ゾンビランドサガ リベンジ(ゾンサガ リベンジ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ゾンビランドサガ リベンジ』とは、MAPPAによるアニメ作品で、2018年に放送され好評を博した『ゾンビランドサガ』の続編。
アイドルを志すも、不慮の交通事故で死亡した高校生源さくら。しかし死んだはずの彼女は巽幸太郎という謎の青年によってゾンビとして復活、同様にゾンビ化した六人の少女たちと共にアイドルグループ「フランシュシュ」を結成することとなる。「過疎化に悩む佐賀県を救え」と巽に命じられたさくらは、個性豊かな仲間たちとアイドル活動を続けていくが、それぞれの生前の因縁がその道を阻んでいく。

CV:種田梨沙

1992年3月7日生まれ、2008年8月4日(仏滅)没。享年16歳。
ゾンビ3号。「伝説の平成のアイドル」。標準語で話す。
真面目な努力家で、物事をハッキリ言い、自他共に厳しいストイックな性格。
死因は野外ライブの際に落雷に遭ったこと。そのため全身火傷跡があるのか、ゾンビの姿では目元以外包帯を巻いている。普段はブレザーとミニスカートを着用している。

生前は日本一のアイドルグループ「アイアンフリル」に所属し、不動のセンターと謳われていた。
初めは自身がゾンビであることやゾンビがアイドルをする事に懐疑的で、同じ気持ちを持つ純子と共に逃走を計る。しかし警官に撃たれたことや絡んできたラッパー達が自分の容姿を見て怯えたことなどから、自分がゾンビで且つそれを隠して生活しなかなければいけないことを自覚する。

ストリートライブでは純子と共に初めは乗り気ではなく参加しなかったが、さくらたちがてんやわんやするのを見かねて参加。フランシュシュとして活動していく中で、もう一度アイドルとして日本一を目指すのも良いと思うようになる。
その後はゾンビであってもアイドルをすることにプライドを持ち、精力的に活動をしている。一番近い時代でアイドルをしていたため、ダンスの練習ではリーダーシップを発揮する。

野外ライブで落雷に遭い死亡したため、ゾンビになったあとは雷がトラウマになっている。
夏に開催されるサガロックではトラウマを克服しようと練習を重ねるも、本番では死んだ時と同じ状況になってしまう。しかしゾンビであったため落雷で死ぬことはなく無事トラウマを克服し、放電しながらパフォーマンスしライブは成功を収めた。
純子とは同じアイドル経験者として一緒に居ることが多いが、アイドルとしての価値観の違いが生まれた時はお互いに距離を置き、関わらないようにしていた。
また、第一話で自我が目覚める前にさくらに襲い掛かり、反撃で頭に火掻き棒を突き立てられたことがあり、それを無意識に覚えているのか火掻き棒に対して顔が歪むほど恐怖する。

紺野純子(こんの じゅんこ)

CV:河瀬茉希

1964年9月2日生まれ 1983年12月9日(仏滅)没。享年19歳。
ゾンビ4号。「伝説の昭和のアイドル」。年下であれ、よく分からない相手であれ、誰に対しても敬語を使う。
死因はツアーで佐賀に向かう際の飛行機事故。そのため遺体の損壊の度合いはかなりのものだったらしく、ゾンビの姿の時は全身に縫い目がある。普段はワンピース型のセーラー服を着用している。

1980年代のアイドルブームの火付け役となった存在。歌唱力はフランシュシュメンバー1で、低音で力強い美声の持ち主。普段はおとなしめであるが、アイドルとしてのプロ意識は非常に高く、それゆえに頑固な面もある。
生前の頃のアイドルと、現在のアイドルの在り方の違いに戸惑い、ファンと一緒に写真を撮るチェキ会などに強い抵抗を示す。アイドルとファンは適切な距離を保つのが良いとし、考え方が古いと愛に言われるが納得できず、フランシュシュを抜けることすら考えた。
しかし巽にチェキ会が嫌ならやらなくても良いと言われ、且つそういった事を個性として扱うためには支えてくれる仲間が必要であると諭され、フランシュシュとして再びステージに立つ決意をする。純子自身も、生前は一人でアイドルをやっていたため、チームとして支え合う仲間がいることには新鮮さを感じている。

サガロックでは雷がトラウマになっていた愛を支え、ライブを成功させた。チェキ会ではファンと馴れ合いをする事を拒否したが、純子と写真を撮ろうと並んだファンの数はフランシュシュの中で人気ナンバーワンでもあった。
巽に説得された際に彼が壊した扉を修理したり、ピッキングして扉の鍵を解除したり、どこで学んだのかよく分からない技術を修得している。

