と思い付き合うがことごとく失敗してしまう。そんな中、初めての結婚相手のトレイとの出会いは劇的なもので、彼が運命の相手だと思ったが離婚に至る。
その後出会ったハリーと思いがけず結婚することとなるが、結果的に2人の娘に囲まれるシャーロットの憧れの生活を手に入れる。ユダヤ教に改宗した。

ミランダ・ホッブス(演:シンシア・ニクソン)

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