Cyanide & Happiness(シアン&ハピネス)のネタバレ解説・考察まとめ

『Cyanide & Happiness』とは、ウェブサイト「explosm.net」で公開されたアメリカ合衆国のウェブコミック作品および映像作品の名称。2005年に公開・連載が始まり、2006年頃にSNSを通じてシェアされ、著名になった頃には1日で100万を超えるウェブサイトへのアクセスを記録した。
物語は1話完結であり、決まった登場人物は出てこない。英語の言葉遊びやダジャレ、ブラックジョークを豊富に取り入れつつ、くだらない展開や過激な描写などが多い大人向けの作品である。

『Cyanide & Happiness』の概要

『Cyanide & Happiness』とは、ウェブサイト『explosm.net』で公開されたアメリカのウェブコミックである。
下品な表現や過激な描写も多いが、いわゆるブラックジョーク・ダークユーモアやシュールなギャグが人気の作品である。
基本的に下ネタやくだらないやりとりを描いた回が多く、特に作品全体を通じて社会風刺に注力していない。
ただし回によっては時事問題を取り入れた展開も取り入れるので、全く作品を通じた社会批判が無いわけではない。
また読みやすい作風に加えて英語の言い回しを用いたダジャレなど、とんちの利いた回が多いので英語学習者やアメリカのコメディ入門にも向いている。
作品は『explosm.net』やSNSで閲覧可能で、映像作品はYouTubeにもアップロードされており基本無料で閲覧可能である。
Cyanide & Happinessは”バカなキャラクターを描いてバカなアイデアを表現する”ために制作したと、作者の1人であるクリス・ウィルソンはSNSのプロフィールページに記載している。
その他の制作者となるロブ・デンブレイカーとマット・メルビン、デイブ・マケルファトリックらがウィルソンと何度かコラボした後、共同で本作を制作するに至った。
なおメルビンは制作陣としては現在参加していない。
各話毎に異なる作者が交代で担当するのでキャラクターのデザインや細かい作風が異なる場合もある。
日本でのメディア展開は乏しいが、一部有志による日本語字幕付きの動画がYouTubeでシェアされている。

『Cyanide & Happiness』のあらすじ・ストーリー

Cyanide & Happinessは1話完結の極めて短いストーリーが展開される。
そのため基本的に決まった登場人物が出てきたり、設定が引き継がれることは少ない。

ウェブコミック

『explosm.net』で主に公開されているウェブコミックは、4コマ漫画のように上から順に起承転結を描く場合が多い。
左上・右上・左下・右下の順に展開する場合もあるし、またコマ数が3つなど少ない時もあれば、多い時もある。

穴あきパンツ

(左上のコマ)「なあ、この『ケツなしズボンカバー』、どう思う?」
(右上のコマ)「めちゃくちゃバカみたいに見える」
(左下のコマ)「何だよその意地悪なコメント、じゃあ後ろ前逆に履いたらどうだ?」
(右下のコマ)「そっちのが断然いいよ!」

穴が開いたズボンカバー(メキシコのカウボーイが履いている、ズボンの上から履くカバー)を履いてお尻が見えるよりも、後ろ前に履いて局部が見える方がかっこいいと言うだけの回。
なおこれは正しいズボンカバーの使用用途ではない。

フェイスペイント

①「さあ、自分の顔を後ろ前に描いてやろう!」
②「こうすれば女の子たちをいやらしい目で見ても、気づかれることはないぜ!」
③「何こいつ、うんこ漏らしてるの!?」

後頭部に顔を描いて、女性たちを見ていることを隠そうとする男性。
しかし興奮のあまり勃起した様子を脱糞したと思われて、むしろ顰蹙を買ってしまうという回。

素敵なマジックショー

①「ここが僕の寝室...素敵な”マジック”が起こる場所さ...!」
②「あら、あなたの大事なところはどこに行ったの!?」

ベッドルームでの素敵なマジック=性行為と思いきや、局部が消える本当の意味のマジックだったというオチを2コマで描いた回。

車椅子に乗った夫

①「大変残念ですが、あなたの夫は現在車椅子に座っています」 「そんな…!!」
②「...あなたに彼を連れだして頂きたいのですが」 「イエエエエェェェェイ!」

女性が医者から”夫が車椅子を要する身となった”と宣告されている様子かと思いきや、実はただ老人の車椅子を奪ってはしゃぐ夫をどうにかしろと医者が嘆願している回。
”Your husband is in a wheelchair”は直訳すると”あなたの夫は車椅子に乗っています”だが、実際の意味としては”あなたの夫は車椅子の使用を余儀なくされます”のような内容になる。
英文の実際の意味と、直訳した場合の意味を比べてジョークにした話である。

家事を手伝う

①(左上のコマ)「(血まみれの服を洗う男性)」
②(右上のコマ)「え、何なのこれ!?」
③(左下のコマ)「違うんだハニー、説明させてくれよ!」
④(右下のコマ)「あなたが洗い物してくれるなんて...!」

一般的に家庭の男性が家事をしないことを皮肉って、血まみれの服を洗う夫の異常性よりも、洗濯してくれていることに感謝する妻の様子を描いたジョーク。

汚部屋の掃除

①(左)「うわあこの部屋ぐちゃぐちゃじゃん、急いで掃除しないと!」
②(右)「(任天堂の人気シリーズ『どうぶつの森』のようなゲーム内の部屋を掃除する)」

汚い現実の部屋そっちのけでゲームの世界の部屋を掃除する、優先順位を間違えている人を描いた回。

ペットのスパイク

①(左上のコマ)「かわいそうな息子よ...ワンちゃんが死んでしまって残念だよ」
②(右上のコマ)「でも心配するな、お前のために新しいお友だちを連れてきたぞ!」
③(左下のコマ)「亡くなったスパイクと似ているから、あいつと一緒にいた頃のことを思い出すと思うぞ!」
④(右下のコマ)「(ハエがたかった犬の死体が出てくる)」

ペットの犬(スパイク)が亡くなって悲しむ息子に新たなペットを連れてきた父親。
”亡くなったスパイクと似ている”という言葉通り、その犬も既に死んでいたというオチ。

これはチーズサンドイッチですか?

①「おい、何でこのチーズサンドイッチは真ん中に穴が開いているんだよ!?」
②「お客様、それはクリームチーズベーグルですね...」
③「ですが、これも元々はチーズサンドイッチだったんですよね...」

”穴が開いたチーズサンドイッチにクリームを入れた”ものを、”女性(膣、つまり穴がある)に膣内射精した(精子、つまりクリーム)を入れた”ことに例えた英語のジョーク。
膣内射精することを英語で”to creampie”と言い、クリームが入ったパイに例えるので、”穴の開いたクリーム入りのもの”というのは下ネタに使われがちである。
最後のコマのゲス顔と困った顔は、クリームチーズベーグルを上記のジョークの延長線上で”傷物”のように描くためかと思われる。

近況報告

①(左上のコマ)「ところで、お子さんはお元気ですか?」
②(右上のコマ)「ああ、まあいつも通りと言ったところだ」
③(左下のコマ)「泣いたり、吐いたり、床の上転がってお漏らししたり...」
④(右下のコマ)「(アル中の中年男性が出てくる)」

会話の流れから”お子さん”は幼児であると思いがちだが、実はアル中のおっさんだったという話。
赤ん坊とアルコール依存症の人の共通点をジョークにした回である。

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