祐徳稲荷神社での収録で縁結びに過剰な反応をしたり、メンバー同士の恋バナに妙に食いついたり、誰かに想いを寄せている節がある。

ゆうぎり

CV:衣川里佳

1863年11月23日生まれ、1882年12月28日(仏滅)没。享年19歳。
ゾンビ5号。「伝説の花魁」。一人称が「わっち」で、語尾が「~でありんす」といったいわゆる廓詞(くるわことば)で話す。
かつて佐賀戦争によって佐賀がその名も歴史も失っていた頃、故郷を取り戻そうと奮闘していた青年・百崎喜一と知り合う。彼の掲げる「新しい佐賀」という理想に共感するも、過激派の暴発を抑えられずに反乱の首謀者となってしまった百崎を守るため、その身代わりとなって斬首された。
普段は振袖と袴を着用し、明治時代の女学生風の格好をしている。

おっとりとしたマイペースな性格で、純子と同い年であるが他のメンバーよりお姉さん的な立場にある。一番年下のリリィの面倒を見ている描写が多々見られる。
文久生まれで、他のキャラクターよりも生きた時代が一際古い。三味線や芸妓が得意で、序盤はライブ中に三味線や踊りを披露していた。生前は島原で暮らしており、得意客の中には壬生浪士組がいたと語っている。
この手の“過去の時代からやってきたキャラクター”のわりには、現代にすんなり適応している。本人曰く「どうせよく分からないからいちいち驚いていられない」とのこと。

わざとなのか天然なのかは不明であるが、人の話を最後まで聞かずビンタして叱咤激励することがあり、さくらと幸太郎がこの洗礼を受けた。BAR New Jofukuのマスターとは生前から面識があり、かつては“百崎の祖父”という立場だった彼から百崎を庇ってくれたことに感謝されている。

星川リリィ(ほしかわ りりぃ)

CV:田中美海

1999年10月6日生まれ、2011年11月30日(仏滅)没。享年12歳。
ゾンビ6号。「伝説の天才子役」。
死因は心臓発作。そのため外見上は他のメンバーに見られるような大きな傷跡は無いものの、驚いたり鼓動が早まると胸から心臓(ハート型にディフォルメされている)が飛び出る。普段はブレザーとプリーツスカートを着用している。

全チャンネルのゴールデンタイムの番組で主演を果たした天才子役。元気で天真爛漫な性格であるが、たまに毒舌になる。サキからは「ちんちくりん」または「ちんちく」と呼ばれている。
女の子に見えるが男性で、本名は「豪正雄(ごう まさお)」。しかし本人は男として扱われることを嫌がり、「リリィはリリィ」としている。自分が男だという自覚はしっかり持っており、フランシュシュの活動で温泉に行くことになった時は、「温泉に入れる」とはしゃぐ他メンバーをよそに赤面していた(女性陣の入浴姿を連想してしまったのだと思われる)。

幼い頃に母が亡くなり、父と二人暮らしをしていた。父は高身長でガタイが良く男勝りな顔つきで、リリィは母親似であった。男として扱われることに拒否感を示すのは、自分自身の姿の中に母親の面影を求めているため。
テレビが好きな父を喜ばせるために子役事務所に入り、人気子役になる。しかし仕事の疲労が重なり、忙しさから父との会話も減り、次第に衰弱。そんな時に自分の頬に一本のヒゲが生えていることに気付いて「このまま成長すれば今の愛らしい姿を失ってしまう=自分の中にある母親の面影を失う」ことに大きなショックを受け、心身共に弱っていた影響もあり心臓発作で死亡する。
愛や純子がゾンビ化したことにかなりの抵抗を示した一方、自身は「これでもう自分の体が成長することはない」との想いからかわりとすんなりこれを受け入れていた。

その後フランシュシュとして活動中、父と再会。自分が息子であることも、ゾンビとして蘇ったことも明かせないまま父への想いを歌にして、彼を招いたミニライブ会場でそれを披露した。

山田たえ(やまだ たえ)

CV:三石琴乃

誕生日及び没年不明。享年29歳。
ゾンビ0号。死因不明。巽からは「伝説の山田たえ」と紹介されるも、何が“伝説”なのかは不明。普段は肩が出た黒いワンピースを着用している。

メンバーで唯一生前の記憶が戻っていない。それどころか人並みの知性すら回復しておらず、ほとんどゾンビ映画のゾンビそのままの言動を取る。フランシュシュ結成当初はさくらや純子によく噛みつき、特に彼女たちから怖がられていたものの、中盤からはある程度意思疎通ができるようになった。同時にたえの側にもそれなりにフランシュシュの面々への仲間意識が芽生え始め、次第にステージで暴れないようになっていった。
ドライブイン鳥のCMでは鳥の鳴き声の真似を覚え、持ちネタとなった。

会話は不可能だが妙に身体能力が高く、フランシュシュの活動が進む中でバックダンサー的な立場をこなすようになる。面倒見のいいさくらからは、振り付けを根気強く教えてもらっていた。そのさくらがゾンビになってからの記憶を失ったときには、引き篭もる彼女をむりやりに引っ張り出して涙ながらにダンスを教える素振りをし、メンバーと向き合うきっかけを作る。
自我が目覚めていないためあまり感情が表に出ないが、記憶を失ったさくらにキツく言われた時や、ゆうぎりがさくらをビンタした際には普段見せないような悲しそうとも取れる顔をした。

