失恋ショコラティエ(漫画・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『失恋ショコラティエ』(しつれんショコラティエ)とは、水城せとなが『月刊フラワーズ』本誌にて連載していた漫画。物語は完結しており、単行本は同社のフラワーコミックスαから全9巻発行されている。
また、松本潤主演でテレビドラマ化されており、2014年1月から3月まで放送された。
ショコラティエである主人公・爽太を中心に、高校時代からの憧れの女性サエコ、チョコレートショップの同僚で年上の薫子、片思い仲間のえれなとの間の、甘くほろ苦い恋愛模様とそれぞれの切ない思いを描いた恋愛ストーリーとなっている。
エピローグ
季節は周り、またクリスマスが近づいてきた。次のクリスマスケーキは爽太がえれなにインスパイアされて作った人気ボンボンのケーキ版であり、バレンタインテーマは「ぽかぽかしたあったかくなるような、ホッとするようなチョコレート」。チョコレート作りの情熱がサエコからえれなに遷移したことがわかる。
最後の場面は爽太がお店の中で静かに六道に感謝し、えれなを想い、支えてくれている全ての人に感謝しながらも「すべてサエコさんがもたらしてくれた」と大泣きする。爽太のサエコに対する決して叶わない恋心から生まれる哀しみは、これまでもこれからも爽太の生きる軸であるショコラティエという芸術に昇華されていく。
『失恋ショコラティエ』の登場人物・キャラクター
小動 爽太(こゆるぎ そうた)
CV:下野紘(ドラマCD版・ムービーコミック版)
演:松本潤
主人公。通称はチョコレート王子。実家がケーキ屋で跡継ぎのため、高校卒業後は製菓学校へ進学。高校1年生の時にサエコに一目惚れし片思いをし続ける。サエコに振られた後も、サエコを振り向かせるためだけにフランスへ修業に行き、帰国後は自分の店「ショコラ・ヴィ」を開業した。サエコが人妻になったあとも変わらず思いを寄せ続ける。サエコを振り向かせるために「悪い男」になろうと励む。妄想をしがちで、作中でもしばしば片思い相手のサエコの妄想などをしている。
恋愛に振り回されている印象が強い爽太であるが、実は恋愛への情熱、特に失恋の「哀」という爽太の感情はチョコレート作りという創作活動の原動力となっている。
また、マスコミに「チョコレート王子」として紹介され知名度もあり店は常に盛況するなどしていることから、ショコラティエとしての腕は確かだと伺える。
吉岡 紗絵子(よしおか さえこ)旧姓:高橋
CV:葉月絵理乃(ドラマCD版) / M・A・O(ムービーコミック版)
演:石原さとみ
ヒロイン。通称はサエコ。チョコレートが大好きで、いろいろな店を食べ歩いている。チョコレートの中でも好きなのは、オレンジピールやチェリーのキルシュ漬けなどフルーツが入ったチョコレートである。また、ピスタチオを使用したチョコレートやハイカカオチョコレートも好き。
爽太の店に頻繁に訪れては、新商品を購入し感想を爽太にフィードバックしてくれる。また、新商品のアイデアとなる意見を爽太に与えており、作中では何度か実際に商品化されている。
サエコ自身の結婚式では、ウェディングケーキとゲスト用のデザートを爽太にオーダーしている。
高校時代から恋愛経験が豊富。本人は悪気がないのだが、周りの人間を翻弄しがちで爽太も常にサエコの小悪魔な言動に翻弄されている。
爽太のフランスからの帰国後、幸彦と結婚する。高収入で仕事のできる幸彦との結婚で専業主婦となり、幸せな生活を送っているかのように周りからは見られた。しかし、サエコは徐々に不穏な夫婦生活に不満を抱くようになる。
オリヴィエ・トレルイエ
CV:神谷浩史 (ドラマCD版)/ 佐藤祐吾(ムービーコミック版)
演:溝端淳平
フランス人と日本人のハーフ。フランスの有名店「パティスリー・トレルイエ」のオーナーの御曹司。ボネールで働いていたところへ爽太がやってきて、日本の週刊漫画と交換という条件でボネールのオーナーに取り次いだ。爽太のフランスからの帰国とともに来日し「ショコラ・ヴィ」の従業員になる。
オリヴィエは日本の漫画やアニメが大好きで、最初にボネールで修行希望の爽太がやってきた際には週刊誌の最新号との交換条件でボネールの上層部に爽太を取り次ぐほどの、生粋の漫画好き。
爽太の妹であるまつりに片思いをしており、作中では最終的にまつりと結婚した。
井上 薫子(いのうえ かおるこ)
CV:生天目仁美 (ドラマCD版) 安済知佳(ムービーコミック版)
