ベヨネッタ(BAYONETTA)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ベヨネッタ』とは、500年前の封印から目覚めた美しく妖艶な魔女ベヨネッタが、天使達を華麗に叩きのめしながら失われた記憶の手掛かりを求めてヨーロッパの辺境ヴィグリッドを舞台に暴れまわるクライマックス・アクションゲーム。
少年少女、または成人した男性主人公が多い日本製のアクションゲームにおいて、フェミニンかつセクシーな大人の女性を主人公とし、その魅力を前面に押し出しながらスタイリッシュにまとめ上げたゲームデザインは発売当時話題となり、国内だけでなく海外に於いても多くのファンを生み出し続けている。

ハイウェイから落下したベヨネッタはパラディソ「時の記憶の墓場」に着地する。墓場の名にふさわしい、今は亡き過去の断片が漂う場所を、ベヨネッタは天使を狩りながら突き進む。

CHAPTER X 神域~星の海~

ベヨネッタはパラディソ「星の大海」に移動する。そこは500年前にジャンヌと決闘を行った場所の姿を取っており、ベヨネッタの記憶を刺激する。
「私がこの街に…?」そう独言し床を見ると、二人の少女が掘られた小さな像が落ちていた。不格好な細工のその像の底には、魔女の文字で「ジャンヌとセレッサ」と彫られていた。
セレッサ。自分をマミーと呼ぶあの少女だろうか…そう思った瞬間再び子守唄を歌う女性と少女の記憶がリフレインするが、それ以上のことは思い出せず先を急いだ。

一方、ルカとセレッサは森の中にいた。無邪気にはしゃぎながら「マミー」を心配するセレッサをルカは温かい目で見守る一方、ベヨネッタがセレッサを誑かせていると信じているルカの心中は穏やかではなかった。
歩いている途中、転んで泣くセレッサに、ルカはキャンディーを与える。セレッサは初めて食べたキャンディに喜びながら「アンタもいる?」と持っているぬいぐるみに話しかける。その可愛がっているぬいぐるみの名前が、ベヨネッタが自分に付けたあだ名である「チェシャ」と知ったルカは複雑な表情を見せる。ルカは島に行く別のプランとしてセレッサをどうするか考えつつ「あのお姉ちゃんは本当にママか」とセレッサに尋ねると、彼女は「そうよ。マミーは強いの。オバケだってやっつけるのよ」と奇妙な答えで返した。
その時、周囲で不穏な気配がするのをルカは感じた。

CHAPTER XI 四元徳「正義」

ルカ達は、見えない何かが周囲で暴れているのを感じ動けないでいた。「マミー助けて!」と泣くセレッサを、ルカは「俺の傍から離れるな」と励ます。その時、セレッサの上に木が倒れてきたところをルカが庇った。確実に当たると思った木は逸れ、遠くで銃声が聞こえてきた。助かったセレッサはその方向に向かって「マミー!頑張って!」と声援を送るが、ルカには何も見えずうろたえていた。
セレッサは「おじちゃん見えないの?じゃあこれでどう?」と言い自身の眼鏡を外し、指で弾いてルカに渡す。その眼鏡を通してルカが見たものは、天使と戦うベヨネッタの姿だった。
ルカは一瞬自分の記憶に疑いを持つが、同時にその天使たちが危険な存在だと認識しセレッサを抱えて逃げるも囲まれ、絶体絶命となる。だがそれも、ベヨネッタに救われる。
天使を一掃し危険が去ったのもつかの間、四元徳の天使ユスティジアが襲い掛かる。地面から巨大な触手が何本も生え、ベヨネッタ達を襲う。セレッサは途中大切なぬいぐるみを落とすも、ユスティジアの猛攻からルカと共に逃れる。ベヨネッタはそのぬいぐるみを拾い上げ「ネコちゃんに痛いことをした相手にお仕置きしなくちゃ」と反撃し、ユスティジアを瀕死まで追い込む。ユスティジアは「ルーメンの賢者が言った通り確かに素晴らしい力だ」と言い、「光と闇の二つの目。新宇宙創造は目前だ」と言って魔界の住人達に喰われていった。
ベヨネッタは分かれたルカとセレッサが気がかりとするも、「あの男のことだから心配ないか」と結論する。その言葉には僅かながらもルカに対する信頼が伺えた。