食欲旺盛で食べ物を見ると涎を垂らし食いつく。ドライブイン鳥のCM撮影では、鳥の着ぐるみを着たアクターを追い回していた。
声優は第一話では「?」表記になっており、三話で「三石琴乃」であることが判明。数十年のキャリアを誇る大ベテラン声優が担当していたことはネットで話題となり、「声優が“伝説”だった」との声も上がった。

フランシュシュ関係者

巽幸太郎(たつみ こうたろう)

CV:宮野真守

アイドルプロデューサーと名乗る謎の青年。深刻な過疎化で地方都市としては風前の灯になってしまった佐賀を救うため、なんらかの伝説を持つ少女たちをゾンビ化させてアイドル活動させる「ゾンビランドサガプロジェクト」を企画、遂行している。
常にサングラスをかけており、素顔は不明。風呂場でもサングラスを着用している。胸のポケットには、ロメロや自我の無かった頃のさくらたちゾンビを落ち着かせるために与えるスルメがポケットチーフのように入っている。

さくらからは「幸太郎さん」、サキからは「グラサン」と呼ばれる。
性格は破天荒で適当。ゾンビを「ゾンビィ」と呼ぶ。ミーティングをする際にはさくらたちを一列に座らせ、ホワイトボードの前に教師のように立ち、さくらたちにやたらと上から目線の高圧的な口調で語り掛ける。さくらや純子などは幸太郎の話し方や圧に驚くが、愛とサキは度が過ぎれば容赦なく反撃する。
破天荒さが目立つがプロデューサーとしての能力は高く、さくらたちの前以外では別人のように真面目な営業活動をしている。さらにハリウッド直伝のメイク技術を持ち、さくらたちが人前に出る時には、ゾンビだとバレないよう彼が特殊メイクを施している。さらにピアノで作曲しているシーンが描かれていたり、ボイスパーカッションでライブを盛り上げるなどかなり多才。

純子がフランシュシュを抜けようか悩んでいる時は彼女を諭し、さくらの記憶が戻った後はこれを気にかけ、大雑把なようでフランシュシュのメンバーには良く目を配っている。他にもフランシュシュのメンバーが一般人と関わっている時には影から見守っている描写がある。

何故ゾンビでアイドルなのか、そもそもどうやってゾンビ化させたのか、その技術をどこで手に入れたのか、どうして佐賀を救いたいのかなど、ほとんどの情報は不明。
詳しい素性や過去は描かれていないが、前作最終回の回想では高校時代のさくらと同級生で、彼女から「乾(いぬい)くん」と呼ばれていた。

本作では「このプロジェクトは時間が限られている」と語っており、これが何を意味するのかは不明。最終回では吐血したような痕跡があり、彼自身何かの病に冒されている可能性が示唆されている。

ロメロ

巽が飼っているゾンビ犬。好物はスルメ。
普段は可愛らしいマスコットのような顔をしているが、スルメを食べる時など時々顔がリアルなホラータッチになる。
夜は屋敷の出入り口で番犬をしている。

明治十五年頃にはすでによく似た姿のゾンビ犬が徐福に飼われており、かなり昔からいるようである。

楪舞々(ゆずりは まいまい)

CV:花澤香菜
佐賀県に暮らす高校生。銭湯巡りを趣味としており、眼鏡が無いと男湯と女湯を間違えるほどの近眼。フランシュシュの熱心なファンで、セリフこそないものの1話からライブに観客として訪れていた。巽が落とした石鹸を踏んで頭を強打して失神し、「死なせてしまった」との勘違いからフランシュシュの拠点である洋館に運び込まれる。メンバーがどう対応したものか困惑する内に目覚めてしまい、彼女たちがゾンビであることを知る。これを口外しないように頼まれ、代わりに「自分をフランシュシュのメンバーに加えてほしい」と言い出す。背に腹は代えられないとして、巽他フランシュシュのメンバーもこれを了承する。
もともと大ファンだったフランシュシュの一員になれることに喜び、さくらたちも驚くほどの熱心さで練習を重ね、短期間で愛も認めるほどのパフォーマンスを身に着ける。当初は“秘密を握られたから仕方なく”彼女を受け入れたさくらたちも、次第に彼女を“頼れる新しい仲間”と認めていった。
しかしさくらとの交流で「フランシュシュのメンバーは、それぞれに自分の人生をしっかりと生きたからこそ輝いて見えるのだ」と悟り、自分はまず自分の人生を歩むべきだとデビューライブでいきなり引退を宣言。その想いをさくらたちも汲み取り、笑顔で送り出されていった。

YAMAKUZIRA
YAMAKUZIRA
@YAMAKUZIRA

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