失恋ショコラティエ(漫画・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『失恋ショコラティエ』(しつれんショコラティエ)とは、水城せとなが『月刊フラワーズ』本誌にて連載していた漫画。物語は完結しており、単行本は同社のフラワーコミックスαから全9巻発行されている。
また、松本潤主演でテレビドラマ化されており、2014年1月から3月まで放送された。
ショコラティエである主人公・爽太を中心に、高校時代からの憧れの女性サエコ、チョコレートショップの同僚で年上の薫子、片思い仲間のえれなとの間の、甘くほろ苦い恋愛模様とそれぞれの切ない思いを描いた恋愛ストーリーとなっている。
『失恋ショコラティエ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
製菓学校時代、バレンタイン前日にサエコに振られた爽太のセリフ
バレンタイン前日、サエコの好きなものを詰め込んだチョコレートを手作りし渡すも、付き合っている人がいるからと受け取りを拒否されてしまう爽太。立ち去ろうとするサエコに対し、
「ホントに俺に「ごめん」って言いたい気持ちがちょっとでもあるならせめてコレは持って行って…
そのへんに捨てていいから…
誰かのために作ったものを自分で捨てるのは…
結構キツイんだ
だからその役はサエコさんにやってもらえると俺はちょっとでも救われる」
と伝えた。
このセリフからは、手作りチョコレートに込められた爽太のサエコに対する愛情の本気度合いが窺える。また、実は付き合っている人がいたと判明し爽太は傷心であるにも関わらず、自分の本気チョコレートを捨ててもいいからとサエコに伝える言動からは爽太の相手に強く出られない優しさも感じられる。
この名言から窺える、サエコに対する本気の愛情と、どれだけサエコに傷つけられても相手を罵るなどせず強く出られない爽太の優しさは「失恋ショコラティエ」の物語中の随所に登場する、物語のテーマとも言える。
爽太がショコラ・ヴィの仕事を頑張っているのはサエコへの恋心からだと批難する薫子に対するオリヴィエの言葉
爽太がショコラ・ヴィの仕事を頑張っているのは、サエコへの片思いからだと感じ、よく思っていない趣旨の発言をした薫子に対するオリヴィエの言葉。
「ソータがサエコを好きになったことでこんなお店が出来たのなら
それはすごく価値のある恋愛だよ
僕は認める
その恋の価値を
僕は認める」
ショコラ・ヴィの従業員という同じ立場の薫子とオリヴィエがお店のことをよく考えていることは共通しているものの、薫子はサエコに対する嫉妬心から仕事と恋愛の相関関係を否定し、対しオリヴィエは純粋に恋愛を仕事に昇華できていることを評価するという対の関係が現れているこのセリフ。
薫子を始め、自分の嫉妬心や情熱的な恋愛に溺れている登場人物が多い中、客観的かつ冷静に爽太の状況を評価できるオリヴィエの存在は物語に深みを持たせている。
『失恋ショコラティエ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
作中のショコラ・ヴィのチョコレートボックスが実際に発売された
物語の中で、爽太の店ショコラ・ヴィのチョコレートボックスが登場する。これをイメージしたチョコレートボックスが2014年の三越伊勢丹主催「サロン・デュ・ショコラ 2014」にて販売された。この「『失恋ショコラティエ』チョコレートコレクション」を手がけたのは、チョコレート専門店「THEOBROMA」の土屋公二。クローバーをあしらった「ポネール」や、エクレアをボンボンに仕立てた「エクレールシトロン」など、6種類のチョコからなるチョコレートボックスだった。外箱やショップカードは作者の水城せとながデザインした。
2018年からは「THEOBROMA」販売サイトにて復刻版の販売が開始している。
作中で完成することのなかった幻の「パン・オ・ショコラ」が発売された
作中で、サエコのリクエストを受けて開発するものの、漫画でもドラマでも完成することのなかった「パン・オ・ショコラ」が2014年2月からコンビニエンスストアチェーン店のローソンにて販売された。価格は150円(税抜)。
