劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンのネタバレ解説・考察まとめ
『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』とは、人気アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の完全新作映画。2019年に公開された『外伝-永遠と自動手記人形-』に続く最終章である。
孤児として生まれ戦争中に拾われ、幼い頃から兵士として戦い、人の感情が分からないまま育ったヴァイオレット。
そんな中人として育てられた少佐から最後にもらった「あいしてる」という言葉の意味を知るために、手紙を代筆する自動手記人形を通じて人の心と触れ合い、成長していく物語。
過去を巡る人
デイジー・マグノリア
CV:諸星すみれ
TVシリーズでヴァイオレットが依頼を受けた、アン・マグノリアの孫。
祖母が亡くなり、お葬式に参列するため医者の両親と共に家へ訪れる。
しかし思い出話をすることなく、厳しい言葉を投げかける程ギクシャクした関係。
仕事を優先するため職場へ戻る両親に、理解しつつも納得できなかった。
一人家に残り、偶然見つけた若くして死んだ曾祖母の祖母への手紙を読み、手紙を代筆した「自動手記人形・ヴァイオレット・エヴァーガーデン」という人物が書く手紙の想いが溢れる内容に興味を持つ。
彼女の人生を知ろうとC.H郵便社があったライデンに旅立った。
今は郵便博物館となったC.H郵便社本社を訪れ、展示されている一つの切手に目が止まる。
会社の歴史を知る博物館の案内人から、切手の人物は当時話題になった自動手記人形と紹介を受ける。
18歳でC.H郵便社を退職し、その後の話題にならなかったヴァイオレットの手掛かりをようやく掴むとエカルテ島へ向かう。
エカルテ島を訪れ郵便局で記念切手を購入したデイジーは、郵便局員から記念切手の所以を教わる。
国内でも年間に1人が出す手紙の量が最も多いエカルテ島にはかつて島民に慕われたドールがおり、手紙を出す文化が息づいていると説明した局員は、そのドールの名を口にしようとする。
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン!」と思わずデイジーが局員が言うよりも先にその名を叫ぶと、局員は優しく微笑む。
デイジーの手にはヴァイオレットが描かれた切手が握られていた。
デイジーの足跡をたどる旅はここで終わり、手紙なら自分の本当の気持ちを両親に伝えることができるのではと思い、島のポストに手紙を投函して物語は終わりを迎える。
『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の用語
自動手記人形(オート・メモリーズ・ドール)
人間の肉声を文字として書き起こせる機械人形。活版印刷並びにタイプライター。
きっかけは機械人形の権威であるオーランド博士が視力を失った小説家でもある妻・モリーのために作ったものであり、技術の発展と共に安価に貸し出す機関も普及した。
人形のように代筆業を行う人間のことも「自動手記人形」と称されている。特に終戦後の女性たちにとって社会で活躍する機会を得るチャンスと人気があり、自動手記人形育成学校も開校している。
ヴァイオレットも自動手記人形を目指すにあたり、学校に通い基礎を学んだ。
アニメでは「オート・メモリーズ・ドール」という正式名での呼称はされておらず、省略した呼称「ドール」、または「自動手記人形」と呼ばれている。
C.H郵便社(クラウディア・ホッジンズゆうびんしゃ / シーエイチゆうびんしゃ)
正式名称はクラウディア・ホッジンズ郵便社。
大陸南部のライデンシャフトリヒ国の首都・ライデン市に社屋を構える私営郵便社。クラウディアが社長を務める。
終戦後に軍を退役したクラウディアが発起人となり設立。創設メンバーにヴァイオレット、ベネディクト、カトレアが含まれる。
一般的な郵便業務に加え、文字が書けない人や大事な手紙を送りたい人のために自動手記人形による代筆業務も受け持つ。
依頼人の意向によっては社屋まで足を運べない人のための出張代筆も行っている。
多岐にわたる業務を行い、業績も良いことからライバルから恨まれ、襲撃を受けた過去があった。
原作で本社はライデン街中にあり、上部にホッジンズ邸を兼ねた塔がある。
アニメでは少し街を外れた丘の上にあり、劇場版は郵便博物館へと変化してゆく。
ライデンシャフトリヒ
作中に登場する国家、物語の中心地。
C.H郵便社はライデンシャフトリヒ内にある、ライデン市にある。
年間を通して温暖な気候に恵まれ、豊かな海産物や鉱物資源から、貿易港として名を馳せている。
