とんでもスキルで異世界放浪メシ(とんスキ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『とんでもスキルで異世界放浪メシ』とは江口連により小説投稿サイト「小説家になろう」で2016年より連載を開始した、異世界グルメ作品である。同年、オーバーラップノベルズより書籍化もされている。ある日、異世界に召喚された社会人ムコーダと、地球の料理に惹かれてやってきた伝説の魔獣フェンリル達と共に、異世界を気ままに旅していくストーリーだ。

『とんでもスキルで異世界放浪メシの』概要

『とんでもスキルで異世界放浪メシ』は江口連原作のライトノベルで2016年から小説家投稿サイト「小説家になろう」で連載を開始した異世界グルメものの作品で、通称『とんスキ』とも呼ばれる。

また、同年には株式会社オーバーラップよりノベルズ化され2021年時点で10巻まで刊行されている。また同社より漫画版も刊行されており、こちらはスピンオフ作品『とんでもスキルで異世界放浪メシ スイの大冒険』も含めて全12冊が発売されている。

料理好きのサラリーマン向田剛志(ムコーダ)はある時、3人の少年少女とともに異世界の王城に召喚される。彼らを召喚したレイセヘル王国は、ムコーダらに魔物達や周辺諸国に対する戦力として禁断の秘儀である「勇者召喚」で4人を召喚したのだが、ムコーダだけは3人の少年少女に巻き込まれて召喚されてしまった一般人であることが判明する。状況を察したムコーダは早々に王城から退避する。さらには悪い噂の絶えないレイセヘル王国を脱出し、勝手きままな旅をしようと決意するが、その道中でムコーダお手製料理の匂いに惹かれてやってきた伝説の魔獣フェンリルと従魔契約を結ぶことに。かくしてムコーダと大食漢フェンリルとのあての無い旅が始まるのだが、そこから様々な人や魔獣やさらには神様とも出会い次第に仲間を増やしていくのだった。

累計発行部数350万部を超える本作は全体を通じてほのぼのとした雰囲気で物語は進行していく。いわゆる異世界ファンタジーなのだがムコーダの従魔であるフェル・スイ・ドラちゃん・ゴン爺(WEB版のみ登場)がチート級の戦闘力を持っており戦闘というより蹂躙劇になってしまう。それに加えて、作品自体がバトルをメインとしていないので戦闘シーンが極端に少ない。その代わりに食事シーンが大半を占めており、見どころの一つとなっている。ムコーダが作り出す料理に笑顔を浮かべる人々や魔物や女神達の幸せそうな姿に癒される読者が多い。バトルものではなく料理ものに異世界要素が加わった珍しい作品だが、それ故にマイルドなストーリーになっておりサクサクと読みやすいと作品のファンから好評を得ている作品だ。

『とんでもスキルで異世界放浪メシ』のあらすじ・ストーリー

勇者召喚と旅の仲間たち

27歳独身の向田剛志(ムコーダ)は料理が趣味の平凡なサラリーマン。ある日、近くに居た少年少女ら3人と共に異世界に召喚されてしまう。
レイセヘル王国の「勇者召喚」によって異世界にやってきたムコーダだったが、実はこの召喚は少年少女を標的としたもので、ムコーダは巻き込まれただけだった。

レイセヘル国王から、魔王から国を救うために勇者を召喚したので、どうか魔王に立ち向かってほしいと頼まれる。豪奢ないで立ちで羽振りの良さそうな国王を見て不信感を抱いたムコーダは、レイセヘル王国からの脱出を決意する。幸い力の無いムコーダには国も興味が無いらしく、衣食住が賄える程度の金を受け取り、ムコーダは王城を後にした。

城下町で情報収集を始めたムコーダは、侵攻しているのは魔王ではなくレイセヘル王国であることを知る。早々と脱出する為、ムコーダは馬車で国境付近の街キールスを目指す。
道中の護衛としてヴェルナー、ヴィンセント、リタ、フランカ、ラモンの5人で構成される冒険者「鉄の意志(アイアン・ウィル)」を雇い、ムコーダは国境越えを開始する。

道中、ムコーダが持つ固有スキル「ネットスーパー」が効果を発揮。地球の食べ物や食材や生活雑貨などあらゆる物を取り寄せるネットスーパーのスキルと、道中狩ったレッドボアの肉を使い、ムコーダは大好物の生姜焼きを作る。その美味しさに舌鼓を打つアイアンウィルの面々だったが、そこに伝説の狼の魔獣、魔獣フェンリルが現れる。
恐怖に固まる冒険者達だが、フェンリルの狙いは生姜焼きだった。ムコーダの料理を食べ続けたいと考えたフェンリルは、ムコーダに主従の契りを交わして付き従う従魔契約の話を持ちかける。