「パン・オ・ショコラ」は、フランスの菓子パンで、四角い形に成型したクロワッサン生地にチョコレートを詰めたもの。ローソンで販売されたこの商品にはオレンジピールが入っている。
ドラマでのショコラ・ヴィのロケ地はチョコレート店ではなく雑貨店だった
爽太の経営するチョコレート専門店「ショコラ・ヴィ」のドラマロケ地はチョコレート専門店ではなく、テキスタイルの雑貨を販売する代官山のお店「cocca」だった。
ドラマ収録から5年後の2019年にはパンとエスプレッソ専門店の「シロトイロイロ」とコラボレーションし、店名を「cocca」から「シロトイロイロ」に変更した。
その後はテキスタイルの雑貨だけではなく、パンやエスプレッソを楽しめるカフェへの業態を変えて多くの人に愛されるお店となったが、2020年3月には店を移転し代官山から田町へ住所を移した。
『失恋ショコラティエ』の主題歌・挿入歌
ドラマ版OP(オープニング):Ken Arai『Marble』
ドラマ版ED(エンディング):嵐『Bittersweet』
松本潤主演のフジテレビ系月9ドラマ『失恋ショコラティエ』の主題歌は、松本潤がメンバーの嵐が歌う「Bittersweet」である。この曲は嵐のデビュー15周年を迎えた2014年の第1弾シングルとして発売された。「恋は甘くて苦い 溶けてくような 忘れられない 香りばかり」というサビの歌詞フレーズは、失恋ショコラティエのテーマの甘くて苦い恋と、ドラマのモチーフとなっているほろ苦いチョコレートをイメージさせるものになっている。
チョコレートと恋愛がテーマとなっている失恋ショコラティエと「Bittersweet」にはピッタリの、バレンタインデー直前の2月12日にシングル発売となった。
カップリングには、日本テレビ系ソチ2014テーマ・ソングが収録されている。
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目次 - Contents
- 『失恋ショコラティエ』の概要
- 『失恋ショコラティエ』のあらすじ・ストーリー
- 爽太とサエコの出会いからフランスでの単身修行まで
- チョコレート専門店「ショコラ・ヴィ」を開業した爽太とサエコの再会
- ライバル店と片思い仲間となる「えれな」の登場
- サエコと旦那との不穏な夫婦生活
- クリスマスの時期にそれぞれの恋愛模様は大きく動き出す
- 爽太の片思いを終わらせるためのバレンタイン
- サエコと幸彦の間に起こる決定的な事件とサエコの家出
- 家出して爽太の元に向かったサエコと妊娠の発覚
- サエコと旦那の邂逅
- 片思いの夢から醒めた爽太はえれなと本音を語り合い、物語は終わりを迎える
- エピローグ
- 『失恋ショコラティエ』の登場人物・キャラクター
- 小動 爽太(こゆるぎ そうた)
- 吉岡 紗絵子(よしおか さえこ)旧姓:高橋
- オリヴィエ・トレルイエ
- 井上 薫子(いのうえ かおるこ)
- 小動 まつり(こゆるぎ まつり)
- 六道 誠之助(りくどう せいのすけ)
- 加藤 えれな(かとう えれな)
- 関谷(せきや)
- 吉岡 幸彦(よしおか ゆきひこ)
- 倉科(くらしな)
- 『失恋ショコラティエ』の用語
- ショコラティエ
- ボンボンショコラ
- アミティエ
- ガナッシュ
- キルシュ漬け
- ショコラ・ヴィ
- ラトゥリエ・ド・ボネール
- 『失恋ショコラティエ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 製菓学校時代、バレンタイン前日にサエコに振られた爽太のセリフ
- 爽太がショコラ・ヴィの仕事を頑張っているのはサエコへの恋心からだと批難する薫子に対するオリヴィエの言葉
- 『失恋ショコラティエ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 作中のショコラ・ヴィのチョコレートボックスが実際に発売された
- 作中で完成することのなかった幻の「パン・オ・ショコラ」が発売された
- ドラマでのショコラ・ヴィのロケ地はチョコレート店ではなく雑貨店だった
- 『失恋ショコラティエ』の主題歌・挿入歌
- ドラマ版OP(オープニング):Ken Arai『Marble』
- ドラマ版ED(エンディング):嵐『Bittersweet』