演:水川あさみ
もともとは爽太の実家のケーキ屋で働いていたが、「ショコラ・ヴィ」のオープン後はショコラ・ヴィの従業員として接客全般や販売戦略などを担当するようになる。
仕事はよくできる女性であるが、恋愛に関しては奥手な性格で密かに爽太に淡い恋心を抱いているがなかなか告白ができない。
一見、仕事ができサバサバしている性格の薫子だが、爽太やサエコ、えれなとの関係について度々毒を吐き攻撃的な言葉を口にすることから実は内面はそこまでさっぱりしていないことが見て取れる。
作中では爽太の周りを取り巻く女性、サエコやえれな、また関谷との交流などを通して自身の価値観について葛藤するようになる。
関谷から誘われて一度デートに行くが、特に恋愛関係には発展せず、ただ薫子が自身の性格について考え直すきっかけになっただけだった。
小動 まつり(こゆるぎ まつり)
CV:渡辺明乃 (ドラマCD版)/ 鈴木愛奈(ムービーコミック版)
演:有村架純
爽太の妹であり大学生。たまに店を手伝っている。
失恋ショコラティエに登場する女性キャラクターとして珍しく、あまり主張せず周囲に同調しがちのおとなしい雰囲気の性格。
まつりの女友達の彼氏と二股で付き合っているが、本人は悪いことをしているという自覚と女友達への罪悪感があり彼氏との別れを選ぶ。
その後、オリヴィエと付き合うようになり幸せを掴んだかのように見えたまつりだったが、物語終盤でその女友達に二股の件がありカッターで刺されてしまう。
刺されたものの命に別状などなく、女友達とは決別し、最終的にはオリヴィエと結婚した。
六道 誠之助(りくどう せいのすけ)
CV:諏訪部順一 (ドラマCD版) 、堀川りょう(ムービーコミック版)
演:佐藤隆太
マスコミに紹介された通称は「チョコレートの貴公子」。
フランス、ベルギー、スペインで修行した後、ニューヨーク「RICDOR」一号店を開業した。ショコラ・ヴィがオープンした後に二号店として日本にRICDORを開業した。
見た目がゴージャスで大人向けのチョコレートを作る。
視察にきた爽太と仲良くなり、六道の言動は爽太に様々な刺激を与えるようになる。
実は同性愛者でオネエ言葉を話す。密かに爽太に想いを寄せている。
加藤 えれな(かとう えれな)
CV:小清水亜美 (ドラマCD版)/ 松井恵理子(ムービーコミック版)
演:水原希子
人気の現役モデルをしている。一度撮影で会っただけで話したことのないバンドマンの倉科に片想いをしている。
RICDORのイメージモデルを務めており、恋愛の相談を六道にすることもしばしばあった。
爽太とは六道の誕生パーティーで出会い、片思い仲間となる。
その後は、お互いの恋愛を応援しあい、片方が傷ついたときには慰めあう良き仲間になっていく。
倉科に告白をするものの玉砕し、最終的に爽太との関係は仲間ではなく本当の恋愛関係へと発展する。
Related Articles関連記事
窮鼠はチーズの夢を見る(漫画・映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『窮鼠はチーズの夢を見る』とは水城せとな原作の漫画である。2006年2月から2009年5月、大人の女性向けコミック誌『NIGHT judy』で連載される。大人の男同士の甘くない恋愛模様を描いたボーイズラブ作品である。本作は人を好きになることの喜びや痛み、そのリアルな恋愛描写が話題となり多くの女性から支持されている。ある日主人公・大伴恭一の元へ妻から浮気調査を依頼されたという調査会社の男が訪ねてきた。彼は大学の後輩今ヶ瀬だった。今ヶ瀬はずっと好きだったと恭一に告白し恭一はその言葉に翻弄されてゆく。
Read Article
黒薔薇アリス(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ
『黒薔薇アリス』とは、2008年から『月刊プリンセス』で2016年から『月刊フラワーズ』で連載されている少女漫画。 ウィーンで人気のテノール歌手ディミトリが事故で命を落としてしまったことをきっかけにヴァンパイアとなり、仲間のレオ・櫂・玲二の3人とともに、高校教師をしていた菊川梓に繁殖の協力を求めるストーリー。魅力あふれる男性キャラクターとアンティーク・ゴシック調の描写で多くの女性から人気を集めている作品。
Read Article
女性漫画家の顔写真・画像まとめ!中村光・柴田亜美などの美人な素顔にびっくり!
