Muse(ミューズ)は1994年にイングランドのデヴォンで結成されたロックバンド。1999年のアルバム『Showbiz』でデビューして以来、メンバーそれぞれの持つ幅広い音楽性とメッセージ性の高い楽曲、そして圧巻のライブパフォーマンスで世界中のファンを魅了し、グラミー賞をはじめ多くの音楽賞を受賞。革新的なサウンドと壮大なステージ演出で知られ、ロックシーンに大きな影響を与え続ける、第一線で活躍するバンドである。
Muse(ミューズ)の概要
Muse(ミューズ)とは、1994年にイングランドのデヴォンで結成されたロックバンド。同じ学校に通いながらも別のバンドでそれぞれ活動していたマシュー・ベラミー、クリス・ウォルステンホルム、ドミニク・ハワードの3人で結成され、1994年に「Rocket Baby Dolls」というバンド名で地元のバンドコンテストで優勝。これをきっかけにバンド名を「Muse」とし、プロを目指し始めた。1998年にアメリカでのライブを敢行後、1999年にアルバム『Showbiz』でデビュー。以降は幅広い音楽性と熱量の高いライブでファンベースを築き、グラミー賞をはじめとした多くの音楽賞を受賞。世界中で待ち望まれるバンドとして、第一線を走り続けている。
彼等の楽曲は「過剰の美学」と評され、とにかくその「壮大さ」に特徴がある。また、その音の広がりは宇宙的とも言われ、とても3ピースバンドとは思えない、完成度の高い楽曲の数々で常に話題となってきた。その楽曲に虜になったファンは世界中におり、日本でも非常に高い人気を誇っている。
お笑い芸人・鉄拳作のパラパラ漫画『振り子』のBGMとして、アルバム『The Resistance』に収録された楽曲「Exogenesis: Symphony Part 3(Redemption)」が使用された縁で、『振り子』が同曲の公式ミュージックビデオに抜擢されたことでも知られている。
Muse(ミューズ)の活動経歴
結成からデビューまで
マシュー・ベラミー、クリス・ウォルステンホルム、ドミニク・ハワードの3人は同じ学校に通いつつ別々のバンドで活動していたが、ドミニクのバンドにマシューがギタリストとして加入し、後にクリスが参加する形で1994年に結成。結成当初は「Gothic Plague」名義でファンクを土台にしたロックを演奏していた。その後、ゴシックやグラムの要素を含んだ音楽性に変化していき、1994年にバンド名を「Rocket Baby Dolls」と改名。地元のバンドコンテストで優勝したことをきっかけにプロを目指すことを決意した彼らはティンマスを離れ、バンド名を「Muse」に変更する。
数年はロンドンやマンチェスターでライブ活動を行い、1998年に行ったニューヨークとロサンゼルスでの小さなライブを経て、インディーズレーベルからEPを2作発表。するとこの音源はたちまちイギリスのインディーズ音楽プレスから注目を集め、ワーナー・ミュージック・グループ傘下のマヴェリックと契約に漕ぎつける。1999年、デビュー・アルバム『Showbiz』を制作。同じくイギリスのバンドであるRadioheadと比較されながらも、このアルバムは全英アルバムチャートで29位を記録。NMEアワーズの新人賞を受賞した。
2000年代
2000年代に入ると、彼らは人気バンドとしての地位を確立しつつもサウンドの幅を広げ、さらに大きな成功と挑戦を経験するようになっていく。2006年には4thアルバム『Black Holes and Revelations』を発表。前作までの路線に加え、フュージョン、エレクトロ、SFテーマ、スペースロックなどの多彩な音楽性を取り入れ、幅広い層にアプローチする動きをする。2009年にはさらに実験性を拡大した5th アルバム『The Resistance』をリリース。同作はオーケストラ、シンフォニック要素、壮大な構成などプログレ色が濃くなり、スケール感を強化した音楽性は、世界各国で絶賛の声を集めた。 このころから、彼らは「ロック」「シンフォニー」「宇宙」「政治的テーマ」と幅広いテーマを持った独自の世界観を確立し、ロックの枠を超えたワールドワイドな音楽性で人気を築いていく。
2009年10月にはイギリス『Q』誌が現在活躍する世界最高のライブバンドを選出する「ベスト・ライブ・アクト・イン・ザ・ワールド・トゥデイ」にも選出され、質の高い音源は勿論、最高のライブ体験を提供するバンドとしても世界的に名が知れ渡るようになった。
2010年代
人気絶頂にありながら、バンドはサウンドの実験性をさらに高めつつ、同時に原点回帰やバランスを模索するようになる。2012年に6thアルバム『The 2nd Law』を発表。エレクトロやファンク、シネマティックなど多彩な要素を大胆に取り込み、サウンドの幅をますます広げていく。2015年には原点への回帰とロックの力強さを掲げた7thアルバム『Drones』をリリース。ここまでの過剰な実験や装飾を抑えたコンセプトアルバムというスタンスでストレートなロックを提供し、このアルバムも世界中で音楽チャート1位を獲得する。同作はグラミーの最優秀ロックアルバム賞にも輝いた。
2018年には8thアルバム『Simulation Theory』をリリース。一転して80年代やサイバーパンク風の電子色を押し出した作品として、サウンドは再び実験的な側面を強める。
2020年代