魔獣フェンリルと従魔契約を結んだムコーダは、フェンリルに「フェル」と名付けた。無事フェーネン王国へたどり着いたムコーダ一行は、アイアンウィルの面々と別れる。
道中、レイセヘル王国が周辺諸国に侵攻する噂を耳にしたムコーダは、まず冒険者ギルドと商人ギルドに加入する。そして食材確保の為、各地でクエストを受けつつ新たな目的地のレオンハルト王国に向け旅を始めた。旅の中で魔法に興味を持ったムコーダは、そこでフェルから魔法の訓練を受けていた。

すると、いつの間にか懐に小さなスライムが居て、勝手に従魔契約まで結ばれていた。このスライム、実ははどんなものでも体内に飲み込み消化する特技を持つ、非常に稀有なスライムだった。ムコーダはこのスライムに「スイ」と名付けて旅の仲間に加えた。

レオンハルト王国に向けて、ムコーダ一行は魔物達が闊歩する森を抜けることにする。そんなムコーダ一行の旅を、風の女神ニンリルが神界から見ていた。自身の眷属であるフェルがアンパンを食べているところを偶然見て以来、異世界の甘味に興味を持っていたニンリル。彼女は、ムコーダに自身の加護を与える代わりに異世界の甘味を捧げるよう神託を下した。

カレーリナの街へ

女神ニンリルの加護を得たムコーダは、一か月半ほど掛けて森を抜ける。そこから街道を進んでいると、盗賊に襲われている商人ランベルトを救援する。
ムコーダたちは、ランベルトからここがすでにレオンハルト王国内であることと、彼らの目的地が近くの街カレーリナであることを知る。ムコーダたちは、護衛も兼ねて旅に便乗し、翌日カレーリナの街に到着する。

町の冒険者ギルドに来たムコーダは、長期間依頼を受けていなかったことで自身の冒険者登録が抹消されていることを知る。再登録した次の日、ゴブリン討伐の依頼をすぐに済ませたムコーダ達は、ギルドマスターのヴィレムから指名依頼を受ける代わりにCランクに上げてもらえるという話を持ち掛けられる。牛型モンスターが討伐対象であることを知ったムコーダたちは、肉目当てでその依頼を受けることにした。

指名依頼を果たす中で、ムコーダ一行は希少価値の高いミスリルの鉱山を発見する。予想外の成果に加え、討伐したモンスターのステーキが絶品だったこともありご満悦のムコーダ。大満足の中、女神ニンリルへのお供え物を準備していると、土の女神キシャール・火の女神アグニ・水の女神ルサールの三女神からも甘味を要求されてしまう。ムコーダは、求めてもいない加護の代わりに、お供え物の量が増えることになってしまった。

後日、ネットスーパーで手に入れた生活用品の取引の商談をしていたムコーダとランベルト。そこにワイバーンの群れが接近しているとの知らせが届く。ワイバーンの肉が絶品というフェルの情報に心動かされたムコーダ一行は、ワイバーンを簡単に討伐する。指名依頼、生活用品の取引に加えワイバーン討伐の報酬も入り大金を手にしたムコーダは、念願だった風呂を購入する。

召喚以来となる風呂に入り疲れを癒している中、フェルが地竜(アースドラゴン)という大物を討伐してきた。カレーリナの冒険者ギルドでは解体不可能のため買取りを拒否されてしまったため、解体ができる人物がいるダンジョン都市ドランへ向かうべく、ムコーダ一行はカレーリナを離れた。

ダンジョン都市ドラン

ドランへの道すがらの街でヴェノムタランチュラの糸の採取を依頼されたムコーダ。ヴェノムタランチュラを瞬殺しその場で夕食を取っていると、その匂いに釣られて小さなドラゴンがやってきた。ドラゴンの愛らしさに気を許していたムコーダは、いつの間にか従魔契約を結んでしまう。

新たな仲間となったドラゴンの「ドラちゃん」を加えたムコーダ一行は、目的地であるダンジョン都市ドランに辿り着いた。
ドランへの入場待ちをしていると、見知らぬエルフに呼びかけられる。エルフは、ドラちゃんを見た途端に泣き崩れて取り乱してしまう。不審なエルフの登場に警戒するムコーダだったが、彼こそ地竜を解体できるとされるドランのギルドマスター・エルランドだった。

