GREAT PRETENDER(グレートプリテンダー)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『GREAT PRETENDER』とは2020年から放送されたTVアニメ。Netflixにて先行配信された1ヶ月後、フジテレビ「+Ultra」枠で放送された。
TVドラマ『コンフィデンスマンJP』などを手掛けた古沢良太が初めてアニメ脚本に挑戦したオリジナルアニメだ。
国際的詐欺集団コンフィデンスマンが世界各地で悪党から大金を騙し取るコンゲーム(信用詐欺)の手口と、それに巻き込まれる自称日本一の詐欺師・枝村真人の人生を描いたクライム・エンタテインメント。

『GREAT PRETENDER』の概要

『GREAT PRETEDER』とは2020年から放送されたTVアニメである。フジテレビ「+Ultra」枠で放送する1ヶ月前にNetflixで先行配信され、音声で3カ国(日本語・英語・ポルトガル語)字幕5カ国語(日本語・英語・ポルトガル語・韓国語・中国語)に訳されているため海外でも人気の高い作品だ。
本作はTVドラマ・映画の脚本家として知られる古沢良太の手掛ける初のアニメーション作品だ。古沢良太は日本アカデミー賞や日本民間放送連盟賞など多数受賞歴のある有名脚本家である。
加えてその他の制作陣は、監督に鏑木ひろ(代表作:『91Days』)キャラクターデザインを貞本義行(代表作:新世紀エヴァンゲリオン)、制作会社はWIT STUDIO(代表作:進撃の巨人)と、実力派揃いの布陣となっている。
『GREAT PRETENDER』はCASE1〜4の4部作、1部作につき1つストーリーが完結する。
主人公枝村真人は自称”日本一の詐欺師”。お年寄り外国人などを標的に小さな詐欺を働いていた。
ある日枝村は通りがかりの外国人を騙して金を盗む。しかしその男は国際的詐欺集団コンフィデンスマンの一人ローラン・ティエリーだったのだ。
騙したつもりでまんまと金を盗み取られた枝村は、なんとか金を取り戻そうとローランをつけてアメリカまで飛んだ枝村だったがすべてローランの策略であり、枝村は悪党のみを狙った大規模なコンゲーム(信用詐欺)に巻き込まれていく。
この作品はストーリーが進むごとにキャラクターたちが抱える秘密や過去が明らかになってゆく。クライム・サスペンスでもあるが同時に彼らが詐欺を働きながら自分の過去を乗り越えていく様や、詐欺師たちの不思議な絆を描いたヒューマンドラマでもある。

『GREAT PRETENDER』のあらすじ・ストーリー

Case 1 Los Angeles Connection

詐欺師枝村、コンフィデンスマンと出会う

詐欺師の工藤と枝村真人(えだむらまさと)は水道局員を装い共謀して、ある老女に高額な浄水器を売りつけた。2人は手を組み、あちこちで詐欺を働いている。
ある日2人は飲食店で白人の男に目をつける。財布をだましとろうとするが、だまし返されてしまう。さらに警察に追われるハメとなり、 2手に別れ逃げることに。

枝村は先ほどの白人を見つける。タクシーに乗り込もうとしていたので、枝村もタクシーに飛び乗った。白人はローランと名乗り、同業者でロサンゼルスに行くという。
枝村も警察から逃れ、ローランに仕返しするためロサンゼルス行きを決意。

ロスに着くと、ローランの車に枝村も乗り込んだ。車のテレビでは映画プロデューサーであり、マフィアのボス、レディ・カッサーノの保釈の報道。ローランはある商品をこの男に高額で売りつけようとしていた。

そこで枝村は勝負を提案する。商品を枝村が高く売れれば、財布は返してもらいローランは枝村の手下になる。しかし枝村が負けると、ローランのアシスタントになるという話でまとまった。

2人は大きな屋敷に到着。サラザールと名乗る黒人に案内され、2人はカッサーノと出会う。
ローランは、新種のドラッグだといって「サクラドロップ」をカッサーノに見せた。カッサーノがアメを付き添いの美女、アビーに食べさせた。するとアビーは奇妙に笑い出し、気が狂ったように暴れ出してプールに落ちた。