CHAPTER XII 割れる空

ユスティジアから逃れたルカとセレッサは倉庫の隙間に隠れていた。ルカはセレッサに眼鏡を返しながら「その魔法の眼鏡は誰からもらったんだ」と尋ねる。
セレッサは「メガネなんか無くても悪いオバケはちゃんと見える」と笑い、「マミーは魔女で強くて皆を守る人」「自分も大きくなったら魔女になってマミーを守る」と続けた。
そこにベヨネッタが現れ、取れた目玉を絆創膏で補ったぬいぐるみをセレッサに渡した。
ルカは、何を問い詰めても誤解だと主張するベヨネッタを頑固者だと前置きした上で、自分の死んだ父もジャーナリストであり、彼が500年前に姿を消したアンブラの魔女とルーメンの賢者、そしてその両者が司る全能の力「世界の目」を追っていたことを告白した。
均衡を長きに渡って保っていた彼らだったが、その均衡が両一族の男女が掟に背いて愛し合い、一人の子供をもうけたことをきっかけに均衡が崩れたこと。女は幽閉され、男も追放の身とされ、生まれた子はアンブラが引き取り不浄の子として監視下に置かれたこと。その後両一族は世界の目を一つにし、歴史を自在に操るという欲に狂い、破滅したということ。そしてその欲を刺激したのは、全能の力であるということ。それらすべての情報を、ルカの父は突き止めていたのだという。
ルカは父の死を目撃したことによりその話を信じ、同時にこの一族の因縁は500年経った今でも変わっていないと確信していた。父の探っていたものと死の真相を突き止めるため、全ての謎にかかわるベヨネッタをどこまでも追いかけると改めて告げた。
その手掛かりとして、ヴィグリッドを実効支配している複合企業イザヴェル社に向かうのだとルカは続ける。闇競売に「光の右目」を流したものがその会社の頭目であることを突き止めたルカは、その男に会うためチャーターしたジェットに向かう。
ベヨネッタがその背中を見て溜息をつき考え事をしていると、セレッサは「マミーは何故探し物をしているのか」と尋ねた。ベヨネッタはそれには答えず、逆に「あなたの大切なものは何か」とセレッサに訊く。
セレッサは暫し考え「これが私の宝物よ」と、ベヨネッタが胸につけているものと同じ時計のついたブローチを見せた。それを手に取ったとき、ベヨネッタの脳裏に女性が少女にこのブローチを渡す記憶が過る。
マミーが誕生日の時にくれたものだというセレッサのブローチに、ベヨネッタは「宝物は絶対になくしちゃダメよ」と言って自分のリボンを通してセレッサの首にかけた。
セレッサが喜びはしゃいでいると、再び天使の襲撃が起きる。ルカは一度セレッサを助け動き出した巨大軍用輸送機ヴァルキュリアの上部に乗るが、セレッサは輸送機内に落ちてしまい、ルカもまた地面に滑り落ちてしまう。
入れ替わりのように飛行機に着地したベヨネッタを、ルカは祈る気持ちで見送った。

ヴァルキュリアにてセレッサを探すベヨネッタは、ジャンヌと再会を果たす。セレッサを気がかりにするベヨネッタをジャンヌはからかうが、ベヨネッタが星の大海で拾った像を見て一瞬表情を硬くする。だがそれも「こんなガラクタがどうかしたのか」とすぐに投げ捨ててしまう。
その時四元徳の天使サピエンチアの邪魔が入り、苛立つジャンヌとサピエンチアの揉め事の際に放たれた流れ弾が、ヴァルキュリアの右翼に当たる。ジャンヌは「大事なチビ助さんの危機だ」と挑発し、ベヨネッタもまたその言葉に怒りを表す。
「もっと怒れ」「過酷な運命を乗り越えてこそ闇の左目の資格を得ることができる」と言うジャンヌに対し、ベヨネッタは墜ちていくヴァルキュリアの上で闘いを挑む。その後、ジャンヌを退けたベヨネッタは急ぎセレッサの救出を再開し、ヴァルキュリア内部でセレッサを見つけ出す。セレッサを泣き止ませてからしっかりと抱え、襲い来る天使達からセレッサを守りながら遂に脱出するのであった。

