GREAT PRETENDER(グレートプリテンダー)のネタバレ解説・考察まとめ
『GREAT PRETENDER』とは2020年から放送されたTVアニメ。Netflixにて先行配信された1ヶ月後、フジテレビ「+Ultra」枠で放送された。
TVドラマ『コンフィデンスマンJP』などを手掛けた古沢良太が初めてアニメ脚本に挑戦したオリジナルアニメだ。
国際的詐欺集団コンフィデンスマンが世界各地で悪党から大金を騙し取るコンゲーム(信用詐欺)の手口と、それに巻き込まれる自称日本一の詐欺師・枝村真人の人生を描いたクライム・エンタテインメント。
一行は拘束され、クルーザーで海へと連れていかれる。3人はひざまずき、アケミを見上げる。誠司は喚く枝村を押さえ、シンシアとアビーを後ろから撃った。シンシアとアビーは海に落ち、2度と浮かんでこない。
誠司はアケミに、枝村を許してやってほしいと頼む。しかしアケミはあざけり笑い、枝村にせめてもの慰めに誠司を殺してもいいと言う。
枝村は銃を握りしめ、言い訳を繰り返す誠司に引き金を引いた。誠司はゆっくりと倒れ海に落ちた。
2ヶ月が立ち、枝村はアケミの元で裏の仕事を続けていた。アパートへ帰ると、部屋の前には誠司が待っていた。
枝村は誠司から、ローランの身の上話を聞かされていた。
ローランはベルギーの出身で、母1人で育てられる。母のエマはローランのために毎日、熱心に働いていた。しかし詐欺に遭い、なけなしのお金を全て取られてしまう。やがてエマは倒れ、帰らぬ人となってしまう。
その後ローランは、賭けポーカーで金を稼ぎ荒れた毎日を送るようになっていった。
ローランはある日、誠司やドロシー、シウォンのコンフィデンスマンチームと出会う。チームは母を騙した男を詐欺にかけていた。
ローランはチームに勧誘され、着々とウデを上げていく。
一緒に仕事をこなす中でローランはドロシーに好意を持っていく。ローランはついにプロポーズをして、ドロシーは受け入れた。
2人の結婚を機に、コンフィデンスマンチームは解散しようという。
ドロシーは、最後に大きな詐欺を仕掛けてフィナーレとしたいという。そのターゲットがロンフーバンであった。
誠司はドロシーは王族の王女だと偽り、1000万ドルで身柄を劉に引き渡す。
後はローランが、ドロシーを救出するだけだったが、正体がばれてしまう。
ニセの王女役であるドロシーを処分するのに、ローランは通訳として同行させられた。 誠司とシウォンは計画を変更する。
誠司は騙されていたフリをし、シウォンは追っ手から逃げその途中で死んだことに見せ金も見つけさせた。しかし劉が気に入らないというだけの理由でドロシーは撃たれてしまう。誠司は自分の命を守るため警察に捕まることを決断した。
身も心もボロボロになっていたローランを心配してシウォンが訪ねてくる。シウォンは、コンフィデンスマンは殺しは絶対にやらないとローランに説く。ローランはドロシーとの結婚指輪を見つめ復讐を誓った。
ローランは誠司に手紙を書き、ドロシーが喜びそうな計画を立ててくれと頼んだ。
ローランは何年もかけてシンシアとアビーを仲間に入れ、枝村も巻き込んでいった。
倒れる枝村、コンフィデンスマン最終対決
ローランは、劉を訪ねていた。ローランは劉からの信頼が厚く、朱雀会との交渉に抜擢される。
枝村は全ての説明を聞き終えたが、誠司を許すことはなかった。しかし仕事はきっちりこなすと宣言し、誠司を追い返した。
取り引きの材料としてローランは劉に、枝村はアケミに金を用意するように促す。
そして抗争に発展させるという作戦だ。
誠司の計画では朱雀会とロンフーバンが潰し合い、ローランたちが金を回収すると言う作戦であった。しかしアビーや誠司は枝村のことを心配していた。枝村は情に厚く、長くいることにより独断で動く可能性があったからであった。
取り引き当日、劉はあらかじめビルの周辺に部下を包囲させた。
アケミは1000億の小切手を用意し、ヘリで本社ビルへと向かう。
劉と陳、ローランは本社ビルに着くと、ボディーチェックを受けアケミと枝村が居る部屋へと案内される。すると警察に扮したコンフィデンスマンたちが部屋へなだれ込んできた。