ローランがサクラドロップを作れるのは、この枝村博士だけだという。そしてカッサーノに500万ドルの取引を持ちかけた。
そしてローランは枝村の隙を見て、その口にアメを放り込んだ。

すると枝村はサラザールから銃を奪い1発放った。そして全員が身を伏せている間に逃げ出した。後ろからサラザールが追いかけていく。
枝村の行動をカッサーノはドラッグの効果だと信じ、ローランと契約を結んだ。

しかし逃げ出した枝村はローランを出し抜き、カッサーノに近づいて1000万ドルで契約を成立させていた。

枝村はサラザールにわざと捕まり、カッサーノへ逃げた理由を説明する。
サクラドロップは本来は癌に苦しむ人のための薬であり、ドラッグとして売るのには抵抗があったというのだった。
さらに枝村はカッサーノが出資している映画の批判もした。批判を受けたカッサーノは、自分の映画がどんなに素晴らしいかを伝えるため、一緒に見ることになる。

枝村はまるで映画のファンであるかのように振る舞い、カッサーノが作った映画だったのかと褒め称える。
打ち解けたカッサーノは1000万ドルを払い、枝村はサクラドロップのレシピを渡すという契約に至ったのだった。

警察ではFBI 捜査官であるポーラ・ディキンスが捜査の指揮を取り、カッサーノを追う。

枝村、コンフィデンスマンに騙される

ポーラの捜査は工場まで及んでいる。取引の場所はこの工場であると読んでいた。

新しく改装された工場で監視カメラが撮影する中、枝村はサクラドロップを完成させた。カッサーノが金を用意する。すると、工場内に武装した警察官達が乗り込んできた。そこにいる者達を一斉に包囲する。ポーラも現場に現れた。

追い詰められたアビーは、サラザールから銃を奪いポーラに突きつけた。しかしアビーとローランは銃で撃たれてしまう。枝村はアビーが奪った銃を拾い、ポーラを人質に取った。

後ろでカッサーノが近くの設備を操作している。すると工場は一気に大爆発を起こした。爆発がおさまると、カッサーノは隙をみて逃げ出し枝村が後を追うが、枝村は返り討ちに遭い気絶した。

枝村は目を覚ますとFBIの車内にいた。ローランとアビーの遺体も近くにある。
カッサーノは、ポーラにサクラドロップ製造の証拠動画を買い取ると提案する。ポーラは1億ドルを要求しカッサーノはしぶしぶ了承した。

枝村はカッサーノとポーラの取引を聞いて怒りに震えるが、誰かに後ろから殴られ気を失う。
目を覚ますと、南国のビーチであった。ローランとアビーが水着を着てはしゃいでいる。 隣にはポーラもいる。しかしFBIのポーラは偽物であって、本当の名をシンシアという。全員コンフィデンスマンだ。

シンシアの別荘に行くと、テレビでカッサーノが連行されている姿が映し出されていた。

ポーラとカッサーノの取引後、FBIの車内で怒って暴れようとする枝村を後ろから殴ったのはアビーであった。カッサーノたちと、ロス市警以外は全てローランの仲間である。銃とローラン、アビーの血も全て偽物。

シンシアが撤収の号令を出すと、事態を飲み込めないサラザールが立ち尽くしていた。サラザールにローランが近寄って来て、もう帰ってもいいと声をかける。
枝村はなぜ自分まで騙したのかと尋ねると、シンシアはロス市警を騙すためだと答えた。

すると枝村と工藤が騙した老女シウォンが現れ、今回の事件で手に入れた1億ドルを用意し全員で祝杯をあげた。

枝村は日本に帰国すると、交番に詐欺を働いたと自首する。騙し取った金を出し、枝村はドルで申し訳ないと苦笑いで謝罪した。

Case 2 Singapore Sky

枝村、またもや騙される

出所した枝村は改心し、自動車整備の町工場で働いていた。

整備の技術を身に付けた枝村は、親方に大変気に入られていた。
ウデを見込まれ、エアレースのチームに入り飛行機の整備士にならないかと誘われる。初めはこの工場で働きたいと言っていた枝村だが、親方の熱意に押されエアレースのチームに加わる事を決意。