俳優や声優と比較するとなかなか表舞台に姿を見せない漫画家たち。特に女性漫画家が顔を出す機会は貴重であり、ネット上などでその姿を見た人々からは「すごい美人!」と驚かれることも多いのだ。本記事では「特に美人である」とファンから人気の高い女性漫画家と、その人が描いた有名作品をまとめて紹介する。
Read Article
失恋ショコラティエ、石原さとみ演じる高橋紗絵子の衣装まとめ
2014年の1月から3月までフジテレビ系列で放送されたドラマ『失恋ショコラティエ』。石原さとみ演じるヒロイン・高橋紗絵子のファッションはあざと可愛さが目立つ小悪魔系のモテ衣装が多く、視聴者の間でも話題となっていた。本記事では『失恋ショコラティエ』で使用されていた高橋紗絵子の衣装やバッグなどを、画像と共にまとめて紹介する。
Read Article
【失恋ショコラティエ】放送禁止レベル!?月9なのにエロすぎる松潤と水原希子のラブシーンまとめ
2014年に放送された松本潤主演のドラマ『失恋ショコラティエ』。月9枠での放送でありながら、そのラブシーンがエロすぎる、濃厚すぎるとして話題になりました。月9といえば若年層でも視聴できる時間帯ですが、ラブシーンがこれだけ濃密だともはや放送禁止レベルかも…。ファンからは悲鳴が聞こえてきそうですね。
Read Article
映画・ドラマなどの美しいキスシーンまとめ【失恋ショコラティエなど】
映画やドラマ、テレビ番組の印象的なキスシーン画像まとめです。見ているだけで幸せな気持ちが移ってくるものから、思わず見とれてしまう美しいキスシーンまで、様々なキスシーンを紹介していきます。
Read Article
松本潤主演『失恋ショコラティエ』のロケ地まとめ!代官山中&目黒エリアを紹介【嵐】
嵐の松本潤が主演したドラマ『失恋ショコラティエ』のロケ地をまとめました。主人公が働くチョコレート専門店「ショコラ・ヴィ」のロケ地となった雑貨店や、ドラマに登場した数々のオシャレなカフェなどを掲載しています。
Read Article
『失恋ショコラティエ』の松本潤と石原さとみのキスシーンが濃厚すぎると話題!
人気少女漫画『失恋ショコラティエ』は2014年に松本潤の主演でテレビドラマ化され、ブームを巻き起こした。月9ドラマとは思えない濃密な恋愛描写が注目され、中でも松本潤と石原さとみの濃厚なキスシーンは大きな話題になった。
Read Article
タグ - Tags
目次 - Contents
- 『失恋ショコラティエ』の概要
- 『失恋ショコラティエ』のあらすじ・ストーリー
- 爽太とサエコの出会いからフランスでの単身修行まで
- チョコレート専門店「ショコラ・ヴィ」を開業した爽太とサエコの再会
- ライバル店と片思い仲間となる「えれな」の登場
- サエコと旦那との不穏な夫婦生活
- クリスマスの時期にそれぞれの恋愛模様は大きく動き出す
- 爽太の片思いを終わらせるためのバレンタイン
- サエコと幸彦の間に起こる決定的な事件とサエコの家出
- 家出して爽太の元に向かったサエコと妊娠の発覚
- サエコと旦那の邂逅
- 片思いの夢から醒めた爽太はえれなと本音を語り合い、物語は終わりを迎える
- エピローグ
- 『失恋ショコラティエ』の登場人物・キャラクター
- 小動 爽太(こゆるぎ そうた)
- 吉岡 紗絵子(よしおか さえこ)旧姓:高橋
- オリヴィエ・トレルイエ
- 井上 薫子(いのうえ かおるこ)
- 小動 まつり(こゆるぎ まつり)
- 六道 誠之助(りくどう せいのすけ)
- 加藤 えれな(かとう えれな)
- 関谷(せきや)
- 吉岡 幸彦(よしおか ゆきひこ)
- 倉科(くらしな)
- 『失恋ショコラティエ』の用語
- ショコラティエ
- ボンボンショコラ
- アミティエ
- ガナッシュ
- キルシュ漬け
- ショコラ・ヴィ
- ラトゥリエ・ド・ボネール
- 『失恋ショコラティエ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 製菓学校時代、バレンタイン前日にサエコに振られた爽太のセリフ
- 爽太がショコラ・ヴィの仕事を頑張っているのはサエコへの恋心からだと批難する薫子に対するオリヴィエの言葉
- 『失恋ショコラティエ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 作中のショコラ・ヴィのチョコレートボックスが実際に発売された
- 作中で完成することのなかった幻の「パン・オ・ショコラ」が発売された
- ドラマでのショコラ・ヴィのロケ地はチョコレート店ではなく雑貨店だった
- 『失恋ショコラティエ』の主題歌・挿入歌
- ドラマ版OP(オープニング):Ken Arai『Marble』
- ドラマ版ED(エンディング):嵐『Bittersweet』