CHAPTER XIII 四元徳「知恵」

海上に着水した沈没間近のヴァルキュリアの上で立ち往生していたベヨネッタ達の元に、ルカがヘリで駆け付ける。二人でヘリに乗り込もうとするところ、敵の気配を察知したベヨネッタがセレッサをルカに預けて背を向ける。
「マミー」と泣き叫ぶセレッサに、ベヨネッタは「すぐに戻る」と言いプルガトリオに移動する。すると、先程ジャンヌと揉み合ったサピエンチアが現れた。サピエンチアの目的は、主神ジュベレウス復活に係わることだと言いかけるが、ベヨネッタは「詳しいことはアンタ達のボスに聞く」と制する。
それを聞いたサピエンチアは「500年前の復活祭を不手際で水泡に帰した男がボスか」と嘲笑するが、一方で人間を魔女狩りへと駆り立て忌まわしい魔女達を一掃し、その後の復活祭ためにヴィグリッド復興に務めたことを称賛したのち、戦闘を開始する。
戦いに勝利したベヨネッタは「アンタに宝石は似合わない」と言うが、サピエンチアは「それが我らの求めるものだと?」と笑いながら魔界に飲まれていった。
ベヨネッタは波に乗って高く跳んでルカのヘリに戻り、一足遅く辿りついたルカ達を迎えた。ひと時ながら楽しい時間が流れ、三人は目的地イザヴェル・ビルに向かう。

CHAPTER XIV 太陽の島

フライト中、ミサイルの襲撃にあった三人はベヨネッタの力によりヘリを脱出し、そのミサイルの一つに乗って富と権力の島「イスラ・デル・ソル」に侵入する。
だが同じくミサイルに乗ってきたジャンヌの追撃により、ベヨネッタとセレッサはビル上のミサイル発射エリアに降り立つ。ジャンヌは「この富と権力の街で古より続く因縁に終止符を打つ時が来た」とミサイルを発射する。「奴らに手を貸す邪魔者は賢者だろうと魔女だろうと全て片付ける」と宣言するベヨネッタに、ジャンヌは“光と闇が交わる時、この世は未曽有の厄災に包まれる”とする伝承を語り、500年前にその伝承の禁を犯し産み落とされた赤子がベヨネッタであるという真実を告げる。
そして、禁断の子であるベヨネッタこそが混沌の渦の中心であり、両一族が滅びた今も因果の輪が続く元凶であるとし、野放しには出来ないと続けた。
その言葉に、ベヨネッタは500年前自身の胸を突き封印した者が、ジャンヌであることを思い出す。アンブラ一族の秘宝「闇の左目」を決して誰にも渡さないという500年間ずっと変わらぬ使命に燃えるジャンヌは、ベヨネッタに決着を申し出る。
そこに、ジープで乱入してきたルカが「ミサイルはもううんざりだ」とジャンヌの手から発射装置を取り上げ、セレッサを回収しその場を後にする。だが程なくしてジープは爆発し、ベヨネッタは怒りと焦りを感じながらジャンヌと戦闘を開始する。
ジャンヌは戦闘の最中真の力を開放し、ベヨネッタと同じく魔力で編んだ自身の髪の戦闘服を纏い、アンブラの魔女として更なる戦いに挑む。

