劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンのネタバレ解説・考察まとめ

『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』とは、人気アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の完全新作映画。2019年に公開された『外伝-永遠と自動手記人形-』に続く最終章である。
孤児として生まれ戦争中に拾われ、幼い頃から兵士として戦い、人の感情が分からないまま育ったヴァイオレット。
そんな中人として育てられた少佐から最後にもらった「あいしてる」という言葉の意味を知るために、手紙を代筆する自動手記人形を通じて人の心と触れ合い、成長していく物語。

『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の概要

『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』とは、2015年より暁佳奈がKAスマ文庫から刊行した全4巻小説、およびそれを原作としたアニメ作品である。
原作応募企画「京都アニメーション大賞」初の大賞受賞作。全10回行われているが、現在まで唯一の大賞受賞作品である。2018年1月から4月までテレビアニメ化もされ、国内外で高い評価を受けた。
2019年9月6日に3週間限定として『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝―永遠と自動手記人形―』が上映された。大好評につき一部劇場では、上映期間の延長もあった。
2019年4月に完結編、劇場版第2段を2020年1月10日に世界同時公開予定と発表されたが、2019年7月18日に発生した京都アニメーション放火事件の影響もあり、2019年9月に公開日の延期が発表される。
一時期は制作中止の懸念もされたが、事件から3か月後の2019年10月18日に行われた記者会見の際、代表取締役社長の八田英明から2020年4月以降の公開を目指して制作中と表明。2019年11月9日公式サイトより4月24日を公開日と発表される。
しかし、新型コロナウイルス感染症の流行拡大を受け、2020年4月6日に2度目の延期のアナウンスがあった。2020年4月より、再放送していたテレビアニメ最終回のCMにて劇場版予告動画が初公開され、同年9月18日に公開予定と発表。公開17日間で11億円を突破し大ヒットを生んでいる。

孤児として生まれ、戦争中に拾われた少女「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は、その激しい戦闘能力を兵器として使われることになる。
そして、周りから下される命令によって、彼女の人間らしさというものを奪い去っていく。その中でも少女を人間らしく育て上げたギルベルト・ブーゲンビリア陸軍少佐。彼は、まだ幼い少女のことを一人の女性として想いを寄せていた。
激化する戦場で甚大な被害を負った少女は両手を失い、義手とともに人生を歩むことになる。
そんな少女が、戦場で行方不明になったギルベルト・ブーゲンビリア陸軍少佐から最後に伝えられた「愛している」という言葉の意味を知るために、「自動手記人形」として仕事をしながら、たくさんの人のさまざまな気持ちに触れていく物語。

『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のあらすじ・ストーリー

手紙から過去を巡るお話

デイジーは母親にうまく想いが伝えられない。ヴァイオレットの代筆で交された祖母と曾祖母の絆を思い、彼女の足跡を訪ねる旅で出るシーンから物語が始まる。
祖母が亡くなり、お葬式に参列するため両親と共にとある町に訪れたデイジー。
葬式が一通り終わった後、思い出話に花が咲くことなく、デイジーは祖母より医者の仕事を優先させた両親に厳しい言葉を投げかける。医者の仕事を理解していたデイジーは後悔するが、すぐに謝ることができないまま二人は職場へと戻っていった。

一人家に残ったデイジー、偶然見つけた若くして死んだ曾祖母の祖母への手紙を読み、手紙を代筆した「自動手記人形・ヴァイオレット・エヴァーガーデン」という人物が書く手紙の想いが溢れる内容に興味がわいた。
そして彼女の人生を知ろうとC.H郵便社があった国、ライデンシャフトリヒに旅立った。
物語はヴァイオレットが働いていた過去へとさかのぼる。
ヴァイオレットがC.H郵便社のドールになって5年。沢山の代筆をこなし、ライデン市の感謝祭の文章で賞を受賞し、市長から称賛されるほど今では社の人気ドールになり、過去に嫌われていたエリカやアイリスからも今や憧れの的となる。
しかし、戦場で別れたギルベルト少佐の言葉「愛している」を思い出し、思慕が募るヴァイオレットは、日々手紙を書きながらも表情は冴えないまま。
そんな日が続いても、社長のホッジンズや先輩ドールのカトレアがヴァイオレットのことを心配しながら暖かく見守っていた。