枝村は日本を離れ、エアレースのチームがある島に来ていた。同時にローラン、アビー、シンシアも現れる。枝村がなぜここにいるのかと尋ねると、シンシアは「ここは私の島よ」と答えた。さらにエアレースのチームも、工場の親方もローランの仕込みであった。

一行は、シンガポールに到着していた。
サム・イブラヒムとクラーク・イブラヒムという、産油国の兄弟王子がターゲット。街ではすでにエアレースが開催されている。
ちょうど目の前で、クラークが勝利していた。大会の主催者はサム。イブラヒム兄弟はシンガポールで八百長レースを仕組み、のし上がっていた。

しかしクラークは1度、ルイス・ミューラーという選手に負けそうになったことがあった。
ルイスがクラークの飛行機を追い抜いた時、飛行機が急に失速し墜落。ルイスは命に別状はなかったが、障害が残り選手生命を絶たれてしまった。
墜落の原因は、ルイスのことを疑っていたサムがエンジンに仕掛けをしていたのだった。

ローランの計画はエアレースにアビーを出場させ、裏カジノをでっち上げエアレースを使ったギャンブルでサムの財産を奪うというものだった。
まずは枝村をメカニックとして、クラークのチームに送り込む。ルイスとその妻イザベルを協力者として呼んだ。

クラークチームのメカニックが、突然辞めることになった。困っていたクラークとサムの所に、イザベルが枝村を連れてきた。イザベルはメカニックとして、枝村を紹介する。

そこに覆面の男達がシウォンと供に現れる。枝村を連れて行こうとするので、クラークが枝村が何をしたのか聞く。

シウォンはルイスのパトロンだと名乗った。
枝村は、裏カジノで大穴のルイスに賭けていた。大穴を当てるために、ルイスに本気で勝負するように仕向けたのだという。結果ルイスは、事故を起こしてしまい再起不能になってしまった。その落とし前をつけるというものだった。

話を聞いていたサムが興味を持ち、裏カジノを案内する代わりに枝村を買い取った。
サムをカジノへ連れて行くと、工藤が案内人として立っていた。枝村は驚きを隠し、話を合わせる。
枝村が工藤に話しかけると、工藤はコンフィデンスマンになるために修行中なのだという。

サムはカジノを堪能していて、計画通りにことは進んでいったのであった。

情に流される枝村

毎日のように裏カジノに通い、大金を持ち去って行くサム。
しかしある日シンシアとアビーは、あらかじめ相手の飛行機に仕掛けをしておいた。レースが始まると、相手の飛行機は失速し墜落してリタイアとなった。

サムの賭けた金はローランに回収されてしまった。負けた金は必ず取り戻してやると躍起になっている。サムは、裏カジノにどっぷりとのめり込んでいた。

決勝前夜、枝村はルイスのことをクラークに尋ねた。クラークはルイスを尊敬し、本気で勝負がしたいと思っていた。そのチャンスが訪れた試合で、ルイスが事故にあってしまった。

クラークとアビーの決勝の日、サムはクラークに2500万ドルをかける。
枝村は後はクラークの飛行機に仕掛けをして、事故が起きるのを待つだけだと考えていた。

3日前、枝村はイザベルからルイスの話を聞いていた。
ルイスは事故後も飛ぶことは諦めておらず、リハビリを繰り返していると言う。

枝村はクラークになぜ、本気で勝負しないのかと尋ねた。クラークは、エアレース全体のことを考えるとそれはできないと返す。ルイスのことを尋ねると、クラークは枝村の胸ぐらをつかみ事故は自分のせいだといった。

枝村はクラークの飛行機に仕掛けをするのをやめた。
アビーの飛行機には、ルイスが乗る。レースが始まると、クラークはすぐに相手がルイスだと気づいた。ふたりは念願だった勝負を叶え、接戦を繰り広げる。
試合はわずかの差で、クラークが勝利した。