闘いは激戦を極めた後、ベヨネッタが勝利し決着する。横たわるジャンヌは「失われた500年前の記憶が恐怖の根源とし、お前の目を未だ曇らせている」と指摘するも、「この戦いに勝利した今のお前なら運命を必ず乗り越え、闇の左目の所有者として一族の至宝を手にする資格がある」と告げる。
ベヨネッタは胸の宝石を手に取り、この宝石一つでどれだけの犠牲が出たのかと苦い顔をするが、ジャンヌは穏やかな顔で「子供の頃を思い出すな」と言い、ベヨネッタの手からそっと取る。宝石から悪魔文字が浮かび上がるにつれ、ベヨネッタは500年前の記憶が鮮やかに蘇る。それは野心に狂い天使を引き連れたルーメンの賢者達とたった一人で戦い、ベヨネッタの胸の宝石を掴み「己の運命を恐れるな、立ち向かえセレッサ!」と叫ぶジャンヌの姿であった。
「子供の頃は無邪気だった。あの頃はよく遊んだな。だが時が経ち、私の目も恐怖で曇っていたのかもしれない…」そう言って弱っていくジャンヌの手を、ベヨネッタは掴んだ。
「立ち向かえセレッサ」かつて叫んだ激励の言葉と共に「自分自身の目で真実の世界を見ろ」と続けたジャンヌは、ベヨネッタの眼前で銃を放つ。自分と距離が開いたことに安堵の表情を浮かべたジャンヌの元に、程なくしてミサイルが落ちてくる。

ベヨネッタはミサイル着弾の爆風でイザヴェルビルまで吹き飛ばされた。ジャンヌの安否を想うベヨネッタに、先ほどジープと爆発したかに思えたルカが眠ったセレッサを抱えてやってくる。
運がいいのか悪いのかと笑うベヨネッタに、ルカは運ではなく実力でのし上がってきたと言う。そして傷心のベヨネッタを「魔女」ではなく「女」として軽口を交えて激励し、キャンディを差し出した。
ベヨネッタは調子を取り戻して軽口を返しながらキャンディを奪い取り、そして初めて彼を「チェシャ」ではなく「ルカ」と呼んだのだった。

CHAPTER XV 真実への塔

セレッサ、ルカと共にイザヴェルビル内部に乗り込んだベヨネッタは、光が漏れ出る扉を前でまたしても自分を娘と呼ぶ奇妙な声を聴く。その時、眠りから目覚めたセレッサが本来ベヨネッタにしか聞こえないはずの声に反応し、「パパだ」と喜ぶ。
セレッサは声に対しマミーもつれていくと言って扉の奥の光に向かって駆け出し、ベヨネッタもその背を追いかけた。扉が閉まり、ベヨネッタとセレッサ、そしてルカはそれぞれ分断される。近代的なイザヴェルビルの内部には天使が蔓延り、上に行けば行くほど奇跡や魔法のギミックが色濃くなっていき、また敵も強くなっていく。敵の本丸に近づいていることを確信しながら、ベヨネッタは遂にビルの最上部に到達する。

CHAPTER XVI ルーメンの賢者

ベヨネッタが飛び込んだ先は、講堂のような場所だった。奥ではセレッサが男に抱きかかえられ唇に紅を引かれるなどしてあやされている。男はベヨネッタが現れるなり「よく来たな。私の可愛い娘セレッサよ」と歓迎する。ベヨネッタはその男こそがルーメンの賢者の生き残りだと悟る。
男はバルドルと名乗り「お前さえさえよければ『ファーザー(父)』と呼んでくれてもいい」と言い、真相を語り始めた。
「闇の左目」を受け継ぐ者でありながらベヨネッタが500年もの間世の趨勢から遠ざかっていたことを嘆き、彼女の記憶を補い、且つ観測者の目を覚醒させる方法として歴史が形作られる様をその目に焼き付けさせるために危険な旅へと誘い出したと語る。中でもセレッサは、ベヨネッタに自分を客観視させるための重要な役割として利用したのだということを付け加えた。
ベヨネッタはバルドルの行いに「救いようのないクズだ」と吐き捨てるが、バルドルは「救いの道をいくら光で照らせども、光が強ければより人の心の闇は深くなる」「真の救いはその光、闇、その狭間の混沌の三位一体世界を統一し、原初の宇宙を想像する他ない」と語る。
更にはこの計画が500年前の復活祭から始まっており、人々の猜疑心を煽って魔女狩りを先導したのが自分だと告白する。
結果、主神への信仰心は強固になるも「闇の左目」の奪取には失敗したため、ヴィグリッドの復興に注力し、主神ジュベレウスの復活、そして自らとベヨネッタが神の目となって新宇宙を創造する機会を待ったのだと、腕に抱くセレッサの髪に桜の花を挿しながら語った。
全ての悪夢の元凶が自分の父親だということを知ったベヨネッタが激しい怒りを露わにしたところに、全てを聞いていたルカが現れ、「綺麗事を並べているが所詮は大量虐殺者だ」とバルドルを批判した。

