グリザイアの楽園(ゲーム・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『グリザイアの楽園』とは2013年5月に発売されたアダルトゲームである。『グリザイアの果実』『グリザイアの迷宮』の続編であり、シリーズ完結作にあたる。メインルート「ブランエールの種」では前作「カプリスの繭」の最後から直接繋がっており、主人公・雄二がオスロに立ち向かい、ヒロイン達と平穏な生活を手に入れるまでを描く。同時収録の「Prologue De La GRISAIA」は『果実』の前日譚でありヒロイン達が学園に集まる過程を描いている。「萌えゲーアワード2013」では準大賞受賞。

三嶋崎にある学園であり、在校生は6人だけとなっている。

ヒロインの一人である由美子と父親が理事長を務める学園であり、元々は問題行動を起こした由美子を閉じ込めるために設立された学園である。設立時には親会社にあたる東浜電鉄グループと地域住民とのあいだで揉めたが、東浜グループが地域復興に協力するから設立させろとして半ば無理やりの設立であったため地域遊民からの評価は低い。さらに学園が完成すると東浜グループが地域住民との約束である地域復興プロジェクトを中止を発表したことで悪化。校門に落書き、在校生に対する批判などが相次いだことで生徒の安全を守るために学園長を務める千鶴が外出禁止を命ずる事態にまで発展した。
後に千鶴が東浜グループと話をつけたことで地域復興プロジェクトは再開されたこと、由美子たちの行動により徐々に信頼を取り戻していく。

「ブランエールの種」では由美子の父が東浜グループ総帥を失脚したこと、メインの運絵資金を出していた入巣家が査察を恐れ財布を隠したことで経営困難になったことで閉校が決まっている。千鶴はなんとか美浜を存続させようと方々手を尽くしている最中に「タナトス」により美浜に丁度いい場所があると言われたことで「タナトス」についてくと、伊号に美浜の校旗を掲げげることで新美浜を作った。
後に伊号からグリザイア島にヒロイン達が移動したことで、グリザイア島に新美浜も移動した。

CIRS(サーズ)

正式名称は日米合同対テロ組織中央調査部諜報2課分室(Central Intelligence and Research Second)。市ヶ谷に属する秘匿組織であり、雄二やJB、麻子が所属している組織である。室長はJBが務めており、直属の部下にキアラがいる。1課はSecondをFastにかえて「CIRF(サーフ)」と呼び、こちらにはアダムが所属している。

オスロ入国時に雄二にオスロ暗殺を命じたが、雄二はこれに失敗したため雄二の身柄の管理はCIRFに移動した。

国防装置として国家、組織にとって害となる者を排除する為のプロの戦闘員が所属しており、多くは雄二の様に身寄りがない人間である。訳アリの人間の集まりであるが故に個人間での詮索は暗黙のルールで禁止となっている。
実銃の持ち出しに関しては整備目的で申請すれば比較的簡単に持つ出すことが可能であり、タルタロス島へ向かう雄二に「タナトス」が整備目的で申請して持ち出したCIRSの銃を渡している。しかし、弾丸の数は厳しく管理されていることから持ち出し厳禁であり、雄二が貰った銃にも弾は入っていなかった。

「タナトス・システム」のことが表に露見したことでCIRSは解体された。

タナトス・システム

情報管理型次世代国家防衛装置の通称。更に中核をなす半生体コンピューターのことを指す。
市ヶ谷の親会社にあたる場所で開発されたシギントシステムであり、通信業者との連携によりすべてのオンライン端末、個人用携帯端末も管理することによって軍民問わず全ての電子情報にアクセス可能なシステムであり、ジミーからは国家の頭脳と言われている。
元々は民間の光学機器メーカーが大学の教授と共同で設計したRISC型コンピューターに塩基分子結合反応装置を組みあせたハイブリットコンピューターをベースにしており、塩基分子結合反応装置部分であるDNA構造パターンには雄二の姉である一姫の分子結合パターン(脳)が使用されている。

「タナトス・システム」はメインスクリプトのほかにサブスクリプトが複数あることから多重自覚の複合体のようになっている。
作中ではヒロイン達に連絡してきた「タナトス」も人格の1つであり、役割は検証に対する反証意見を述べることと征服や侵略などといった思想を持たず、「個」の存続に主眼を置いたスクリプトであることから雄二の犠牲回避に動いていた。
脳を利用しているという話から、JBからは脳みそだけで保管されていると思われていたが、コストの関係により全身をそのまま保存されている。

テュポーン計画

テュポーン計画、またはデザイン・ソルジャー計画ともいう。
遺伝子操作と薬物の併用により最強の軍人を作り出す計画を指す。作中では雄二は被験者の一人であり、成功例はテュポーンである。

大量殺戮兵器と同等に「戦争も最後は人間である」という考えから生み出された計画であり、身体能力が高く、かつ精神的に強い兵士を作り出し戦争へ投入するというものである。雄二がオスロの元にいたときは一時的な能力の発現に成功しても弊害として発がん率が上昇し、活性化したがん細胞により約2年で被験者が死亡してしまうことから失敗が続いていたが、計画は続行されていた。

戦争を長く続けている国は兵器は安価に済ませたいと考えるものであり、1機30億円の飛行機を買うよりも死を恐れない兵士を30人買った方がお得であると考えることから、この計画で雄二を複製して売った場合JB曰く見込み利益は数兆円ではないかとのこと。

タルタロス島

オスロのアジトである島のこと。島と言っても本来の意味での島ではなくいくつもの船がくっついたものであり、大きくなり過ぎたが故に動かすためのエネルギーが膨大になり動かすことをやめて停泊している状態であることから島と呼ばれるようになった。

グリザイア島

麻子が生前に購入していた島。死後は島の名義が雄二に変更されていたが、雄二本人は知らなかった。一姫が雄二のための楽園として居住地に選び、また新美浜もこの地に設立された。

無人島であり、元は本島の人間には灰色島と呼ばれていたが、これはサンゴ礁の死骸でできた島であったため緑が無く全体的に灰色であったためである。現在では緑が多い茂っている普通の島になっている。
島の名前は元の名前である灰色島が可愛くないとしてヒロイン達が新しく灰色を意味するフランス語であるグリザイユを変化させてグリザイア島となった。

『グリザイアの楽園』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

主題歌「FISSION」の歌詞の一節はミチルを指したもの

主題歌「FISSION」の歌詞の一節である「もう一人のわたしがキスをして背中を押した」はミチルが雄二にキスをするシーンを指している。

テュポーンとはギリシア神話に出てくる怪物が元ネタ

テュポーンはギリシア神話に登場する神、もしくは怪物である。怪物の父と呼ばれており数多くの怪物を生み出した。
このことから怪物(死を恐れぬ最強の軍人)を生み出すという意味があると言われている。

『グリザイアの楽園』の主題歌・挿入歌

ゲーム版

OP(オープニング): 奥井雅美 『FISSION』

ED(エンディング):佐咲紗花 『Ceremony』

挿入歌:飛蘭『CHOOSE THE WORLD』

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