Spangle call Lilli line(SCLL)とは【徹底解説まとめ】

Spangle call Lilli Lineとは、1999年に結成されたバンド。メンバー全員が他に本業を持ち、音楽を趣味と言い切って活動している。
手数の多さや速さなどのテクニカルさや、誰にでもささるトレンドさには手を出さず、音の配置や空間作りを重視して、可能な限り音数を減らす制作スタイル。
枠にはまらないスタイルで作り上げられた彼らの音楽性は、既存のジャンルでは大別できない。
自分たちの好きなことの表現を第一としており、彼らの作品は国内外問わず多くのアーティストから支持されている。

彼らにとっての音楽は趣味であり、さらに藤枝の場合は本業のガス抜きである。
この考えがあるために、肩の力が入りすぎず自分たちの好きな音楽を追求するスタイルが出来上がったのだろう。

Spangle call Lilli lineの美学は音や情報を削ぎ落とすこと

ギターの藤枝は、「音も情報も削ぎ落とすことに美学がある」と語っている。

藤枝:前作(2015年リリースの『ghost is dead』)と今作は、バックグラウンドとしての情報量をすごく持っている作品なんですけど、それをどれだけ削ぎ落としたものにできるか、ということをやっていて。手数の多さや速さとは少し距離を置いて、とにかく「音も情報も削ぎ落とす」というところに自分たちの美学はあるなと思うんです。

出典: www.cinra.net

この美学をもとに音の配置や空間作りを重視して作曲をするため、テクニカルな技法や時流に乗ったサウンドには手を出さずに彼らのスタイルが出来上がった。
そして、20年以上そのスタイルで音楽活動してきたことにより、藤枝は「音や情報を削ぎ落しても残ってしまうものが本質であり、そのアーティストの個性だとも考えている」とのこと。

詞は先にできることはなく曲ありきで作られる

Spangle call Lilli lineの魅力の一つとして、大坪の作る詞が挙げられる。
一見、関連性のない言葉が並べられているだけのようでも、どこかに意味が隠れているような。それを見出そうとすることも、Spangle call Lilli lineの作品を楽しむ方法だと言える。

その詞を書く大坪は、過去にインタビューでこのように語っている。

先に歌詞ができることはまずないんで、曲ありきなんですよね。詰め込み過ぎても苦しいし、伸びすぎても間が空いちゃって嫌だし、いかにバックの音と共存できるかを考えて出てくる言葉だったりするんで…変な言葉になっちゃう(笑)。

出典: www.cinra.net

音の配置や空間作りを意識して構成された楽曲をもとに考えるからこそ、大坪の詞は身体にすっと入ってくるような心地よいものに仕上がっている。
その心地よさから本来は並べて使われることのない言葉同士にも、どこか意味があるようなフレーズに昇華するのだろう。

neruchandayo1122t5
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@neruchandayo1122t5

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