アケミや劉たちは包囲される。人身取引の容疑と言って、小切手と現金を証拠として押収した。そこで、ローランと枝村は自分達の正体をあかす。
すると枝村が、アケミの仕込んでいた日本刀を手にしてアケミをかばった。「あなたはボクが守ります」と言って指笛を鳴らす。合図とともに、今度は本物の銃を持った男たちが部屋に駆け込んできた。男たちはカッサーノの一味で、コンフィデンスマンたちを包囲した。
枝村は小切手と現金を取り返した。
枝村は「やっとだ。金髪クソ野郎に勝てた」と高笑いした。そして日本刀を振り回し、誠司とローランに襲いかかる。しかし誠司が日本刀を奪い、枝村を袈裟斬りにした。枝村は血しぶきをあげ、ゆっくりと倒れる。
その隙にコンフィデンスマンたちが、カッサーノの一味から銃を奪い発砲。部屋は銃撃戦となりアケミと石神、劉と陳は部屋から逃げ出す。
4人はエレベーターに乗り込むが、動く気配がない。しばらくすると銃の音が鳴り止んだ。 恐る恐る扉を開けると、部屋はもぬけの殻となっていた。弾痕の跡が残る部屋には、赤いレバーだけがあった。レバーを下げると、床がゆっくりと降下する。下に着くと、辺りには砂浜が広がっていた。
一大詐欺、終結。コンフィデンスマンは世界へ散る
無人島には、生活をしていくだけの非常食や機材は揃っていた。4人は休戦し、助けを待つことしかできなかった。
朱雀会とロンフーバンの取引の朝、枝村はカッサーノと連絡を取っていた。カッサーノは金を報酬とし、誰も殺さないことを条件に契約を受け入れた。
枝村はコーヒーに睡眠薬を仕掛けアケミと石神、ヘリのパイロットを眠らせる。そして枝村が用意した男にヘリを操縦させた。
ローランも劉と陳、その部下たちに睡眠薬を仕込む。
無人島では、誠司たちが部屋の内装を作り込み待機していた。やがてヘリと飛行機が到着し、その後はコンフィデンスマンたちの茶番劇の流れとなっていった。
枝村は血糊を仕込み、斬られたふりをしていただけであった。ターゲットたちが出ていくとすぐに立ち上がった。
壁に隠していたレバーを使って全員が撤収する。そして部屋を上に戻したのであった。
コンフィデンスマンたちと、カッサーノの一味は逃亡用の船の上で祝杯を挙げていた。
夜が明けみんなが寝静まった頃、ローランはドロシーの指輪を見つめていた。そして口づけをすると「もう大丈夫」と言って、朝日に向かって指輪を投げた。
コンフィデンスマンたちは世界各地に散っていった。枝村はコーヒーを勉強するため、沖縄を訪れていた。ローランはアメリカで次のターゲットを見つけ、仕事に取り掛かっていた。
場所は変わって、台湾付近の小島。
老人が釣った魚をさばくと、腹の中に指輪を見つけた。老人は奥さんと、血の繋がっていない若い娘と暮らしている。若い娘は、撃たれて海に沈んだはずのドロシーであった。ドロシーは記憶をなくし、老夫婦に保護されていたのだった。今はシャンシャンと呼ばれている。
老人は、彼女に魚から出てきた指輪をあげた。ローランが海に投げたドロシーの指輪だ。
ドロシーは、指輪をはめて眺めてからにっこりと笑った。
『GREAT PRETENDER』の登場人物・キャラクター
主要人物
枝村 真人(えだむら まこと)/エダマメ
CV:小林 千晃
今作の主人公。国際弁護士の父親(尾崎 誠司)と漢文の教師をする母(枝村 美紀)の間に生まれる。父親から英語を学び、母親から中国語を学んだ。ただし父親が様々な方言が混ざったような発音だったため、枝村の英語も訛りがひどい。
趣味はカプセルトイ集めとコーヒーを淹れること。本来の性格は真面目でお人好し。調子に乗りやすい。
高校生のとき父誠司が未成年人身売買の首謀者として逮捕される。それをきっかけに母美紀が体を壊して入院。一人で母の面倒を見るようになる。出所後も家族のもとに戻らなかった父親を恨んでいた。
その後お茶の輸入販売の会社に就職するが、会社が詐欺で摘発される。社長であった工藤と共に逮捕され、執行猶予つき有罪判決を受ける。
再就職先を探すが見つからず、その間に美紀が他界。出所してきた工藤とともに日本で詐欺を行うようになる。自称日本一の詐欺師。