カジノでは、サムが見ていたものはアビーの飛行機が勝利しているニセの映像。サムはアビーを捕まえようと、部下を連れて会場へと急いだ。

その隙にローランは撤収の合図をかける。

会場では優勝したクラークの表彰式が行われていた。
飛行機の中で、1人座っていたルイスにイザベルがかけ寄る。ルイスが「ただいま」と言うと、イザベルはルイスを抱きしめ「おかえり」と返した。

Case 3 Snow of London

コンフィデンスマン枝村、しくじる

フランス、ニース地方。
寿司屋で働く枝村は、店で揉め事を起こし辞めると言って店を飛び出していった。そこでちょうど、ローランとシンシアに出くわす。

枝村の下宿先であるビストロで3人は食事をとることになった。ビストロは父娘で切り盛りしている。
父のセバスチャンと娘のマリーだ。

シンシアは壁にかかっている女性の絵に目が止まり、セバスチャンに誰の作品か尋ねた。セバスチャンは誰の絵かは分からないが、父が貰ってきたものだと言う。
それからセバスチャンは、店をたたんで引っ越すと告げる。マリーの母親が借金を作ったまま、病気で亡くなってしまったのだという。

枝村はある日、カフェでコールマンという男を見つける。コールマンは誰かと電話をしていて、その内容を盗み聞きする。どうやら彼女からフランス土産に絵をねだられているようだった。

枝村はビストロに戻り、セバスチャンにいくらあれば店は畳まずに済むかを尋ねた。セバスチャンが2万ユーロだというと、枝村は女性の絵を2万ユーロで買い取ると言い出した。そしてシンシアに協力を依頼し、コールマンにさらに高額で売りつけようというのだった。

工藤とアビーも協力したこともあって、コールマンに女性の絵を買い取らせることができた。分け前を手に入れた枝村は、ビストロに戻りセバスチャンに女性の絵の代金を支払った。

テレビをつけるとコールマンと現場の画廊が写っていた。モントーヤの名画、「ロンドンの雪」が発見されたという報道であった。価格は2000万ユーロであるという。
すると酒に酔ったシンシアが立ち上がり、コールマンからお金を取り戻しついでに破滅させてやると言い放った。

コールマンはイギリスに戻り、ローランたちもその後を追った。
コールマンが主催するオークション会場に潜入する。中でも目を引いたのが、絵を次々と高値で競り落とす女性ファラ・ブラウンであった。

ローランはファラの屋敷に盗聴器を仕掛け、コールマンとファラがつながっていたことを知る。しかしファラは、コールマンに絵が欲しいがために金を無心されていたのだった。

オークション会場で「ロンドンの雪」が出品された。ファラとローランは競り合いになるが、3000万ポンドに達したところでファラは執事に止められてしまう。

オークションが終わり、会場裏でコールマンはファラを怒鳴りつけた。ファラは泣き出しコールマンは出て行く。
この後ローランの計画は「ロンドンの雪」の偽物を用意し、さらに高額でコールマンに売りつけようとしていた。

枝村、少女に一役買う

次の日、ローランにコールマンが接触。コールマンが「ロンドンの雪」の所在を聞くとローランは闇オークションで売り出すと答えた。

枝村は、シンシアの恋人であったトーマスに会う。トーマスはかつて、名作の模写をしていてコールマンにそのウデを買われていた男だ。

枝村とシンシアは、「ロンドンの雪」の絵の模写を依頼する。トーマスは、一度は断るが枝村に説得され依頼を引き受けた。

トーマスはシンシアと別れる原因となった自分の罪を思い出し、必死で絵を完成させた。

金を騙し取るのは悪人からであるため、アビーとシンシアはもう一つ計画を用意していた。
アビーはファラに近づき話しかけると、コールマンの本性を伝えた。

オークション当日、コールマンにシンシアが近づき微笑みかける。
「ロンドンの雪」が出品されると、コールマンとシンシアの競り合いとなった。
最後はついにコールマンが汗だくとなり1億で落とした。シンシアが心理戦で勝ったのであった。