戦争をともにしたギルベルト少佐を想いながら、日々、自動手記人形として手紙を代筆するヴァイオレット。実績や功績で一躍有名となっていた彼女は、国の行事で用いる讃歌を執筆する役割に推薦された。
しかし、彼女は自分が書いた讃歌と自分の心情には、なにひとつ関連性がないという思いでいた。それは、大勢の人を殺めてきた過去が、彼女の心の足かせとなっているからだった。

大きな行事で街が盛り上がりを見せる中、ヴァイオレットはどこか浮かない顔をしていた。
そこで、彼女はかつての同僚エリカ・ブラウンと会う。
その元同僚は少し前、小説家になりたいという夢を持ち続けながら自動手記人形として働いていた。
夢を強く願い想いを叶えるために自動手記人形を退職し、以前ヴァイオレットが仕事で関わった劇作家の紹介を受け、今はその弟子として働いていた。
エリカ・ブラウンの充実した顔を見てヴァイオレットは、どれだけ願っても「少佐に会いたい」という願望は叶わないのだろうかと虚無感を抱いていた。そして、少佐から最後にもらった「愛している」という言葉がずっと頭の片隅にいた。

ディートフリートとの邂逅。余命僅かな少年ユリスとの出会い

ギルベルトの母親の月命日。ヴァイオレットは墓参りに訪れていた。
そこで同じく墓参りに来ていた、ギルベルトの兄ディートフリートに出会う。
未だにギルベルトのことを想い続けているヴァイオレットに「戦争が終わって何年にもなる。もうギルベルトのことは忘れなさい」と諭される。
しかしヴァイオレットは「生きている限り無理です」と返した。こうやって月命日に墓参りをするというのは、戦場で命の重さを知った者でなければできない。この重さがギルベルトへの想いに繋がっている。
この時先に立ち去ったヴァイオレットはリボンを落とす。そのリボンをディートフリートが拾うも、既にその場から姿を消していた。

ヴァイオレットは、休日にも関わらずそのままC.H郵便社へ向かい予約で待っている依頼をこなそうとしていた。
会社のみんなには、多忙な彼女を心配して休むように言われていたが、予約で待っている人やギルベルトのことを考えるとプライベートより仕事を選んだ。
そこへ、1本の電話がかかる。内容はドールへ手紙の代筆依頼。
休日のため、本来は日を改めて連絡することを伝えるが、電話の主が少年であることに、ヴァイオレットは気がつき依頼を受ける。

少年が呼び出した先は病院だった。
少年は名前をユリスと言う。依頼内容を聞こうとすると、部屋から隠れるように言われ慌てながらもベットの下に潜る。
ユリスの両親と弟が見舞いにやって来た。心配する家族を他所に、ユリスは無愛想な態度をとり家族を早々に追い出す。

その際、母親からユリスの友達リュカが会いたがっていると言い残すが、お見舞いに来ることを拒む。
ユリスの家族が去ったのを確認し、ヴァイオレットは隠れるように指示した理由を尋ねる。
手紙を書いて欲しいのは家族であり、それを知られたくないためと説明する。
病気のため3度も手術をし、長くは生きられないと自ら悟った残り短い命。自分が死んだ後にその手紙を渡して欲しいと話す。
ヴァイオレットは後日代筆をする約束をし、病院から会社へ戻った。

会社の前でホッジンス、ベネディクトと偶然会い、ヴァイオレットはどうやって休日出勤を誤魔化そうか困っていると、そこにディートフリートが現れる。
予想外の来訪者にホッジンズは警戒心を強めるが、ディートフリートは墓地で落としたヴァイオレットのリボンを彼女に渡す。
それが縁で、ブーゲンビリア家が所有する船を処分するため、ヴァイオレットへそこにあるギルベルトの所持品を譲ると言い、見に来るよう伝える。
ヴァイオレットは素直に喜ぶが、ホッジンズはかつて武器として扱い戦いを強制させていたディートフリートを快く思わず、2人が会うことは大反対だった。