早速解体を依頼するムコーダだが、ドラゴンの鱗を貫ける刃物が無いことが判明。ムコーダが落胆していると、鍛冶神ヘファイストスと戦神ヴァハグンが酒を見返りに加護を与えるという。
鍛冶神の加護でドラゴンを解体できる刃物が得られると考えたムコーダはこの申し出を快諾する。

加護を受けたスイが作ったナイフをエルランドに渡すと、見事に地竜の鱗が引き裂かれてゆく。そのまま解体が終了し、待ち望んでいた地竜の肉にありつけた。今までで一番美味しい肉の味に大満足の一行とエルランド。その後一行は、都市にあるダンジョンに潜ると決めた。

全30階層になるドランのダンジョンは、かつてエルランドが最下層に立ち入って以来、攻略者が現れていなかった。
フェルの背に乗ったムコーダは、破竹の勢いでダンジョンを降りていき、たった一日で20階層を突破。26階層からはダンジョンの様相が変わり、出現する魔物も凶悪になったが、フェル・スイ・ドラちゃんはこれらをものともしない。そのまま最下層の30階で最後の魔物ヘビモスと遭遇する。攻撃が中々通じない相手だったが、スイの酸で弱った外皮を徹底攻撃することで、どうにか討伐する。ドランのダンジョン初の攻略者となったムコーダ達は、翌日、A級冒険者に昇格する。

ダンジョンの攻略でレベルアップしたムコーダは、ネットスーパーのスキルに新しく付与されたテナントの能力を手に入れる。これは一部の品種のみ品揃えがとても良くなるものであり、今回は女神ニンリルの要望に沿って不三家(不二家の様なもの)の菓子類を入手できるようにした。
これに喜ぶニンリルだが、他の神達は不満たらたら。その結果、お供え物の量が銀貨6枚に増えてしまう。徐々にわがままになる神達に、ムコーダは辟易し始めていた。

翌日、ドランでやることを終えたムコーダは海の街ベルレアンに向けて旅立つ。

海の街ベルレアンとダンジョン都市エイヴリング

ベルレアンに到着したムコーダ一行は、ギルドマスターマルクスからクラーケンの討伐を依頼される。船を持たないムコーダ一行は、スイを巨大化させて沖合まで出て、クラーケン、シーサーペント、そしてアスピドケロンを討伐する。一行は、討伐のお祝いに報酬と海の魔物の肉でバーベキューをした。
その後しばらくベルレアンに滞在していると、ある日フェル達が赤い鱗の魔物赤竜(レッドドラゴン)を討伐する。冒険者ギルドに報告すると、功績を称えられS級冒険者に昇格。そのまま次の目的地、ダンジョン都市エイヴリングに向かう。

神達の供え物のついでにエイヴリングのダンジョンの情報を神達から聞くと、攻略に役立つチートアイテム「神の聖刻印」が与えられる。そこには、ムコーダのレベルを上げて酒屋のテナントを解放させたいという男神の思惑があった。
そうしてやってきたダンジョン都市エイヴリング。ダンジョンへ向かう前に冒険者ギルドに寄ると、そこにはエルランドが居た。レッドドラゴン討伐の一報を聞き、ドラゴンを見たい一心でエイヴリングまで来たという。ムコーダがダンジョンに潜ると知ると、なんと自分も同行すると言い出した。

エルランドを加えてエイヴリングのダンジョンに挑むムコーダ達は、神様達から授かった「神の聖刻印」の力で難敵を次々と退ける。魔物を容易く切り刻んでいく元S級冒険者エルランドの助力もあり、順調に進んでいく。
途中のセーフエリアで出会ったエルフの美女、フェオドラに魅了されたムコーダは更に奮起して、ダンジョンを軽快に進んでいく。様々な魔物や罠に苦労しながらもどうにか最下層27階層に到達すると、そこには難敵ヒュドラがいた。

この魔物を倒すには、九つの頭を同時に破壊しなくてはならない。フェル・ドラちゃん・スイの連携プレーで討伐したムコーダ一行は、ドランに続いて二つ目のダンジョン攻略者となる。だがムコーダにとっては、レベルアップで新たなテナントが解放されたことによって神々が騒ぎ出すことの方が気がかりだった。

