タコピーの原罪(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『タコピーの原罪』とは、集英社のウェブコミック配信サイト『少年ジャンプ+』の漫画。作者はタイザン5。全16話で完結するという短さであったが、その人気は同メディアの大人気作品『SPY×FAMILY』、『ダンダダン』などと一線を画すほど。
複雑な家庭環境で育った久世しずかは、学校で壮絶な虐めにあっていた。そんなある日、しずかは自らをハッピー星人と名乗るタコに似た地球外生命体と出会い、「タコピー」と名付けた。タコピーはしずかをハッピーにしようとするが、その過程で数々の悲劇が生まれるのだった。

ハッピーママ

ハッピー星にいるタコピーの母親。巨大なタコの足しか登場せず、その全貌は不明。掟を破ったタコピーをハッピー星から追放した。

『タコピーの原罪』の用語

ハッピー星

宇宙のどこかにある星。タコピーの母性である。
星にはタコピーのような見た目のハッピー星人がたくさんおり、人々をハッピーにするために日夜努力している。

ハッピー道具

タコピー達ハッピー星人が持つ不思議な力を持つ道具。人々をハッピーにさせるために使われる。
「道具を使うときは 必ずハッピー星人の目の届く範囲で使うこと。決して異星人の手に委ねてはいけない」という掟がある。

『タコピーの原罪』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

タコピー「きっと しずかちゃんをものすごい笑顔にしてみせるっピ!」

タコピーが一向に笑顔を見せないしずかに向けて言ったセリフ。
自分を救ってくれたしずかに、恩返しとして笑顔になってほしいが、なかなかうまくいかない。タコピーはチャッピーと散歩するしずかに向かって、「きっと しずかちゃんをものすごい笑顔にしてみせるっピ!」と決意を顕にした。

東潤也「いや 俺がいるだろ」

東直樹は、デキの良い天才肌の兄・潤也といつも比べられていた。だから潤也に対して強烈なコンプレックスを抱き、年を経るごとに距離を置いていく。
しずかやタコピーと一緒にまりなの死体を隠蔽したことから思い悩んでいた東は、勉学が疎かになってしまい、母親に見放されてしまった。そうして東はもう自分を必要だとしてくれるのはしずかだけしかいないと信じていた。東の兄・潤也は泣きそうになりながらそう訴える東に、「いや 俺がいるだろ」と言って頭に手を置く。そして東は自分の大切な弟であり、悩みも何もかも聞きたいと東に言った。
潤也は初登場時から、東に関心のない嫌な兄であるかのような雰囲気で描かれていたため、この時の潤也の言葉に感動した読者は多かった。このセリフは一気に潤也の人気上昇させた。

『タコピーの原罪』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

別名『悪夢版ドラえもん』

タコピーは「ハッピー道具」という不思議な道具を持っている。その道具を使って、しずかをハッピーにしようとするが、タコピーが何かしようとすればするほど事態は泥沼化して取り返しのつかないことになっていく。

この不思議な道具を使って主人公を助けようとする作風は、藤子・F・不二雄による児童向けSF(少し不思議な)漫画『ドラえもん』を彷彿させる。猫型ロボットドラえもんは、何をやってもダメダメな野比のび太を立派な大人にするために22世紀の未来からやってきた。ドラえもんは「ひみつ道具」と呼ばれる不思議な道具を使ってのび太を助け、時には大冒険をする。

しかし明るい作風の『ドラえもん』に対し、『タコピーの原罪』は連載中にずっと読者に「救いがあるのか」とコメントされるほど絶望に満ちあふれている。そのため、『文春オンライン』では『悪夢版ドラえもん』と評されていた。

『タコピーの原罪』執筆のこだわり

『タコピーの原罪』の作者であるタイザン5は、『タコピーの原罪』が人気を博した際にあたって、『アニメ&ゲーム by ORICON NEWS』のインタビューに答えている。

タイザン5はもともとサスペンス小説や子供向けの題材が好きとのこと。このことから「いじめや家庭問題などの現実的な闇」と「宇宙からの生命体という非現実」をかけ合わせるという世界観に至ったと語っている。またいじめ、DV、毒親などに苦しむ子供は被害者であるが、環境が変われば加害者にもなりうるという表現に関しては、「現実世界の問題は、誰か1人が悪者だと決めつけることができないものが多いと思っていて、そういった状況を漫画にもそのまま落とし込んでみようと思いました。」と徹底してこだわったことを明かしている。

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