バルドルはルカを見て「ここまで辿り着いたのは父親譲りの才能か」と言い、ルカの父がバルドルの身辺を調べていたこと、ベヨネッタが眠る棺の場所を突き止めたところで始末したことを語った。
ルカはそこでようやく父親の真の仇がバルドルだと知って怒りに任せ飛びかかろうとするが、取り押さえられた挙句に返り討ちに合い、吹き飛ばされて窓から落ちてしまう。
その様子を「胸が痛む」「悲劇だ」と嘯きながら続けてジャンヌに対して少なからず精神改造を行い自らのいいように動かしたことを告白するバルドルに、怒りが頂点に達し激昂したベヨネッタが攻撃しかけるも難なく返されてしまう。
ベヨネッタを片腕一つで吹き飛ばしたバルドルは、腕に抱く眠っているセレッサを取り込み、ベヨネッタが召喚した魔獣すら容易に破壊するほどの強力な力を得る。

死闘の末ベヨネッタは、かつて若きバルドルが婚姻の証として亡き母に贈った形見のルージュを銃に込め、バルドルの額に打ち込み遂に倒す。
バルドルから分離したセレッサを抱え、ついでにミサイルに引っかかって落下死を防いだルカを荒っぽく呼び寄せる。倒れたバルドルを見て「どうやら終わったようだな」というルカにベヨネッタは「まだよ」と答え、胸のブローチを使い時間を遡り、セレッサを連れて彼女が元居た場所に移動する。
ベッドの上で微睡みながらマミーとパパを呼ぶかつての自分に、全ては悪い夢だったのだと優しく語りかけ、「あんたは強い子よ。もうどんなことにも立ち向かっていける」と伝えた。そして、「私の探し物は見つかった。だからあんたも宝物を大切に」と言い残し、あの子守唄を歌いながら去って行った。

元の時代に戻った瞬間、ベヨネッタは胸の痛みに苦しみ出す。何度も脳裏に過った、ジャンヌが自分の突く記憶。だが今までと違うのは、何かがジャンヌのナイフを弾く感触だった。
それはいつかの夢で「宝物は絶対になくしちゃダメよ」と「マミー」が首にかけてくれたブローチだった。記憶の中のベヨネッタは「私は恐れないわ。もうどんなことにも立ち向かっていける」と「マミー」の言葉を胸に立ち上がる。
それはセレッサが、全て悪い夢だったとされる経験を経てジャンヌと二人で立ち向かうという歴史を観測した瞬間であり、そして闇の観測者として覚醒した瞬間でもあることを、光の観測者として復活したバルドルによって語られる。
意識のないベヨネッタを連れ、バルドルはビルの頂上の女神像の前に移動し「世界の目」として女神像と一体化する。バルドルは遂にジュベレウスの復活を遂げるためロケットを起動し、宇宙に飛ぶのであった。

EPILOGUE 鎮魂歌

バルドルとベヨネッタを乗せたロケットの発射を、街の住人は崇めるように見ていた。そこに、ベヨネッタが持っていた宝石の力を使い、ミサイルの弾雨から生き延びたジャンヌがバイクに乗って颯爽と現れ、アンブラの魔女の誇りにかけて、友を奪還するためにロケットを追いかける。
星を一つ容易に破壊する力を見せつけられながらも果敢に迫るジャンヌは、ジュベレウス復活目前にして遂にベヨネッタの元に辿りつく。ジャンヌは、全宇宙の消滅すると危惧するバルドルによる邪魔を受けながらも、意識のないまま「闇の左目」として機能しているベヨネッタを像から引き剥がす。必死の呼びかけに目を覚ましたベヨネッタだったが、ジャンヌは「今なら運命に立ち向かえるはずだから立って戦え」と力強く言い残してすぐ、女神像から湧き始めた光に巻き込まれて宇宙に放り出されてしまう。
バルドルはやがて来る世界への混沌に絶望し、右目として機能したまま閉じた像の瞼に呑まれる。直後、像から光が漏れ出し、主神ジュベレウスが顕現する。宇宙がジュベレウスの生み出した炎に包まれる中、ベヨネッタが立ち上がる。