ムコーダは、新たに解放された二つ目のテナントに「リカーショップタナカ」という酒屋を選ぶ。これに狂喜乱舞する男神二人と、落胆する女神キシャール。

翌日、ダンジョンのドロップ品の買取り交渉をした帰りに、フェオドラの居るパーティと再会。そのままダンジョン攻略の祝勝会を開くことになる。しかし、そこでエルフのフェオドラが齢300歳を超えていて孫まで居るという衝撃の事実を知らされる。春が来たと思っていたムコーダだったが、途方もない年の差を前にフェオドラのことを諦める。

その後ドロップ品の買取りが終わり、金貨約2万枚というとんでもない金額が手に入る。エイヴリングでやることを終えたムコーダ一行は、レッドドラゴンを解体してもらう為にエルランドと共にドランの街に行くことにする。

旅の準備と神様達のお供え物をしていると、そこに神様達の主「創造神デミウルゴス」がやってきた。ニンリルからこれまでの経緯を聞かされ激怒するデミウルゴス。罰として神達は一か月の謹慎とムコーダとの接触禁止を言い渡される。これまでの迷惑への返礼としてデミウルゴスの加護を得たムコーダは、寿命が1500年まで伸びることとなった。

マイホームの購入と新たな旅

ドランの街を訪れたムコーダ一行は、エルランドにレッドドラゴンを解体してもらい、再び絶品であるドラゴンの肉を堪能した。
その後カレーリナの街へ到着したムコーダは、商人ランベルトと再会。商談の後、この街を拠点とするために手ごろな家が無いか相談を持ち掛ける。するとランベルトから14LDKの豪邸を紹介され、金貨12000枚で購入を決定。また、家の管理と警護を任せる為の奴隷も購入した。彼らを奴隷ではなく家族として迎えたムコーダは、喜んで彼らに住まいと衣服、そして仕事道具を提供する。

更に、自分が屋敷を離れている時の保険として、街の貴族との繋がりを作ろうとムコーダは考える。薄毛に悩む地元貴族のために毛生え薬を調合すると、その薬が貴族の間で爆発的人気になる。薬の売買であわただしい日々を送るうちに一月が経過。謹慎中が解けた神々に再び供え物をすることとなる。久々の異世界の品々に咽び泣く神様達。ムコーダは、ちゃんとお説教してくれたデミウルゴスにもお供え物をして感謝を捧げた。

しばらくは商売のため忙しくも穏やかな日々を過ごしていたが、業を煮やしたフェルから、以前ドランで聞いた難関ダンジョン攻略の話を持ち掛けられる。が、危険なダンジョンに行きたくないムコーダは、代わりにローセンダールという街にある肉しかドロップしない通称肉ダンジョンに行くことを勧める。こうして、次の旅の目的地が肉ダンジョンの街ローセンダールに決まった。

肉ダンジョン攻略

2週間ほどでローセンダールの街に到着したムコーダ達は、冒険者ギルドで肉ダンジョンに関する話を聞く。
ダンジョン内には主にダンジョン豚とダンジョン牛が存在し、ドロップ品は全て肉。個体が上位種になるほど肉も良質になることを知る。居てもたってもいられない従魔達とともに肉ダンジョンに潜る。

そんなダンジョン1階層では、食料や日銭を稼ぐために魔物と戦う孤児院の子供達と遭遇し助ける。子供達と別れた後、ダンジョンの奥へと進むムコーダ達はあっさりとダンジョンを攻略。それどころかダンジョン内のほぼ全ての魔物を討伐してしまう。大量の肉を手に入れたムコーダ達は、早速フェル達と宴会を始め、1層で出会った子供達を招く。そこでムコーダは、肉ダンジョン祭りなる催しが開かれることを聞き、参加を決める。

その日の夜、創造神デミウルゴスにお供え物をしていると、一緒に召喚された勇者達の近況を知らされる。勇者を召喚したレイセヘル王国が滅亡。王国から脱出した勇者達は隣国マルベール王国で、結婚して幸せに暮らしているという。
その翌日の肉ダンジョン祭り初日、ムコーダは祭りに没頭してフェル達の食事を忘れてしまう。その代わりに、難関と言われるブリクストのダンジョンに挑むことになってしまう。

盗賊王の日記

カレーリナへの帰路の最中、創造神デミウルゴスから道中にある山へ行くといいと神託を受ける。
翌日山へ行くと、フェルが頂上付近に仕掛けられている幻術に気付く。更にその先に罠が張り巡らされており人の手が入っていると分かる。そこでフェルが300年前、この一帯を根城にしていた「盗賊王」という人物がいたことを思い出す。

