Cyanide & Happiness(シアン&ハピネス)のネタバレ解説・考察まとめ

『Cyanide & Happiness』とは、ウェブサイト「explosm.net」で公開されたアメリカ合衆国のウェブコミック作品および映像作品の名称。2005年に公開・連載が始まり、2006年頃にSNSを通じてシェアされ、著名になった頃には1日で100万を超えるウェブサイトへのアクセスを記録した。
物語は1話完結であり、決まった登場人物は出てこない。英語の言葉遊びやダジャレ、ブラックジョークを豊富に取り入れつつ、くだらない展開や過激な描写などが多い大人向けの作品である。

サイバーマンデー

①「おい、買い物に行くのか?でも今日サイバーマンデーだぞ?」
②「あ、そうだったな...」
③「(見知らぬ誰かとチャットセックスをする男性)」

恐らく性風俗にでも行こうとしていた男性に「今日はサイバーマンデー(オンラインでのショッピングが安くなる期間・日)」だと告げるもう1人の男性。
外出を止めた男性はサイバーマンデーなりの性的サービスを受けるため、見知らぬ誰かとオンラインでチャットセックスするというジョーク。

父を超える

①(左上のコマ)「ねえお父さん、僕もいつかお父さんみたいに大きくなれるかな?」
②(右上のコマ)「いいや、まだ分からんぞ!」
③(左下のコマ)「(筋トレする父)」
④(右下のコマ)「(成長した息子と、それ以上に筋肥大した父)」

”父のように大きくなれるか”というありがちな子供の質問に対して、筋トレして子供の成長に追いつかれまいとする父の様子を描いた回。

新米警官

①(左上のコマ)「グリーン君、入りたまえ!」
②(右上のコマ)「はい、失礼します」
③(左下のコマ)「君はまだ新入りだ、しかしそろそろ”To separate the men from the boys”の時が来たぞ」
④(右下のコマ)「(男児を連れた神父を追う警官たち)」

”To separate the men from the boys”とは英語で”勇気ある者か、そうでないかを見極める”と言った意味である。
これを直訳すると”男性を男児から切り離す”という文になるが、この回では両方の意味として使われている。
物語前代を通じて前者の意味が、4コマ目では直訳した後者の意味が表現されている。
また4コマ目ではアメリカで問題になっているキリスト教の神父らによる児童への性的虐待のことを描いており、文字通り”男性を男児から引き離す”様子を通じてそれを批判している。

”合流”したい医者

①(左上のコマ)「映画見に行くけど、一緒に行く?」 「いいね」
②(右上のコマ)「ねえ、俺も”合流”していいかい?」
③(左下のコマ)「もちろん!」
④(右下のコマ)「(互いに縫合された男たち)」

”join you two” という英文は通常だと”君たち2人に合流する”という意味だが、”君たち2人をくっつける”という意味にもなる。
医者らしき人物が前者の意味合いで語り掛けたと思いきや、実は後者の意味だったという英語の言葉遊び回。

占い師の失敗

①(左上のコマ)「あなたには未来が分かるのですか?」
②(右上のコマ)「はい、これから何が起こるか全て分かりますよ」
③(中央左のコマ)「ところで、あなたにお土産です」
④(中央右のコマ)「えっ、私にですか?予想外でびっくり…」
⑤(左下のコマ)「…やっちまった」
⑥(左下のコマ)「(破産した占い屋の様子)」

未来が見えるはずの占い師が、客の持ってきた予想外のお土産に驚いたせいで、図らずしも未来が見えないということが証明されたという典型的なジョーク。

おじいさんのアドバイス

①(左上のコマ)「どうしたんだい、坊や?がっかりして」
②(右上のコマ)「お菓子を買いたいのに、お金が無いの...」
③(中央左のコマ)「そいつは残念だね、けど...」
④(中央右のコマ)「...君の耳の裏にあるもの、何だと思う?」
⑤(左下のコマ)「(紙を見せる老人)」
⑥(左下のコマ)「(紙に「働け」とだけ書かれている)」