しかし、ファラの金を当てにしていたがファラは戻らない。
ローランは今日中に振り込まなければ、絵は渡せないという。枝村は用意した「ロンドンの雪」を見せた。コールマンは電話で振込の指示を出し、一時的に支払った。家や会社を手放し、コールマンは多額の借金を抱えることとなった。

コールマンの本性を知ったファラは、今までコールマンに買わされていた絵を全て手放しコールマンから解放された。

枝村たちはフランスに戻り、セバスチャンの店に「ロンドンの雪」を戻した。しかし、マリーはその絵に違和感を感じた。
枝村は突然謝罪し、この絵はトーマスの贋作だという。枝村は絵を入れ替えていたのだった。

枝村はトーマスが全身全霊を込めて描いたこの絵を、コールマンに渡すことはどうしてもできなかったのだった。マリーはその思いを聞いて、ますます絵が気に入ったと喜んだ。

Case 4 Wizard of Far East

枝村、悪に手を染める

枝村は日本に帰国し、貿易業の会社に勤めている。

ある日、上司の石神から会長を紹介するといわれる。案内された先で、会長である朱雀アケミ(すざくあけみ)と出会う。
枝村の前に立つと、アケミは一言「励めよ」とだけ言い残し立ち去った。これをきっかけに枝村は、新しい仕事を任されることになる。

新しい仕事とは、人身売買の仕事であった。枝村が就職した会社は貿易業とは表の顔で、裏では人身売買のビジネスを行っていた。世界中から子供たちを安く引き取り、富裕層や闇業者へ売りさばいていたのだった。

そこで枝村はあることに気付く。
貿易業を選んだのも、偶然求人広告でこの会社を見つけたのも、ローランの仕業ではないかと考えた。
家に帰ると枝村は、ローランに電話をかけ怒鳴り散らす。やがて疲れて諦めてしまい、今回の仕事は何だと尋ねる。

ローランとアビーは、イブラヒム兄弟の弟クラークに会いに来ていた。クラークは兄から独立し、新しいチームを立ち上げていた。ローランはクラークのチームのスポンサーになってもいいが、条件を提示しクラークに協力させるという。

枝村と石神が事務所で仕事をしていると、シンシアとシウォンが訪ねてきた。2人は中東の王族を誘拐し、販売するという話を持ちかけた。疑う石神に証拠を見せると言って、枝村と石神を中東へと連れていく。

そこは元王族であったクラークの練習場所であった。
クラークの妹役はアビー。コンフィデンスマンたちが、銃撃戦を展開する。クラークを引きずり出し、アビーを誘拐する演技を見せた。

石神は信じ込んでしまい、アケミに報告する。
シンシアとの交渉の末、アケミはアビーを10億で買い取ることとなった。
後は枝村がアビーを連れ出すだけだ。

夜、枝村はアビーを部屋から連れ出し会社から逃げ出そうとする。しかしどうしても子供たちを見捨てることができない。

枝村が子供たちも連れ出そうとすると、交代したはずの社員が忘れ物を取りに戻ってきた。仕方なくアビーは部屋に戻ることとなった。

枝村の父、誠司登場

ロンフーバンは朱雀組の傘下であったが、中国の好景気で売り上げを伸ばし独断で独立。 アケミは枝村を、中国語の通訳としてロンフーバンとの交渉に同席させた。交渉場所へ行くと、現れたのは親分である劉(りゅう)の右腕、陳(ちん)であった。陳が一緒に連れてきたのは枝村の父、誠司である。

誠司はかつてある罪で警察に捕まり、以後は行方がわからなくなっていたはずだ。枝村は動揺を押さえ、通訳に徹する。

アケミは陳に上納金を納めるように言うが、陳は拒否。両者の関係は悪化し、陳と誠司は帰ってしまう。

その夜、枝村は誠司を捕まえ一緒に逃げ出そうと説得する。
誠司は話に応じて、アビーと子供たちを連れ出しシンシアのバスに乗り込んだ。バスは高速を進みうまくいっているかのように思えたが、突如石神のバスに囲まれてしまう。
石神に情報を流していたのは誠司であった。枝村は誠司に襲いかかろうとするが、眉間に銃を突きつけられてしまった。

枝村とローランの過去

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