また、その豊かさ故に外敵から狙われる事も多く、それに対抗するために軍備を増強し、軍事国家として成長を遂げた。
そのため、何度も悲しい戦場からの帰還があり、C.H郵便社でも手紙の代筆業務や出張代筆を請け負った。
大戦(原作版)
大陸戦争と通称される。本編開始の4年前に勃発し、大陸全土におよび大きな爪痕を残す。
北側の不当貿易により南側が北上侵攻を開始し、それと同時に以前から宗教問題で対立関係にあった西側と東側の宗教戦争が勃発する。
元々北側と親交が深かった東側が北側の味方に付き、それに対抗するように西側が南側と同盟を組んだ。
四者の戦いはインテンス最終決戦により南西側の勝利となり、北東は戦後賠償を求められた。
この最終決戦には、ヴァイオレットとギルベルトも参加した。
結果ギルベルトは未帰還兵となり、腕を失ったヴァイオレットにとっては今後の人生を左右する一戦となった。
大戦(アニメ版)
北方戦役や西部戦争などの総称でもある。ライデンシャフトリヒ北東部の豊富な地下資源を巡り、北の大国・ガルダリク帝国が越境したことを発端に、やがてさまざまな思惑を抱いた周辺諸国も同盟軍として参戦する。
南北二派に分かれて4年間も続いた結果、ライデンシャフトリヒをはじめとする南部側の勝利に終わったが、大陸の各地と人々の心に深い傷痕を遺し、和平を認めない一部の諸国の遺恨も残している。
北方戦役
4年前にガルダリク帝国が越境したことによって勃発した戦争で、大戦の発端。戦火の中、ディートフリートがヴァイオレットを拾い、少年兵として教育した。
西部戦争
大戦末期に勃発した戦争。それまで戦火の影響下になかったライデンシャフトリヒ西部の街・ヘルネが、戦線を突破されたことにより、多大な被害を受けた。当時、商用でヘルネを訪れていたルクリアの両親も死亡している。
エカルテ島
元々ライデンと戦っていたエカルテ島。
戦後は独立するも、若い男は全て戦争へ行き誰も戻って来なかったことで、今や島に残されたのは女子供と老人しかいない、戦争の傷が残る寂しい島。
劇中では、ギルベルト(ジルベール)に出会うため、ヴァイオレットとホッジンズは未帰還兵扱いとなった彼の消息を確かめるため向かうこととなる。
『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
ヴァイオレットのお子様料金提示
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目次 - Contents
- 『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の概要
- 『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のあらすじ・ストーリー
- 手紙から過去を巡るお話
- ディートフリートとの邂逅。余命僅かな少年ユリスとの出会い
- ユリス最後の依頼と宛先不明の手紙
- エカルテ島で待つ物語の終焉
- 『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- ヴァイオレット・エヴァーガーデン
- ギルベルト・ブーゲンビリア
- ディートフリート・ブーゲンビリア
- C.H郵便社
- クラウディア・ホッジンズ
- ベネディクト・ブルー
- アイリス・カナリー
- カトレア・ボードレール
- エリカ・ブラウン
- 依頼人とその関係者
- ユリス
- リュカ
- 過去を巡る人
- デイジー・マグノリア
- 『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の用語
- 自動手記人形(オート・メモリーズ・ドール)
- C.H郵便社(クラウディア・ホッジンズゆうびんしゃ / シーエイチゆうびんしゃ)
- ライデンシャフトリヒ
- 大戦(原作版)
- 大戦(アニメ版)
- 北方戦役
- 西部戦争
- エカルテ島
- 『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ヴァイオレットのお子様料金提示
- ユリスがリュカに電話で思いを伝える
- ヴァイオレットと大佐(ディートフリート・ブーゲンビリア)の和解
- ヴァイオレットが島へ出発する前のためらい、そしてライデンに帰ろうとするヴァイオレット
- 『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 劇場版オリジナルストーリー
- TVシリーズと劇場版画面比の違い
- 『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:TRUE 『WILL』
- ED(エンディング):TRUE 『未来のひとへ 〜Orchestra ver.〜』