そのことをカトレアに相談するも、変わりつつあるディートフリートとヴァイオレットは、今なら良い関係になると諭され、ホッジンズは渋々納得せざるを得なかった。
後日、彼の招待でギルベルトの思い出が詰まったヨットを訪れることになる。

ヨットを訪れるとギルベルト少佐の想い出の品が一杯だった。ディートフリートが、今だから話せるとギルベルトへの想いを語った。

ユリス最後の依頼と宛先不明の手紙

ヴァイオレットにギルベルトの所有物を譲り渡すディートフリートは、墓地でギルベルトを忘れるよう言ったことを謝罪する。
未だにギルベルトのことを忘れられないディートフリートは彼に家のことをすべて押し付けてしまったと打ち明ける。
ブーゲンビリア家は代々陸軍に関わり、地位を築いてきており、ギルベルトとディートフリートの父も当然のように2人を陸軍に入隊させようと考えていた。

しかし、ディートフリートはそんな父に反発し海軍に入隊、破門当然で家を出た。残されたギルベルトはディートフリートの代わりに陸軍に入隊し、家のことと全てを引き受ける。
ディートフリートはその事を後悔していた。

ヴァイオレットは数日後、ユリスのいる病院へ行き、家族への手紙を代筆する。
しかし、ヴァイオレットは自分から話を聞かず、ユリスからの言葉を待ち続ける。
ユリスはそんなヴァイオレットに「あなた変わっている。何も聞かない、同情は嫌だ!」と言った。
何も質問されなかったために、ユリスはヴァイオレットが同情で依頼を受けただけだと勘違いする。

心の傷に触れるときは言葉でなく沈黙の愛情しかない。腕を失っているヴァイオレットは、そのことを知っていた。
ユリスの両親と弟への手紙を書き帰ろうとすると、もう1通書いて欲しいという。見舞いを断った親友リュカへ。
ユリスは病で弱る姿を見せたくないため、今まで親友を遠ざけていた。

ヴァイオレットは「それは自分の言葉で伝えたほうが良い。私に愛を教えてくれた人へ伝えたいことを言えなかったから。あなたの想いはできる限り手紙にしますが…」とユリスの背中を押す。
答えるようにユリスはリュカへの想いを手紙にする決心を決める。
だがその直後ユリスは急変し、苦しみだす。慌ててヴァイオレットは看護師を呼び、対応されたユリスは眠ってしまったため、日を改めて伺うことを選んだ。

ある日、ホッジンズから頼まれたベネディクトは宛先不明で未配達の郵便物の整理をしていた。
そこに、ギルベルトの筆跡に酷似した宛先不明の手紙が見つかった。急いでホッジンズはディートフリートに確認を取る。
手紙を見たディートフリートも見覚えのある筆跡と言い、ギルベルトが生存していることに希望の光が宿った。
その夜、ホッジンズはヴァイオレットの部屋を訪ね、ギルベルトが生きている可能性を伝える。

想い人に会える喜びと同時に、「何を伝えたらいいのか?」と不安に思うヴァイオレット。
「手紙を書きなさい」とその場にいたカトレアがアドバイスした。
切手から判断し、彼がいるのは戦争の傷が残る寂しい島エカルテ島と推理する。
ヴァイオレットは、ホッジンズと共にギルベルトを探す旅に出た。
そしてユリスから依頼されている3通目を書き上げることなく向かうこととなった。

現代のデイジーはヴァイオレットの痕跡を探し、ライデン市を訪れる。
電話の普及につれ使用頻度の落ちた郵便事業は国営化された。いくつもあった郵便社は無くなってゆき、C.H郵便社の社屋は郵便の歴史を今に伝える博物館と役割が変化していた。

博物館でデイジーは、展示されている記念切手に目が止まる。案内役をしている、かつてC.H郵便社で働いていたと話す老婆から、記念切手にまつわる話を教えてもらった。

エカルテ島で待つ物語の終焉

島はライデンとは旧敵国。目的地の孤児院を尋ねホッジンズが「確かめてくる」とヴァイオレットを待たせて、先に進む。
ヴァイオレットは孤児院から出てきた子供達から、ギルベルトが生きていて子供たちに好かれる先生として慕われることを知った。
そして片目、片足、片手を失ったことを知る。