ローランの企みで工藤やシウォンに騙されロスに行く。そこでローランたち国際的詐欺集団コンフィデンスマンに会う。
ロスでローランに協力し、マフィアのボスを詐欺にかける。枝村諸共騙される形で計画は成功した。
報酬の金を持って帰国すると、日本で犯した罪を自首して刑務所に入る。
その後も何度も堅気に戻ろうとするが、毎回騙されて巻き込まれる形でコンフィデンスマンの詐欺に協力するようになる。
Case4では父親誠司と再会。誠司が本来コンフィデンスマンのメンバーであったことを知る。人身売買での逮捕は誠司が身を守るための計画だったとわかる。
香港マフィアと日本のヤクザを相手取った大掛かりな詐欺を通じて父親と和解する。
ローラン・ティエリー(Laurent Thierry)
CV:諏訪部順一
金髪のフランス人。英語、フランス語、中国語を操るマルチリンガル。コンフィデンスマンでほとんどの詐欺で計画を立てるブレーン的役割を担っている。
常に飄々としていて何事にも動じない。女たらしで下半身が緩いと言われている。ミステリアスで本音を見せない。食えない性格のせいでコンフィデンスマンのなかでも嫌われやすいらしい。アビーやシンシアから時々金髪クソ野郎と呼ばれる。
枝村のことをエダマメと呼んでいる。からかうことが好きで、常に枝村を騙して計画に巻き込む。
幼少期はベルギーで母親と二人暮しだった。この頃から頭がよく外交官を目指して勉強していた。
母親が詐欺でなけなしのお金を取られてしまう。母親はこのすぐ後に急死。ローランは夢を諦めて堕落した生活を送るようになる。
ある日母親を詐欺にかけた男と再会し、復讐しようとする。しかし男をターゲットに詐欺を行っていたコンフィデンスマンのドロシーに止められる。これをきっかけにドロシーに誘われ、コンフィデンスマンになる。
後にローランはドロシーと恋人になり、婚約をきっかけにコンフィデンスマンをやめようとする。しかしその最後の詐欺で計画が頓挫し、ドロシーはターゲットの香港マフィア劉の命令で殺された。
以降復讐を誓って、コンフィデンスマンを集めて詐欺を続けてきた。Case4では再度劉を詐欺にかけて復讐を遂げる。
アビゲイル・ジョーンズ(Abigail Jones)
CV:藤原夏海
コンフィデンスウーマン。小柄で短髪、褐色の肌の美少女。優れた運動能力を持ち、戦闘に強い。Case 2では小型飛行機の操縦も行い、プロのエアレースパイロットとも競える腕前を持つ。
ぶっきらぼうな性格で、詐欺で演技をしている間以外は基本的に無表情。口も悪い。枝村のことも信用しておらず、厳しい態度を取る。
中東出身で、幼少期はバレエを習うような裕福な暮しをしていた。しかしバグダッドの空爆によって両親を亡くし、少年兵として戦っていた過去を持つ。両親のことでトラウマを抱えており、Case 2ではしばしば死にたがる傾向を見せる。
シンシア・ムーア(Cynthia Moore)
CV:園崎未恵
コンフィデンスウーマン。赤髪の挑発ストレートの白人。スタイルが良く、美貌と演技力で男を手玉に取る。豪快な性格で明るく活発。酒好き。
不動産を多数持っており、島も所有している。島には別荘があり、コンフィデンスマンの会合によく使っている。
昔はイギリスで舞台女優を目指していた。なかなか芽が出ず苦心している頃、売れない画家のトーマス・メイヤーと出会う。トーマスの絵のモデルになり、二人は恋人になる。
しかしトーマスが鑑定士コールマンに唆されて贋作画家になってしまう。そのことに反対したシンシアはトーマスと度々衝突するようになり破局する。
シンシアはコールマンに恨みを抱いており、Case 3ではシンシアが主導でコールマンを詐欺にかける。その際トーマスと再会。
シンシアは詐欺に使う贋作をトーマスに依頼する。計画が終わった後シンシアはトーマスとの関係に改めてけじめをつけ、過去を精算する。
Case 4のラストでは人身売買から助けた子どもたちの中の一人カウィンという少年を引き取って面倒を見ていた。
工藤
CV:多田野曜平