盗賊王の財宝が隠されているかもしれないと、俄然興味が沸いたムコーダ一行。罠の先で溢れんばかりの金貨や宝石、そして盗賊王のものと思われる骸骨がある部屋に辿り着く。財宝を回収していると、複雑な魔法陣の描かれた石板と日記を発見する。
そこには、異世界には存在しないはずの日本語が書かれていた。

それらも回収し、山を後にしたムコーダ一行は、その日は野宿する。美味しい食事に満足して眠る従魔達を横目に、ムコーダは日記を読み始めた。

盗賊王とは約600年前の人物で、かつてレイセヘル王国が勇者召喚で呼び出した日本人である松本和希であることが判明。
彼は召喚された当初、ムコーダと同じくレイセヘル王家が胡散臭いことに気付き、国外に出ることにした。魔法と魔族に興味を抱いた松本は魔族領のアンドラス国に行き、魔族の故郷である別大陸に行きたいと考える。

凶悪な魔物がいる海を越える手段を探す内に転移の魔道具を開発した松本は、魔族が住む大陸に辿り着く。そして生涯の伴侶となるジェナ・ヴァウラ・リュドミラという3人の美女と出会い、婚姻を結んだ。のろけ話で終わった盗賊王の日記に、女運の無いムコーダは辟易する。
日記の最後に転移の魔道具の使い方が書いてあったが、使用するには盗賊王の妻の名と「愛してる!」と愛の告白をしなくてはならなかった。そんなことを叫んでまで転移魔法を使う気が無いムコーダは、どこか損した気分になりながら眠りについた。

カレーリナに帰還したムコーダは、元気に過ごす奴隷達に安堵する。
翌日冒険者ギルドで盗賊王の宝をレオンハルト王国の王様に献上することを決める。またランベルトから、王都で育毛薬「毛髪パワー」が爆売れしていると聞く。もう少しゆっくりしたかったのだが、フェル達従魔にせっつかれてブリクストのダンジョンを目指すべく、隣国のエルマン王国に行くことにした。

エルマン王国入国

エルマン王国へ向かう途中で魔物に襲われている冒険者「トリックスター」と出会い、毒に犯されたところを助ける。
そのまま、ブリクストのダンジョンを目指して進む途中でヒルシュフェルトという街に立ち寄り宿に泊まる。翌日冒険者ギルドを訪れると、ギルドマスターイサクからタイラントフォレストパイソンの討伐を依頼される。

討伐はすぐに終了したが、タイラントフォレストパイソンの解体に二日ほど掛かる為、しばらく滞在することになった。その間ムコーダは、有り余った所持金の使い道を考えて、孤児院や神様達の神殿に寄付することを決断した。ヒルシュフェルトにある孤児院を訪れ大量の寄付とダンジョン肉を寄付した。

その後、女神ニンリルをはじめとした神様達の神殿に寄付をして、改めてブリクストの街を目指すのだった。

『とんでもスキルで異世界放浪メシ』の登場人物・キャラクター

主人公

ムコーダ

CV:細谷佳正
本名は向田剛志。27歳独身のサラリーマンで中肉中背の垂れ目で容姿も一般的。平民の身分で苗字を持っていることから要らぬ疑いをかけられないように異世界ではムコーダとしている。レイセヘル王国の勇者召喚にて異世界にやってきた日本人なのだが、一緒に居た勇者3人の召喚に巻き込まれただけの一般人。一応簡単な魔法は使えるが、実質の戦闘能力は皆無。「鑑定」や「アイテムボックス」というスキルはあるものの戦闘に適したスキルは持っていない。しかし、ムコーダ固有の「ネットスーパー」というスキルで異世界の食べ物や生活用品などを取り寄せることができる。このスキルやムコーダ自身が料理が得意で、その料理が絶品過ぎて伝説の魔獣フェンリルやスライムの特殊個体や希少種ピクシードラゴンをも従魔にしてしまい、S級冒険者にもなり作中のチート的存在の一人になる。加えて異世界の甘味や酒や化粧品を求めて神様からたかられた結果、神の加護を手に入れて寿命も1500年ほどになる。同世代の女性からは全く相手にされないくらいに恋愛運は悪いが、何故か子供には好かれている。

Hiro44Smh6
Hiro44Smh6
@Hiro44Smh6

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