本当に手紙を書いた主がギルベルトか分からない。半信半疑のままホッジンズは孤児院へ行き、正真正銘のギルベルトと対面する。
ホッジンズも友人と予想外の再会に驚く。ギルベルトは大戦後各地を放浪し、エカルテ島に辿り着くと、大戦で男手を失った島の生活を支えていることを明かす。
ホッジンズはギルベルトにヴァイオレットを連れてきていることを明かし、会うように勧めるがギルベルトは「武器のように使ったことを謝り切れない。ヴァイオレットを不幸にした!」と言ってヴァイオレットに会うことを拒んだ。

ホッジンスも仕切り直すため、一旦その場から去る。待っていたヴァイオレットにギルベルトが生きていたことを告げ、今は会えないと言われたことも話すが、諦めきれないヴァイオレットはホッジンズの制止を振り切りギルベルトの元へ向かう。

自分で真意を確かめるため、雨の降る中ヴァイオレットはギルベルトの小屋を訪ね、扉越しに話した。
「幼い君を戦争に出し、両腕を失わせてしまったことを思い出すので帰って欲しい」とギルベルトは話す。
「私が少佐を苦しめている。今の私には少佐の気持ちが分かります!」と語り掛けるヴァイオレット。
ヴァイオレットは、自分のせいで過去の罪に囚われているギルベルトと話がしたかった。
彼女は扉の前で待ち続ける。
ホッジンズは頑ななギルベルトに「大馬鹿野郎!」と叫ぶが扉が開くことはなく、絶望したヴァイオレットは雨の中走り去る。そして崩れ落ち声を上げて泣いた。

その夜、郵便社も兼ねている灯台の一室に2人は泊めてもらった。
そこに「ユリスキトク」というモールス信号による電報が入った。ヴァイオレットはユリスの手紙を代筆するため「帰る!」と決心したが、最低でもライデン到着まで3日はかかると灯台の管理人から教わる。
このままでは、ユリスの気持ちを伝えられないと判断した2人は、C.H郵便社からベネディクトとアイリスが駆けつけ対応するように連絡を入れた。

ベネディクトと共にユリスの下を訪れたアイリス。死期の近づくユリスは喋ることもままならず、手紙が書けない。
そこでアイリスは電話でユリスとリュカを話させることを思いつき、ベネディクトと共に急ぎ手配を始める。

「リュカと話せなくてごめんね」
「お見舞いに来ないで。会いたくないと言ったことごめんね。」ユリスはリュカに謝る。

「大丈夫、僕怒ってないよ。きっと訳があるんだと思っていた。前に内緒で病院に行って、窓からユリスを見たよ。元気が無くて心配してたんだ。僕たち今までと同じように、これからもずっと友達だよね」リュカは怒ることなく、ユリスに秘密を打ち明ける。

リュカに電話で見舞いを断ったことを謝り、「ありがとう」そう言ってユリスは親友に伝えて電話を切る。
ユリスは死の直前に「ヴァイオレットの愛している人が生きていてよかった!」と話して亡くなったという。
ユリスに依頼された家族への手紙はベネディクトにより配達された。
ヴァイオレットはその知らせを聞き、ホッジンズと共に胸をなでおろした。

翌日ヴァイオレットは「少佐に生きて会えないと思っていたが、声を聞き、もうこれで十分」と郵便社に戻ることにして、島の子供たちにベネディクトへの手紙を託して船に乗り込むことにした。
収穫したブドウを山から港に降ろす作業を手伝っていたギルベルト。
そこにディートフリートが訪ねて来た。何故生きていたなら、戻らなかったのかと。
ブーゲンビリア家のことだと勘違いしているギルベルトに、ディートフリートは「ヴァイオレットの気持ちを察しろ!」と彼女が待ち続けていることを伝える。

そのタイミングで子供たちに託されていた手紙がギルベルトの元に届く。
読み終えたギルベルトに、ディートフリートは自分がブーゲンビリア家を継ぐと言い、「お前はもう自由だ。素直になれ!」と声を掛ける。
そしてギルベルトは出航した船を追って走った。
船は既に出航し始めていた。何とかヴァイオレットに気がついて欲しいという思いで、ギルベルトは押し込めていた気持ちを解き放つように「ヴァイオレット!」と叫ぶ。
その声に気がついたヴァイオレットは、島から離れていく船から躊躇なく飛び込み島に戻る。