お金が無いと嘆く子供にお小遣いをあげると見せかけて、正論をかます爺さんの話。

ベルトが欲しい

①(左上のコマ)「おい”バフ・ボーガン”、今夜のタイトル戦でお前を引き裂いてやる!俺はお前のベルトが欲しいんだ!絶対に奪い取ってやる!」
②(右上のコマ)「しかし、何故そこまでベルトが欲しいのですか?」
③(下のコマ)「(覆面以外何も着ていない、ほぼ全裸のレスラーの様子が映る)」

試合前に相手を威嚇するレスラーだが、執拗にベルトが欲しい様子の彼にインタビュアーが理由を尋ねる。
カメラが引くと、ほとんど全裸のレスラーの様子が映し出される。
着るものが無いのでベルトが欲しい、というオチ。

ゆきだるまのフロスティ

①(左上のコマ)「ジェフ、しっかりしろ!死ぬな!ああ、誰か助けてくれ!」
②(中央上のコマ)「この帽子を彼をかぶせるんだ、そうすれば彼はよみがえるよ」
③(右上のコマ)「でも、フロスティ...」「これしか方法は無いよ、急いで!」
④(左下のコマ)「(帽子をジェフにかぶせる)」
⑤(中央下のコマ)「ぐおおおぉぉぉぉ」「フロスティ、助けて!」
⑥(左下のコマ)「フロスティィィィィィィィ!!」

瀕死の男性に帽子をかぶせれば復活すると伝える、ゆきだるまのフロスティ。
しかし復活は復活でも、実際は彼を生きる死体=ゾンビとして蘇生させる恐ろしいアイテムだった。

息子の亡霊

①(左上のコマ)「(悲しむ家族の様子)」
②(右上のコマ)「お兄ちゃんがいなくなって悲しい...」
③(左下のコマ)「お前を殴れなくて残念だよ、ははは!」
④(中央下のコマ)「こら、ジョニー!」
⑤(左下のコマ)「亡霊ってのは聞こえるもので、見えるものじゃないぞ」

亡くなった兄のジョニーが恋しい妹に、ジョニーの亡霊が語り掛けるも父親が制止する。
映画などの”亡霊は視覚的に見えるものではなく、聴覚的に聞こえるものだろ”というあるあるネタ。

そのまんまの意味

①(左上のコマ)「誰かと思えば、”そのまんま夫妻”じゃないか!」
②(右上のコマ)「こんにちは」
③(中央左のコマ)「2人とも結婚してしばらく経つけど、お子さんを作る予定はあるの?」
④(中央右のコマ)「いやあ、グッドタイミングな質問だ。実は既に”オーブンの中”に準備済みでね」
⑤(左下のコマ)「おお、おめでとうござ...」
⑥(左下のコマ)「(何かに気付いて青ざめる男性)」

知り合いの”そのまんま(Literal)夫妻”に出会い、子供を授かる予定はあるか聞く男性。
彼に「We have one in the oven(英語では”胎内にいる=妊娠中”という意味)」と伝える、そのまんま夫妻。
その名のとおり、そのまんま直訳したら「オーブンに赤ん坊が入ってる」という全く別の怖い意味になるという言葉遊び回。

やすりの使い方

①(左上のコマ)「囚人番号JA846、差し入れだ」
②(中央上のコマ)「おかしいな、俺の誕生日は今日じゃないんだが...」
③(右上のコマ)「うーん...」
④(左下のコマ)「やすり?」
⑤(中央下のコマ)「やったぜ!」
⑥(左下のコマ)「(爪を手入れするJA846)」

何者かからの差し入れのケーキの中から、やすりを見つけた囚人番号JA846。
お決まりの展開なら脱獄にやすりを使うはずだが、彼は爪を研ぐために使ったポンコツだというオチ。

映像作品

Don't Make That Face(そんな顔しないで)

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