無限の住人(漫画・アニメ・映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『無限の住人』とは、講談社・『月刊アフタヌーン』において1993年6月から2012年12月まで連載された沙村広明によるサムライ・アクション漫画である。コミックスは全30巻が発売されており、新装版は全15巻となっている。アニメ化もされており、2017年には木村拓哉主演で実写映画化もされている。
江戸時代を舞台に、両親を殺された少女・浅野凛と、仇討ちのために雇われた不死身の肉体を持つ用心棒・万次は、その仇討ちの相手である剣士集団逸刀流・天津影久を追う中で、幕府を巻き込んだ戦いに身を投じていく。

天津影久との加賀での逃避行の末、諏訪で心形唐流の門下生たちを倒し、天津と別れる際に凛が天津に宣言した。
親の仇ではあるが、旅を通して知った天津の思想は理解できる部分があり、その上破傷風で弱った天津を討つことに躊躇していた凛は、逸刀流の行く末を見届ける権利があるとして、公儀に裏切られた逸刀流がこのまま滅びるのか、それとも抗い逸刀流の必要性を公儀に示すことができるのか、その結果が出た時に天津を殺すと宣言し、加賀を後にした。
その後、逸刀流が江戸払いになった際には、天津が凛のこの宣言に答える形で、最終決戦となるであろう常陸から船に乗ることを凛に教えた。

『無限の住人』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

首切り浅右衛門は実在の人物

山田浅右衛門吉寛

不死実験で万次や囚人の四肢を奇麗に斬るために起用された首切り浅右衛門こと山田浅右衛門吉寛(やまだ あさえもん よしひろ)は、『無限の住人』の作中で唯一江戸時代に実在した人物である。
実在の山田浅右衛門も処刑の際の斬首を務め、御様御用(おためしごよう)という刀剣の試し斬りも務めていた。山田浅右衛門吉寛は代々続く山田家の四代目とされており、山田浅右衛門という名称は代々山田家の当主が名乗っていたものである。
実在の山田浅右衛門家も死体を拝領し、その死体の肝臓や脳などから労咳(結核)に効くとされる丸薬を製造しており、「山田丸」や「浅右衛門丸」という名で販売され膨大な収入を得ていた。

見せ場や扉絵などを印象的に魅せる美しい鉛筆画

槇絵に斬られる万次

作者・沙村宏明の独特の画風として、鉛筆画が挙げられる。作中の印象的なシーンや見せ場、扉絵などで使われることが多い。漫画原稿に鉛筆を使うと印刷した時に線が奇麗に出ないため、下書き以外で鉛筆は使わないのが一般的だが、写真仕様でコピーをとることにより、鉛筆で描いた部分がドット処理される。この方法によって、カラー原稿を白黒にしたかのような繊細な濃淡を表現できるのである。
また、初期の頃はとどめのシーンで、曼陀羅のように書き込まれた背景の上に解体される瞬間を描くなど、独特な世界観を見せている。

『無限の住人』の主題歌・挿入歌

テレビアニメ

OP:愛華 『赤いうさぎ』

作詞:愛華、作曲:大谷幸、歌:枕草子

ED:GLAPEVINE 『Wants』

作詞 : 田中和将、作曲 : 亀井亨、編曲 : 永田進&GLAPEVINE、歌 : GLAPEVINE

WEBアニメ(アニメ2作目)

OP:清春 『SURVIVE OF VISION』(第1クール)

作詞・作曲・歌 : 清春、編曲 : 三代堅・清春

OP:人間椅子 『無限の住人 武闘編』(第2クール)

作詞・作曲 : 和島慎治、歌・編曲 : 人間椅子

映画

主題歌 : MIYAVI 『Live to Die Another Day ー存在証明ー』

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