再会を果たした2人。ギルベルトはヴァイオレットにもう一度「愛してる」と告げ、そばにいてほしいと伝える。
その言葉を聞いたヴァイオレットは感極まり、ギルベルトに「愛してる」と自分の気持ちを伝えようとするが、嗚咽をこらえるのが精一杯だった。
そんな彼女の姿を見たギルベルトはただ優しくヴァイオレットを抱きしめる。
その後、ヴァイオレットはC.H郵便社で残していた仕事を全て終えると退職した。

テイジーはエカルテ島の郵便局を訪れ、記念切手を購入する。国内で、年間1人あたり手紙を出す量が一番多いエカルテ島。
ここで沢山の手紙を代筆したドールがいたことを郵便局員から聞き、ヴァイオレットの名前を出すと局員も微笑んだ。
デイジーの手には、ヴァイオレットが描かれた切手があった。
「両親に素直な気持ちを伝えたい」と手紙を書き、デイジーは家路を急いだ。

『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の登場人物・キャラクター

主要人物

ヴァイオレット・エヴァーガーデン

ヴァイオレット・エヴァーガーデン

CV:石川由依
本作の主人公。金糸の髪に青い瞳、美しく輝き澄んだような声を持つ可憐な容貌をした少女。
大戦中はライデンシャフトリヒ陸軍の女子少年兵であり、ギルベルト直属の部下として単独で一個分隊に匹敵する戦闘力を持っており、「ライデンシャフトリヒの戦闘人形」の異名で敵軍から恐れられていた。
生死を共にしたギルベルトのことを自身の命に代えても守りたいと思うほど、大切に思っている。
大戦時の戦傷で両腕を失い、ギルベルトも安否不明の「未帰還兵扱い」となる。

大戦後、後見人の一人となったクラウディアが経営するC.H郵便社にて、自動手記人形として代筆業を始める。
少女兵時代にギルベルトに買い与えられたエメラルドのブローチを命に変えても惜しくない程大切にしており、常に身に付けている。
両腕には義手を装着しており、普段は隠すように、養女となったエヴァーガーデン家の奥方に貰った革手袋をはめている。
女子少年兵として戦ってきた生い立ちのためか、感情の起伏に乏しく無表情が多く、誰に対しても敬語で話す。
書く手紙も最初は報告書と評され、他人が伝えたい本当の言葉を理解できない自動手記人形であった。
孤児で言葉も親も知らなかったため、ヴァイオレットという名前を陸軍時代にギルベルトによって花の女神の名前から名づけられた後、エヴァーガーデンという姓を後見人によってその一家のものを名づけられた。

ギルベルト・ブーゲンビリア

ギルベルト・ブーゲンビリア

CV:浪川大輔
ヴァイオレットの陸軍時代の上官。「ライデンシャフトリヒ陸軍特別攻撃部隊」の隊長(階級は少佐)で独身。
代々続く名門ブーゲンビリアの子息であり、当時は当主だった。兄にディートフリートを、原作では妹を持つ。
25歳当時、兄に押し付けられる形でヴァイオレットを引き取り、道具として扱えと言われるが、人として育て戦場を何度もくぐりぬけ、言葉も喋れなかった彼女を見守りながら、いつしか愛するようになる。
士官学校時代からの親友で、ライデンシャフトリヒ国陸軍の少佐(アニメでは中佐)のクラウディア・ホッジンズを後見人としてヴァイオレットを託す。
原作では、大陸横断蒸気機関車事件で伏せられていた生存が明かされ、ヴァイオレットと再会を果たす。外伝ではその後の2人も描かれている。
なお、テレビアニメ版では最後まで安否不明の「未帰還兵扱い」となっており、原作のようなハッピーエンドの形にはなっていない。
劇中ではかつての敵国領地エカルテ島で、孤児院で子供達に文字を教えたり、島民達の手助けをしている。
過去を捨てるように名前も、ギルベルトからジルベールに変えて生活をしている。

ディートフリート・ブーゲンビリア

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