枝村の日本で詐欺をしていた頃の相棒。性格は明るくて調子がいい。いい加減な性格だが一度逮捕されるとき枝村を見逃せないか刑事に頼むような憎めない所がある。
元々は枝村が初めて就職した会社の社長。虚偽情報で茶葉の輸入販売を行って逮捕される。似たような前科がある常習犯らしい。
出所後枝村の誘いで手を組むが、ローランに買収されて裏切る。
その後ローランの手口に憧れて英語を猛勉強してコンフィデンスマンとなった。発音は枝村より上手い。
バツイチで娘がいるが、離婚後会わせてもらえないという悩みを抱えている。
キム・シウォン
CV:くじら
コンフィデンスウーマン。作中に出てくるキャラクターの中では最も古株。色仕掛けでどんな男も虜にする元ダイナマイトバディ。本人は今でも現役のつもりでいる。
豪快で大雑把な性格。ドロシーのことは娘のように可愛がっていた。
Case1では主婦・研究所員、Case2では借金の取り立ての元締め、Case3では香港の女マフィア、Case4では人身売買のバイヤーで登場した。
Case 1 Los Angeles Connection
エディ・カッサーノ
CV:斧アツシ
イタリア系アメリカ人。表の顔はハリウッドの映画プロデューサーだが、裏の顔はドラッグを流通させるマフィアのボス。
過去何度も逮捕されているがその度に釈放されている。警察検事政界あらゆる所にコネを持つ。
性格は豪快で短気だが意外と情熱的で人情家な一面もある。箸一本で敵と戦う灼熱シリーズが代表作。
ローランに目をつけられて日本の新型合成麻薬を仕入れる取引を結ぶ。枝村のことをドラッグ開発者と思い込んでいる。
その後取引の場にFBIを装ったシンシアが踏み込んだことでコンフィデンスマンたちに捕まる。動かぬ証拠を掴まれ、それをもみ消すために更に1億ドル払うことになる。
その後証拠は提出され、麻薬密造・取引で起訴され、そこで初めて騙されていたことを知る。
結局その後金の力ですぐ出てくる。
ローランたちのことはそれほど恨んではいない。Case4で枝村と組み、ローランたちの裏をかいたことで溜飲を下げた。
この詐欺の逃亡時にも船を出してくれており、報奨さえ払えば協力してくれる契約関係となった。
『GREAT PRETENDER』の主題歌・挿入歌
OP(オープニング):やまだ豊「G.P.」
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目次 - Contents
- 『GREAT PRETENDER』の概要
- 『GREAT PRETENDER』のあらすじ・ストーリー
- Case 1 Los Angeles Connection
- 詐欺師枝村、コンフィデンスマンと出会う
- 枝村、コンフィデンスマンに騙される
- Case 2 Singapore Sky
- 枝村、またもや騙される
- 情に流される枝村
- Case 3 Snow of London
- コンフィデンスマン枝村、しくじる
- 枝村、少女に一役買う
- Case 4 Wizard of Far East
- 枝村、悪に手を染める
- 枝村の父、誠司登場
- 枝村とローランの過去
- 倒れる枝村、コンフィデンスマン最終対決
- 一大詐欺、終結。コンフィデンスマンは世界へ散る
- 『GREAT PRETENDER』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 枝村 真人(えだむら まこと)/エダマメ
- ローラン・ティエリー(Laurent Thierry)
- アビゲイル・ジョーンズ(Abigail Jones)
- シンシア・ムーア(Cynthia Moore)
- 工藤
- キム・シウォン
- Case 1 Los Angeles Connection
- エディ・カッサーノ
- 『GREAT PRETENDER』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):やまだ豊「G.P.」
- ED(エンディング):フレディ・マーキュリー「The Great Pretender」