累(かさね)のネタバレ解説・考察まとめ

『累(かさね)』は、松浦だるまによるサスペンスホラー漫画。今は亡き美人女優「淵透世(ふち すけよ)」の実の娘である累。彼女の顔は、名声を得た母親からは似ても似つかぬほど醜かった。しかし母譲りの天性の演技力を持つ主人公は、「口づけをした相手と顔と声を入れ替えることができる」口紅の力を使い、淵透世の再来と呼ばれるほど美人女優として活躍していく。恐ろしいまでの「美」への執着、渇望。「美」を手に入れた際に放つ圧倒的な輝き。一人の女性が「美」に取り憑かれていく様が描かれている。

高校教師。野菊と出会い、肉体関係をもつことと引き換えに野菊の復讐に協力していく。

海道 与(かいどう あたえ)

累と野菊の父親。気鋭の演出家として活躍していた。誘が演じた「淵 透世(ふち すけよ)」を超一流の女優へと育て上げた。
「女優・淵透世」と結婚後、誘と透世の関係を知り「自分が理想としていた女性が本当はこの世に存在していなかった」という事実から精神を病む。その後、誘・累を迫害し、実娘である野菊を監禁するなどの非道を行った結果、野菊に撲殺されて最期を迎える。

富士原 佳雄(ふじはら よしお)

演 - 村井國夫
世界的に有名なベテラン演出家で、大女優だった淵透世や羽生田とは旧知の仲。

平坂 千草(ひらさか ちぐさ)

誘の育ての親。故人。朱磐村の外から嫁いできた人間で、助産師などとして活動していた。
村の風習から誘をこっそり匿い育てた。

槻 浪乃(つき なみの)

右側が槻 浪乃。左側が誘。

誘が初めて顔を奪った相手で、凪と相思相愛の関係にあった美少女。誘によって顔を奪われた挙句殺害されている。

海道 凪(かいどう なぎ)

海道与の弟で考古学者。古代の朱顔料についての研究していた。調査の一環として訪れた朱磐村で波乃と出会い恋仲となり、同時に誘からも想いを寄せられていた。

五十嵐 幾(いがらし いく)

累が2度目に顔を交換した相手。高校時代、累が所属していた演劇部の部長である。見目麗しい容姿で、演技力はそこそこだが、元気ではつらつとしている。昔いじめられた経験を持ち、累も同じ境遇にあると気づき、累に声をかけて一時はいじめをなくした。正義感があり、自信に満ち溢れている。

『累(かさね)』の用語

口紅

母(誘)が遺した一本の口紅。くちづけをした者と顔を入れ替えることができる。主人公累の人生を大きく変えていく。

朱磐村

累の母である誘が生まれた村。「丙午の年に生まれた醜い女児は殺せ」という因習があった。口紅の材料となる鉱物「日紅」もこの村に存在していた。誘による復讐で村は火をつけられる。

永久交換

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