結成から20年以上を経てもなお第一線を走り続けているMuse
バンドとしてのキャリアも20年以上を越えた彼らは、また新たな形の音楽性を提示する。2022年にセルフ・プロデュース作品として9thアルバム『Will of the People』をリリース。「新曲のベスト盤のようなアルバム」という趣旨で制作されたこの1枚は、多様な音楽性を横断するかのような仕上がりとなり、フロントマンであるマシュー・ベラミーも「集大成」と太鼓判を押す1枚となった。同作も発売初週でチャート1位を獲得し、更に円熟味を増した音楽性を披露する。
このアルバムを引っ提げ、2022年から2023年にかけて行われたワールドツアーでは、新型コロナウイルスによるパンデミック後の復活とライブの再開、そして新世代のファンとの接点拡大を実現。世界中で90公演を超える大規模ツアーとして大成功を収め、2025年秋には、アジアツアーの一環として8年ぶりに来日公演を行ったことでも話題となった。
「老舗ロックバンドとしての貫禄」と「今なお進化し続ける姿勢」が共存した音楽性は世界中でファンを増やし続け、デビュー以来、常に第一線を走り続けるバンドとして愛されている。
Muse(ミューズ)のメンバー
正式メンバー
Matthew Bellamy(マシュー・ベラミー)
ボーカル、ギター、ピアノ、シンセサイザー。幼いころからピアノに親しみ、コンクールでも優勝するなどして頭角を現す。ジェフ・バックリィの影響を受けたビブラートやファルセットを駆使する特徴的なボーカルスタイルで人気を博す。
ギタリストとしては当初ヘヴィ・メタルの影響を受けていたが、徐々にニルヴァーナ、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、スマッシング・パンプキンズなど、テクニカルさよりも「カオス」を追及するようになっていったという。ロックだけでなく、ラテン音楽やスペインのギター音楽からも影響を受けた、幅広い音楽性を持っている。
Christopher Wolstenholme(クリス・ウォルステンホルム)
ベース、ボーカル、コーラス。当初はドラムを担当していたが、学生時代にマシューとドミニクが結成していたバンドからベースが脱退し、加入することになったのを機にベーシストに転向。ピックを使用せず、指引きで多彩なフレーズを生み出している。単にリズム楽器としてではなく、「Hysteria」などの楽曲ではリードを担当するほど力強くテクニカルなベースが特徴。なお、「Hysteria」は『Musicradar』が発表した「史上最高のベースライン・トップ25」で1位を獲得するほどの高評価を獲得している。
2024年8月にソロ・プロジェクトとして「Chromes」を立ち上げた。
Dominic Howard(ドミニク・ハワード)
ドラム、コーラス、シンセサイザー。12歳の頃、学校で演奏したジャズに影響されてドラムを始める。非常にタイトなスネアとキックの音作りでライブ演奏においても発揮されており、結成初期からリズムの核を担う存在。エレクトロ系のトリガーパッドやサンプラーなども取り入れ、ロックと電子音の橋渡しをするかのような手腕に定評がある。
特に「Hysteria」「Stockholm Syndrome」「Uprising」などのライブでの鬼気迫るドラミングは有名。
また、整った目鼻立ちとクールな雰囲気で「美形ドラマー」として名を馳せる反面で、社交的な一面もあることから、ファンの間でも人気が高い。
サポートメンバー
目次 - Contents
- Muse(ミューズ)の概要
- Muse(ミューズ)の活動経歴
- 結成からデビューまで
- 2000年代
- 2010年代
- 2020年代
- Muse(ミューズ)のメンバー
- 正式メンバー
- Matthew Bellamy(マシュー・ベラミー)
- Christopher Wolstenholme(クリス・ウォルステンホルム)
- Dominic Howard(ドミニク・ハワード)
- サポートメンバー
- Dan Lancaster(ダン・ランカスター)
- Morgan Nicholls(モーガン・ニコルズ)
- Rukeco(ルケコ)
- Muse(ミューズ)のディスコグラフィー
- アルバム
- Showbiz
- Origin of Symmetry
- Absolution
- Black Holes and Revelations
- The Resistance
- The 2nd Law
- Drones
- Simulation Theory
- Will of the People
- Muse(ミューズ)の代表曲とミュージックビデオ(MV/PV)
- Time Is Running Out
- Starlight
- Uprising
- Mercy
- Hysteria
- Muse(ミューズ)のライブ動画
- Knights Of Cydonia(Live At Wembley Stadium)
- Muse(ミューズ)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- YouTubeでのヒットがきっかけで公式MVに抜擢された鉄拳の『振り子』
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