主神の名に恥じぬ強さを見せたジュベレウスも、ベヨネッタの決死の攻撃に遂に斃れる。
ベヨネッタは自身の黒髪と何処からともなく現れた見覚えのある銀髪を使い、究極の魔獣クイーン・シバを召喚し、右ストレートで太陽まで吹き飛ばした。
戦いは終わり、ベヨネッタもまた破壊された像の上で膝をつき、向かってくる破片と流れ始めたエンドロールとともに去り行くのであった。

そのとき、銃声と共に破片が砕かれる。
「ふざけた瓦礫だ。このまま地球へ落下して、世界を滅ぼそうと悪あがきを…!」
そう言って現れたのは宇宙に放り出された後、たまたま傍まで漂ってきた自分のバイクに乗って駆け付けてきたジャンヌだった。
ジャンヌとベヨネッタは二人で家に帰るため、いつかの戦いのように背中を合わせて最後の大掃除をするのだった。

数日後。晴れた空の下で、エンツォとロダンは墓地でベヨネッタの埋葬に参加していた。
聖書を読み上げる尼僧の傍で報酬が水泡に帰したことをぼやくエンツォに、ロダンは見かねて魔女の契約のことを話す。
悪魔と契約をしている魔女は死後、地獄に引きずり込まれて想像を絶する苦痛を永遠に味わい続けるのだと言うロダンに、だがエンツォには特に響くことはなく「御祈りが無駄ならとっとと帰る」と言って去ろうとする。ロダンはエンツォを引き留め葉巻を奪い「その御祈りに効き目があるといいんだがな」と意味深なセリフを言う。
その時、大量のローズマリーの花を抱えたルカがやってくる。魔除けの効果のあるその花を「効き目があるといいんだがな」と言って棺に供え、寂しげに去ろうとしたその時、空から光が降り注ぐ。この光に覚えのあるエンツォは「何で魔女に天からのお迎えが来るんだ!?」と恐れロダンの後ろに隠れる。

その時、聖書を閉じた物々しい尼僧の呟きで、ルカが正体に気付く。飛び上がって天使を瞬殺し「コスプレはこれが最後だ」と言ったその女は、ジャンヌであった。
棺に向かってロダンが楽しげに言う。「聞いたか?出番だぜ」 天使と暴れまわるジャンヌがぼやく。「何をしている。まさか本当に眠っているのではないだろうな?」 半泣きになりながらエンツォが叫ぶ。「おおい!なに言ってるんだ!?お前ら冗談はやめてくれよ!」
そして。

棺の中から、ベヨネッタが声も高らかに飛び出す。天使を誘い出すためとはいえ狭く暗く息苦しい棺に入っていたことに文句を言うベヨネッタはそれでも、ジャンヌと共に伸び伸びと天使を狩る。
ルカはローズマリーの花びらが舞う中で、踊るベヨネッタと、彼女が纏う香水「エクストラ・アンジェニュ(純潔の証)」を感じる。
ベヨネッタはかつてルカに似合わないと言われた「記憶・思い出」の花言葉の花を手に取り、「今なら私に似合うかしら?」と自らの髪に挿して美しく微笑み、そして天使達に「踊る」よう叫ぶのであった。

『ベヨネッタ』のゲームシステム

難易度

全5段階あり、初回は「Very Easy」、「Easy」、「Normal」のみ選択可能で、「Hard」、「∞ CLIMAX」開放には特定の難易度で全チャプタークリアする必要がある。
難易度差分としては各敵のステータス変動の他、プレイヤー側は「オートマチックモード」という戦闘以外の行動をほぼ全自動化するシステムが搭載されたり、逆に能力の制限がされたりといった条件付けがされている。

Very Easy

・オートマチックモードあり
・体力が自動回復する

Easy

・オートマチックモードあり

oshimoond7
oshimoond7
@oshimoond7

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